ロル : ………(行く末を見つめる
イリゼ : (エレアの観測する可能世界には、先程と異なり回避動作も含まれている。
エレア : うそ……!
エレア : (選択が間に合わない…!!
イリゼ : (中には天輪を直撃するものもあるようだが―…(イリゼの身体がふらりと傾くように後退
イリゼ : (血の刃を纏った転輪が落下する
堕異天使 : (大地に突き刺さり、尚も回転の終わらない天輪
イリゼ : (床を抉り回転する血輪
堕異天使 : 「主の血」を削ってでも…!(腕先の無い左腕を前に向けて、右腕で弓を引く動作
イリゼ : ――開花の魔法・乱れ咲き。(その後方で、存在する腕を前に突き出して
イリゼ : (己の前方に、壁のように蔓が伸び広がる。その前面に次々と咲き乱れる花々
ロル : (くそっ…!!何もできないのか、僕は!!
堕異天使 : ダイテンシはアナタの“暴力”を「終わらせます」!(右腕から更に血が噴き出し
堕異天使 : 「堕天」…「閃線」っ!!(回転する天輪を後ろから押し動かす血の一線
イリゼ : (花のそれぞれには例の『口』。天輪に次々と自ら向かっていく…!
コロン : あの『口』は…!!(感覚強化した視力はすぐにその事象を捉える
イリゼ : (さながら屍肉を食い漁るピラニアの如く。天輪に噛み付き、血を飛び散らせながら毟り喰らっていく
堕異天使 : (天輪は血を纏っていく、後方から押し寄せる血を纏っていく。
堕異天使 : (しかし、纏っても、
堕異天使 : (纏っても、纏っても、
堕異天使 : (天使の象徴たる輪っか。それそのものの形が食い潰されていく
イリゼ : うん。うんうん。(にこにことその様子を見守って
堕異天使 : …っ、「主の血を捧げ、天命に沿う」ーーー(両手を自らの首に向けて詠唱を紡ぐ
イリゼ : とっても綺麗。(イリゼの美的感覚からすれば、堕異天使の放つ技のどれもが美しい。
コロン : ダメだセンパイ!それ以上の血を使っても!!(堕異天使の翼を後ろから引っ張る
堕異天使 : (コロンのか弱い筋力に引っ張られて、フラつき、落下し、尻餅をつく
コロン : っっ! あ、ご、ゴメンナサイ!!(この手応えの無さ…?さっきのでセンパイはもう…!?
エレア : そんな……!!
エレア : (可能世界の解読が解除される
堕異天使 : (堕落した異形の天使は、吸血鬼でもグールでもゾンビでも黒魔術士でも無い。
堕異天使 : (天使は、血を吹き出しながら闘えるような種族ではない。
イリゼ : 血は命の根幹。己から湧き出し、巡りゆくもの。
イリゼ : 使いすぎたら削れちゃうんだね。だからこそ…とっても綺麗なんだけれど。
堕異天使 : ……そのようです。(地に堕ちたままイリゼを見つめて
ロル : ミカエル君……ッ!!(ミカエルの方向へ駆け出す
堕異天使 : 腕の無いこの不完全な体から…「主の血」も「天輪」も失ってしまった。(花に食い千切られた天輪を見つめて
堕異天使 : それでも…ダイテンシなら負けないのです…(フラフラと立ち上がり
イリゼ : ふふっ。ミカエルちゃんは頑張り屋さんですごいねぇ。
ロル : もう止めてくれッ……!!(ミカエルの肩を両手で抱きながら
ロル : 止めろおおおッ…!!!!(左手を花に向かって突き出す
堕異天使 : (腕先の無いロルに抱かれて不安定に揺れる
イリゼ : あれ?
イリゼ : もう一本くれるの?(首傾げて
ロル : (突き出した左手には全く力がなく、だらんとしている
イリゼ : (蔦から咲く花達が蔓を伸ばし、ロルの突き出した腕に向かっていく
コロン : ロルさん…?!(いや…左手???
