唯我さんが入室しました
唯我 : (夕暮れ時
唯我 : (唯我は沈みゆく夕陽を見て黄昏ていた
唯我 : (ココは喫茶ECの更に先
唯我 : (海辺。いわば崖
唯我 : (眺める景色は前後どちらも良いが
唯我 : (表情は明るくない…そして暗くもない
唯我 : ハッ、
唯我 : 何故オレはこうも夕陽を見にくる?
唯我 : そんな日課は無かったはずだが。
唯我 : “天”がそれを求めるなら…ハッ、それだけの話さな
唯我 : (夕陽を眺めている
唯我 : (そして黄昏ている
渦明さんが入室しました
渦明 : …(そんな唯我を遠目に見る、ひとり分の影
渦明 : ………はーぁ。
渦明 : …じゃ、まー…その。(ボソ、と 一人にも関わらず、誰かに語り掛けるように
渦明 : 行き過ぎそうになった時は…お願いします。まー、何事も無く話せりゃそれが良いんですけど…
渦明 : (こんな事言ってる時点で半分諦めてるのである。 とにかく。
渦明 : (遠く、夕陽を眺め照らされる崖先の影に向かい、歩いていく
渦明 : …… ―――唯我さん。
唯我 : …(その声に、振り向き
唯我 : 渦明か。
渦明 : はい。(唯我のよくよく見知った顔である。…下手すると20年くらい前からか。
唯我 : どうした? こんな場所に、
唯我 : そんな面持ちで。
渦明 : …(―…そう、基本的に嘘が下手なのだ。表情なんか特に。
渦明 : …唯我さんに、幾つか聞きたい事があって来ました。
唯我 : 良いだろう。立ち話もなんだし喫茶へ…という話題でないなら立ったまま聞こう。
渦明 : … あぁ、このままで大丈夫ですよ。(短い話…には恐らくならないが、
渦明 : (座ってお茶飲みながら話すような話では、もっとない。
渦明 : …… ●日前の深夜未明、中央区の公園内でイルミナさんを保護しました。
唯我 : …ほう。
唯我 : そうか…イルミナを、か…
渦明 : …はい。 酷く衰弱してましたので、外から来てるお医者さんに診せて。その後はオレオルさんに迎えに来て貰って。
渦明 : なので、はい。 彼女は無事です。 …(けど、と言うように沈黙で区切って
唯我 : そうか…渦明が。
唯我 : あぁ。無事なのは適切な対処のおかげだろうよ。
渦明 : 一時的にですけど、体力の低下と、運動機能の衰弱が見られます。
渦明 : 医者が言うにはですけど…、 数日から一週間ほど、まともに身動きの取れない環境に置かれていたのではないか、と。
唯我 : …
渦明 : …オレオルさんから聞いてます。イルミナさんはネシス解放後、基本的に唯我さんに付きっきりで、秘書のような事をやっていたって。
唯我 : あぁ…そうだったな。
渦明 : …… 唯我さん、何も知らなかった、ですか?
唯我 : …
唯我 : なるほど。
渦明 : 何が、ですか。(何も納得言ってない様子で
唯我 : そうか。その質問か。
唯我 : 渦明から。
渦明 : …何が言いたいんですか。 …普通に考えて不自然でしょ、だって。
渦明 : 付きっきりで傍に居た筈の人間が居なくなって、何も違和感を覚えなかったのかって聞いてるんですよ。
唯我 : …弱ったな。渦明から聞かれると昔の記憶に重ねてしまう…勝手で弱い脳よな。
唯我 : あぁ、そうだ、質問に答えるとも。
唯我 : 気付かなかったわけがない。
唯我 : 居ない事にな。気付けないわけがないさ。
渦明 : …(複雑そうに表情歪めて)…探そうとは思いませんでした?
唯我 : 探す所か…居場所さえ知っていたさ。
渦明 : は?
唯我 : あぁ。知っていた。何処にいたのか。
渦明 : …(昂った感情を、つとめて押さえ付けるようにして)…イルミナさんは何も語ろうとしません、…けど。
渦明 : ……あれだけ衰弱して、――…アーティファクトも、奪われて。
渦明 : アンタは、手を出そうとしなかった。 …その辺の賊なんかじゃ無いって事は解る。
渦明 : …………ルインズベルト、ですか。
唯我 : ・・・
唯我 : イルミナが語らないならばオレも・・・というのは卑怯か。
渦明 : …えぇ。 ……そうなんですね?
唯我 : そうだよ。ルインズベルトにイルミナは居たらしい。
渦明 : …それを知った上で、放っておいたんですか。
唯我 : ・・・
唯我 : そうなるよ。
渦明 : ッ、、、 そうなるよ、じゃねぇでしょ!
渦明 : 何故ですか?ルインズベルトを刺激したくなかったからですか?
唯我 : …(怒号をあげる渦明を見つめる
渦明 : その為に街の民を一人――危険に晒したまま放置したんですか!?
唯我 : 刺激したくなかったから…か。消極的で逃げな理由だな、嗚呼。
唯我 : しかし、そうだ。
唯我 : おまえが言うからこそ真実だろう。脳髄に刺さる言葉よ。
唯我 : オレは彼女がルインズベルトに居る事を知っていた。
渦明 : ッっ、あぁ、そうだな―…!
