ロゼ : (――――そうして、その、夜のコト――――。
ロゼ : ……、……(ゆっくりと、扉が開く。
ロゼ : (自動のスライド式だった気もするが……強引に開けてない?
ロゼ : …………
ロゼ : ……。(ひょこ、と顔を出して
ロゼ : (右よし、左よし。
ロゼ : (そこな病室に侵入者が一人。
ソウマ : ―――――(僅かな月明かりに照らされた室内。一つだけのベッド。
ソウマ : ……(物音立てる様子なく、静かにベッドに横たわる男性。
ロゼ : …………、(ごくり、と生唾を飲む
ロゼ : (時刻は深夜2時過ぎ。慢性寝不足夜更しモニタ睨めっこ大臣のソウマだけど……。
ロゼ : (一度寝たら、全然起きない。
ロゼ : (何だかんだの押し掛け半同棲していたんだから判る。
ロゼ : (彼は起きるだけ起きて、寝るだけ寝るタイプだ。
ロゼ : ……(寝たら冬眠してるナマズぐらい動かないしね……!
ロゼ : ……、(抜き足、差し脚。こっそりとベッドに近付く。
ロゼ : …………。(そして見下ろす。点滴や検査用か、夥しい管はすっかり無くなっている。
ソウマ : …………
ロゼ : ……、(規則正しく脈打つ心電図と、術式めいた計量器。点滴一つで済んでいるのは、幾分かましな証拠なのだろう。
ロゼ : (良かった。回復に向かってるんだ。 心の底から、安堵して
ロゼ : …(そうして回り込むと、頭に被り気味のシーツを退かす。
ソウマ : ……、…
ロゼ : ………、(下唇を噛む。
ロゼ : (愛しい人――――。 ……あんなに辛かったのに、いざ目にすると口元が緩んでしまいそうになる。
ソウマ : …………、、?(気配にか、僅かに身動ぎする
ロゼ : 、(ピク、と僅かに離れる。
ロゼ : (嘘、眠り浅い……!?隠れる?逃げる?その音で気付かれそう――――、、?!
ソウマ : …………ぇ…(確認するように――片目が薄らと開かれる
ロゼ : …………、、!
ソウマ : え?
ソウマ : (しっかり両目開いて
ロゼ : ……ぁ、……………、っ………!(まるで、悪さを見つかった子供のような反応で
ソウマ : ――――。 ぇ。ちょっと待って
、、、……夢?(彼女の――ロゼの破天荒さは今に始まった事ではない。にしてもだ。
ロゼ : ………、! ……………、、、ユ、、、ユメ……デス………?(苦しい物言いである
ソウマ : ―――、、、………(にしてもだ。こんな所に居るはずがない。
ロゼ : (血の気が引く。この後はきっと、溜息、辟易、そして折檻だ。
ソウマ : ………、、(気を落ち着けようと、まずはと上体を起こして
ソウマ : ………………。……どうして?(幾つにも意味が取れるような響きで
ロゼ : ……………、っ………
ロゼ : ソっ………ソウマが……………助かると……、、思って…………、、
ソウマ : ………助かる……(今いち要領を得ない様子だが
ロゼ : (――ああ、終わった……。 今にして思えば意味不明で愚の愚をいく作戦だったけれど。 ……今、私の企みは失敗に終わったんだ。
ロゼ : ………、、(なら、いっそ、と。 一歩前に
ソウマ : ……まあ、助かったと言えば、そうかな…
……、(ロゼを見上げて
ロゼ : ………、、、?
ソウマ : ……また顔見られるとは思ってなかったしね。
ロゼ : ………、(後ろめたさか、視線を落とす。
ソウマ : それこそ荷物まとめて、何処か旅にでも出てるんじゃないかと……(的確予測野郎
ロゼ : ……、(ぅ”、と露骨に表情に出る娘
ソウマ : …(表情で察して)…どうしたの、こんな時間に。(やわらかく笑って
ロゼ : ………、、、(そんな表情に、思わず頬を染める。
ロゼ : (知ってる。ちょろい、ってやつだ。自分って、案外それなのかもしれない。
ロゼ : (だってそうだろう。あんなに辛くて何日も食事が喉を通らなかったくせに――
ソウマ : …(もしかしたら最後の挨拶のつもりなのかもしれない。…そうだとしても、みっともない態度は取りたくない。
ロゼ : ………ソウ、マ ぁ………(――もう、こんなに恋してる。
ソウマ : …………うん。(促すように頷いて
ロゼ : ……、っ、、、(雑念を振るうようにして
ロゼ : ……、、(今はそれよりも、と言い聞かせて、ベッドに腰掛ける
ロゼ : ぅ、、動かないで……、、ね……?(そっと、手を伸ばすと……彼の頬に触れる
ソウマ : 、 ……、、?
