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CLQ406 [ロゼ グリス]

―― : (――概ね同時刻。某所キアシス郊外にて――
―― : (呪詛。 大きな黒い影が今にも世界ごと塗り潰さんとその触腕を伸ばしている。
ロゼ : (一方で対峙するのは紅。遅いくる数多もの黒い影を弾き、切り伏せる赤い旋風である。
ロゼ : ――、(ひときわ大きな触腕をたたっ斬ったところで、一呼吸。
―― : 『アいている』『アナ』『アいているな?』『コころ』『アなが』
ロゼ : ――。
―― : 『ユカ、愉快』『これまタ』『痛快』
―― : 『イかす』『コロさず』『幾年モ』
ロゼ : ………。(柄の向きを替え、大きく腕を引く。
―― : 『手駒』『コマ』『都合ヨク』
―― : 『絶望』『抗う』『それはヨくない』
ロゼ : ………。(僅かに足を交差して
―― : 『与えるなら』『希望』『キボウ』
―― : 『――キボウさえアタえておけば 如何に従順か。』
―― :  ―、、、、、、!(けたたましく嘲笑う。これは読心か鏡心か。
―― : (大方彼女の心を圧し折る算段であろう。だが心するが良い、怨嗟の雑念よ。
ロゼ : ソウマがンな事する訳――!(至極、逆効果であると――!
ロゼ : 『極夜』―― (その踏み込みは、音色を飛び越えて
ロゼ : ――『静極刺曲』!!
―― :   、  ■   !   、。  !
ロゼ : (瞬時にして塵芥と化す呪詛。
ロゼ : (背面していたレンガ壁ごと削り取るそれは、整美な立方体。……いかのような衝撃波か。
ロゼ : 訳――ないじゃない。 、ったく。(キン、と短い納刀を立てて
ロゼ : (放たれたのは幾千幾万もの刺突か。 かの呪いの悲鳴すら穿ち消すほどの瀑布である。
ロゼ : ――っふぅ。 あらかた……(振り返る。 そこには死屍累々の山。
グリス : 『呪術櫂』『イングウェイ・ブラザーズ』『災蟲互助会』……最後のは『魔封街』のヤツらか?
ロゼ : 片付いた?
ロゼ : (死ん……多分死んでない。ときおり呻き声が聞こえる。腕や足はえらい方向に曲がっている肉塊が多々であるが。
グリス : ツーホーしとくな、ツーホー。(PiPoPaっと
ロゼ : よろしく。根城さえ潰れたらあとは何とかなるでしょ。
ロゼ : (高く跳ぶと瓦礫を踏んで更に向こうへと。 この惨状はきっと魔導警察に押し付けられるのであろう。 犯罪者軍団のいれぐいではあるが…
ロゼ : (――そうして、少し経った後、自室にて。
ロゼ : (投影されたマップに✕を付けて) ――これで北側ルートも陥落、と。
ロゼ : 一通りは片付いたわよね?
グリス : アリの巣を叩き潰したって意味ではナー。
グリス : けど一年……半年。下手すりゃ数ヶ月か。 どうせまた模倣犯が出てきますぜ。
ロゼ : いいのよ、こういうのって抑止力でしょ。
ロゼ : ともあれ、これで一段落ってことで。
グリス : あー。そうだナー。
ロゼ : お疲れ様、グリス。
グリス : ……これで、お役御免ってか?
ロゼ : …………。 ええ、そうね。
グリス : オイオイ、おじさんは悲しいゼ。これでも4年間一緒にやってきたっていうのに。
ロゼ : わかってるわよ。私だって寂しいわ。
ロゼ : でも、だって。 割り切りよ。
グリス : オレ(心臓)が無くても大丈夫だからってご無体な。
ロゼ : 、ひどい言い草ね。そうじゃないわよ。
ロゼ : (――そう、この数年で彼女の体に一つ、吉報が訪れた。
ロゼ : (魔力を生み出す霊体の中核。炉心が再形成され始めたのだ。
ロゼ : (それは、血管が徐々に太くなり、脈動し、心臓を代替する行為に等しい。
ロゼ : (勿論、手放しで安全と言える状態でもない。回復の兆しが出てきた所なのだが――
ロゼ : ……やっぱり、思い出しちゃうし。
グリス : ふーむ。
ロゼ : 皮肉ね。散々焦って、我慢してきたのに。砕けてから初めて冷静になれるなんて。
グリス : 俺様の魅力に?(キラーンエフェクト出して
ロゼ : 違うわよ(笑って) ソウマとの事。
ロゼ : どうしても、お互い無理が出ちゃうって話。
グリス : ……どっちも頑固だから?
