異化 [ミヌイ ロル 堕異天使 ニカ エレア]

ロルさんが入室しました
ミカエルさんが入室しました
ミヌイさんが入室しました
ミヌイ : (ダイテンシの意識が途絶えて数刻後。
ミヌイ : (保健室のベッドに横たわるダイテンシ。
ミヌイ : (包帯でぐるぐる巻きになっているが、医療魔術によりきちんと止血されているようだ。
ロル : (そのベッドの片隅で憔悴しきった顔で虚ろにダイテンシを見つめる男子学生。
ミヌイ : ……………
ロル : …………
ミヌイ : ……命に別状はないわ。
ミヌイ : ………。………ないけれど。
ロル : (ろくに話を聞いていない。
ミヌイ : ………。(今は言わないほうがいいか。
ミヌイ : ……とにかく回復を待ちましょう。
ロル : (ろくに話を聞いていない。
ロル : ………どうして。
ロル : ……どうして僕ばっかり。
ロル : (ロルくんのせいで死んじゃった。ロルくんのせいで死んじゃった。
ロル : (それでは・・・その整理を手伝わせて頂けませんか?
ロル : ………
ロル : (……勝手に万能のダイテンシだって思ってたけど。
ロル : (万能じゃないのかよ……。
ミヌイ : ……気持ちはわかるけれど。
ミヌイ : 思い詰めたからって治るわけではないわよ。
ロル : ………
ロル : ……だから何すか?(虚な目でミヌイを睨む
ミヌイ : ……………
ミヌイ : (やれやれ
ミカエル : ___・・・(天使の輪が紅く光る。
ミカエル : (紅い輪には無数の棘が生える。
ミカエル : (棘の生えた紅の天輪は飛び回り。
ミカエル : ー、ーー、ーーー、、、(ミカエルの体を覆う包帯をズタズタに切り裂く。
ミヌイ : ……?!!
ミヌイ : ちょっと……、何よこれッ!!!
ミカエル : (包帯を突き破り、6枚の黒い翼がはためき、
ミカエル : (黒の衣に身を包む両腕を失った異形の天使が現れる
ミカエルさんが退室しました
堕異天使さんが入室しました
堕異天使 : 嗚呼。嗚呼。
堕異天使 : 儚い夢と消えたか。
ロル : …………
ロル : ……ミカエル…??
堕異天使 : (ベッドの上に飛ぶ黒の天使
堕異天使 : (両腕を失い、羽も衣も変色し、どこか暗い声だが、
堕異天使 : 嗚呼。そう。
堕異天使 : 堕異天使、ミカエル。それが主より与えられた私の新しい名前だよ。
堕異天使 : ロル。(自己紹介後、ロルの名を呼ぶ。
ロル : …。
ロル : 無事…なのか……?
堕異天使 : ふふふふふ。
ミヌイ : ……安静にしなさいって言いたいところだけど。
ミヌイ : なんなのかしら
ミヌイ : ……コレ。
ロル : ………。ミカエル………。(消え入りそうな声で
ニカさんが入室しました
ニカ : (バタバタと急いた足音が保健室に近付いてくる
堕異天使さんが入室しました
ニカ : っ、ミカエル先輩は!?(血相を変えた様子で保健室に入って来る姿
堕異天使 : (両腕を失い、紅い天輪と黒い羽と共に飛ぶ
堕異天使 : (堕天した異形の天使
堕異天使 : ミカエル?
