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陸の路をなぞって[マリア 那菜葉 紫水]

マリアさんが入室しました
マリア : (ヴァース中央大陸
紫水さんが入室しました
那菜葉さんが入室しました
マリア : (オクターンより発った馬車は、ミド・デリー川の川沿いをゆっくりと進んでいく
マリア : (それぞれ古里に戻るならば、鉄道を使った方が格段に早い。ところが誰の提案か、敢えての馬車での帰路となった。
マリア : (もう急ぐ事は無い。 そのルートは、奇しくも―――…
マリア : …(馬車の中から外を、広大な川の水面を眺めて
マリア : この景色。……旅の始まりを思い起こさせますね。
マリア : あの旅路…「王神帝クルーズツアー」の道程。あの時もオクターンより、川路を上流へと進みました。
那菜葉 : 懐かしいですね。(窓の外を眺めながら
那菜葉 : ようやく、帰ってこれた……。
那菜葉 : 長い夢を見ていたようです。
那菜葉 : 嬉しいような、寂しいような。
紫水 : ………。
マリア : そうね。確かに、遠い昔の事のように思えます。 …(那菜葉の方に視線を向けて
マリア : …ですが、寝覚めはそう悪く無いのではなくて?
那菜葉 : (唯我 : この旅の成立に多大な協力を。感謝の意を込めて!
那菜葉 : (唯我 : 新しき世界への旅を共にする仲間達だ!!!!
那菜葉 : (…今も、あの時の唯我の声をありありと思い返すことができる。
那菜葉 : ふふ。そうですね。
那菜葉 : ……。
那菜葉 : ……私、クルーズに参加するか本当に悩んだんです。
マリア : … そうだったの。(続きを聞く様子で
那菜葉 : ……ずいぶん体調を崩していましたし、もしみなさんに迷惑をかけたらどうしようって。
那菜葉 : でも、参加して本当によかったな…。
那菜葉 : 万里愛様にも、十継にもまた会うことができましたし…。
那菜葉 : ……、
那菜葉 : (一瞬、間を空けて)
那菜葉 : 紫水さんをはじめて見た時、本当に怖かったな……。
マリア : …… …ですってよ?(ちら、とそちらを向いて
那菜葉 : (紫水 : フゥフゥ
紫水 : ……。
紫水 : まことに失礼しました…。
紫水 : ですが、身を隠しながら那菜葉様をお守りしなければと思っていましたので…。
那菜葉 : 別にいいですけど。
那菜葉 : 一言くらい言ってくれてもよかったのに…。
マリア : 早い段階で雨月藍玉那菜葉の縁者と分からなければ、私も不審人物扱いしていたかもしれませんね?
那菜葉 : よかったですね。不審人物扱いされずにすんで。
紫水 : ………。(沈黙しながら焦っている。
那菜葉 : …ふふ。
マリア : 別にいいですけどね。(ふふ、と冗談めかして
紫水 : ……。(沈黙しながら焦っている。
那菜葉 : それで、十継はこの後はどうするのですか?
マリア : …(目線を少し上げて
紫水 : …フム。
マリア : お前にとっては、想定外に生まれた余暇かもしれませんが。
紫水 : (実は全く考えていなかったとは言い出しづらい状況だ。
マリア : …これからは、何をするのも自由よ。
紫水 : ………。
紫水 : 自由ですか。
紫水 : それは困りますね。(めずらしく笑う。
那菜葉 : そうよ。十継は自由にすべきだわ。
那菜葉 : ………、
マリア : 元雇い主もこう言っているのですから。…まあ、直ぐに決める必要は無いでしょうが。
紫水 : …フム。
紫水 : では、那菜葉様をラプレーンまでお見送りして…、
那菜葉 : 嫌よ。
那菜葉 : ……。
マリア : (おや、と那菜葉を見て
那菜葉 : この旅は一人で出てきたでしょ。だから一人で帰りたいの。
那菜葉 : ……それに、
那菜葉 : ううん、なんでもない。
那菜葉 : とにかく、わがままだけど、私は一人で帰りたい気分なの。
紫水 : ………
マリア : ……。
紫水 : —————(内心ショックを受けている
那菜葉 : ……、
マリア : 何、雨月藍玉那菜葉も色々と整理したい事があるのでしょう。
マリア : 長い旅でしたし、これからの事もありますからね。
紫水 : …、フム。それならば。
