ロゼ : 「――――結婚式ィ!?」
ロゼ : (アンティーク仕立ての喫茶。傍らのカウンターでは瓢箪型のドリップが香ばしい湯気を立てている。
ロゼ : (そんな中で素っ頓狂な声を上げたのは常連の一人、ロゼ・カレイド――もとい、カレイジアス。
ロゼ : 「あ――……そうね。 あんた達、付き合って4年も経つものね……まー、、そりゃそうか……」
ロゼ : 「それで? 籍は……うん、うん……」
ロゼ : (目配せするとマスターからメモを貰い、すらすらと書き起こしていく。日程だとか、そういった類か。
ロゼ : 「そう……うん。 ええ、大丈夫よ。 カレイドローズ家はもう無いけど……無いから好きにしても良いんじゃない」
ロゼ : 「ええ。おめでとう。 近く挨拶に行くわ。 ええ、旦那様によろしく。」
ロゼ : (ふふ、と微笑んで返すは皮肉か心からの賛美か。随分と大人っぽい表情をするようになったものだと。
ロゼ : 「ええ。 ええ。 それじゃ――。」
ロゼ : (そういって通話を切り、テーブルにスマホをするりと置くと
ロゼ : は。ぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~
ロゼ : (海よりも深い溜息。切り替え上手と言うべきか。
ロゼ : (お世辞の電話をしていたわけではない。訳あって彼女のテンションはどん底。
ロゼ : (そんな時に昔からの友人の吉報が舞い込んできたのだ。そこは、素直に嬉しい。
ロゼ : (なので、冒頭のテンションだったのだが……
ロゼ : ……結婚ですって。 はぁ。 はぁ…………(突っ伏してぼやく赤毛。本来はこっちのテンションだったのだ。
察しのいい店員 : ………。(そんな様子をカウンター越しに見遣る、銀髪の店員
察しのいい店員 : 飲み物のお代わり、お入れしましょうか。
ロゼ : 濃いめで。ぁーでもミルクはいれて……
察しのいい店員 : かしこまりました。
ロゼ : はー。。良いわよね、みんな順調で。
ロゼ : ……カルク。 貴方もぼちぼちなんだっけ。
ロゼ : ほら、押すだか引くだか言ってたじゃない。例の子と。
カルク : …(黙々と注文の品に取り掛かりつつ)ええ、まあ。
カルク : 現状、取り立てて問題は無い、…と良いなと思っていますよ。
ロゼ : ふぅ~~~~~~~ん……
カルク : (断定しない言い方なのは、「例の子」が妙に仕舞いこみがちな所があるからだ。出来る限り、気付いていたいと思っているが。
カルク : ……ロゼさんの方は…
カルク : ……複雑、といった所ですか?(あからさまに浮かない様子を見るに
ロゼ : カルクの所だってシンプルじゃないでしょ。(苦笑いで返して
ロゼ : ……まぁ。こっちはシンプルかもしんないケド……(言って、頬杖しながら反対側を見遣る
ヒサヤ : (チリン、と入口のベルが鳴り
ヒサヤ : (新たな客が入店してくる。
血のような赤毛と、それが枯れ褪せるような灰メッシュ
ロゼ : デート帰――いや、違うわね。 お勤めごくろーさまーー。
ヒサヤ : どうもどうも〜。ありがとーございます。(へらり、と笑って
カルク : いらっしゃいませ。(会釈し
ヒサヤ : カルク君いつもの(ブレンド)頼みますー。
ってまあロゼさん。どーしたのよそんな突っ伏して。
ヒサヤ : なんか愉快な話してます?
ロゼ : っは。(乾いた心の死んだ笑い
ロゼ : そうね、愉快も愉快。まるで道化師(ピエロ)みたいな話ね(フ、フフと続けて
カルク : (かしこまりました。とコーヒーも並列で入れ始め
ヒサヤ : あらま。なかなか拗らせてんな。(言いつつ、勝手にロゼの隣の席に歩いて
ヒサヤ : どーしたのよ。ソウマちゃん何かした?