ロル : ああ……!!たんまり食えよ!!!!(次の瞬間、
ロル : (雑に紐で固定されていた、ロルの左手に見せかけた誰かの左手首が宙へとふっとび
ロル : (もがれた腕と誰かの手首の間に仕込んでおいた件の大威力炸裂弾を4個手を伸ばした蔦にお見舞いする
ロル : (例の口の中めがけて
イリゼ : ―――!(目も眩むような閃光と甲高い炸裂音
コロン : っっ!!?
イリゼ : (花に喰われる事無く炸裂し、花と蔦が斬り刻まれながら吹き飛ぶ
イリゼ : あっ・・・(爆風の煽りを受け後ろに数歩たたらを踏む
堕異天使 : (爆風の余波で後のロルに倒れ込む
イリゼ : …枯れちゃった。 ふふ、でも・・・(体勢を立て直そうとして、踵が段差に当たった事に気付く。
ロル : ……ごめん……ミカエル君……
ロル : 今まで、怖かったんだ……
ロル : また僕のせいで、僕の知っているミカエル君がいなくなるって思ったら……
堕異天使 : っ…ロルさん?(ロルに倒れ込んだまま
ロル : ………受け入れたくなかった…
ロル : 君がミカエル君なのかはわからないけど…、
堕異天使 : ええ。ええ。良いのです。
堕異天使 : ニンゲンに愛し愛されるのは“3人目”のミカエルですから…
ロル : 事情はわからないけど、今度こそ僕が守りたいんだ……!!
ロル : 自分の手で……!!
堕異天使 : まぁ・・・嗚呼。
ロル : ……まあ…手、なくなっちゃったんだけどさ……
堕異天使 : ニンゲンのくせにダイテンシを守るだなんて…ふふふ…変ですよ。
ロル : ……いつも、守ってもらってばかりだからね。
堕異天使 : ええ。ええ。
堕異天使 : でも、不思議と…安らぎます。(グッタリとロルに体を預けてずるずると床に体が堕ちて行く
ロル : ………(肩上で力なく抱えながら、穏やかな表情でダイテンシを眺める
コロン : ロルさん!!(閃光と爆発騒ぎの合間に“フルー”へ向け駆け込んでいた者が名を呼ぶ
イリゼ : ……… えっ? (予想外の方向から聞こえる声に
ロル : ………?!!
コロン : 邪魔してゴメン!武器投げて!!2人の腕を取り返すから!!!(簡潔に目的を伝える
ロル : ……わからないけど、わかった…!!!(ダイテンシをそっと床に寝かせて、例の炸裂弾をポケットから片手で取り出し放り投げる
イリゼ : ――― 待ってよ!!(かつてなく声を荒げて振り向いて
コロン : (あの距離から手負いのセンパイが投げた炸裂弾なんて届くわけない、そもそも炸裂弾じゃ腕ごと吹き飛んじゃう!
イリゼ : フルーに何をするの!? わたしの、大事な―…!(イリゼの足元から蔦が生え出で始め
コロン : (相変わらず考えが足りないんだからセンパイは!でも、大丈夫、きっと、今度こそ!!
イリゼ : (次々と花を咲かせながら猛然とコロンの方に迫り来る
コロン : ーーー 待たないよ。6年待ったもの!!(イリゼに八つ当たりな返事して
イリゼ : っ―― よく分からない…!!(コロンに向かって無数の腕のように花が伸びていく
コロン : 転送魔術“光開術<コウカイジュツ>”!!(炸裂弾をフルーに向けて加速させる光の帯
コロン : 光よ灯れ!(自分の体に向かってくる無数の腕は全て“見ない”
コロン : 光冠剣!!(炸裂弾が“フルー”へと放たれるその直前。光の帯が誰か達の腕を包み込む
エレア : ーーーーーッ!!(とつぜんの光に目が眩む
イリゼ : あっ……・・・!(間に合わない 目も眩む光の中、絶望的な表情で目を見開いている
ロル : ……あとは任せたよ、名探偵。(ミカエルをかばいながら閃光を見ている
イリゼ : ―――― (無数の腕がコロンを呑み込むように伸びるも、時既に遅し
イリゼ : (蠢く腕達の中心にある本体部分を狙いすましたように
イリゼ : (大威力炸裂弾が着弾し、 爆発
イリゼ : ぃ
イリゼ : いやあああああああああああああああ!!!!!!!