那菜葉 : 十継。
那菜葉 : あなたは自由なのよ。過去のしがらみじゃなくて、今の自分の気持ちに素直になって、自分のこれからしたいことを決めてね。
紫水 : ………
紫水 : ……………
紫水 : 
紫水 : (…これからしたいことか。
マリア : ……(腕組んで紫水の様子を見ている
マリア : お前は生まれついての従者ですからね。蒼菖蒲家の人間は、そのように教育されると聞きます。
マリア : その弊害かしらね。自らの感情で行動するのが苦手なのかもしれません。
マリア : …(ふむ、と一考し
マリア : それなら、一つ提案をしましょう。
紫水 : …ム。
那菜葉 : (話を聞いている。
マリア : この馬車はシドリー行きです。そこからは鉄路となり、道程が分かれる事になります。
マリア : 紫水さんには私の警護役の任を与えましょう。グランシスまで見送って頂けるかしら。
紫水 : 
紫水 : …わかりました。
マリア : 私は一人で帰りたい気分ではありませんしね。勿論報酬は与えます。(どうかしら、と見遣って
紫水 : ………。
紫水 : (マリアがまだ言い終わってないほどのタイミングで承諾。
那菜葉 : …ふふ。
那菜葉 : 私もそれがいいと思います。
マリア : …(返事早かったな…と見遣って
紫水 : ……………
紫水 : (なぜかちょっと恥ずかしい。
マリア : ルプ・ウでの戦いから引き続き、手を借りる事になりますが。頼めますね?
紫水 : …勿論。断る理由はありません。
那菜葉 : (二人のやりとりを眺めながら。
マリア : えぇ。宜しくお願いしますね。
那菜葉 : …、そのままグランシスに住んでしまってもいいんじゃない?
那菜葉 : 行くあてもないのでしょう?
那菜葉 : もちろん、万里愛様が望まれるなら、ですけど。
紫水 : ……………
紫水 : ……………………………………………
マリア : 私が、ですか。(那菜葉を見て
那菜葉 : …、ええ。
那菜葉 : 変に放浪されるよりも私も安心しますし。
マリア : ………。身の置き所が定まらないようでしたから、同行を提案しましたが。
マリア : そこから先は、……私が決める事では無い、と思うわ。(珍しく、言葉を選ぶように、視線を少し下に外して
マリア : 今の私に、そこまで彼を縛る権利はありません。
紫水 : 
紫水 : …しかし、雨月藍玉家、いや、那菜葉様は……
那菜葉 : 十継。
那菜葉 : お兄さまが狂われてみんながいなくなってから、ずっとマメゾウと二人で暮らしていたわ。
那菜葉 : …マメゾウが死んでからは一人で生きてきたの。
那菜葉 : …別にあなたがいなくても、何も困らないのよ。
マリア : 
紫水 : ……しかし、
那菜葉 : ふふ。貴方はもう雨月藍玉家の騎士団長じゃないのよ。
那菜葉 : …、でも納得できないと言うのなら、そうね。
那菜葉 : 当主命令よ。
マリア : …(そんな那菜葉を見遣って
那菜葉 : 青菖蒲十継、あなたはクビよ。(にっこりと笑顔で。
紫水 : …………
マリア : …本当に良いのかしら、雨月藍玉那菜葉。
那菜葉 : はい。何も問題ありません。(窓の外を眺めながら
紫水 : …………
紫水 : (さすがに落ち込んでいる。
マリア : お前が、家を再興する決意を固めたという話は聞きました。 …それは、
マリア : 非常に険しい道程になるでしょう。私も出来得る限り助力しますが…
那菜葉 : ええ。でも一人でがんばってみたいの。
那菜葉 : それにミツキだっているわ。他に協力してくれる人も。
那菜葉 : ………。
マリア : ………
那菜葉 : だから、私は大丈夫。(笑顔で。
マリア : ……(何とも言えない表情で那菜葉を見ている
紫水 : ……。那菜葉様がそう言われるのなら。
紫水 : ……そうですね。万里愛様を送り届けてから、考えようと思います。
マリア : …お前を侮っている訳ではありません。お前の覚悟を信じたいわ。(でも、と
マリア : ………(続きの言葉に詰まり沈黙する。 …今この場では言い辛い
マリア : …もしも、(が、口を開いて
マリア : …私や彼に慮っているのなら、それは止めてちょうだいね。
