パイソンさんが入室しました
パイソン : (SGS 7日目 夜のこと――
パイソン : (件の宴会場から少し離れ――砂漠の闇に、ぽつん、と小さな拠点がある。
パイソン : (小さな拠点といっても轟天号の片割れと、有り合わせの資材を持ち込んだだけだが――いやに明るい。
パイソン : (――光の中心は――炉だ。いわゆる溶鉱炉。
パイソン : (砂岩で組み上げたドーム状のそれは、窯焼き器にも見えるか。
パイソン : (炉の中へは火箸とよばれる長い鉄の棒が伸びており、それを握るはパイソンではなく――
パイソン : よし、今だハーヴィくん(取り出して、とアイコンタクトして
ハーヴィさんが入室しました
ハーヴィ : は、はい――……!(不慣れな様子ながら火箸を引いて
パイソン : (炉から出てくるは赤熱化した金属片。
パイソン : いいぞ、その調子でー……(そして金床に置かれて
ハーヴィ : よ、、よし……(ふぅ、と
パイソン : しっかり抑えて、(その上から握って固定し
パイソン : いくぞ――(鎚を持ち上げて―― カァン!
ハーヴィ : !(カァン!
パイソン : (甲高く響くと、蛍色の粒子が散る――
パイソン : (そうして何度も叩き、形を整えていくたびに……粒子が夜砂を照らしていく
パイソン : 初めてか。 まぁそりゃ初めてか。(そう、こんな時、こんな場所で――
パイソン : 鍛冶は。
ハーヴィ : ……はい。
パイソン : よし、次で最後の火入れだ。 さっきと同じ様につっこんで。
ハーヴィ : 、わかりました……!(言われた通り火箸を握って もう数度目になり、幾分か手つきも慣れてきた
パイソン : ――ってことで最後の周回だ。 もうひと踏ん張りだぞ(と、炉の反対側に声をかける
アギトさんが入室しました
アギト : ――、今喋ってる余裕ねぇっての……!!(食い縛り汗を流しながら炉に火を起こし続ける炉心担当。
パイソン : 鉄やプラチナはとにかく、タングステンぐらいなら手持ちで何とかするが……(しょうがないだろ、と
パイソン : 良い火力だ。均等で、集中していて。これならヘパイトスの火種無しでも加工できる。
アギト : ッ……簡単に言ってくれるよな……!! 最大火力で一点集中とかよ……!!
ハーヴィ : 、、すみませんアギトさん……!もうひと頑張りお願いします…っ!
パイソン : 可愛い後輩のために一肌脱ごうじゃないか(ん?と肩を竦める
アギト : っへへ、、、任せろってんだよ……!!(言いつつキツい…! 全力で走り続けているようなものだ。
パイソン : (がんばれ、と流しつつ火力の邪魔をしてはいけないので数歩引いてハーヴィの方へ
アイスさんが入室しました
アイス : はぁ(そんな一行の傍で……
パイソン : 原始人一歩手前に戻った気分は?(どうだ?とハーヴィに
アイス : 夜とはいえ、砂漠でそんな(鍛治)作業するとはな……(すげえ暑そうにしながら、 彼は彼で別の作業に没頭している
パイソン : (彼に頼めばハイテクのマシンでアームやら何やら出てきて全自動で加工してくれる、そんな想像も固くなかった
パイソン : (だが実際は、アイスの言う通り、”砂漠でそんな作業”が始まったのだ…!
ハーヴィ : ……緊張します。 ……あと、
ハーヴィ : すごい熱いです……
アイス : (片手にはヴァンキッシュ印の電動工具。先端にはサンドペーパー
パイソン : はは、 そうだな。(笑って
アイス : (ちんまりとした戦利品――選ばれたある石の磨き作業。本来なら機械でン十時間と掛けるようなソレを……
アイス : (手作業で何種類ものペーパーを延々と掛け続ける。150番〜1000番…!
パイソン : 結晶構造だよ。ちょうど六方格子になっていて――(両手の指を絡めて複雑そうに
アイス : (くっそ、終わるのかコレ…!ま、終わらせるっきゃ無いんだけどさ…!
パイソン : そいつの並びが規則的であるほど強くなる。馬鹿みたいに暑い中、何度も叩くのはそれが理由だ。
パイソン : それにほら……見えるか? いや、直視はしちゃダメだが…(ハーヴィの隣に立ちつつ炉心を指差して
ハーヴィ : 、…?
パイソン : あの中心は数万度近くある。 焚き火くんが抑えているからこの距離に居れるが…
アギト : (誰が焚き火だ……!
ハーヴィ : 焚き火君…(復唱
アギト : (ハーヴィ……!!