イリゼ : (目も眩むような閃光に呑まれ
コロン : へへっ、やっちまったぜ…!
イリゼ : (そのおぞましい【芸術作品】は爆発四散する
イリゼ : ……… ・・・ ・・・・・・(立っていられず、その場にへたりこむ
ロル : さすが名探偵……ってとこかな…
イリゼ : (コロンに向かっていた無数の腕も、力無く地面に落ちる。
イリゼ : ……………
コロン : あ
イリゼ : ・・・・・・フルー………
エレア : (弱ってる今なら………!!
コロン : (コロンも地面に倒れる。迫り来る無数の腕に死を覚悟していた
イリゼ : ―――(エレアの観測する未来が、赤黒く塗り潰されている
エレア : (レイヴン特性の拘束用魔道具を手に取り、
コロン : いや、そうだっ、まだ終わったわけじゃ・・・!(膝をついてイリゼを診る
エレア : ………えっ………?(赤黒く塗りつぶされた未来に驚く
イリゼ : ……・・・
エレア : みんな!!!気をつけて…!!!!!
エレア : まだ終わってない!!!!!
イリゼ : なおさなきゃ。(座り込んだイリゼの周囲に、血溜まりのように円陣のように魔力が広がる
堕異天使 : ・・・、、、(力無く横たわっている
コロン : まだ終わってない……どころか…コレ…(魔力の広がりを診て
コロン : こうしてる場合じゃないっっ!(意を決してフルーの爆心地だった場所へ駆け出す
イリゼ : (円陣の中から―――まるで異界から這い出てくるように、幾つもの赤黒い腕が伸び始める
イリゼ : 腕を。腕を。腕を。足を。胴を。胸を。皮を。爪を。髪を。臓を。(両腕はだらりと垂れて、円陣に接地
エレア : 何……これ………??
イリゼ : こわれてしまったなら、 なおさなきゃ。
イリゼ : とりもどさなきゃ。
堕異天使 : 嗚呼。嗚呼。
イリゼ : かわりは。
堕異天使 : 悍ましい執念を感じます。
イリゼ : まだ。
ロル : これはちょっと、やばいだろ…(片腕でへたり込んでいるミカエルを一生懸命かつぎ、距離を取ろうとする
ロル : がっ、くそっ…!!(だが片腕で力がないこともあり、つまづいて転んでしまう
イリゼ : (堕異天使、ロル、エレア、コロン――室内にある、フルーの材料を持つ全員に向かい、ぞろぞろと赤黒い腕が伸びてゆく
エレア : ……何も…、見えない……
エレア : (必死にスフィアを展開するが、未来は赤黒く塗りつぶされていて何も見えない
コロン : コレしかない!(自分の地点からロルの方へと光の帯を伸ばす
コロン : お返ししてもらいましたよ!(ロルの方へと何かを飛ばし、
イリゼ : フルー。 …フルー。もどってきて。
イリゼ : まだ。まだ。まにあうはずだから。
コロン : っ!!(イリゼの放つ赤黒い腕がコロンに伸びてくる
堕異天使 : まだコレだけの魔力が彼女には…(自分やロルへと伸びてくる赤黒い腕を見上げる
ロル : ………くそっ!!(コロンの方に十分に意識が避けないまま、赤黒い腕が迫ってくる中を歩こうとする
イリゼ : わたし達の芸術――!(コロンが何やら画策している事は全く目に入っていない様子。
コロン : (堕異天使とロルに向かっていた赤黒い腕が、光の帯に運ばれて、コロンの方へと進路を変える
エレア : ……どう、しよ……
コロン : 転送魔術“光開術<コウカイジュツ>”・・・(3人分の腕を引き受けて力無く笑み浮かべる
エレア : ……ニカ。
エレア : (「………
強けりゃいーんですよ。」
イリゼ : ―――(4人に放った腕は全てコロンに向かっていく。
エレア : (「家柄でも、出自でも。自分の持ってるモンを何でも利用できる人間が、この学園では強い。」
イリゼ : (腕を。足を。胴を。胸を。皮を。爪を。髪を。臓を。 全て捥ぎ取り、奪い獲らんと。
エレア : (おびえてる場合じゃない…!!