ロゼ : そ。お互い削り合っちゃう。
ロゼ : そのために4年間があったのに、何か、上手く出来なかったわ。
ロゼ : ソウマは……霖蒼真よ。 そのあり方を脅かして、歪めさせてばっかり。
ロゼ : 何やってたんだか、ねー……(ふー、と
グリス : 賢者タイム?
ロゼ : まぁ、そうかも、ね。
グリス : 三日三晩マジでワンワン云うてたもんな
ロゼ : (じ、と睨む
グリス : どーどー。で、その後三日三晩マジで悪鬼羅刹。
ロゼ : う、るさいわね……とにかく、結局私ってば自分のことばっかりだったよね、って話よ
グリス : そーゆーもんだと思うけどナー
ロゼ : だからこう、せめて残党は倒して
グリス : ボッコボコにな。
ロゼ : 部屋も片付けたし…
グリス : 3時間かけたのに1時間でル○バに負けてたよな。
ロゼ : あとはグリスを残して……
グリス : それっぽい手紙残して?
ロゼ : う、うるさいわね! 良いじゃないの!
ロゼ : 何かこう、最後ぐらい尽くす女で居たいのよ!
グリス : ロゼスァン……
ロゼ : ……
グリス : オレ置いてくとよ。クリエーター様はオレの事見て、ロゼんこと何度も思い出すぜ?
グリス : そんな辛い思い、させんの?
ロゼ : ぅ。 ずるい言い方。
グリス : イイ女になるんだろ? 爪痕残しまくり地雷女の方が良い?
ロゼ : ……(腕組んで
グリス : 頼む!このとーり! というかオレもお前と一緒のがいい!
グリス : 食費は電気代とネット代でいいから! ナ!
ロゼ : ……~~~~
グリス : 夜、狼に囲まれたときにラッパ音とか出せるぜ~~~?
グリス : (まぁ最近魔獣ですら寄り付かんくなってる疑惑あるけど……
ロゼ : …………ったわよ……、(ボソリ
グリス : ぉ?
ロゼ : わかったわよ。連れてく。一緒が良いわ。私だって。
グリス : ぉー?
ロゼ : というか……ごめんなさい、モノ扱いして。アンタの意思聞けてなかったし……
グリス : 随分としおらしくなっちゃって。ドシタン・ハナシキコカー?
ロゼ : はっ倒すわよ。
グリス : 冗談冗談。無礼講ですぜ(ひょいっとロゼの肩に乗って
グリス : ほいで。本当にいいんかい?
ロゼ : …………。
ロゼ : 良いも悪いも、本当も何も、これが結果よ。結果。
ロゼ : ……それは、受け入れないと。
グリス : ふーむ……
グリス : 得意の、それでも、ってのは、しないんかい?
ロゼ : …………
ロゼ : ……限界、限界だったのよ。4年間、張り詰めて、待って、待って。
グリス : たまにガス抜きはしてたけどナ。
ロゼ : …。 タイミングがずれてたのは、わかってたわ。
ロゼ : 私、今すぐにでもソウマに言ってほしかったのよ。待ったんだから、きっと、って勝手に期待して。
グリス : ……で、出てきた言葉が違ったって?
グリス : それこそ、編み違いなんじゃーないか?
ロゼ : どう、かしら。 でも、変わらないんじゃないかしら。
グリス : ってーと?
ロゼ : 例えば誤解だったとして、でも、誤解を生みやすい二人で。
ロゼ : 今後、どうするの? また、傷つけ合う?
ロゼ : ………… あって、なかったんじゃない。(歯が浮くような、奇妙な脱力感
グリス : うんざり辟易、愛想尽かした。疲労で疲れた?
ロゼ : やめてよ、そういう言い方…(はぁ、と
グリス : ……尽くす女って言ってたけど。結局どーなりなかったんで?
ロゼ : …………。
ロゼ : ……(『傍に居たいなら友人でいいし、生活を共にしたいなら見合いでいいワケなので……』
ロゼ : 愛され、たかったわ。
グリス : ……
ロゼ : 好きって、言ってほしかった。
ロゼ : 私を、心に受け入れてほしかった。
ロゼ : 私が、ダメになってもいい場所だって、居場所だって、そう思いたかった。
グリス : 心の拠り所?
ロゼ : そうね…… 見返りが欲しかったのよ。 尽くすだけじゃなくて。
ロゼ : 浅ましいわ……(ふふ、と自嘲して
グリス : ふーむ…………
ロゼ : 全っ然うまくいかないの!(ダメね、私!と続けて
グリス : それでこれからの展望は?