マリア : それは、どちらの本意でも無いと断言します。
那菜葉 : …。
那菜葉 : ・・・・・・。
那菜葉 : そう、思われるかもしれませんけど、
那菜葉 : これは自分のためにでもあるの。
マリア : ……、(は、と
那菜葉 : …。雨月藍玉家にふさわしい当主になるために、
那菜葉 : 変わりたいの。
那菜葉 : いつまでも十継に頼ってたら、私きっとだめになってしまうから…。
マリア : ………。 そう、ですか。
那菜葉 : はい。(笑顔で
紫水 : フフ。
紫水 : そうであるならば。
紫水 : しかし、もしも那菜葉様が危ういときはすぐに駆けつけてもよろしいですね。
那菜葉 : ええ。友人として、ね。
紫水 : …。友人。(きょとんと
マリア : 友人、ですか。(ふふ、と
紫水 : 友人……。(幼い頃からずっと主従関係であったため、全くぴんときていないようだ。
マリア : …友人。そうね、そうだわ。 仕える仕えないの間柄でなくとも、手を差し出す事は出来るのよね。(何故そんな事にも気付かなかったのだろう、という風に
マリア : 私も友人として、お前が困った時にはいの一番に駆け付けるわ。雨月藍玉那菜葉。
那菜葉 : (ずいぶんと前の、まだ幼さを残した紫水の姿が那菜葉の脳裏に浮かぶ。那菜葉もずっと子どもだった頃のものだ。
那菜葉 : ありがとう、万里愛様、十継。
那菜葉 : でも、それは私だって同じよ?
マリア : えぇ、勿論よ。(微笑んで
紫水 : ……。(嬉しそうな表情でそのやり取りを見守っている。
那菜葉 : (———————そして、馬車は行く。
那菜葉 : (それから数刻が経った。
那菜葉 : (時折休憩も入れながら、たわいのない会話をして過ごしていたら、窓に映る風景はシドリーの街並みになってきた。
マリア : (川面の風景も、次第に雰囲気が変わり――…
マリア : (やがて馬車は所定の停留場所に辿り着く。 川登りの旅は、ここまで。
那菜葉 : ……。着きましたね。
マリア : …ええ。そうね。(交通利便性を重視してか、鉄道駅がすぐ傍にある。
マリア : 流石に船旅よりは早かったわね。(あれは超低速運航だった
那菜葉 : ふふ。なんだかあっと言う間だったなぁ。
マリア : そうですね。 南に着いたのは、あれだけ長い旅路の果てでしたから。
那菜葉 : …よいしょ、と。(と言いながら馬車から降りる。
マリア : 帰りは随分とスムーズなものです。(同じく降りて
那菜葉 : (あたりはすっかり夕暮れだ。オレンジ色の日光があたりを照らしている。
紫水 : (同じく降りる。
マリア : …(ミド・デリー川のお世辞にも美しいとは言えない水面も、橙色に照らされて
那菜葉 : …、それじゃあ私はこっちなので。(別の停留所へと歩いて行こうとする。
マリア : …見送りましょう。グランシス行きまではまだ時間がありますから。
那菜葉 : …。ありがとうございます。(ぺこりと。
那菜葉 : …。
那菜葉 : あっけないなあ。(夕日をながめながら、ぽつりとつぶやく。
マリア : (那菜葉の乗る列車は、セントラル経由キアシス行。そのプラットフォームへと歩いていく一行
マリア : …そうね。
マリア : 名残惜しくなったかしら? 雨月藍玉那菜葉。
那菜葉 : ……。
那菜葉 : ふふ。名残惜しいに決まっているじゃないですか。
那菜葉 : ……ずっと続くんじゃないかなって船に乗っているときは思ったけど、
那菜葉 : 終わってしまえば、旅もあっという間だったなあ。
紫水 : ………。
マリア : …。(ラプレーンは僻地だ。帰り着いてしまえば、彼女はそうそう外に出る事もかなわなくなるのだろう
マリア : …これからよ。(ぽつりと
那菜葉 : 
マリア : 旅路で得た物を糧にして。私達はこれからも…進んで行かなくてはなりません。
那菜葉 : …ええ、そうですね。(笑顔で
マリア : …ええ。私達は、かの『四帝』の末裔ですし、
マリア : まだ20そこそこの娘なのですからね。(ふふ、と笑って
マリア : これからよ、これから。 大きな旅をしたからと言って、それを人生のピークにする必要はありません。(なんか妙に開き直った感じで
那菜葉 : …。万里愛様。
マリア : …。ええ、何かしら?