ニカ : っ ――(その姿を目に留めて
堕異天使 : 嗚呼。(ニカを見て
堕異天使 : 堕異天使ミカエルは、ココですよ。
ニカ : …………、、
エレアさんが入室しました
ニカ : ………… どういう、事なんスか。(堕異天使に訊いているようでも、周囲に訊いているようでもある
堕異天使 : 嗚呼。
堕異天使 : (肘から先を失った両腕を見せて
堕異天使 : 暴力により、両腕を失った。
エレア : ………えっ
堕異天使 : 大天使は完璧な天使で無ければならないのに。嗚呼。嗚呼。
堕異天使 : (無くなった両腕を見つめて
ミヌイ : (怒りで表情を歪ませている
堕異天使 : 嗚呼。悲しいよ。(紅い涙を流す
堕異天使 : 八首を名乗る者の強大な暴力により、大天使は敗北した。
ニカ : … 八首? イリゼ・トレマイオニーが黒だった訳じゃないんスか…?
エレア : 八首……?
ニカ : いや、つか何で八首がこんなトコに?そんで暴力?意味わかんねぇんだが
ロル : (茫然自失の状態で様子をみている
堕異天使 : 嗚呼。嗚呼。想定外な損害ね。
堕異天使 : 「ミカエル」がいつも言っていたでしょう?
堕異天使 : 大天使は負けないんだ。だからもう大天使では居られない。
ニカ : ……… はぁ、…よく解んねぇスけど…、
堕異天使 : そして。もう一つ。聞いて。
ニカ : 『敗北』を条件に、堕天する、的な……
ニカ : …ん。
堕異天使 : 不条理な暴力から、大切な人を守れなかった。
堕異天使 : (失った両腕を遠くのロルへと伸ばす
ニカ : ………
ロル : ___
堕異天使 : 大天使は弱いニンゲンを守る存在なのに。これじゃあ駄目ね。
ミヌイ : ……キュクロッ
ニカ : ……… そんな目に遭ってなお他人の心配スか。
ロル : ……
ロル : 僕なんて守らなくていいからさ……
ロル : ……元のミカエルに戻ってくれよッ!
ロル : (声を荒げる
堕異天使 : ………ロルさん。それはすぐには敵わないお願いだね。
堕異天使 : ニカさん。貴方の疑問は最もだけど。
堕異天使 : 私には主より脳裏に命じられた天命があるからね。
ニカ : …… いや。まあ、いっスよ。
ニカ : 見目は変わっても、中身は先輩のままだなって気もします。逆にね。
堕異天使 : 全てのニンゲンを暴力から救済する。
堕異天使 : そのために、全ての暴力を、天に滅する。只今より。
堕異天使 : 協力して、くれるかな?みんな。(血の涙を流しながら笑む
ニカ : ………。暴力の定義に拠りますね。
エレア : ……何を言ってるの?
ロル : ………やめてくれよ……
堕異天使 : あらゆる暴力を振るう力を持つ者を私の手で滅ぼすの。
ロル : そんなミカエル君見たくない………
ニカ : 考え方次第で、魔術なんてほぼ全部暴力でしょ。…そう、そういうスケール感スよね。やっぱ。
堕異天使 : "あの戦い"では悪魔と柳に邪魔されたからね。
堕異天使 : 今度こそ、私の天命を真っ当するよ。
ニカ : ……
ニカ : あの、ついでなんで色々訊きますけど。
堕異天使 : どうぞ。
堕異天使 : なんなりと。
ニカ : そんな大層な天命を抱えながら、何でいち学生として過ごしてたんですか。
堕異天使 : 「大天使」の「ミカエル」が、ね?
ニカ : ……「ミカエル先輩」は、上書きされた人格か何かですか?
堕異天使 : ニンゲンを救うために、ニンゲンを愛し、ニンゲンと共に暮らすことを選んだのが、「大天使」の「ミカエル」なの。
ロル : ……やめてくれよ、ニカ君……
堕異天使 : 何も不思議な事じゃないけど、少し、ヌルくて、
ニカ : ……ロル先輩。(ロル見て
堕異天使 :  こう なっちゃったね。(両腕を見せて
ニカ : …知りたくない事だからって逃げるんスか。
ニカ : …そんなん、アンタを大切に思って助けようとした、「大天使のミカエル先輩」が…不憫じゃないですか。
ロル : ……なんで全部知らないといけない?