ロゼ : 逆よ、逆。何も。何もないのよ。
ヒサヤ : 何も。(はて、と
ロゼ : 押しても引いても何も反応してくんないし。ドギマギもしてないみたいだし。
カルク : ……(コポコポ………
ロゼ : なーんか。4年間意地になってやってただけ、だったのかなーって
ロゼ : そう思ったら途端にね。 何かもう辟易よ、辟易。何もかも(はぁ~~、と
ヒサヤ : ……あれ、奴さん達、なんだかんだ丸く収まったんじゃなかったんです?
ヒサヤ : え。付き合ってねーの?(ばんばん踏んで行く
ロゼ : …………一応……多分……
ロゼ : 付き合う?って問いにYes、っていうやり取りならしたわ。一応、うん。
ロゼ : 何かもーアレなのよアレ!
ロゼ : 好きだったから付き合ったんじゃなくて、待たせたから付き合った!みたいな!(ゔーー!と背伸び気味に
ヒサヤ : うわーーー。いやなんかもうソウマちゃんやりそうだけどよ!(半笑いで
ロゼ : 私って魅力無い!?(どう!?とクソ質問する女
ヒサヤ : 大丈夫かアイツ。下手くそ過ぎん?
…いやソレ俺に聞いてもしゃーない事でしょうよ?
ヒサヤ : ソウマちゃんがどうかっつー話で……(さっきから半笑いで
正直この事態にウケてる
ロゼ : 胸だって大きくなったし!(人並みに
ロゼ : 美容だとかトレーニング(それは趣味)だってしてるし!
ロゼ : 結構顔も良いと思うのよ!?(自分で言う?
ロゼ : なのに、何故……!(ワナワナしてるそういうところだぞ娘
カルク : …。(コト。と
気を落ち着かせるように注文の濃いめのラテを置く
ロゼ : 、、、 ……ありがと。(マグに手を添えて
カルク : (続いてヒサヤの分のコーヒーも。
ロゼ : やっぱり、ミステリアスさが足りないのかしら……?(言って、カルクの方を見遣る
カルク : …。ソウマさんへの有効打を検討中、という事ですか。
ロゼ : ……。ミステリアスだとか、追い掛けたくなるような慎ましさとか。
ヒサヤ : いやもう寝込み襲えば
………いや。
ロゼ : 私、その辺りからっきしね……(ず、とマグ傾けて
ロゼ : 一回襲ったわよ(はぁ、とぶっちゃけ女子
ヒサヤ : っぶ(ウケてる)
……え、説教された?
ロゼ : ……凄い傷付いてた。 ぁ、ちゃんと未遂よ未遂。
ヒサヤ : ………うわあ。(マジか、と
ロゼ : ちゃんと順序踏まなきゃ、とは思ったんだけど……
ロゼ : 何でかしらね……
ロゼ : ……恋愛感情じゃなくて、憧れだったのかしらね。
ロゼ : 私、ソウマのこと何も知らないんだわ。 だから、こうしてぶつくさ……(はぁ、と何度目ものため息と共にラテを煽る
カルク : …然し、ソウマさんは交際を受諾されたのですよね。
ロゼ : そうね。クーリングオフ期間中だけど。
カルク : それならば、相応に責任を負うつもりはあるのでは無いでしょうか。
ロゼ : ゔ~~~~~~~~ん……
ロゼ : それよ、そこなのよね……
ヒサヤ : まー…待たせるだけ待たせて放逐、とかやる人間じゃー無ぇのはそうだよなぁ。寧ろ真面目過ぎてやべえっつーか…
ロゼ : でも、義務とか責任で付き合うものなの?
ロゼ : よく責任とるー、とか言うけど……
カルク : そういう風に付き合う方もいらっしゃるでしょうね。彼がそうかは解りませんが。
ロゼ : もっと青春恋愛したかったのかしらね……(自問自答気味に
ロゼ : ねぇヒサヤ。貴方んとこってどうなの?
ヒサヤ : ぇ。俺?
ロゼ : ほら先週たまの休みーって言ってたじゃない。 そうでなくてもスキマ時間で会ってるみたいだけど
ロゼ : そういう時何してるの? 買い物?
