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高潔なる矛と盾 [マリア 紫水 那菜葉]

マリアさんが入室しました
紫水さんが入室しました
マリア : (―― 王神帝クルーズツアー XX日目
マリア : (海に繰り出した覇海進轟天号。航海は続き、中央大陸を離れ
マリア : (目標の南大陸が近づいてきた、そんな時節の話。
マリア : (――時は夜。 轟天号の舳先
マリア : (時々船長が黄昏てるとか噂のこの位置で、海の向こうを見つめる
マリア : (潮風にサイドヘアーとロングスカートを靡かせながら
マリア : ――もうじき南に着きますね。(振り向かず、背に投げかける。居るのは解っていると言うように
紫水 : ……はい。ついにここまで来たかという感慨が湧きます。
紫水 : 前半に比べれば海に出てからは比較的スムーズに進みましたが、
紫水 : それでも何もなかった、というわけではありませんから…。
マリア : そうですね。なかなかに波乱万丈な旅でした。
紫水 : ………。
マリア : そうね。それでも……楽しかったわ。(何故だか思い出を振り返るような声色で
紫水 : ……。この旅が終わってしまうことが残念でなりません。
マリア : 、 ……
紫水 : ……自分にとってもそれは楽しいものだったからです。
マリア : …… そう。 ……
マリア : ……お前の命の期限は、この旅が終わる頃、だったわね。
紫水 : ……。そういえば…、そうでしたね。(フム、と。
マリア : …全く、命の話ですよ? …それは、もう少し具体的な時期は判るのかしら。
紫水 : ……なにせ一度死んだ身ですので。
紫水 : ……まだ術式の崩壊が始まっていないことから、もうしばらくは持つかと。
紫水 : おそらくは、この旅が終わり、菜那葉様を送り届ける。……そのぐらいがリミットかと。
マリア : ……そうですか。 ………(腕を組み、少し考え込んで
紫水 : ……しかし後悔はありません。言葉なく死んでいった雨月藍玉家の者たちに比べれば…、
紫水 : このような時間は、私にとっては過ぎたものにほかなりませんでしたから…。
マリア : ……紫水さん。(顔を上げて
マリア : …お前は言ったわね。 あの砂漠の地下道で。
紫水 : ……ム。
マリア : 「自分は騎士故に、貴方を守る」と。
マリア : あの言葉、実行してくださいませんか。 …即ち、
マリア : 貴方の残りの限られた時間を、私に貸して欲しい。 そう頼んでいます。
紫水 : …。成程。
紫水 : もちろんです。(ざっと膝をつく。
紫水 : ……。残された時間、あなたのために使えるなら、私にとってこれほど嬉しいことはありません。
マリア : …私の願いを聞き届ければ、雨月藍玉那菜葉を送り届ける時間は無くなるでしょう。
マリア : それを知ったで、お願いしています。 ……聞き届けていただけるわね?
