ラフトさんが入室しました
クチナシさんが入室しました
クチナシ : (SGS 3日目 Dチーム
クチナシ : (~これまでのあらすじ~
クチナシ : (メンバーの一人のアホが、ピースの入った袋をスプリングホックの角に引っ掛けてしまい
クチナシ : (猛烈な勢いで爆走する群れを追い、我々は轟天峰を南に走らせた――
クチナシ : (予定ルートから大きく南下し、ようやく群れに追い付いたのも束の間。 Dチームに新たな危機が訪れる――!
ハラペコ肉食獣さんが入室しました
ハラペコ肉食獣 : ガアアアアア!!(スプリングホックの群れが爆走していたのは――我々の車が原因ではなかった!
ハラペコ肉食獣 : (弱肉強食!食物連鎖! 捕食者からの逃走だったのである――!
クチナシ : 空腹で我を失ってる!わたし達も食料だと思われてるわ…!
クチナシ : なんとか止めないと……!(そんなこんなで、飢えた獣との戦闘を余儀なくされたDチームの面々!
クチナシ : (~中略~
ハラペコ肉食獣 : グアアーーーッ!(なんかすごい攻撃を喰らって吹っ飛ぶ
ハラペコ肉食獣さんが退室しました
クチナシ : ―――
クチナシ : ―――
クチナシ : ―――
クチナシ : (そういうわけで、時は色々落ち着いた昼下がり。
クチナシ : (ジルヴィック特性ジビエを食べ終え―――各々に散らばり、お茶を飲むなど休憩タイムとなった頃合い。
クチナシ : ……… ふぅ。(両手でマグカップを持って。一息吐いたところ。
クチナシ : …… 先程は助かりました。 獣の動きを止める道具を召喚してもらって。
ラフト : ああ。なんとか役にたつことができたかな。(砂漠でも変わらずニット帽をかぶる白髪青年
ラフト : ……隣、座ってもいいかな?
クチナシ : …? えぇ、もちろんどうぞ。(微笑んで少し横に避けて
ラフト : どうも。いや、特に用はないんだけどね。(座りながら
ラフト : ここで会うとは思わなかったな、って。
ラフト : 最後に会ったのはいつだったっけ?
クチナシ : 半年…いえ、もう1年ほどになるでしょうか。
クチナシ : 喫茶EBで、著書を頂いたっきり…ですよね。
ラフト : ……。
ラフト : あはは。あれ、もう1年前になるのか。
ラフト : そういえば渡してたね。あの頃は重版が決まってうれしかったから、何かたくさん配っていたよ。(マグカップでコンポタを飲みながら
クチナシ : えぇ…。月日が立つのはあっという間ですね。
クチナシ : ……あの本、とても良かったですよ。
クチナシ : わたしの知らない、見た事の無い風景を覗く事ができるようで…。
ラフト : ……。ありがとう。うれしい感想だ。
ラフト : なんせ、書き手が優れているからね。
ラフト : ………。
ラフト : (次の瞬間、めずらしく「しまった」という表情を露わにする
クチナシ : …、 ……?(不思議そうにラフトを見て
クチナシ : …ふふ、おかしい。 変わった自画自賛の仕方ですね?(くすっと
クチナシ : でも、そのくらい言って良いと思います。 ラフトさん、文才もあるんですね?
ラフト : 僕に文才はないよ……。学がないからね。
ラフト : そうだね、その本を書いた「ラフト=ネプトゥム」は実は僕じゃないんだ。
ラフト : せっかく褒めてくれているのに、なんでこんな話をしているんだろうね。
クチナシ : ……? そんなに謙遜しなくても ――
クチナシ : ……ラフトさんでは、ない。(その言葉の意味を考えるように復唱して
ラフト : うん。僕では、ない。
ラフト : 週刊誌にバレたらやばいかな?
クチナシ : … 別の方が……代筆されているんですか?