パイソン : 溶かして、叩いて、不純物を飛ばしてる。 一切の曇りの無い金属ってのはそう作る。
渦明さんが入室しました
渦明 : じゃー、自分はさしずめ蛇口くんですかね?(ははっと
パイソン : 悪いね渦明くん。 純度100%の真水はここだと精製できなくてね。
渦明 : えぇ。準備できてます!(液体の『流れ』を操る能力。水精霊の血を引く彼の持つ力。
渦明 : (その力をフルに応用すれば、水の濾過も可能だ。
渦明 : 鞍馬くんにも運ぶの手伝ってもらって。じゃばじゃばイケますよ?(なーんて、と軽口気味に
パイソン : 良いね。 ”ものづくり”っぽくなってきた。
アイス : 随分原始的だけどな……!
パイソン : 良いじゃないか、原始的で。わかりやすい。
パイソン : スマホを指でさらって、パイソンドットコムが届けてきても実感湧かないだろう?(ん?とアイスとハーヴィに
ハーヴィ : ……はは、それは確かに…(必死で笑顔も力無いが
パイソン : 電子化が進み、全ては自動化され、ボクもデスクワークばかりだが……久々でもこういうのは”良い”。
渦明 : んですね。それに、「いや現物そのまま渡すとか無いだろ。狩りの成果を見せ付ける原始人か?(声色)」って
渦明 : 言ったのアイス君なんでしょ?
アイス : ……!(確かに言った
ハーヴィ : (…ゴメン。バラした。
アギト : (ワイルドで良いと思うけどよ……!!(※しゃべる余裕がない
パイソン : …………(火を見つめて
渦明 : そんなら、自分達文明の一歩先を進んでるっていう事ですよ。
ハーヴィ : 、、それはどうかな…… ……そろそろ?(パイソンに
パイソン : もう少し、だな……(言葉少なく
ハーヴィ : ……、…わかった。
パイソン : …………
パイソン : ……ものづくりって何だと思う?(火を見つめたまま。問いかけはハーヴィだけでなく漠然と……全員か、あるいは独り言か。
ハーヴィ : 、……ものづくり……
アイス : …… 随分観念的だな。(ぼそっと
パイソン : 設計書通りに作るのがそうか? 誰かが描いた仕様書通りにやるのがそうか?
アイス : …それだって、間違っちゃいないだろ。 先人達が試行錯誤を重ねた末に作られた道筋で…
パイソン : ああ。 だが、ボクは違うと思う。
アイス : …今のコレ(鍛治)だって、お前が一から思い付いたものじゃないだろ?(ん、と怪訝そうに
パイソン : ボクが真に思うのは 相手が喜ぶものを、満足するものをつくるのが、ものづくりだと思ってる。
パイソン : ウチの社員にも多くてね。相手が喜ぶ喜ばないが二の次になるんだよ。
パイソン : 当然、ボクはアダムじゃないし(そんなアイスを見遣って
パイソン : 今どきなら便利な道具や手法、洗練された設計書だって
パイソン : ごまんとある。ベストプラクティスってね。
パイソン : ……でも、設計書通りに作るのは得意でも、 相手の顔色を伺うのが苦手な奴が多くてね。
パイソン : 言われたとおりに高級な車椅子を作るのは得意なんだが。
パイソン : 本当はこんな程度でよかったと、杖代わりの木の枝を渡せる奴はまるで少ない。
パイソン : うちの役員ですらだぞ?(笑えるだろ、と
ハーヴィ : ……
渦明 : パイソンさーん。ちょっと説教臭くなってますよー(冗談めかすように笑って
渦明 : まっ、パイソンさんはロマンチストなんですよね。(ははっと
パイソン : んぁあ、悪かった。 齢だなボクも…(額の汗と煤拭って
パイソン : まぁ、なんだ。
渦明 : 多分、顔色の窺い方なんだと思いますよ。相手が何をしたら喜ぶか。満足するか。
パイソン : これを使う人がいる、って想像しながら作業してる君たちこそ
パイソン : よっぽど職人(プロ)だ、ってことさ……っと(ハーヴィの持つ火箸を握って
パイソン : ほら、仕上げは自分でやるんだ。(鎚を手渡して
渦明 : …(火元を遠目に眺めて
アイス : ………(無言で自身の作業に戻る
ハーヴィ : っ、は、はい!(鎚受け取って
ハーヴィ : !(カァン!(半分これまでの見様見真似だが、金属片を何度も叩く
パイソン : 良いぞ。 筋がいい。(粒子が散る中で
パイソン : それを、彼女が身に着けるんだからな。その想像が大事だ。優しく、強く。
パイソン : 愛を込めて、って言うと……尻が痒くなるな?(ハハ、と
ハーヴィ : 、、……!(余計緊張してきたけど……!(何か赤面して
渦明 : (頑張れ~と心でエール送りつつ見守ってる
パイソン : よし、仕上げだ、渦明。 さっき言ったとおり、等間隔で真水を垂らして(目線は金属。チョイチョイ、と指クイして
渦明 : っし、出番ですね? あらほらさっさー!(はーい!