ヒサヤ : んー………
ヒサヤ : 飯喰ってるな。(なんか妙に間空いて
ロゼ : (彼女が訊きたいのはこうだ。 やれ映画だとか、買い物だとか、カフェ巡りだとか
ロゼ : (カップルがカップルらしい何をしているか訊いて参考に――)飯、ねー……
ヒサヤ : ま、フツーに買い物とかする時もありますよ。案外乙女っぽい事好きだし。
ロゼ : ふぅ~~~~ん……良いわよね、大人の恋愛って感じ……
ヒサヤ : まーま、参考になるかは分からんけど(ハハハ
ロゼ : ……(はぁ、とラテ飲み干す
カルク : ……
ロゼ : ……初恋で、浮足立ってたのかしら。 恋に恋してた、みたいな。
カルク : …そう感じていらっしゃるのですか?
ロゼ : んー…………これでも、ちゃんと好きだった、んだけどなー……(空のマグを見下ろす。意地だけで4年は待てないのは明白だったが。
ヒサヤ : ま。4年も餌やらんかったら普通は愛想尽かすわな。(軽く
ロゼ : フ、フフ……(止めの一撃ー!
ヒサヤ : ソウマちゃんが何考えてそんな奇行に走ってんのか知らねーけど、そこは落ち度だろ。(うん、と
ロゼ : ちょっと。私の4年なんだったのってなるじゃないそれ(額抑えて
カルク : ……
カルク : …ロゼさんは、完全に愛想を尽かした訳では無いんですよね。
ロゼ : まぁ、それは、ね。
ロゼ : 押せ押せが好きじゃないのは確かだから。これを機に冷静になってもいいかなー、とは思ってるけど。
ヒサヤ : どーなんかねぇ…(頬杖で
そういう印象も無いけどなー…と
カルク : …これまでソウマさんと、具体的に話はされたんでしょうか?
ロゼ : ……まぁ、それは。
ロゼ : 4年……最低限でも2年。(指を折って
ロゼ : それまでは何も無し。アピールされても応えられないから基本的には無しで、って。
カルク : …成程。
ロゼ : それが終わったら結婚を前提に……とは言ってたけど……
ヒサヤ : え。ガチでそんな区切りやってたのかよ。(最早面白くなってきてる
ロゼ : って話を4年ぐらい前にして。それっきりっちゃそれっきり。
ロゼ : あれ、でもこの場合契約不履行気味なのって私よね(うーん、と
ロゼ : 4年餌無し……確かに合意……合意したけど……(ゔゔゔ、と頭痛気味に
カルク : 4年前。ロゼさんの成人までが区切りですか。(なるほど、と
ヒサヤ : あれ。
んじゃー……もう過ぎてね?
ロゼ : まぁね。とっくに成人済みよ。
ヒサヤ : じゃー今不履行なのソウマちゃんじゃん?
カルク : まあ、期間を過ぎたから早速、とは行かないのかもしれませんが。
ロゼ : そうね。早速ってのも何だかムードが無い気もするし。ここのところソウマ特に忙しそうだし。
ロゼ : ……それに、付き合って何をするんだろ、って。 買い物とか、ご飯なんだろうけど(左記の言葉通りヒサヤ見て
ロゼ : 何だか、わかんなくなっちゃったわよね。4年って。
ロゼ : ソウマのことは好きだし、仕事もうまくいってほしいし、
ロゼ : 横に居られるだけで、それだけで嬉しかった、んだけどねー……
カルク : …それだけでは如何ともし難いからこそ、こうして話をしているんですよね。
ヒサヤ : 付き合って何する、なぁ。
ヒサヤ : 傍に居たいなら友人でいいし、生活を共にしたいなら見合いでいいワケなので…
カルク : …ヒサヤさん?(話の雲行きが怪しい
ロゼ : ……、?(ヒサヤ見遣って
ヒサヤ : え。俺これ続けた方がいい流れ?いやまあ…
ヒサヤ : セックスしたいかどうかじゃね?
という…
ロゼ : 何、 セッ ―――~~~~~~ッッ!!!(真っ赤になってヒサヤの肩を突き飛ばす筋力A
ヒサヤ : ゛っっだ!(ゴスッッと鈍い音
カルク : ……。(瞑目し
ヒサヤ : あんたさっきから手を出す襲っただの散々言ってませんでした!?
