ネームレス・ブルートゥ [アルド 警備兵 ネムレス シャドウダイバー]

――さんが入室しました
―― : (ココドバイ最南西――シモノセキ・ターミナル。
―― : (港は海にあるとは限らない。砂漠の海を割る砂上運送船がこの街のインフラとなっているのだ。
―― : (しかしそんな幾十、百を超える船も眠る深夜帯。街と違って静寂に包まれている。
―― : (――筈なのだが。
警備兵たちさんが入室しました
警備兵たち : (三つ目のサーモバイザーが暗闇に浮かぶ。
警備兵たち : (どこかに雇われた私設警備兵だろうか。見つ目のフルヘルメットに各部を覆うプロテクター。
警備兵たち : (武器は両手に下げている電磁式の小銃か。随分と物騒で、金が掛かっている。
警備兵たち : (――コンテナや倉庫が整然と並ぶ埠頭を巡回している
―― : (――既に営業はとうに終えている時間。であれば、いかにも怪しいといったもので。
―― : (「何でも最近、シモノセキ・ターミナルに危険なブツが運び込まれたらしい。」
―― : (「そいつが運び出されるタイミングを掴んだ。つまりそうだ。うまいことやってほしい。」
―― : (「時刻は○月○日、○○時。 場所はL4倉庫」
―― : (「……世に平穏のあらんことを。」
―― : (そんな、一方的な電話が署に来たのはつい先日の事だったか。
―― : (よくあるイタズラ電話だろう、何だ最後の。拗らしてるだろ。
―― : (だがまぁ。万が一ってのがある。 俺たち警察ってのはその万が一が取り越し苦労で済むためにえっちらほっちら働く。
―― : (よし、じゃんけんだ。負けた方が往くぞ? せーの……
―― : (――そんなやり取りがあったのも、つい先日の事だったか――
――さんが退室しました
SSTさんが入室しました
アルドさんが入室しました
アルド : ――…… そんなこんなで遥々と。
アルド : (眉唾物の一報を頼りに、やってきました南西の端シモノセキ。
アルド : (…しかしまあ、訪れてみれば随分と厳重な事で。 こいつはどーもマジっぽいスよ先輩。
SST : (最小限の誘導灯だけが寂しく光る、コンクリートと鉄のエリア。
アルド : ……潜入、か…(やるっきゃねェか、と一息吐いて
アルド : (悲しいかな、コソコソかくれんぼするのは慣れている。…もっとも、前はもっと入り組んだフィールドだったけども。
SST : (コンテナで作られた迷路を進む警備員達の愚痴が聞こえる……
警備兵たち : 「っはー、寒っ。これを朝までっすか?」「いや、あと数時間だ。夜明け前には撤収って話だったろ」
警備兵たち : 「かったるいすね……来るのは盛ったカップルぐらいで。過剰じゃないすか?」
警備兵たち : 「だから車を追い返したろう。仕事だ、文句言うな」
警備兵たち : 「へーい……」
SST : (警備兵は十数人居るようだが、ツーマンセルが基本で、決められたルートをぐるぐる歩いているだけのようだ。
SST : (当たり前だが、士気も低く、頭上や背後に対する警戒も薄い。
SST : (足音さえ気をつければ、潜入は容易そうだ……
アルド : …(息をひそめて、慎重に進む。 …出来れば手荒い真似はしたくない。
SST : (コンテナや倉庫の屋根を辿り進めていく――ドローンの警備ユニットは今回は無いようで。
アルド : (不要に暴力を行使するのは、望ましくない。警察たるもの猶更だ。
アルド : (パターン化されたルートの隙を突けそうだ。 警備の目を縫って進んで行く
SST : (そうして、到着することL4倉庫(屋根)――
SST : (屋上部にハッチがあり、屋根裏デッキに降りられそうだ。
警備兵たち : (警備兵達は呑気に巡回していた――
警備兵たちさんが退室しました
アルド : …(ふぅ、と小さく一息。
アルド : …(そう悠長にもしていられない訳で。ハッチまで這って移動し、
アルド : (ハッチを開いて、中へと
SST : (足元には鉄網で出来た屋根裏通路が見える。 跳躍力があれば戻れるが、飛び降りる他無さそうだ。
アルド : …(一考して、
アルド : (中へと飛び降りる
SST : (カシン、と最小限に抑えられた着地音。
SST : (これなら倉庫内に巡回する警備兵には気付かれないだろう――
警備兵Aさんが入室しました
警備兵A : ぇ。
アルド : 
SST : (その鉄橋に警備兵が居なかったらな……!!