エレア : (私だけ、まだ何もできていない…!!
エレア : スフィア…!!!(5〜6個のスフィアを宙に放出し、イリゼへと向かわせる
コロン : (腕を自分に引き寄せる。その為だけに伸ばした光じゃない。ロルさん、近くまで届けましたよ…後は……すいません…!
コロン : (イリゼの放つ腕達に囲まれる
コロン : ーーーーー
(光の道を作って、その道に攻撃を誘導する。
(道の始まりは自分の手元じゃなければならない。
(だから他者を守るときは自分に攻撃を吸い寄せるしかない。
(不便な技だ。
(でも。
コロン : (道を描く時に、同時に、手元から、彼らに、
コロン : (フルーから奪い返して炸裂弾から光で守った宝物ーーロルとミカエルの腕ーーを届けた!
コロン : あっっっ(赤黒い腕達に全身各所を掴まれ、奪われていく
ロル : ……くそっ……!!!
ロル : (また僕は……何もできないのかよ…!!!
イリゼ : (無数の腕はコロンの身体をそれぞれに引っ張り、千々に引き裂くように「奪って」いく。
ロル : ……(そう思いながら突っ伏すと、横に二人の腕が転がっている
堕異天使 : 嗚呼。
堕異天使 : 嗚呼。
ロル : ……(自分の腕を今すぐくっつける術式はない…、
ロル : ……(でもコロン君が、自分を身代わりに届けてくれた腕だ…
ロル : (何か…、何か考えろ……!!
エレア : ………
堕異天使 : (肘先の無い腕で、ロルを優しくつつく
エレア : (ニカとの訓練で、宙を舞うスフィアで魔法陣を作成し、より強大な術式を召喚する。
エレア : (それをずっと練習していた。
エレア : (……ただ、この状況を打開するほどの威力の魔術となると……、
エレア : (……ミヅハのじゃダメだ。
エレア : (もっと……、威力が高くて…、私にもできそうな…
堕異天使 : エレアさん、ロルさん、
エレア : (「……魔術の王道は、敵を嘲り味方を嗤うこと。魔術師とはすべからく孤独なのじゃ」。
エレア : (………!
エレア : (今、思い出しても、
エレア : (本当に趣味の悪い、
エレア : (ろくに顔も見たことのない、心から大嫌いな、
エレア : (………お父さん。
エレア : ……全部、利用してやる!!!出自も、生い立ちも!!!!
エレア : 《 君 臨 す る 超 常 》!!!!!
イリゼ : ――― ・ ・ ・ ・・・
イリゼ : (コロンを喰らい尽くすように、『道』に沿って蠢き続けていた腕が。
エレア : (異空間から現れたかのような腕の周囲を飲み込む無属性の巨大爆発を起こす術式を召喚する!!
エレア : (空間の一点から周囲を飲み込む圧倒的な爆裂が起こる
イリゼ : (その軌道を変え、エレア達の方に向く。・・・コロンの“光開術”が効力を失ったということ。
イリゼ : ―――― (その瞬間、巨大爆発!!!
イリゼ : (雪崩のように伸びていた異界の腕たちが、超常的威力によって消し飛ばされる!!
ロル : ……………ッ!!!(爆風に煽られてよろける
堕異天使 : (よろけたロルの後ろを力無く支える
イリゼ : っ 。(ふらりと爆発に煽られ、そちらを向いて
イリゼ : じゃま を
エレア : お父さんなら…、コロン先輩は無視して、あなたを直接狙えたんだろうな……
イリゼ : しないで・・・!!(一時的に、波のような腕が停止するが
イリゼ : (再び足下の円陣から赤黒い腕が湧き上がろうとする
エレア : ……でも私はできなかった!!だって、私はお父さんじゃないから!!!
