そして船は征く [那菜葉 マリア 紫水 唯我]

マリアさんが入室しました
那菜葉さんが入室しました
マリア : (シドリー寄港XX日目 夜―――
マリア : (これは最後の夜だ。
マリア : (この覇海進轟天号がシドリーで迎える最後の夜。
マリア : (そして――今年最後の夜。
マリア : (場所は喫茶EH……の筈なのだが、普段のテーブル席とは様変わりしている。
那菜葉 : ふふふ。
マリア : (喫茶の真ん中に鎮座するは、冬の。 そして――年末年始の風物詩。
マリア : (KOTATSUである。
那菜葉 : こたつに入ると、やっぱりあったかい気持ちになりますね。
マリア : そうですね。家ではあまり馴染みの無いものでしたが…(おこたに入った淑女?二名。
那菜葉 : (ちなみに季節は冬だが轟天号は設備が行き届いているため全く寒くない…のにノリで出してきたのだった。
マリア : なるほど、これは。気に入る者が多いのも頷けます。
那菜葉 : そうですね。寝ころがろうと思えば寝ころがれますし。
那菜葉 : ラプレーンも中央大陸北部。寒い地域なので、
那菜葉 : よく冬はここから動きたくなくなっていました。
マリア : (大きめのこのKOTATSUにはOSOBAやONABEはじめいろいろな料理が並び、雰囲気重視の缶チューハイとか転がってる。彼女は飲まないが。
那菜葉 : …(チューハイを飲んでいる。
那菜葉 : (ちなみに那菜葉はお酒に慣れていないしとても弱い。すでにほろ酔い状態だ。
マリア : そう、雨月藍玉那菜葉は馴染みのあるものなのですね。フォルフラントや、シーナの方に由来するモノと聞きますが。
那菜葉 : そうですね。ラプレーンの市場には時折、旅人から珍しい品が届きます。
那菜葉 : 執事と二人で暮らしている時に、ちょうど買ってくれたの。
マリア : 2人で…ですか。(雰囲気重視か、炭酸水を片手に
那菜葉 : ……ええ。(うつむいて
那菜葉 : たまに、お父様、お母様、お兄様の顔も思い出せないような時があるの。
那菜葉 : あれだけ辛かったのに、人というのは忘れていくものなのですね。
那菜葉 : ……って、暗い!
マリア : …。別に良いのではなくて?(そんな那菜葉に
那菜葉 : せっかくの新年ですから楽しい話をしないとですね!(と言って酎ハイぐびっと
那菜葉 : ……。そうなのですか?
マリア : 今宵は年の瀬。思い出を振り返り、過去に浸るのもそう悪い事ではないでしょう。
マリア : 勿論、浸りきって前を見られなるのは建設的ではありませんが。
那菜葉 : ふふ。万里愛様はあいかわらず優しいのですね。
マリア : 偶にはそんな時間も必要でしょう。(グラスの泡を見つめて
那菜葉 : 確か最初にあった時も、万里愛は優しかったですね…。
那菜葉 : 大勢の人に慣れていなくて泣いてしまった私をかばってくれて。
マリア : ふふ、どうだったかしら。何せ12年も前の事だから。
那菜葉 : もう、そんなに前になるのですね…。
那菜葉 : あの時見た唯我さまは、大きくて怖かったなぁ。ふふ。
那菜葉 : 今は優しい方だって知っていますけどね。
マリア : あの頃の王神帝唯我は本当の怖いもの知らずでしたからね。
那菜葉 : ふふ。まだ8才の子どもですからね。
マリア : 今は随分と臆病になったものですが。 …お前はあの頃よりしゃんとするようになりましたね。(ふふ、と
那菜葉 : あら、それは嬉しいお言葉です。
那菜葉 : 本当はまだめそめそと考えこんでいたりもしますけど。
那菜葉 : …強くなりたい、ですね。
那菜葉 : クルーズは楽しすぎるから、私ばかりこんなに楽しんでいいのかなって。
マリア : 強く、ですか。
那菜葉 : ……そういうふうによく考えます。
那菜葉 : ええ。私が強ければ…。あんなことは起こらなかったかもしれないなって。
マリア : …そうですね、考え込んでしまう事自体は、弱さではないと私は思いますが…、
那菜葉 : …。そうなのですか?