ちょ、
ロゼ : ………力加減間違えたら頭吹っ飛んじゃうかも……(汐らしいトーンで怖いこと言う
ソウマ : 待っ…、、ロゼさん??(らしくない動揺で
ロゼ : ………、(そのまま近付いてくると……おでこをこつん、と。
ソウマ : 、 、、、
ロゼ : …………、(ふー、と深呼吸。 そして、意を決したように。
ロゼ : ん、……――――――――(瞑目し、僅かに魔力反応。
ロゼ : (目を凝らすと仄かに光っているのがわかるが……儚い魔力量だ。
ソウマ : ――――(目丸くして
ソウマ : (ぁ。
(まさか―――……
ソウマ : (「助かる」
その言葉の意味に、可能性に漸く行き着く
ロゼ : ――、(魔力が彼に流れていく。少しずつ、僅かに、ささやかに。
ロゼ : ……………、、大、丈夫……?(慣れない。魔力扱い一年生だ。喋る余裕なんかまるでない。
ソウマ : ………………うん。大丈夫。(額を通して魔力が流れ込み、身に浸透していく
ロゼ : ……ん、………………。(再び集中し、出力に専念する。
ロゼ : ――――(時間にして、2,3分だろうか。
ソウマ : ……………(しばらく、黙ったままで
ロゼ : (できれば、永遠に続けたいぐらい、言い様のない心地良さを感じていたが……彼女の炉心では、ここいらが限界で
ロゼ : ……、、(ふぅ、と息をつくと。魔力反応が消え失せて
ロゼ : もっと……特訓しなきゃ…………続かないわね………(ゆっくりと、額を離して
ソウマ : ……、……ありがとう。
ソウマ : ……グリスから聞いたの?
魔力適合の事。
ロゼ : ………、
ロゼ : ……うん…………。
ロゼ : (……どうせ私賢くないし。 気持ち涙ぐんだ、じとっとした目線で。
ソウマ : ……そっか。それで………
来てくれたんだ。
ロゼ : …………、
ソウマ : …………。
ロゼ : ……、(熱っぽいのは、気の所為じゃなさそう。
ロゼ : (きっとお互い様。手のひらから伝わる体温が、暑い。
ソウマ : ……ねえ、ロゼさん。
ロゼ : ………、?
ソウマ : ………この間は、ごめん。
ロゼ : ……、
ソウマ : …勝手に不安になって、ロゼサンの事、すごく傷付けたと思う。
ロゼ : …………、
ソウマ : ……まあ、振り返ってみたら4年間ずっとこんな感じだよね。…なんだろうな、ボク、とことんこういうの…下手なんだろうなって思うよ。
ソウマ : …今回の事が無くても、いずれこうなったんだろうな、って。
ソウマ : …正直、そう思っちゃうよね。
ロゼ : ……
ロゼ : (そうかも、しれない。彼が言わんとしている部分は、彼女も思っていた話である。
ロゼ : ………。 ダメ………?
ソウマ : ……
…って、いうのは。
ロゼ : ……そ、、そうならないように………が、頑張る…………とか………。
ロゼ : (諦めようと、分かれようとしていたのに、出るのは真反対の言葉
ソウマ : …………、
ソウマ : ……え、っと。(そうだな…、と低く呟いて
ソウマ : 順序立てて話したいから、落ち着いて聞いて欲しいんだけど……(前置きをするのは、経験と反省から。
ロゼ : …………、
ロゼ : ………。(頷く
ソウマ : …努力はさ、どちらもしてきたと思うんだ。
ソウマ : …ロゼサンからボクがどう見えてたかは判らないけど…、 …ボクはロゼさんがずっと頑張ってきたのは、解ってるつもり。
ロゼ : ……………、、。
ソウマ : …それでも、やっぱり上手く行かない事はあるよね。 そっちの方が多かったかも。(はは、と自嘲苦笑気味に
ソウマ : …どちらも譲れない、かくあるべしと思う部分があって、そこは頻繁に衝突する。
ソウマ : …だからと言って、折れたり妥協したりし続けるのも、やっぱりしんどいと思うんだ。
ソウマ : ………だから、
ロゼ : ………――――、
ソウマ : …ボク達がこれからも一緒にいるなら、ずっと苦しむと思う。
ロゼ : ……、ん、、…………、(少し、辛そうに視線を落とす
ソウマ : …………、(少し、息を呑むような間があって
ソウマ : ………ボクは、
ソウマ : 『それでも』、と思ってる。
ロゼ : ――――。
ソウマ : …例え苦しむとしても、君と一緒に居たいよ。 …これからも。
ソウマ : …(幸せにする、どころか。苦しみを予告する。手前勝手な告白も良い所だ。
ソウマ : (けど、嘘は吐きたくない。歯の浮くような言葉を並べるのもまっぴらだ。
ロゼ : ……、、
ロゼ : ……ホン、、ト……?(俯いたまま
ソウマ : …ホント。(柔らかく、頷きながら
ロゼ : ……が、、頑張って………くれる………? こ、れからも……、、?