警備兵Bさんが入室しました
警備兵B : ぇ何、  は?
アルド : … 追加の警備兵です。(真顔で
SST : (偶然!天井ハッチからは死角で見えなかった……!
警備兵A : ぇ、そうなん――
警備兵B : 絶対違うだろ!!(ジャキリとレーザー銃を構える!
アルド : …。(…ぁーぁ。と内心。 表情こそ変わらないが
警備兵B : (小銃だが両手で構えるタイプのパルスライフル…! 電磁弾を撃ち出すため発砲音もかなり小さい
警備兵A : っ、何者…!(同じく小銃を構える。 ――つまり、”騒ぎにならないよう”徹底している…!
アルド : …。(サイレン鳴ったり、わらわら集まってきたりを想像したが…意外な対応。
アルド : (でもその武器逆に困ったな…
SST : (鉄橋の上、アルドを挟み込む形で立つ警備兵二人
アルド : ……。(しゃーない。と息吐いて
警備兵B : 侵入者だ! お前はHQ(本部)に連絡しろ!(標準合わせて
警備兵A : おっ、ぉぉ、、、ぉう…!!(慌てて通信機を取り出そうとしてワタワタ
警備兵B : とにかく眠ってもらうぜ、気絶止まりだが、置きたら魚の餌だ!(か細い収束音が耳鳴りのように響いて
警備兵B : (レーザーマシンガンを無数に発射!>アルド
アルド : (しゃがみ回避。
警備兵A : (レーザー弾丸は空を切り――
アルド : (挟み込むように立たれていたわけで。 そうすると、どうなるか。
警備兵A : ――っぅわっと危ねぇ!?(掠め、近くの手摺に火花が散る
アルド : (そして足元の鉄鋼路に掌で触れる――一瞬、ちか、と
警備兵A : (迂闊!通信機を地上階に落とす!
アルド : (火花のようなものが散って――警備Aが通信機を取り落とすのに遅れて、
警備兵B : チ、外し―――
アルド : (手元に衝撃。 警備Bのパルスライフルが弾き落とされる
警備兵B : ――、ッ”!?(派手に回転し吹っ飛ばされるライフル
警備兵B : (一階――コンクリの床にカツーンと落ちる
アルド : (衝撃の正体は、アルドの手元から斜めに伸びる――淡光を放つ銀色。 …鋼?
警備兵A : !? てめ、一体何しやがった!?(異様な光景。何かしらの能力か武器かわからぬが――慌てて小銃を構える
アルド : …(バキ、と根本から容易く折って、立ち上がる――ぐにゃりと変形し細剣状に
アルド : (振り向きざまに警備Aに横薙ぎ。 さながらフェンシングの剣の様に、撓る銀閃が小銃を弾く
警備兵A : 棒……剣…!? どっから出しやがった!?(収束音。弾速は極めて早いが、独特のチャージ音から、手練であれば見切られやすい――
警備兵A : ――、、!!(衝撃に怯んでまばたいた瞬間には小銃は手元を離れ――
警備兵A : ――は――。。。!?(背後遠くでカーンと、甲高い墜落音が響く
警備兵B : (や、やべぇ……!! 精々一般人の紛れ込みじゃなかったのかよ……!
警備兵B : (怯むように下がり、階段へ向かう。 落とした通信機を拾う気だ…!
アルド : …。(ぐにゃり、と撓った剣が――…手元に向けて縮んでいく。
警備兵A : …! 何、、だお前は……!(フルフェイス、サーモバイザーで口元しか見えないが明らかに焦った表情で
アルド : (ぐ、と掌に握り込むように収める …到底そんな質量じゃなかった筈だが…)…ッチ、職務熱心な事で…
警備兵A : …! この!(警棒を取り出し、アルドに襲いかかる!
アルド : …!(警棒に向け掌を翳すと――鮮やかな光。
アルド : (掌――にしてはやたら硬質な感触が警棒を防いで
警備兵A : !(ガコン!と肉を叩いたにしては明らかな異音――
警備兵A : な――(いや、警棒を素手で受け止めるなど、下手すれば骨折しようものだが、この男は――
アルド : …(バッと後方に振り返って、警備兵Aから逃げつつ階段へと
警備兵B : ッチ、こっち来やがった…!!(鉄鋼の階段を足早に降りていく
警備兵A : 、! 待て!(一瞬怯むが、すぐに追い掛け
アルド : …一体何を守ってるんです?(階段降りて追いかけながら
アルド : 営業はとっくに終了してんのに、この物々しい警備…
警備兵B : ッ、!(降りきったところで振り返り――片手には警棒!