渦明 : …あんた、「また」街の民を蔑ろにする気か!?
唯我 : ・・・
唯我 : …したくないさ。したくなかった。すべきじゃない。
唯我 : ルインズベルトも街の民だ。オレがジェネシスを名乗る前は特に。
唯我 : …その、思考が
唯我 : ………(渦明を見て)「また」街の民を蔑ろにしたくなかった。
渦明 : ――……
渦明 : ……ルインズベルトも民。 …その考えは理解る。…俺だってそうあって欲しいと思う。
渦明 : でもだからって、旧ネシスの民が黙って害される理由にはなんねーだろ…
唯我 : …そうだ。
唯我 : その怒りの方が正しい。正しく、優しい。
唯我 : そうなんだよな、
唯我 : (背中の夕陽が完全に沈んで辺りは暗くなる
渦明 : ……
唯我 : そこまで綺麗に正論を突き刺してくるとは思わなかったよ、渦明。
唯我 : オレが間違ってた。おまえの最善の対応の方が、か弱き民を救っている。
唯我 : …その上で、だ。
渦明 : …はい。(何でしょう、と
唯我 : 間違いを犯すオレの話を、恥ずかしながら聞いてくれないか。
渦明 : …えぇ、良いですよ。 …唯我さんが「話す」なんて珍しいですし。(口数だけは多いが、そうなのだ
唯我 : (そうなのだ。
唯我 : (彼は人に話さない。
唯我 : (天と話す。
唯我 : (それが宿命で、それしか無いかのように。
唯我 : オレは、
唯我 : ルインズベルトの民を救いたい。
渦明 : ……――
渦明 : ……すげぇ大変でしょうね。 相手さんを侵略者として武力で解決するより、よっぽど難しい。
唯我 : そうだな…そして、それだけじゃない。
唯我 : それだけじゃダメなんだ。
渦明 : …
唯我 : 旧ネシスの民も救わねばならない。
唯我 : 新しくジェネシスに来る民も歓迎したい。
唯我 : 全ての世代<ジェネレーション>が、共生する起源<ジェネシス>にしたい。
唯我 : それがオレの・・・
唯我 : ーー忘れていて、強制的に思い出させられて、目の前の人間の過去現在未来をも巻き込んだーー
唯我 : オレの野望、夢の街だからな。
渦明 : …。
渦明 : ……それは、…もっとも大変な道ですね。(…彼の家は、故郷で一度街づくりに失敗している。
渦明 : (そんな彼の言う言葉だからこそ、余計に重い。)……でも、やりたいんですね。
唯我 : ああ。
唯我 : 言っているだけで何も成していない愚かなオレだが、
唯我 : 言いすら出来ないままでは叶わない。叶えられない。
唯我 : 他ならぬオレの家の犠牲者の渦明に激昂されて、ようやく見つめ直すようじゃあ先は遠いな。
渦明 : ……んっとですよ?(すげえジト目で)つーかアンタもう市長なんですから、
渦明 : いつまでも言ってるだけじゃマジで困るんですよ。
渦明 : …まー、「話した」だけ随分マシですか。 何考えてるか解るのとわかんねぇのとじゃ随分違う。
球体さんが入室しました
球体 : (少し遠くの喫茶のテーブルで。
球体 : (……カタカタカタ、と球体が回転する。
球体 : (……そうだよ。ルインズベルトにイルミナは居たらしい。
球体 : (……オレは彼女がルインズベルトに居る事を知っていた。
球体 : (カタカタカタ……
球体 : (……ルインズベルトも街の民だ。オレがジェネシスを名乗る前は特に。
球体 : (……オレは、
球体 : (……ルインズベルトの民を救いたい。
球体 : (ノイズ混じりで再生する先ほどの二人の会話。
球体 : (それを聞いている、球体の操作者が一人。
球体さんが退室しました
カザヤさんが入室しました
カザヤ : はぁ……。
カザヤ : 面白そうな話をしてたから、と思ったけど。
カザヤ : ……聞かない方がよかったね。
カザヤ : (代金を置いてぶおんと消える。
カザヤさんが退室しました
唯我 : 何考えてるかわからん、か。
渦明 : はい。 自覚無かったですか?
唯我 : あまり言われた事は無い。
渦明 : …そーなんですね?(うぅん、と
渦明 : 俺はずっと役所の受付みてぇだなって思ってましたけど。(いきなり遠慮が無い
唯我 : …そうか?(自覚無し
渦明 : …じゃー、今の話。ルインズベルトも、旧ネシスの民も、新たに訪れる民も受け入れたいっていう、唯我さんの願い。
渦明 : 今まで誰かに話した事ありました?