ロル : なんで不憫だなんて話になるんだよッ!!!
ニカ : ……… じゃあ。
エレア : ……先輩。
ニカ : この人(堕異天使)、このまま放っておくんですか。
ロル : ………
ロル : なあ……お願いだよ……元の優しいミカエル君に戻ってくれよ……
ロル : (懇願するように。哀願するように。
堕異天使 : それは
堕異天使 : 難しい願いだよ。ロルさん。
堕異天使 : 私はこの世界を暴力から救済する。
ニカ : ………暴力を以て、ですか?
堕異天使 : ……救済の為の力を持って、です。
ニカ : ……それ、コッチの世界では暴力って言われてますよ。 ……あの、ミカ― …堕異天使さん。
堕異天使 : 嗚呼。嗚呼。
ニカ : …交渉の余地はないですか。 手段を選ぶとか、対象を選ぶ、とか。
堕異天使 : それはとても悲しい。残念です。(血の涙を流す
堕異天使 : でも世界のニンゲンが暴力から救済されるなら、
堕異天使 : 堕異天使の力を。その救済の為に振るいましょう。
ニカ : …俺達はあんたに心のままに天命を全うされると、とても困ります。
堕異天使 : そうでしょうか?本当に?(エレア、ミヌイ、ロルをも見る
堕異天使 : この世界から暴力が無くなるのですよ?
堕異天使 : まさしく世界の救済であると、思えませんか?
ニカ : …その時にはこの世界から人間いなくなってると思いますし、そもそもその前にアンタは排除されますよ。
堕異天使 : へえ。
ニカ : 「世界を危機に陥れた襲撃者」として、世界中の「英雄達」がアンタを止めるでしょう。
ニカ : …俺はソレは嫌です。「ミカエル先輩」には、生きてて欲しいんで。
堕異天使 : そうですか。柳のような勝手な者達がいるのですね。
堕異天使 : 例えばその「英雄達」は、この街だと、
堕異天使 : 八首の方々とかでしょうか?ミヌイ先生?
ミヌイ : ………
ミヌイ : ……何が言いたいの?
堕異天使 : 八首の暴力によって目覚めた堕天した異形の天使は、
堕異天使 : 八首の暴力を滅する事で、この世界を救済する。
堕異天使 : それならどうですか?ニカさん。
ニカ : …… 「対象を選べ」って言いましたしね。確かに。
ニカ : ……まあ、その理屈なら。やられた相手にやり返すのが筋じゃないスか?
ニカ : 八首キュクロ。荒くれ者だっつー噂話は聞いてましたけど…
ミヌイ : ……キュクロは荒くれ者だけど。
ミヌイ : 学生の腕をもぎ取るようなやつだとは思ってなかったわ……(失望した表情で。
ニカ : ああ。「ただの学生だった」「ミカエル先輩」をこんな目に遭わせるのはイカレてるでしょ。
堕異天使 : 嗚呼。嗚呼。
堕異天使 : それなら決まりですね。
堕異天使 : まずは八首の暴力から。この街のニンゲンを救済しましょう。
エレア : それって…。
ロル : ーーーーーーーーーーー
ニカ : ……(完全に止められる気はしない。…一時的に、対象を絞る事はできたっぽいが…
ニカ : ………堕異天使さん。
堕異天使 : はい。ニカさん、なんでしょう?
ニカ : …… それ(救済)、やりたくてやるんスか?
ニカ : それやって、充実感とか…満足感とか…、あります?
堕異天使 : 天命です。"主"もそれを臨んでおります。
ニカ : …… "主"って、何ですか?
エレア : …………
堕異天使 : …?
堕異天使 : "主"ですよ。
堕異天使 : 私に声を伝えてくれる者です。ご存知ないのですか?