アルド : …ちっと気になっちまって。 野次馬根性で…
警備兵B : ッなんだお前、知らずに紛れ込んだのか!? ――そいつは、不運だったな!!(撃退せんとスイングする!
警備兵A : 言ってる、場合かー!!(その後ろからはジャンピング唐竹割り!
アルド : いや、本当に知らんスよ(ガインッッッと正面の警棒を片手で受け止めて――
警備兵B : !(受け止められ
アルド : 、!(唐竹割を外套の背中に直撃する
警備兵A : !(直撃に逆にビビるが、階段に着地すると、再び振りかぶる!
警備兵B : ッ、鉄板でも仕込んでるのか…!?(正面受け止められ押すも退くも出来ず
警備兵A : 対象が沈黙するまで制圧ゥ!(再びフルスイング!
アルド : …ッ痛っつ。(警棒を掴む掌から、しゅるるるっと銀色の糸が手首に巻き付いて警備兵Bの片手を拘束
アルド : (フルスイングは普通に直撃する ブン殴るなり反撃するなり、すれば対処できそうなものだが
警備兵B : んな、っ、!!?(腕に巻き付かれ
警備兵A : くそ、見た目以上に頑丈だな!!(しかしノーガードを良いことに三度目のスイング!
アルド : ……、、、(ガクリと頽れて――否、しゃがんで
アルド : (しゃがみ下キック足払い
警備兵A : ――のうゎ!?(空を切ったところへ足払い!
アルド : ――…しゃぁねえ(はー、、、と溜息吐いて、片手を頭の後ろに遣って
アルド : (ぷつ、と
アルド : (体勢を崩した警備兵Aに、薄闇に煌く虹色の糸がしゅるるるっっと巻き付くように伸びる
警備兵A : ――!!(床に墜落――の寸前て銀糸にキャッチされる
アルド : (そして簀巻きに。 突然伸びてきた微発光する糸
警備兵A : っ、これ は さっきの――!!(ぐるぐると巻かれて
警備兵A : っ、ぬ、ぁ!(ずてーん!と床に転ぶ簀巻き一丁あがり!
アルド : (続けて、片手拘束した警備兵Bに視線を向けて。
アルド : (手首に巻かれた糸が虹光を帯び、同じようにぐるぐる伸びて巻き付く――!
警備兵B : っ、な っ なんじゃこr――!(あっという間に両腕を中心に縛られ――簀巻きもう一丁あがりと
SST : (またたく間に警備兵を無力化した――!
警備兵 : 「ッ、、この、、ほどけ、、くそ!」 「ッ、一体何の真似だ!? さてはよその……黑沙会か九頭竜会か!?」
アルド : …。(もがく二名をしゃがみ見下ろし
アルド : 反社会勢力<その辺>と混同されるのは如何ともですが…。そーッスね、何か、面白いモノがありそうなんで。
アルド : ちょっと見てみようかと。……さっきも聞きましたけど。
アルド : 何を守ってンですか、此処は。(後ろ髪に手をやって、彩光
アルド : (細く光る銀糸が――手元でアイスピック状に変形。 警備兵の目の前に翳して
警備兵 : 「ひっ!?」 「何を……!!?」
警備兵 : 「ッ、そんな古典的な脅しに俺らが」 「――ままま魔獣だよ!! 領域から連れてきたっていう!」 「ぉぉぉおおお前――!!」
アルド : …領域の魔獣。 …そいや、最近謎に活性化してるって話スね…(ふむ、と
アルド : ンなモン持ってきて如何するんすかね。アンタ方の雇い主さんは。
アルド : 何か聞いてませんか(古典的な脅しで
警備兵 : 「し、知らねぇよ!」「そもそもどんな魔獣かだって俺らは――」
警備兵 : (―― ズ  ガン! と、大きな衝突音が響く!
警備兵 : 「――っひぃ!!?」
警備兵 : (倉庫内なので音が響くが――震源は此処。 中央に積まれたコンテナの一つだ…!