紫水 : …。(一瞬躊躇する。
紫水 : (……が、
紫水 : ……承知しました。
紫水 : それがあなたの願いであるならば。
マリア : ………感謝します。
紫水 : ……………。
マリア : ……私には、南でどうしても成し遂げなければならない事があります。
紫水 : 南…、。
マリア : この王神帝クルーズツアーは、南大陸への到着が一旦のゴールと定められ、その後は各自解散となっていますが…
マリア : 私はこのまま南に留まり、ある街を目指す心算です。
紫水 : ある街、ですか…。
マリア : 南大陸東砂漠に位置する都市「ルプ・ウ」。
マリア : 世界が構築される際にシミュレートされた「別の可能性」が残存する……という謂われのある街です。
紫水 : …。レニェ様の、生まれ故郷ですね。
マリア : そうね。 まさか女王が乗っているとは想定外でしたが…。
紫水 : ……。(理由がわからないが何故、とは聞かない。わからないが…、万里愛様のことだから事情がおありなのだろうと考えている。
マリア : ……兎も角、その街に「彼女」は居ます。いいえ、現れます。
マリア : (――「 そうして彼女は追い求めるようになりました。『別の可能性』を。『もうひとつの世界』を。」
紫水 : ええ…。しかしオルカイルカの宴会は、愉快な夜でした。レニェ様はお酔いになられすぎたようでしたが…。
マリア : (―― ……そのうちに分別も論理も見失い。■■■■を憎む余り、■■■■に執着し、陶酔し。
紫水 : ……。「彼女」。
マリア : (―――「××××××。 私の愚かな妹です。」
マリア : …えぇ、お前にはその旅路に同行して貰いたいの。
紫水 : …………。
紫水 : 無論です。
マリア : 恐らくは、闘いになるわ。それも壮絶な。
マリア : 私は強いですし、敗ける気などありませんが、それでも身の保証は出来ません。
紫水 : 私は雨月藍玉家に仕える身である故、騎士としてではなく、私人としての立場ですが…
紫水 : ……この命を賭して、あなたをお守りいたしましょう。
マリア : …… ありがとうございます。
マリア : ……はじめはね、単身で向かう心算でした。 
マリア : 次に、この船ごと巻き込んでしまおうと考えました。「頼もしい仲間と共に」、ですね。
マリア : …けれど、結局はどちらにもしませんでしたね。
紫水 : …フム。
マリア : えぇ。情が沸いてしまったのよ。(らしくないでしょう、と言外に
紫水 : ………。
マリア : 彼等の旅は…「王神帝クルーズツアー」は大団円で終わらせるべき、とね。
マリア : …ですから、こうしてお前に協力を請うのは、只の私情ね。
紫水 : …。成程。
紫水 : ……。私には情が湧きませんでしたか。(立ち上がりつつ冗談風に
マリア : まあ。 答えは良く判っているのではなくて?(冗談返して
紫水 : ………。
紫水 : (意外な反応が帰ってきて、戸惑いながら頰を赤くしている。昔死人だったので血の気は悪い。
紫水 : ……しかし。
紫水 : フフ。愉快なものです。
マリア : まあ。面白い話だったかしら?
紫水 : 主君のために仕え続けたこの生の最後に主君を置いて旅に出るとは。
紫水 : ……。
紫水 : それでは共に行きましょう。南大陸はルプ・ウへと。
紫水 : ……。那菜葉様には、私から話しておきます。
マリア : ………
マリア : …そうね。解っているわ。 今、私は正しくありません。
紫水 : …。万里愛様。
マリア : ……人の臣下を借りよう等と言うのですから。せめて… …?
紫水 : 正しいか、正しくないかではなく。私は今人生で初めて自分の意志で人を守りたいと感じたまでです。
紫水 : それが最後の旅とは。……良い幕切れではないでしょうか。
マリア : ………。
マリア : …… それでも、そうね。雨月藍玉那菜葉には…私から伝えた方が良いでしょうね。
マリア : それがせめてもの誠意と言う物です。
紫水 : …、フム。
マリア : ―――(腕を組んで、目を閉じて
マリア : ……居るのでしょう? 雨月藍玉那菜葉。
那菜葉さんが入室しました
那菜葉 : ………。
那菜葉 : (おずおずと出てくる。
那菜葉 : ……。(めずらしく万里愛をきっと睨む。
マリア : 途中で気配を感じましたが…。何処から聞いていましたか?
マリア : ……不服そうですね。 訳もありませんが。
那菜葉 : どうして、私にも声をかけてくださらないのですか?
那菜葉 : あなたをここで見捨てては、私のこの旅は終わりませんから。
那菜葉 : ……ついていきます。
那菜葉 : (と気迫のこもった声で問答を繰り広げる那菜葉。一体どうなってしまうのか!!!!
マリア : ―――― (目を丸くして
マリア : (――――待て! 次回!
那菜葉さんが退室しました
マリアさんが退室しました
紫水さんが退室しました
最終更新:2020年10月29日 01:29