ロゼ : ノープラン。とりあえずセントラル方面に出て…
グリス : それ4年前と一緒ですぜ。進歩進歩。
ロゼ : 、そー、言われても……頼る友人もそんな…… 迷惑かけたくないし…
グリス : そもそもクリエーター様に挨拶してかねぇの?
ロゼ : 、それは…… あんな後だし……
グリス : そんな不義理な事ある?
ロゼ : 待って、今正論しんどいから待ってグリス。(はぁ、と顔抑えて
グリス : 引き止められると思ってる?
ロゼ : ……どうかしら。半々で悩んでくれそうな気はするわね。
ロゼ : でも、そうね。束縛する理由は無いから、って。最後はそうなるんじゃないかしら。
グリス : あれ。随分と考察で。 気持ちが向こうにもあるって?
ロゼ : それは……わからないわ。でも、ソウマ、優しいから。うんと。
ロゼ : だから、その、まー…………
グリス : ……
グリス : 助け舟出す?
グリス : スーパーグリス君人形使う?
ロゼ : ……何の話?
グリス : いやマジで世界ふしぎ発見なんだけどさ。
グリス : 覚えてっか? ソウマにエーテル治療できねぇって話
ロゼ : ええ。 彼、特異体質な上に、シエル用に刻印も入れてるから誰も適合しないんでしょ。
ロゼ : 普通の魔力流しても寧ろ逆効果だから、彼の治癒力に頼るしか無いって
グリス : あるぞ。
ロゼ : 、ぇ? 何?
グリス : あるぞ魔力。適合する。
ロゼ : 、は? どういう事?
グリス : ゆー。(まんまるお手々で指差して
ロゼ : ……
ロゼ : みー?(指自分に差して
グリス : YESYES!
ロゼ : いや、は? 何、どゆこと?
グリス : いや、だからほらアレよ。クリエーター様のコア・ダイブ技術だろ、4年前のアレから炉心剣って。
ロゼ : (グリアス事変を皮切りにセントラル、フォーデンと幾度と活躍してきた新技術。
グリス : お前さんに心臓を作るぐらいにはずっとやってきたんだ。
ロゼ : ぇ、何……
グリス : お前だけだぞ。あいつに魔力分けてやれんの。
ロゼ : ぅ、ぅぁ。 何、それ……ぅ……(額抑えて
ロゼ : ……ホントに言ってる?
グリス : ぐりすくんうそついたことないよぉ(スローモーション
ロゼ : ふざけないで。
グリス : マジマジのマジ。ていうか向こうから魔力供給受けて動かしてた事もあったのに
グリス : 不可逆なわけ無いでしょ。
ロゼ : …………
ロゼ : ……搾乳機みたいなのってあるの?
グリス : それギャグで言ってんなら超スベるから言わないほうが良いゾ
ロゼ : え、いや、だって、ほら…
グリス : 無理だって。出したらエーテル。普通のマナ。大源(エーテル)と小源(マナ)。こないだ授業で習ったろ?
グリス : 大事なんはそのフィルター。お前さんのソウマの形になった魔術回路。
ロゼ : 言い方!
ロゼ : …っ、、、わ、わかったわよ。
ロゼ : あれよね? フリーザとゴクーみたいなノリでいいのよね?
グリス : 今日ほどお前に漫画読ませるんじゃなかったと後悔した日は無い。
ロゼ : なんでよ! と、とにかく どれくらい効果あるの?
グリス : 一気に全快するようなもんじゃないナ。水洗いというか透析というか……本来なら根気良く何度もって話だと思うが。
グリス : ま、でも1週間も経てば回復してきてるだろうし。気付け薬程度にはなるかもナ?
ロゼ : ぇ、……じゃあ別にどっちでも?
グリス : そんな恩を仇で返す子に育てた覚えは無いわよ!
ロゼ : ブレラさんみたいな言い方しないで!(苦笑気味に
ロゼ : と、とにかくわかったわよ! 少しでも元気付けたら良いものね
グリス : せやせや
ロゼ : ……夜ね。深夜。寝てる間に忍び込むわ。
グリス : 挨拶って話は?
ロゼ : そ、それは良いから。 とにかく、とにかくよ、もう。
グリス : ふーん。了解。ニンニン。
ロゼ : (ホントにわかってるのかしら……
ロゼ : はぁ……私も、しつこい女ね……
グリス : それでも ってやつで?
ロゼ : ……、(はーー、と長い肯定の溜息。
ロゼ : (そうして、彼が寝ているであろう、何もできない、夜が訪れる――――………
最終更新:2021年11月12日 21:42