アルド : ――、……
警備兵 : 「なっ なん 何っ――」
アルド : ………(立ち上がって
警備兵 : (ガゴン、ガゴンと強い衝突音がして鋼鉄の壁が歪み盛り上がる。 言う通りナニかが入っているようで――
警備兵 : 「ッ、嘘、だろ!? 乾眠状態だって聞いたぞ!?」 「ッ、ヤバイヤバイヤバイ!!」
アルド : (ぁー…とコンテナの方を向いて
アルド : (動き出す――前に。再びしゃがんで、簀巻きの銀糸に手で触れて拘束解除。
アルド : ご協力どーも。(適当に逃げろ、と言わんばかりに放って、異音を放つコンテナの方に向かっていく
警備兵 : (言葉尻から警備兵達の言葉に偽りは無いようだ―― では何故。
警備兵 : (銀糸が変形した瞬間。 ―― 一際強い衝突音と共にコンテナが大きく歪む
警備兵 : (――先程までは無かった、”何か”に反応しているというのか。
警備兵 : 「っひいぃ、!」 「やばい、、、本部に連絡…通信機何処行った…!?」
警備兵 : (バギィ、と とうとうコンテナの天井部に穴が開く
アルド : ―――……!
警備兵 : (穴より抜き出るは――黒い――爪――手?
警備兵 : (拉げた金属壁を掴むと、重々しい歪曲音を立てて穴をこじ開けていく
警備兵 : (そうして、出てきたのは――
黒い人型さんが入室しました
アルド : ………(魔獣、と聞いていたが…
黒い人型 : (這い出てくるのは、少なくとも、獣ではない。
黒い人型 : (二足二腕。やや前傾であるが、猿や大猩々の類ではないのは明らで。
黒い人型 : (皮膚はなく、剥き出しに発達した青黒い筋繊維は炭素ケーブルを捻り込んだようである。
黒い人型 : (目や鼻も無ければ眼窩も無い。代わり赤く光るのは血管か何かか? フルフェイスに奔る稲妻模様が目の代わりに見えなくもない。
黒い人型 : (恐らく同じ繊維なのだろう。胸や腕の各部にも似たような赤いラインが赤く明滅、脈動している。
アルド : ………(警戒に構え、先程回収した銀糸をギュ、と掌に握り込む
黒い人型 : ロロロロ……(アルドの方を見る。 喉を鳴らし、不揃いの牙が覗く
黒い人型 : (爬虫類と、人の中間と言うべきか。 しかし、何より異質なのは背より生える、第三の腕。
黒い人型 : (触腕というべきか、先端は鋭く、サソリの尾針に見えなくもない。
黒い人型 : ロロ……(アルドを”見据える。” この怪異、いずれの魔獣にも該当しない。しかし、”いずれかの魔獣には該当する”。 
黒い人型 : (曰く、新種。 曰く、人造。 曰く、生体兵器。
アルド : ………(明らかに、自然のモノではないと解る。直感でだ。
黒い人型 : (この青黒い合成魔獣を何と称するか。  では、名も無き怪異<ネムレス>と――
黒い人型さんが退室しました
ネムレスさんが入室しました
ネムレス : (跳躍! 殆ど予備動作もなく跳ね上がって――アルド目掛けて降ってくる!
ネムレス : ギ ァ !!(降下しながらの爪斬!
アルド : 、―――ッ!(迅―――!(掌の内側がちかちかと光を放って
アルド : ッ!(翳した掌から広がるように銀盾を展開 爪斬にかち合わせる
ネムレス : !!(火花を散らして斬撃が盾を擦り下ろす――着地!
ネムレス : ギ シ ァ !!(吼える! 威嚇か、大暴れの前触れか――
アルド : ――ッ!!(直撃は防ぐものの、盾が大きく抉れる――…強度はそこまででも無いのか
アルド : ……ッチ……(予兆に舌打つ ――「アレ」の性能はピーキーだ。対象の動きを見定めてからにしたい所だが…
アルド : (どちらにせよパワー不足なら、やるしかないか……
ネムレス : !(触腕が唸り、横殴りにスイングしてくる!