ロゼ : セクハラ! セクハラよ!! 中央警察に意見書投函してやるんだから!!(フーフー怒ってる!
ヒサヤ : いやさっきから恋とはどんなモノかしら〜みてぇにフンワリしてっから…!(どうどう
ロゼ : そ、そんなコトいったってアンタ――っ、、ぅ、ぅぅ”~~~~~!!
ロゼ : ぅぅ”~~~~~っ、、、(悔し泣きしそうな
ヒサヤ : 情緒不安定か??
……いやま情緒不安定か。
ロゼ : よ”……
ロゼ : 4”年前”……それグリスにも言われてぇ”…………
ロゼ : …………玉砕した…………
ヒサヤ : …………
あらまあ。
カルク : それは………4年前だったからでは。
ロゼ : それは……そうかも……だけど……………
ロゼ : ……、
ロゼ : ………………、
ロゼ : ……怖いわ。(ぽつりと
カルク : ……。
ヒサヤ : …怖い?
ロゼ : ……だ、だって……、、あの時は、子供だから、恋愛感情としては怪しいかも、って言われて……、、(思い起こすように
ロゼ : 今回また断られたら……って思うと……
ロゼ : 私、立ち直れないわ……………(眉八の字にして
ロゼ : …………、(突っ伏し気味になって
ロゼ : ……やっぱし、ヒサヤはしたいと思うの? その、相手と。それっていうか。
ヒサヤ : ん、んーー……言い出した手前答えないとアレか?(言い辛そうだが
ヒサヤ : そーだなぁ…まーそもそも、愛だ恋だ何だとかは俺あんまわかんねーのよ。
ヒサヤ : でもまー、「こいつ可愛いな」ってのはシンプルじゃん。 …んな感じ?
ロゼ : 可愛いから……まぁ、そうよね。大事よねそういうの……
ロゼ : ……カルクは……?
カルク : それは。…それ、についての問答でしょうか。
ロゼ : ……………。せっくす。(下唇噛み気味に
カルク : ………。(額に指当てて、少し考え
かルク : …そうですね。……まあ、それなりに。(珍しくすらすら並べ立てず
ロゼ : …………ふぅーー、ん?
カルク : 人並みに、ありますよ。
……恐らくは互いに。
ロゼ : ……複雑に、順調なのね?(頬杖付いて
カルク : …まあ、そう受け取っていただければ。(瞑目して
カルク : 参考になるかは不明ですが。……
ロゼ : なる、ほど、ねーー………、、
ロゼ : ………、(再び溜息。突っ伏して
ロゼ : ……まぁ、、一度冷静になった方が良さそうね……。
ヒサヤ : 冷静に、ねー。
ヒサヤ : なれんの?(笑って
ロゼ : ……ぅ、うるさいわね、何もいきなり別れるわけじゃないわよ
カルク : 距離を置く…という所ですか?
ロゼ : ……。 場合によってはね。
ロゼ : 変に距離縮めたりガツガツしないってだけよ。
カルク : …成程。
ロゼ : 大人になるって、こういうことかしらね、案外……(ふぅー、と深い溜息
カルク : ………(何か思う所があるようだが、何も言わず
ヒサヤ : 大人。大人ねぇ。
ま、最終的にはロゼさんの思うようにするしかねーよなぁ。
ロゼ : それは、ねー……(うだつの上がらない生返事で
ヒサヤ : まー、ぼちぼち…(そんな倦怠の空気の中、 PLLLLLLL
ヒサヤ : (ぅぇ、と思わず顔と声に出すも
ヒサヤ : 失礼。(携帯片手に立ち上がる 外で通話しようと
ヒサヤ : はい。 こちらh … (入口に向かって歩き
ヒサヤ : …… は?
ヒサヤ : ぁー…、 ―…ハイ。 …はい。(通信の最中、思わず振り返ってロゼの方を見てしまう
ヒサヤ : ――解った。すぐ向かいます。
ヒサヤ : (Pi。) ………
ヒサヤ : ……噂をすればだわ? (沈黙は雄弁。 だが誤魔化すようにロゼに苦笑する
最終更新:2021年11月08日 22:03