ラフト : ……グランシスの図書館で司書をしている女の子がいるんだ。
クチナシ : それとも、ラフトさんは、顔と名前を貸しているだけ…とか?(それは信じたくない、というようだが
ラフト : 彼女はグランシスから出たことがないし、出ようともしない。そして事情があって名前を世間に絶対公表したくない。
クチナシ : ……。
ラフト : 彼女は「記憶の魔人」。僕が体験したものをそのまま記憶の中で経験できる。
ラフト : だから体験はウソじゃないんだ。全部僕が経験したことだけど…、
ラフト : 一度それをたまたま見せたときに、どうしても小説にしたいって言われてね…。
ラフト : ……うん。(軽蔑されてるだろうなと内心思いつつ
クチナシ : ……、……なるほど。 そうだったんですね。
ラフト : …顔と名前を貸している、そういうことになるね。それに、無理に書かせているわけじゃないよ。
クチナシ : …(一旦座り直すように姿勢を整える。 膝を抱えている感じに
ラフト : この「ラフト=ネプトゥム」はペンネームだったってことだね。
ラフト : ……うん。その、ボクは一文字も書いていないから、ゴースト…。うん。(いいよどむ
クチナシ : …ええっと、そうですね。
クチナシ : 所謂ゴーストライター…ですよね。 その、代筆の是非については…わたしが問う事ではないと思っていて。
クチナシ : 有名人の著書を、本人以外が代筆する……というのは、どの世界でもある事なんじゃないかと思いますし。
ラフト : ・・・・・。
クチナシ : ……これから言うのは、わたしの個人的な思いの話です。
ラフト : ……うん。
クチナシ : ……わたしは、ラフトさんの――厳密にはラフトさんの知り合いの書いた本、ですけど……
クチナシ : 世界を見つめる目にとても心惹かれていました。
クチナシ : …ラフトさんが旅の中で見る景色は、こんな風に映っているんだな。 こんな風に世界を見ているんだな、…って。
ラフト : …………。
クチナシ : ……ですから、そうですね。
クチナシ : …そんな情景を表す言葉が、ラフトさんのものでは無かった事は、正直に言って残念に思う気持ちがあります。
ラフト : そう、だよね。(コンポタ飲む
クチナシ : …でも、きっと、わたしにとって一番大事な部分はそこじゃありません。
クチナシ : …本当の話を聞いても、やっぱりあの本は…あの本に書かれた旅は、ラフトさんのものだと感じました。
ラフト : (驚いてクチナシを見る。
クチナシ : ラフトさんが旅の中で、見て、触れて、感じたものを、文字に起こしたもので…、それは嘘ではないんじゃないかって。
ラフト : ……あはは。軽蔑されたかなとドキドキしていたよ。
ラフト : よかった…。
クチナシ : しませんよ。そんな簡単に。(困ったように笑って
ラフト : ……ボクもクチナシさんに話していて気づいたよ。
クチナシ : …旅そのものがフェイクだったら、流石にショックを受けてましたけど。(冗談ぽく
クチナシ : …? 何でしょう?
ラフト : 旅の費用がもらえるから、あまり深く考えていなかったけれども…
ラフト : ボクがしていることは読者を裏切っていることなんだなって。
クチナシ : ……。
ラフト : うん。
ラフト : メルクと一度話してみるよ。
ラフト : あ、メルクっていうのはそのグランシスの司書の子なんだけど。
クチナシ : ……、そうですか。 ……これからは自分で?
ラフト : いや。残念ながらボクには書けない。
ラフト : 「ラフト=ネプトゥム」はペンネームだったって話を公表できないかを相談する…ということになるね。
ラフト : まあ、この砂漠から無事に帰れたらなんだけど。
クチナシ : …、 ……そう、ですか。(少し…いや、かなり残念そうに見える。
ラフト : ……。
ラフト : ……どうかした?
クチナシ : ……すみません。 自分で嗜めておいて、勝手な話なんですけど……
クチナシ : これからラフトさんの旅路を知る事ができなくなるのは、惜しいな、と思ってしまって…(呟くような声音で
クチナシ : ……、、いいえ。 ラフトさんが決断した事ですからね。
ラフト : ……なるほどね。
ラフト : 何か、メルクの執筆が続けられる方法がないか、少し考えてみるよ。
ラフト : そう言われてしまうと、ボクにはやめようがないさ。
クチナシ : ぁ、ぃぇ。 これは本当にわたしの個人的な我儘ですから…
クチナシ : ………、ううん。正直になります。
クチナシ : ……そうして頂けると、嬉しいです…ね。
ラフト : ……うん。そうするよ。
クチナシ : …… ぁ、お茶のお代わり飲みます?(焚き火の上の夜間を取りつつ
ラフト : …ああ。いただくね。
ラフト : ……クチナシさんとは、話していてやっぱり落ち着くよ。なぜかは知らないけれども。
クチナシ : えぇ。(微笑んで マグにお湯をとぽとぽ ティーバッグも入れて
クチナシ : …ふふ、それはわたしもですよ。(隣に微笑んで
ラフト : ………。
クチナシ : ――そうです。良かったら…
クチナシ : この一年の、ラフトさんの旅の話を聞かせてくれませんか?
ラフト : ………。(虚をつかれたようにきょとんとして
ラフト : あはは。
ラフト : ……ろくな旅じゃなかったけどね。うん。ぜひ。
クチナシ : ……? そうなんですか? (ティーバッグ取り出し、ラフトにマグ手渡す
ラフト : ああ…。最近キアシスがたいへんだったよね。実は巻き込まれてたんだ…。(マグカップを受け取りながら
ラフト : その……。
ラフト : この旅が終わっても、連絡していいかな。たまにこういうふうに近況報告しながらご飯とか。うん。
ラフト : (その時、遠くから鷹の「ええええー!!!!もうちょっと筋トレしたらあかんのーーーー?!!!!もう出ないとダメ?!!!!」という叫びが響いてくる。
クチナシ : 、――― …(ふいを突かれて目丸くして
ラフト : ………いや、その。うん。
ラフト : ……そろそろ出発みたいだね。行こうか。
クチナシ : 、……… そ、そうです……ね?(陽気な筋トレマンの声に、様々なタイミングがかき消され――
クチナシ : (……なし崩しに解散となったが、 旅が終わるまでにちゃんと返事をしないと、と思う梔あずみであった。
クチナシさんが退室しました
ラフトさんが退室しました
最終更新:2020年05月24日 22:23