アルド : ―――(見据えて、片腕を翳して) ――…天におわす星々よ。
アルド : 今宵も我らを護りたもう。(それは、こんな戦時にはどこか似つかわしくない、祷りのような文言。
アルド : (目を閉じて、 ――守護星【七曜】、機動。
アルド : (――翳した右腕が、ちかちかと真っ赤な光を放つ――今までと明らかに異なる、燃えるような鮮やかな、炎のような光
アルド : (片腕に纏わりつく炎光が、――巨大な砲身を伸ばすように質量を増し、成型されながらスイングを受け止める
ネムレス : ――!!(緋色に輝くそれに受け止められ
アルド : (やがて炎が落ち着き、現れるその武装は――
アルド : (片腕を丸ごと包まんばかりの巨大な砲身。その先端には、閉じかけの蕾のように四枚の刃が付いている
アルド : (手元に近い部分は、さながら溶鉱炉のようにオレンジ色に明滅している――…
アルド : (所謂ガンランスと呼ばれる武装。…あまりに巨大で武骨だが、所々に繊細な銀装飾が施され、そこもオレンジ色に明滅する
ネムレス : ガ!! ギ!(弾かれ、数歩蹈鞴を踏むが――すぐさま襲いかかるは獣の本能!
アルド : ――…【火曜】。『紅蓮華』。(巨大なソレをブンッと横薙ぎにして、触腕を払い飛ばして
ネムレス : (両腕を振り上げ、大振りの爪斬!
アルド : ッ、…!(再び刃をかち合わせる ――シュウウウと独特の収束音と共に、刃先が紅く輝き灼熱を帯びて行く
アルド : …、、、!(【火曜】は自分の七曜の中でもかなりの重装備。忙しなく動く相手に、砲撃は当て辛い……なら、、(ジュウウウ、、、と灼熱の刃がネムレスの爪を焼いていく
ネムレス : ガガガ…!!(ガンランスの穂先を掴み、振り下ろそうと体重を掛けてくる
ネムレス : ギ……!?(知能は低いのか――否、魔獣の森の知識か、生まれたばかりのこの生物では、この兵器の特性までは判らぬのか――
アルド : 、態々穂先を――…(根元の溶鋼部分が脈動のように明滅し――砲口にも光が灯る
アルド : ――ッ、なら!(砲口から短いチャージで放たれる熔熱球弾
ネムレス : (炸裂音が倉庫内を劈く――!
ネムレス :   ギ!! ァ" !?(肘から先が吹き飛び、溶断面から黒い煙があがる
ネムレス : ギ ギ ギ……!!(怯んで数歩後退するが
アルド : ……(無表情で砲身を向ける 短いチャージとはいえ再装填には少々時間が掛かる
ネムレス : ギ ァ!!(触腕で貫かんとばかりに振り下ろす!
ネムレス : (――獣であれば勝てぬ相手に敗走するものだが、この異型には、その生存本能が予め定められていない。
アルド : …(理性も、恐怖も無いか。 そう造られたのか、そう弄られたのか。(刃先を振り上げて受け止め、―再装填完了。
アルド : っ、、!(触腕を吹き飛ばす溶熱弾が放たれる
ネムレス : ―――!!(直撃! 派手に回転しながら吹っ飛ぶ
ネムレス : ッギ、ガ……!!(ブスブスと黒い煙をあげてのたうち回るが――すぐに起き上がる
アルド : 、…。 周囲に害を為す前に、…か。(見据えて、再びガンランスが唸る
ネムレス : ギ、、ギ……!!(残る腕は一つ。だが首でも残ろうものなら最後まで喰らいつくだろう。
ネムレス : (生物兵器とは、得てしてそういうイビツーー
ネムレス : ーーガ ァ!!(跳び掛かる!狙うはアルドの首筋ーー!
アルド : ……!(重いガンランスを両手で持ち上げて――砲身の刃が華開いて動線に立ちはだかる
ネムレス : (紅蓮の華開く爆筒の先に、大顎をあける怪異が迫るーー
アルド : (砲口がオレンジ色に染まり――放射状にレーザー状の熱線が放たれる
ネムレス : ーーギ  ァーー、!!(直撃ーー夥しい熱閃に貫かれ、そのまま光に嚥まれるーー!