唯我 : …
唯我 : 勿論無い。今回が、渦明が始めてだな。
渦明 : …勿論ってどういう事です?なんで言わねぇんですか。
渦明 : …あのですねぇ。 唯我さんの言った「野望」。 ジェネシスという夢の街。
渦明 : 一人で叶えられるモンじゃねぇでしょ。
唯我 : ・・・ふむ。
唯我 : そうか。
唯我 : そうだな。
渦明 : ……「白薔薇百合恵」を目指すってンなら話は別ですけどね。 でも、あれだって人を生んで成してる事です。
唯我 : “アレ”には成れんさ。
唯我 : その名を言われちゃあ自分の思い上がりにもよく気づく。
渦明 : …だったら。力を借りるしかないでしょ。…あんたを信じて付いていく人間の。
唯我 : その為のクルーズツアー!だったからな…?
唯我 : 今日はオレの痛い所ばかりを突くな?
渦明 : そりゃあ多少なりイラついてますからね?? イルミナさんの件相当ひでぇでしょーが?(ずけずけ
渦明 : おまけにお得意のお役所ムーヴしたんでしょ?オレオルさんに?(聞きましたよ?的テンションで
渦明 : 旧市長の息子さんが部外者だとでも思ってんですか?アンタ?
唯我 : 部外者だと思うわけがないだろう。
唯我 : 市長の事は気の毒だった。
渦明 : …(んん、と
渦明 : …じゃー、益々なんで何も話さなかったんです。ルインズベルトへの対応なら、彼等は当事者じゃないですか。
唯我 : そうだな。渦明の言う通りだろう。
唯我 : 全ての民を救い・受け入れる等という妄言をまずは彼等に
唯我 : そして彼等自身をも救い・受け入れるのが目指すべき正道か。
渦明 : …そうしたいなら、言うしかねぇですよ。 …さっきも言った通り、あんた一人で街を創るわけじゃねぇんですから。
唯我 : 全くもって。
渦明 : はい。何したいかわかんねぇトップを信じて付いてくって無理でしょ。
唯我 : あぁ。
(何をしたいか見せつけすぎた結果、反乱に飲まれた祖父を見てきた、)
(何をするにも言われるがままの父を見てきた、)
(そして、天の声を聞き、人の声を聞かず、どちらにも答えを見せれない自分が居た)
・・・そうだな。
渦明 : ……
唯我 : はぁ、こうも突き刺してくるのは渦明ぐらいなものだからな。恩に着る。
唯我 : 浸水に気付かないまま航海を続けていく所だった。
渦明 : …それはどーも。 でも、唯我さんの為じゃないですよ。
渦明 : 唯我さんが沈むと、俺が大事にしたい人達が困るんで。
唯我 : それは。責任重大だな。(改めて。あえて自分で言う。
渦明 : そーですよ。新都市の市長さん。(あえて重しを乗せて
唯我 : では、せっかくのお誘いだ。正攻法に正道で応えよう。
唯我 : オレオルを連れてイルミナの見舞いに行こう。着いてきてくれるか?
渦明 : …いーですよ。同行します。(腰に手を当てて、しょうがねぇなあ、とでも言うように笑みを見せて
渦明 : …もー夜ですから日を改めるとして… 行きますか?明日にでも。
唯我 : あぁ。明日に。
渦明 : 決まりですね。 オレオルさんには伝えて、……いや、
渦明 : ココで世話焼いたら始まらねぇですね。頑張ってください。(唯我の肩ポン、として
唯我 : はっ、気が利きすぎる奴だな。
唯我 : では、任されよう。
渦明 : はい。よろしく頼みましたよ。
唯我 : ・・・
唯我 : そうと決まれば、今日はもう遅い、明日も早い。
渦明 : …それもそうですね。
唯我 : 今日は少し頭を冷やして帰る事にするさ。
渦明 : …はい。 …それじゃあ、また明日。
唯我 : オレの為では無いと言うが、渦明。
渦明 : ん。(振り返り気味に
唯我 : (不意に発生した突風に攫われるように飛んで
唯我 : ありがとう。
唯我 : (高速で夜の街を飛んでいく
唯我さんが退室しました
渦明 : ――。 ……
渦明 : ……… 全く。
渦明 : 礼を言うにはまだ早いでしょ、ですよ。 ……(崖の上から、唯我の発った陸地側――広がる夜の街を見下ろして
渦明 : ……そー思いません? パイソンさん。
渦明 : (ポッケから何やらデバイス取り出して)…いやホント、お世話になりました。
渦明 : …ありがとうございます。 ずっと待機して貰っといて……結局まー、ああいう感じで。出てきて貰わずに済みましたけど。
渦明 : 思ったよりは、何とかなったのかな…いやま、なったのかはまだ分かんねぇですけどね?(何やら通信しつつ、自らも歩き出す
渦明 : (崖からECの方に移動。 …少し訝し気な顔でテーブル、カウンターテーブルと確認して)……まあ、遠慮は、してましたよ。……そりゃ色々ありますからね。
渦明 : …。(途中妙な気配を感じたが―…残滓は既に無い) ぁ、いえ、大丈夫です。
渦明 : でも、まー、ええ。
渦明 : 気ィ遣ってももうしょうがねぇなって!
渦明 : (そんな雑な結論でいいのか警察。そんなこんなで夜は過ぎて行く――…
渦明さんが退室しました
最終更新:2021年06月09日 03:05