ソウマ : うん。
ソウマ : ……君の事が、好きだから。
ロゼ : ――――――、、、!
ソウマ : ………伝えるのが遅くなって、ごめん。
ロゼ : ………(ゆっくりと、顔を上げる。
ロゼ : (瞳には動揺と、高揚と、驚きと疑いと。何もかも綯い交ぜになって今にも泣き出しそうで
ロゼ : あ、、あの、ね……ソウマ………私………
ソウマ : ……うん。
ロゼ : ………っ、、(言葉に詰まって
ロゼ : 私も、、、ソウマと一緒に居たい…………、、、
ソウマ : ――――、
ロゼ : 頭では、わかってるの、、 ソウマのこと傷つけて、、ばっかりで、
ロゼ : 全然、大人になんかなれてなくって、
ロゼ : ソウマの生き方を、尊敬してるのに、、それなのに、歪めようとさえしてしまって、
ロゼ : そうじゃ、ないのに………そうじゃ……っ、………、
ロゼ : 距離を取ったほうが、、……きっと良いんだって、わかってるの
ソウマ : ……………
ロゼさん…
ロゼ : ……だけど…… 一緒に居たい……、
ロゼ : (ぐす、と)一緒に居たいの………
ロゼ : ごめんなさい、、結局、ワガママばっかり………、、
ソウマ : (そっと片腕を伸ばして
ソウマ : …いいよ。(震える肩に腕を回して抱き寄せる
ソウマ : 我儘なのはお互い様。
…一緒にいよう。ずっと。
ロゼ : …………う、ん…………、、、
ロゼ : (ぽす、と彼の胸元に埋まって
ロゼ : ………………、、、好き………、、(ぽつりと零すように
ソウマ : ………、……うん。
ロゼ : ……、、いい、の? ホントに、ソウマ……無理、してない?
ソウマ : ……無理ってそんな。
さっきあれだけ正直に喋ったのに。(僅かに笑みを含んだ声で
ロゼ : そ、……それはそうなんだけど………、、、
ソウマ : ……。。
……不安?(ぼそ、と
ロゼ : …ぅ、、……だ、だって…………、、、(認めるように
ソウマ : まあ、それは、……仕方無い、、かもね……(自らを振り返り
ソウマ : …ずっと黙ってたワケだし。
……
ソウマ : ………どうしたらいい?(素直に訊く
ロゼ : ……!
ロゼ : そ、それ、は…………、
ロゼ : ………、、(一瞬、言わせる気……?と抵抗の眼差しを見せるが
ソウマ : ………、(視線が合う
表情は相変わらず読みづらいが…
ロゼ : …………、ち…………
ロゼ : ……………ちゅー、ぅ、、、と、、か………(言ってて真っ赤に。…自爆だ!
ソウマ : …………
、、、(僅かに目を開いて
ソウマ : ……そ、。 そう……(少し逸らしてメガネを直す仕草
……裸眼で!
ロゼ : ……、、!(な、何か間違えたかもしれない……!
ソウマ : それで…、、 安心……、、
………するの?(挙動……不審!
ロゼ : (場違いか、それともはしたなかったか……みるみるうちに耳まで赤く
ロゼ : ぅ、、、……………!
ロゼ : それ、は………………、、、
ソウマ : 、、、………(そっぽに逸らした顔、見える耳が赤い
ロゼ : ……………………、
ロゼ : ……、(そんな彼を見上げて
ソウマ : ……上手く、
ソウマ : 出来るか、わからないけど…………
ロゼ : ……………、、ソウ、マ………
ロゼ : ……(彼の好みだとか、好む言い方だとか、全然余裕なんかなくて
ロゼ : ………、 もらって…………くれる………?
ソウマ : …………、、、、
ソウマ : ………こちらこそ、よろしく…(なんだこの自信の無さ。いや当然だ
ソウマ : (4年間待たせたという事は、彼も4年間停滞していた訳で。その間になんの蓄積も無いのはお互い様なので…
ソウマ : (つまる所…経験値!低低の低!
ロゼ : ぅ…………、、ん、…………、(コクリと小さく
ソウマ : (そもそもコイツは美少女アバターにバ美肉する陰キャオタク!