渦明 : (炉の傍――熱されたソレの傍に歩み寄って
渦明 : アギトさんは一旦お疲れ様ですね。 ――そんじゃ、(手を翳し気味に
渦明 : ――「渦宙流転」!
渦明 : (傍に置かれた、バケツの中の濾過された水がふわりと浮き―― 等間隔に垂らされていく
パイソン : (冷やされ強度を取り戻していく金属片――
ハーヴィ : ………(じっと見守る
パイソン : さて。あとはリング状にするだけか――
パイソン : できたぞ。 魔法銀<ミスリル>。
ハーヴィ : ――…ゎぁ。 (思わず零れる、素朴な感嘆の声
アギト : (炉心の火も急速に小さくなっていき――消えて
アギト : (仰向けにバター
渦明 : ――アギトさん!?
アギト : ッハーーーッキッチーーーーー……!!(ゼーハー
アギト : 脳が煮崩れしそうだわ……ちょっと休ませて……
ハーヴィ : う、うん…… ごめん、本当にありがと……!
アギト : 何……良いってことよ……
アギト : そ、それより……絶対ェ、決めてこいよ……!(ググ、と拳上げて
アギト : 男ならよ……!
ハーヴィ : ―――…!
アギト : (そしてグヘーーっと拳落として死ぬ(死んでない
ハーヴィ : ………、うん。 ……頑張る。(小声だが、意志のある声で
パイソン : さて(手パン) 仕上げだな!
渦明 : リング状にするんですよね? またブッ叩いてたらできるんです?(わりと思考が雑
パイソン : ぁあ。(水滴に指さして)お陰様で完全に冷え切ってないからな。お熱いうちにどうぞ、ってわけだ
渦明 : え、マジでそうなんですね。削るとかじゃねえんだ。
アイス : 鍛造リングだからな…。
パイソン : 型に流し込むタイプもあるが…… ま、デザインの都合上もあるか。
パイソン : リングにしたあとは若大将に装飾彫ってもらって、宝石はめたら完成ってわけだ。
パイソン : で、どうよ若大将。 そっちの具合は(アイスのことらしい
アイス : 全くそんな大層な…あぁ、順調だよ。お陰様で充分間に合いそうだ。
パイソン : そりゃ良かった。 まだまだ夜は長いからな。
パイソン : 「次」は「君達」だろ?(ん?と渦明とアイスに
パイソン : (眉間にシワを寄せる二人をよそに――
パイソン : ハーヴィを送り届けたら「次」に取り掛かろうか――(そんな事を言って
アギト : (マジかよ――― と一番思うのは彼であった――!
アギトさんが退室しました
パイソンさんが退室しました
渦明 : そんなもう。人の事ばっか世話焼いてる場合ですかぁ?(そんなお節介に反射的に苦笑して、アイスに視線を向ける
アイス : (こちらはというと、一層眉間の皺を深めるばかり――……
渦明 : (各々に事情も進展も全く異なれど、
アイス : (前途多難な2名である。
アイスさんが退室しました
渦明さんが退室しました
ハーヴィ : ――――
ハーヴィ : (そうして、エールと共に送り出され――……
ハーヴィ : ………本当、助けられっぱなしだなぁ。
ハーヴィ : (大変な作業全部任せた気がする………と作業を振り返り
ハーヴィ : ……(上着のポケットを探り、感触を確かめる。 化粧箱の毛羽立った手触り
ハーヴィ : …。
ハーヴィ : ……ほんと、
ハーヴィ : (こんなに力を貸してくれて。こんなに背中を押してくれて。……どうして、こんなに……
ハーヴィ : ………(「――皆、」
ハーヴィ : (「君やパイソンさんに頼まれたからじゃない。君の力になりたい、と、心から思うからこそ協力するんです。」
ハーヴィ : (「――俺達にとって、君がそう思える人だってだけですよ! ハーヴィ君!」
ハーヴィ : ……
ハーヴィ : うん。
ハーヴィ : そっか……
ハーヴィ : (オレは、オレ自身の事をまだ、そう思えてないのかもしれない。けど……
ハーヴィ : (………そう、なりたい。
ハーヴィ : (差し伸べてくれた、沢山のあたたかい手に、応えられる人間に………
ハーヴィ : (大切な人を、大切だって、言える人間に… ……なりたい。
ハーヴィ : ……(夜空を仰いで
ハーヴィ : …(視線を戻し、前を向いて、
ハーヴィ : …うん。
ハーヴィ : 頑張る。
ハーヴィ : (砂を踏み、歩き出す
ハーヴィさんが退室しました
最終更新:2020年08月24日 08:20