エレア : (大量に魔力を消費しており、連発はできない様子だ。
堕異天使 : ロルさん。(この非常時に。
堕異天使 : (力無くロルに抱きつく堕落した異形の憔悴した天使
ロル : ………
ロル : ……そこに君の腕がある。
ロル : しかも…、趣味が悪いけど、やたら状態がいい…。
ロル : (簡易的な治癒魔法でも…、くっつけられるんじゃないか?
堕異天使 : ・・・
(ロルと初めて「堕異天使」として出会った日に伝えた言葉)
ーーー大天使は完璧な天使で無ければならないのに。
ーーーニンゲンを救うために、ニンゲンを愛し、ニンゲンと共に暮らすことを選んだのが、「大天使」の「ミカエル」なの。
ーーーそして、「異形」であり、「敗北」しなければ"二人目"のミカエルは出てきません。
堕異天使 : ・・・
(ロルと先ほど「堕異天使」として交わした言葉。
ーーー今まで、怖かったんだ……
また僕のせいで、僕の知っているミカエル君がいなくなるって思ったら……
………受け入れたくなかった…
君がミカエル君なのかはわからないけど…、
事情はわからないけど、今度こそ僕が守りたいんだ……!!
自分の手で……!!
堕異天使 : ・・・
エレア : ……私は、私だ!!!(術式でスフィアに炎を纏わせ、召喚しようとしているイリゼに高速で突っ込ませる
堕異天使 : はい、「ミカエル」の腕です。(ロルに答え、腕先をロルへ伸ばす
イリゼ : 、 。 (燃え盛るスフィアがイリゼの身体に直撃する が、召喚は止まらない
ロル : ……ミカエル君。(やさしく微笑みながら、片手でミカエルに腕をくっつけ、簡易治癒魔法を施す。
ロル : (……片方が済んだら、もう片方も。
イリゼ : (地の底から這い上がるように、花が茎を伸ばし、萌え出でるように。
イリゼ : (赤黒く、口を備え、異界からの瞳が覗き込む、異界の腕が咲き乱れる
堕異天使 : ロルさん、(治癒されながらもロルを見つめ
堕異天使 : ダイテンシはニンゲンと・・・・・・・・・
ロル : ……好きだ。
堕異天使 : ーーあ。
ロル : …………。(思っていた言葉と違う言葉がでてしまった。
ロル : ……あ、その。…………
ロル : ………君ならできる。頼んだ。
堕異天使 : っ、私も、
堕異天使 : ・・・ニンゲンを愛しています。
堕異天使 : ・・・あなたというニンゲンを。
ロル : ………あ、ああ。
堕異天使 : (「完璧であり、」「ニンゲンを愛し、愛される。」
堕異天使 : (それが
堕異天使さんが退室しました
ミカエルさんが入室しました
ロル : (僕なんかを………? こんなときに告白とか頭おかしくなったのかよ…。いや、そんなことよりも……
ミカエル : (大天使ミカエルの顕現条件。
ロル : ……じゃあ、勝ったらデートだな。
ミカエル : 魅力的な提案ですね。それならば、その為に。ええ。ええ。(光に包まれた大天使がすぐに答える。
ミカエル : この世界を“救済”します。
イリゼ : (想いを確かめ合う二人に迫りくる花の奔流!
イリゼ : (エレアのスフィアを無防備に受け続け、身体にダメージは蓄積し続けている。
ロル : (がんばれ……ミカエル君…!
イリゼ : (が。その欲望は留まる気配が見えない。――目の前の、肉体ある全ての生物から、「強奪」せしめんと迫り来る
ミカエル : 「ニンゲン」に「愛し愛され」、「私」は「私」足りえるのです。
ミカエル : (迫り来る花の奔流に背を向けて、ロルを抱き締める
ロル : …!