マリア : ええ。反省の無い人間には成長も訪れないでしょう?
マリア : …楽しんでいいのか悩んでしまうのは、過去に失った者達へ後ろめたさからかしら。
那菜葉 : …はい。(しょぼんと
マリア : そう。…
那菜葉 : ……考えても死んだ人は帰ってこない。そう頭ではわかっているつもりなのですけど。
マリア : …えぇ、そうね。私も今の貴方に、月並みな言葉しか思い浮かびません。
那菜葉 : ……、はい。
マリア : お前が沈んだ顔でいるのを、先に逝った者達は望んではいないでしょう。
マリア : ですけど、きっと。…そんな事は解っているのですよね。
那菜葉 : ……ふふ。でも、そう言ってもらえると、とても元気が出ます。
那菜葉 : ……。万里愛さまみたいな殿方とお付き合いしたいなあ。(酎ハイごくごく
那菜葉 : あ、いえ。失礼でしたね。ごめんなさい。
マリア : …、。 (ふいを突かれて
マリア : 、ふ、、ふふっ…(思いがけずツボったらしい
マリア : なかなか面白い事を言いますね。。そんな事言われたのは初めてよ?(堪え切れない様子で
那菜葉 : ……。(きょとんと
マリア : あぁ、いえ。とても光栄よ?お前のような淑女にそんな風に言って貰えるなんて。
マリア : 最大の讃辞とも受け取れるかもしれないわ?(言いつつまだ笑ってる
那菜葉 : そ、そんなに笑わなくても〜…!
マリア : …ふふっ。 でもまあ、ある意味この船らしい、のかもしれないわね。
マリア : そういう…親交を斡旋する催し事が多いでしょう、このツアー。
那菜葉 : 確かに、言われてみれば。
マリア : 知らず影響を受けているのかもしれないわね。(ふふ、と
那菜葉 : まあ、そんなことが……(と、その時誰かが近くを通り過ぎる
那菜葉 : でも、一人。
那菜葉 : 死んだのに帰ってきた人がいましたけど。(笑っているが目が笑っていない
紫水さんが入室しました
マリア : あら。(まあ。
紫水 : ム。
紫水 : (視線を感じ、逃げようとするが
那菜葉 : あら。逃がしませんよ〜?(それを予想して腕を握り話さない那菜葉
マリア : まあ。(無条件コマンドブレイク!行動キャンセル!を見ている
那菜葉 : …座りなさい。これは当主命令です。(にこにこと
紫水 : ……。(冷や汗をかいているが、これまでの生い立ちから当主命令と言われては逆らえない。
紫水 : (こたつに入る包帯ぐるぐる男
マリア : ごきげんよう。飲み物は何に?(静かに微笑みつつ
紫水 : ……。これは皆様。あけましておめでとう。(平静を装っている。
紫水 : …水を。(机の上に転がっている手付かずのペットボトルを手に取る。
マリア : あぁ、うっかりしていましたね。 あけましておめでとう。
マリア : 今年もどうぞよろしくお願いね? 蒼菖蒲の騎士。(にこり
那菜葉 : おめでとう。青菖蒲十継さん。(にこり
紫水 : (新年早々しらばっくれるのもいかがなものかとか考えている。
紫水 : やはり新年。水の味も違いますなぁ。(別の方向から話をそらそうとする
那菜葉 : (こたつの下で逃げられないように足首を掴んでいる
マリア : 私達、ちょうど昔話をしていたんです。(両手でグラス持って炭酸水を飲み
紫水 : フム。
マリア : 年の瀬に過去を振り返ろうという事ね。
紫水 : 過去…か。(何やら思案しながら
マリア : お前、ちょうど良い所に来たわね。昔語りの一つでもされて行けば如何かしら?