経験値ry
ソウマ : ……、、、、(そんなこんなでなんとかぎこちない一挙に踏み出す。点滴の刺さってない片腕を上げて…
ソウマ : ……、、(そっと頬に触れる
ロゼ : …………、(ピク、と眉が動くが
ソウマ : ……、(真一文字に結んで
あんまり狼狽えてるのバレたくない
ソウマ : ……目、、閉じて…くれる?
ロゼ : …………!(は!とめっちゃガン開きだった……!!
ロゼ : ……、、、(こ、こう?とおずおずと目を閉じる
ソウマ : 、、ありがと。
ソウマ : (こんな感じ…、?と、ロゼの顔を上向きに傾げさせて
ロゼ : …、(従順に上向いて
ソウマ : ……、、、、(ゆっくり、慎重に、ロゼに顔を近づける
ロゼ : ………、
ソウマ : (……あれ?
角度……このくらいでいいのか……?(脳内試行錯誤でぐるぐる
ロゼ : …………、……?(片眼だけこっそり開けて
ソウマ : ……、、、?(真顔困惑なう
ロゼ : ………。
ソウマ : …… って
、(片目開いてるのに気付いて思わずちょっと離す
ロゼ : ………、、(アセアセと
ソウマ : 、、、ちょ、っと、待ってね……(じと汗
ソウマ : (…拙い。散々年上面してきたのに……この有様……
ロゼ : ……、初めて同士、だものね?
ロゼ : ……(そっと、ソウマの首に両腕を回す
ソウマ : ………、
ロゼ : ……、。(は、と息を呑む。彼の顔が、大人の顔が、近い。
ソウマ : 、――…(近い距離で目が合って
ロゼ : ……、(回した手が小さく震えていて
ロゼ : ……(僅かに上向いて、目を瞑る
ソウマ : ……、、(やがて、意を決したように、そっと顔を寄せて――……
ロゼ : ――――――………
ソウマ : ――――――(唇と唇を重ねる。
ロゼ : ――――――――。
ソウマ : ――――……(ぎこちなく覚束無い、押し当てるだけのくちづけ
ソウマ : ……、
…………(やがて、そっと離される
ロゼ : ―――、……………
ロゼ : ……(ゆっくりと、瞳を開けると
ソウマ : …………、安心……した?
ロゼ : …………、、、(幸福感に頬染めて
ロゼ : ぅ、ん……ちょっ、と………ゃ、、けっ、こー………、、かし、ら(目線が泳ぐ上に、何処か熱っぽい。
ソウマ : ……(ふ、と緩んだ笑みで)………そ、か。
ロゼ : …………、、、(何だかもじもじして
ソウマ : …………(こちらもほんのり紅くしてるが
は、と
ソウマ : ……ごめんロゼさん、急にこんな話で何なんだけど…(傍の時計を見遣って
ソウマ : ……そろそろ夜間巡回が来る。
ロゼ : …………、!
ソウマ : 何度か起きてた事あるけど、決まってこのくらいの時間だから……(気持ち小声気味に
ロゼ : …そ、、それじゃ……そろ、そろおいとまの時間、、ね………
ソウマ : …………うん…(名残惜しさがほんの少し滲むが
ソウマ : ……見つかったら大変だからね。
ロゼ : ……中に隠れて……いっちゃ……ダ、ダメ………よね、、?(あ、はは…と思わず溢して
ロゼ : (落とした視線の先はシーツ。ようは潜り込んでやり過ごそう作戦か。
ソウマ : ……。ロゼさん……
ソウマ : ……明日も、その先もあるよ。退院すればもっと自由だし、人目を憚らなくてもいい。(…こういうのが、彼女にしてみれば悠長なのかもしれないけど
ソウマ : ……何処にも行かないよ。
ロゼ : ……、そ、そうよね、、うん、……(羞恥に赤面して
ロゼ : じ、じゃあ……また、明日ね? 今度はちゃんと日中に来るから……、、
ソウマ : ………うん。また……明日。
ソウマ : ………
これからも、よろしくね。
ロゼ : ……、ええ。 こちら、こそ(微笑んで
ロゼ : ……。
ロゼ : (す、と近寄って。 彼の頬に柔く口付けして
ロゼ : ――。 じゃあ、また明日ね!(そそくさと離れて!
ソウマ : 、―……
ソウマ : ……………ん。(コクン、と頷くのみ
ロゼ : (やっちゃったかも、と赤面しつつ扉の方へ
ロゼ : グリス、モード、夜刀師〈ナイトスパロウ〉――――
ロゼ : (姿が掻き消え、部屋を後にする――――――
ソウマ : ――――………(扉が閉まるのを見送って
ソウマ : …(ぼすん、とベッドに横になる
ソウマ : ……
やわ………
最終更新:2021年11月16日 04:15