ロル : …あの、花が来てるけど。
ロル : ………
ロル : あ、愛してる……
ロル : (言った瞬間に猛烈に恥ずかしくなる。
ロル : だからあいつなんかに負けるな、ミカエル君。
ミカエル : ふふふ。ありがとうございます。(抱きしめたまま呟き、
ミカエル : (六枚の天使の羽根が巨大化し、床から天井までを壁の様に遮断する
ミカエル : 「天異」ー「フェザーフラワー」
イリゼ : ――はねだって、なんだってかまわない…!(立ち塞がるように広がる『フェザーフラワー』に掴み掛かる無数の腕
ミカエル : ニンゲンの愛を知った私はもう「堕」落しません。ただ、「異」形なる力をも完璧に制して見せましょう。
ミカエル : (掴み掛かかられた羽根が千切れていき、
ミカエル : 「天異」ー「エンゼルシャワー」(千切れた先から羽根の矢となって腕に次々と突き刺さる
イリゼ : (羽根の矢が次々と突き刺さり、怯むように動きを止めていく
イリゼ : くれないの?くれないんだ?どうして?なら。
ミカエル : 「大天使」も「堕異天使」も私。ミカエルの力です。(千切れていった羽根の破片が光の輪となって、頭の上に宿る
ロル : ………!(固唾を飲んで見守っている
イリゼ : もっと、もっと手をのばすね。手にはいるまで。手がとどくまで。(足下の陣が赤黒く輝き
ミカエル : そして、この腕も…ロルさんと抱きしめ合う為の大事な腕です。もう失うわけには行きません。(後方のイリゼへ視線を送り
イリゼ : ずっと――・・・!(新たな腕達が生え出でてくる
ミカエル : (なおも肥大化を続けた天使の羽根が
ミカエル : (天井を押し上げ、屋根に亀裂を入れて、尚も羽根を千切り、撒き散らしながら膨れ上がり続ける
イリゼ : (無数の腕は再び巨大な羽に向かっていく。指向性はあまり無いようだ
ミカエル : (腕の伸びていった先は、
ミカエル : (大きくなりすぎた羽根によって覆われた天井も。
ミカエル : ーーーぴき
ミカエル : (突如、轟音。
ミカエル : (質量の肥大化する「異」質な羽根と、あらゆるものを「強奪」する腕の騒動によって、天井に大穴が開く
イリゼ : ――――(ここはイリゼが魔術封印によって隔絶してあるプライベート温室。
イリゼ : (だが、部屋そのものは物理的に存在するものだ。 故に――……(ぴき。
イリゼ : (羽根の質量に圧され、屋根が吹き飛び大穴が空く!
エレア : ……、空だ。(上を見上げる
ミカエル : 「大異天使ミカエルは…思い出します。」(始めるは詠唱
ミカエル : 「初めての闘いでも…このように大穴を空けて管理の人に事情聴取されましたね。」
ミカエル : (夜中だというのに、天空から、強烈な光が差し込んでくる
イリゼ : ―――・・・光?
イリゼ : (薄闇の中、差し込む光をふと見上げる
ミカエル : (暗闇の世界に真っ直ぐと差し込む。雲よりも遥か上の時空からの強烈な光
ミカエル : 「思えば最初。あの時から。あなたは………ふふふ。」(思い出話のような、多くは語らない。独り言のような詠唱
ミカエル : (雲が動き、空が割れ、別の世界からの強烈な光が真っ直ぐと、イリゼの秘密の温室を照らす
ミカエル : ・・・イリゼさん。
イリゼ : ・・・これって・・・(その異質さを、なんとなく肌で感じ取る
ミカエル : 天界の「主」の名のもとに。ニンゲンを“悪魔”から救済します。
イリゼ : ・・・ 何を言ってるの?