紫水 : ………。
紫水 : …。いいでしょう。
紫水 : あれは8歳。私がまだ騎士として未熟だった頃。
マリア : …(案外素直ね。と聞く姿勢
紫水 : 仕えていた家の領内で大規模な反乱が計画されていた。
紫水 : だが、私たちは事前にその情報を掴み、前もって取り押さえることに成功したのです。
紫水 : ……それが私の初の任務でした。
マリア : ……。
紫水 : その家にいたのは首謀者の両親と、まだ年端のいかないその娘でした。
紫水 : 首謀者はその場で殺され、私はその娘の処分を託されました。
紫水 : ……。
紫水 : だが、どうしても私には殺すことができなかった。おそらく今でも私はそう決断するでしょう。
マリア : ………。
紫水 : 私はその娘を逃がしたのです。
紫水 : そして月日が経ち、領内では領主家族で血で血を洗う戦いが始まりました。
紫水 : その戦いを唆したのが、若領主の妻。
紫水 : 名前は違えど、私は一目でわかりました。あの時の娘だと。
紫水 : ……だが、誰にも言えず、私は事態が取り返しのつかない状態になるまで何もできなかった。
紫水 : ……私は騎士失格なのです。
マリア : ……。……
マリア : (那菜葉の方を窺う。彼の語るこの昔話を、知っていたのだろうかと
那菜葉 : ……兄嫁様……。
那菜葉 : いいえ、いいえ。あなたが騎士としてふさわしいかどうかは私にとっては重要なことではないの。
那菜葉 : あなたが私にとって大切な人。青菖蒲十継であるかが重要なの。
那菜葉 : ……それに誰だって、あの出来事に関わった人は自分のせいだって、悩んだりするわ。
那菜葉 : ……でもきっと、人一人では、誰にもどうしようもなかったの。
紫水 : ……。
紫水 : さて。そのことですが…。
紫水 : もはや隠し立てはできないでしょう。
紫水 : (と言って顔の包帯をほどき、取る。
紫水 : (そこから現れたのは、那菜葉のよく知る青菖蒲十継の顔だが、血色が悪く、治らない傷跡らしきものがいくつか付いている。
マリア : ……。(口を挟まず様子を見守っている
紫水 : ……雨月藍玉家騎士団長 青菖蒲十継。死出の旅から舞い戻りました。再びお会いできて光栄です、那菜葉様。
紫水 : (こたつに入りながら一礼する
那菜葉 : ああ、。よかった。
那菜葉 : ………。
紫水 : なぜ私がここにいるのかは…。少々話が長くなりますので今はよいでしょう。
紫水 : カリーナの共同墓地にて、何者かによる死者を蘇らせる術式により再び現世に。
マリア : 死者を蘇らせる…?
紫水 : (そう、異世界レイダープロトによる術式。その際に蘇ったはいいが、主人を守ることができなかった悲しみからろくに戦わず呑んだくれていた歴戦骸骨Eが彼、紫水である。
紫水 : …反魂術の類でしょうが、おそらくこの世界のものとは違うようでした。異世界人かと。
マリア : ……異界の法を用いて蘇った、とでも仰るの?