那菜葉 : ありがとうございました。(深々と一礼。
那菜葉 : 船ではずっと手助けしてもらって。
那菜葉 : 私はラプレーンで万里愛様はグランシスなので、なかなか会う機会も少なくなるかもしれないので、
那菜葉 : 今、ちゃんとお礼を言っておきます。
マリア : …礼には及ばないわ。 私は私のやるべき事を、やりたいようにやっただけです。
マリア : …それに、私も。 お前という友人と同行する事が出来て良かった。
那菜葉 : …うふふ。(少しうつむいて、表情を見えなくする。
那菜葉 : ………万里愛様らしいなあ。
紫水 : …………。
マリア : …。(見遣って
那菜葉 : それから十継も。
那菜葉 : いままでずっと、ありがとうね。
紫水 : ……。
マリア : ………。
紫水 : …では、友人として言います。
紫水 : 那菜葉、ありがとう!
那菜葉 : ………。
那菜葉 : (きょとんとする。
マリア : (同じくきょとんとして紫水を見上げる 意外すぎた
那菜葉 : …、何それ、急に。変なの。あはははは。(だんだんと笑いが込み上げてくる。
マリア : …、雨月藍玉那菜葉。それを言っては……(言いつつ口元押さえて、なんか声震えてる
那菜葉 : あ、はは。
那菜葉 : (泣かないでいようと思っていたのに、
那菜葉 : (……思えば、青菖蒲十継はずっと前からとんちんかんなところがあった。
那菜葉 : …はあ。やだなぁ……。(色々な、一つ一つの十継との思い出が頭を過ぎる。
那菜葉 : (大粒の涙がこぼれて、顔を上げることができなくなる。肩を震わせる。
マリア : ………、(は、として
紫水 : ……。
紫水 : …那菜葉様。こちらこそありがとうございました。
紫水 : また、会いましょう。
マリア : ………(涙する那菜葉を黙って見つめて
マリア : …… 那菜葉、
マリア : ……お前の決意を尊重します。(ゆっくりと歩み寄って
マリア : ありがとう。(那菜葉をぎゅ、と優しく抱き寄せる
那菜葉 : ………-——————万里愛ぁあ…。(うまく声にならない。
那菜葉 : (そうしている間に、雨月藍玉家お抱えの運転手付き竜車が到着する。
那菜葉 : (相変わらず、運転手はだるそうに竜を運転している。
那菜葉 : (あげく空気を読まずに「那菜葉様ー、つきましたよー」なんて言ってくる。
那菜葉 : ………。(しばらく運転手を無視して、万里愛に顔を埋めていたが。
マリア : ―――……。(やがて腕の力を緩めて、背中を一度ポン、と押してから、那菜葉を開放する
那菜葉 : ……。
那菜葉 : (ゆっくりと竜車のステップを上がっていき、
那菜葉 : (ふかふかとした座席に座る。
那菜葉 : (運転手は空気が読めないので、とっとと出発する。
マリア : ……(そんな那菜葉の背を見送る 馬車の座席を見上げて
マリア : ……… 元気でね!(珍しく声を張って
那菜葉 : …そっちこそ!(窓を空けて、精一杯腕を振る。涙と笑顔で顔がくしゃくしゃだ。
那菜葉 : (そのまま竜が一吠えし、何事もないかのように出発する。
那菜葉さんが退室しました
マリア : ―――………(竜車が見えなくなるまで、無言で見送る
紫水 : 那菜葉ー!!!がんばれー!!!(こちらも珍しく大声で手を降っていた。
紫水 : (が、姿が見えなくなると途端に停止する。
紫水 : ……行ってしまいましたね。
マリア : ……。 そうね。
マリア : …… 私達も、向かいましょうか。(くる、と踵返して
紫水 : そう、ですね。(一瞬、那菜葉の乗った竜車が進んだ方向を見遣り、
マリア : ……(そんな様子を、目線だけ一瞥して
紫水 : (「がんばれ。那菜葉」と再び心の中で念じてから、
紫水 : …行きましょう。(踵を返し、歩を進める。
マリアさんが退室しました
紫水さんが退室しました
最終更新:2021年02月27日 03:00