ネムレス : (焼ける匂いも残さぬ超光熱が、合成魔獣を焼き払った後ーー
ネムレスさんが退室しました
アルド : ――――!(華撃砲。 ランス内に充填した溶熱を放射状に華開かせる大技。
警備兵 : 「ーーっひ…!」
アルド : ……、……(発動後は溶熱技が扱えず、暫しの冷却期間が必要となるが…
警備兵 : (残されたのは、腰を抜かした警備兵たち
アルド : ……やったか。(ふぅ、と
警備兵 : (ーーそういえば、あの怪異は警備兵達に目もくれなかった。何か理由があるのだろうか。
アルド : (驚異撃退と見るや――淡い暖色光を帯びながら、金属が溶け落ちるようにして武装が消失する。
アルド : ……(先程の銀糸と似ているが、明らかに異なるモノ。 警備兵の声に振り返り
警備兵 : 「……ひっ、、ば、バケモンだ……!」「の、能力者……!」
アルド : …………。
警備兵 : (――と、次の瞬間、黒い何かに再び簀巻きにされる…!
警備兵 : 「もががごが…!!?」
アルド : (ツカ、と床を鳴らして、無言で歩み寄る――と
警備兵 : (更に更にドサリ! 同じように武装解除――簀巻きにされた警備兵達がアルドの目の前にドサドサ落ちる!
アルド : ………!
警備兵 : 「もが…! んぐぐぐぐ!!」「ん”――!! んん”ー!」
警備兵 : 『これ。外に居た人達だから。』(上からノイズの掛かった声。
警備兵さんが退室しました
アルド : ……、…(これは………
シャドウダイバーさんが入室しました
シャドウダイバー : (鉄鋼路に立つ、黒い異形――
アルド : ……… (強い既視感だ。署の前にドサドサ置かれてる、ふん縛られた悪者達。
アルド : アンタは――…『シャドウダイバー』… ですね。(鉄鋼路を見上げて
シャドウダイバー : ――そーゆーアナタは、警察官、だね。
シャドウダイバー : 丁度良かった。捕まえたあとは、手出しする領分じゃないからね……(黒々と燃えるような影に包まれた異形。
アルド : ……ご明察で。 (否、自然か。顔を知られていたとしても。
アルド : …えぇ、後はコチラで処理しましょう。 …ご協力どーも、と言っておくべきですか。
シャドウダイバー : …………。(右、左とあたりを確認して
シャドウダイバー : ………。礼を言われる筋合いは、無いよ。(本来、交わらぬ間柄だ、とでも言うように。
シャドウダイバー : ……これだけ? ――な、わけ。ない、よね。(スン、と僅かに残る残滓を嗅ぎとって
アルド : ………。そッスね。(同調するように。 …此方からすれば、目の前の存在も捕らえる対象に成り得る訳だ。
アルド : …… えぇ、居ましたよ。
シャドウダイバー : …………。(ということは、この人が……
シャドウダイバー : ……そう。
アルド : ……… 人型の異形です。(ボソリ、と
アルド : 魔獣の領域から連れて来た、と言ってましたが…人造か、改造か。とにかく人の手が入ったモノでした。(ぼそぼそと、少なくとも味方では無い筈の相手に
シャドウダイバー : 人型…………魔獣……
アルド : …コレで収まりゃいーですがね。…(まあ、そうもいかねぇだろうなと言外に
シャドウダイバー : 魔獣密猟なら少し前まで、流行っていたけど。
シャドウダイバー : (剥製にして飾る。いつの世も金持ちはやる事が同じと言うか。
シャドウダイバー : あれは殆ど壊滅した筈だし……。何か、毛色違うな……。(ふむ、と
アルド : 次のブームは魔獣改造スか。 …態々ココに運んで来るってのが解せねェですね。
シャドウダイバー : ……悪趣味……。
アルド : ……(周囲を見遣る。 今回輸送されてきた「魔獣」はこの一体か。
アルド : (警備兵も残らず簀巻き。 …一件落着、と言った所か。
シャドウダイバー : …………。(長居する必要も無い、と踵を返す。
シャドウダイバー : あとはよろしく。街のヒーロー、さん。
シャドウダイバー : (言い残すと文字通り影に沈んで消える――
シャドウダイバーさんが退室しました
アルド : ………。(視線で見送って
アルド : ……ンなモンじゃ、ねェ、よ――……(嘆息混じりにぼやく
アルド : …(まぁ、肩書としては、そうか。 法と秩序と、街の平穏を守る者。
アルド : (…少なくとも自分は、そういう存在を志して警察官になった訳だ。
アルド : ――(軽く首振って、通信機取り出して
アルド : ――…… はい、こちらコンフェット巡査です。 一先ず落ち着きましたんで、報告を――…(署との通信を始める
アルドさんが退室しました
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最終更新:2021年02月14日 04:02