ニカ : …天界の上位存在? 良くわかんねーけど……
堕異天使 : "主"は"主"です。
堕異天使 : 嗚呼。嗚呼。勉強家のニカさんがご存知無いとは意外ですね。
エレア : ………?
ニカ : まあ、天界事情については詳しいとも言えねーんで。…でも、まあ。
ニカ : そいつ多分すげーカルトッスよ。
堕異天使 : …はい?
ニカ : その教えを守ったら、アンタは世界から排斥されるんスから。
堕異天使 : ………私が?
ニカ : まー…(言って伝わるとは思えないが…)…
ニカ : 良く考えた方がいいんじゃないスか。
堕異天使 : 何を。何をでしょうか。
堕異天使 : この世界を暴力から救済する。その天命の何処に疑問が?
エレア : え。疑問しかないんだけど…?
ロル : …………
堕異天使 : エレアさん?
ニカ : …ッスよね?(エレアの一言に内心すげー安心した
ニカ : なんか、うん、現代キアシス人の俺から見ますとね。
ニカ : その"主"ってやつ、すげえ時代錯誤だし、すげえ極論厨だし。
ニカ : ちょっと現代社会にはそぐわない信仰ッスね。
堕異天使 : それは。それは。嗚呼。悲しい。
堕異天使 : 大層な物言いですよ。"主"の天命を真っ当すれば、
堕異天使 : 世界のニンゲンは暴力から救済されるのに。
ニカ : ……本当にそう思います?
堕異天使 : ………思えませんか?
ニカ : 排除すれば消え去ると思ってるなら、まあ、なんつーか………人間に期待しすぎだと思いますけどね。
堕異天使 : ニンゲンを愛し、あなた達ニンゲンに愛された「大天使」の「ミカエル」だって、
堕異天使 : 世界のニンゲンの救済を願っていたでしょう? 
ニカ : それはまあ、口癖みたいに。…それこそ時折過激なくらいに。
堕異天使 : 嗚呼。そうです。
堕異天使 : 世界のニンゲンを救済したい。
堕異天使 : その想いは"二人目"の私〈ミカエル〉も変わりません。
ニカ : でも、「ミカエル先輩」の事だって…やりすぎだと思ったら止めますよ。
堕異天使 : より一層強い天命を抱いて、世界を暴力からーーーはい?
ニカ : 堕異天使さんは完全に行き過ぎててイカレてると思うので、止めてます。今。
堕異天使 : 無理に止めずとも大丈夫ですよ。
堕異天使 : アナタ達ニンゲンは弱いのですから。
エレア : ……
ニカ : いや、止めねーと色々困るんで。
堕異天使 : (血の涙を浮かべた目でロル、ニカ、エレアを見る
エレア : 救済と暴力って一緒にしてるけど全然違うくない?泣かれてもよくわかんないよ。
ニカ : 弱くても脆くてもショボくても、生きてるし意思もあるんで。…嫌だと思ったら嫌だって言いますよ。
堕異天使 : 不可思議な事です。お二人共。
ミヌイ : ……とにかく。
ミヌイ : 原因を作ったヤツ、ここに呼べばいいのかしら?
ニカ : ………すげえ事言い出しますね?生贄?
ミヌイ : …え?いいんじゃない、自分でやったことだし。
ミヌイ : 強い奴と戦いたいって言ってたし。
ニカ : ま、自業自得スね。
ミヌイ : ……まあ。
ミヌイ : 話が通じないんなら。
ミヌイ : もう一回倒さないとダメなんじゃないかしら。
ミヌイ : ……もちろん、腕はもいだりはしないけれど。
ニカ : ゲームみたいな理論スね…… まーでも。
ニカ : 話してても、埒あかなそうな感じは………します。(何とも言えない、寂しさを滲ませて
ミヌイ : ……じゃあ。
ミヌイ : とりあえず電話しようかしら。(と言いつつ携帯を取り出す。
ニカ : ……よろーッス。
最終更新:2022年07月26日 23:56