紫水 : 詳しくは分かりません…。私も呼び出されただけですから…。
マリア : …(片手で顔を押さえて)…そう。
マリア : では、お前もその法則<からくり>を理解している訳では無いのね。
紫水 : ……ええ。全く。
紫水 : …そこからは、呼び出されたはいいものの戦う気も起きず、その場から逃亡し逃亡先のカリーナの喫茶で出会った魔術師の仲間に霊体の記憶を元に肉体を修復された。
紫水 : というところですが、私は何も隠したくて身分を隠していた訳ではありません。
紫水 : ……この術式には期限があるのです。
マリア : ……。
紫水 : このクルーズが終わる時、私は再び生き絶えます。
紫水 : いえ、ちょうどその頃と言いましょうか。
マリア : そう。 ……不思議な話では無いわね。(嘆息して
紫水 : 魔術師が言うには、私の魂は現世に固定されていない。……固定する術もあるようですが、例外的なものです。望みは薄いでしょう。
マリア : そもそも一度散った筈の命が再び宿るという事自体、反則級の話です。
紫水 : ………。
紫水 : その通りです。
紫水 : ……。だから再び、あなたを悲しませたくなかったのです…、那菜葉様。
那菜葉 : ……ありがとう。あなたも変わっていなかったのね。
那菜葉 : でも、私も強くなったの。お気づかいはありがたいけど、大丈夫よ。
紫水 : …私が蘇った理由は、あなたたちを守るためであると私は捉えています。
紫水 : 再び一度は外れた自らの騎士道を歩むために。
紫水 : ……という昔語りでしたが、ご満足いただけたでしょうか。
マリア : ……。そうね。
紫水 : ではこれにて。(こたつから出て
マリア : 正直に正体を明かし、雨月藍玉那菜葉の疑問を取り払った事を私は評価しましょう。
紫水 : ム。
マリア : 彼女もずっとそれを望んでいたでしょうから。
那菜葉 : ………。
紫水 : ……クックック、
紫水 : ハーッハッハ!(高笑いしながら去っていく。生存時の紫水にはなかった習性だが、どうやらクセになってしまったらしい
紫水さんが退室しました
マリア : ……。(見送り
紫水さんが入室しました
紫水 : (付言しておくと、現世に固定する術とは「恋人からの本心の口づけ」であるらしい。
紫水さんが退室しました
那菜葉 : ……。
那菜葉 : 変な人…。
マリア : 全くですね。(頬杖突いて
マリア : ずっとしらばっくれていると思いきや、突然に。…まぁ、彼も年の瀬の気分だったのかもしれませんね。
マリア : ……大丈夫かしら、雨月藍玉那菜葉。
那菜葉 : ごめんなさい。何かお家騒動に巻き込んでしまって。
那菜葉 : ええ。私は大丈夫です!(やや空元気風にも見えるが
那菜葉 : ふふ。でもずっと気がかりだったことが分かっただなんて、
那菜葉 : 年の瀬も素敵なものですね?
マリア : ふふ。
マリア : こんな余所から聞いても重い話を、素敵と捉えられるなんて。
マリア : やっぱりお前はしゃんとするようになりましたね、那菜葉。
那菜葉 : ……。(無言で嬉しそうに照れてる
マリア : ――。 ……あぁ。(窓の外を見る、夜の帳に、わずかな光が見えてきている
マリア : 早いものですね。もう夜明けですか。
那菜葉 : ——ほんとだ。
那菜葉 : 綺麗、ですね。
那菜葉 : 万里愛さま、今年もよろしくお願いしますね。(こたつから立ち上がり、改めてぺこりと。
マリア : まぁ。(合わせて此方も立ち上がって
マリア : こちらこそよろしくね。那菜葉。(一礼し
マリア : 新年あけましておめでとう。
那菜葉 : 新年あけましておめでとうございます。
マリア : ――(そうして。初日の出が差し込む水平線。 夜明けと、新しい年の始まりと共に。
マリア : (覇海進轟天号は、新たなる目的へ向け出港する。
唯我さんが入室しました
唯我 : さあ、出航だ!!!
唯我さんが退室しました
マリア : (船長の威勢のいい一声を合図に、汽笛が鳴り響き―――……
マリア : …折角の初日の出です。甲板に出ましょうか。(那菜葉に言い
那菜葉 : はい!(嬉しそうに
マリア : (テラスから甲板に出る。 グランシスの方向から昇る朝日が、都市シドリーに逆光の陰を落としている
マリア : ……(甲板の手すりに両腕を掛けて、離れてゆく街並みを見つめる
マリア : ……これで、一月と半ですか。(どこか遠くを見るような目で街並みを眺めて
マリア : ……貴方にとっても、私にとっても。良い旅路となると良いですね。
那菜葉 : ええ、本当に。(朝日を背景に髪をかきあげながら笑う
マリア : (―― 斯くして。
マリア : (王神帝クルーズツアー、シドリー寄港編、ここにて閉幕。
マリア : (16名+αを乗せた船。 川道を折れ曲がり、次に向かうは――――戦闘都市フォーデン!
マリア : (Go to next city!
マリアさんが退室しました
那菜葉さんが退室しました