ミカエル : 天界の光は・・・
ミカエル : “悪魔”によって汚染されたあらゆる“暴力”を浄化し“救済”する。
エレア : ………
イリゼ : ………。
イリゼ : ふふっ。
イリゼ : じゃあ大丈夫だね。(真っ赤に濡れた両手を、祈るように組んで
イリゼ : 今までずっと、きれいなものだけ摘んで来た。わたしの両手は、汚れてなんかいない。
イリゼ : 試してみてよ、ミカエルちゃん。
ミカエル : いいえ。否。いいえ。違います。天界の「主」たる「私」が、判決を下します。
ミカエル : 「強欲」という大罪なる欲求に囚われた汚れた“悪魔”による禍根は残しません。
イリゼ : うん。うん。ミカエルちゃんはそう思うんだねえ。
ミカエル : あなたも、あなたが積んできた“ニンゲン”の腕も。皆、救済する。全て。
イリゼ : わたしとあなたの理は違う。それだけの事。
ミカエル : ・・・難儀なニンゲンです。「主」の理は天命なのに。
イリゼ : あなたの信仰<ルール>では、わたしからは何も奪えないよ。
ミカエル : (嗚呼。なんてニンゲン。最後まで。全く。
ミカエル : ・・・
ミカエル : そうだとしても。
ミカエル : 「私はこの愛すべき世界を救済しましょう。」
イリゼ : わたしは―――とっても欲張りだから。(彼女は、大罪の悪魔を奪い獲った、只のニンゲン。
イリゼ : (たとえ敗けても。 たとえ「すくわれ」ても。 これだけは、わたさない。・・・絶対に。
ミカエル : ・・・。
ミカエル : (数順の迷い。
ミカエル : (ただ、ニンゲンへの救済と、アノ折れない芯の通った相手への敬意を込めて。
ロル : (……ミカエル君。
ミカエル : 「聖罰ーーーアークライト・サン。」
ミカエル : (天界ー天空から降り注ぐ強烈な光が学園周囲の夜雲を全て吹き飛ばし、大穴へと極大の光線を注ぎ込む
イリゼ : ―――――――
イリゼ : (・・・きれいな光。 これも奪ってしまえたら、……――なんて――
イリゼ : (大罪の悪魔だもの。流石に天の光は、食べず嫌いしちゃうかな。
イリゼ : (光線に呑まれ、姿が消えゆく
ミカエル : ーーーーーーー
ミカエル : (天界の「主」による天への命令。
イリゼ : ――――――― ――――― ……(無数の腕も光線に呑まれ、空しく消えてゆくばかり
ミカエル : (天界の機構全てを使って、“悪魔”から“ニンゲン”を救済する命令。
ミカエル : (“悪魔”によって汚染された“ニンゲン”を全て浄化し、救済する………はずだったが…
ミカエル : ーーーーーーー
ミカエル : ・・・
ミカエル : ・・・。
ロル : 勝った……のか……?
ミカエル : 「1人目の私」の力でも………いえ、いいえ。本来の目的は………
ミカエル : ・・・ええ。(数泊置いて、ロルへ返事する
ロル : ……そっか。
ロル : (ぱたんとへたり込む。
イリゼ : (莫大な光が失せていくと、そこには―――……
ミカエル : (肥大化した翼が光の泡となって消えていく
イリゼ : (円陣も、イリゼの姿も、何も残っていない。
ミカエル : ・・・。
イリゼ : (ただ、『フルー』と呼ばれた・・・芸術作品の残骸が残るのみ。
イリゼさんが退室しました
エレア : ……消えた……?
ロル : …お疲れさま、ミカエル君。
ミカエル : あの腕や、他のニンゲンの腕をも浄化したかったですが………それこそ強欲な願いだったかもしれません。
ロル : でも、……アイツもかわいそうなやつだったな…。
ミカエル : (イリゼの居た箇所をぼんやりと見つめて
ロル : …………。
エレア : ……。コロン先輩は………
エレア : …………ごめん、私守れなかった…
エレア : (大粒の涙がこぼれおちる。
ミカエル : ・・・。
ロル : ・・・。
ミカエル : (こうして。
ミカエル : (大罪の悪魔。いえ。
ミカエル : (お花が好きな女の子のニンゲン。
ミカエル : (その大掛かりなイタズラは止まった。
ミカエル : (この学園は、そんなイタズラから救われた。
ミカエル : (暴力からニンゲンは救われたんだ!
ミカエル : ・・・。
ミカエル : (ええ。
ミカエル : (ええ。
ミカエル : (失ったものと、得たものは、後程きちんと、数え直しましょう。
ミカエル : ・・・。
ミカエル : ええ。皆様も。お疲れ様です。(今更、ロルの言葉へと返事する
ミカエル : (極大な光によって学園中に知れ渡ったこの地点に、
ミカエル : (各所からの足音がやってくる
ミカエルさんが退室しました
ロルさんが退室しました
最終更新:2023年01月28日 23:27