あまのはら : ーーーーーーーーーー
あまのはら : ーーーーー
あまのはら : ーーー
あまのはら : ー
あまのはら : (外。
あまのはら : (駐屯地。
あまのはら : (風船を 割られたものは 治療室
あまのはら : (毒で死に 夢の中では 蘇る
あまのはら : (試合が終わる前に駐屯地の外にいるものは珍しい。
あまのはら : (治療室に吹っ飛ばされてきた時に大体敗戦のショックがあるし
あまのはら : (そもそも大怪我や死亡を伴う敗北の場合、すぐに起き上がって出かける気分にはならないだろう
あまのはら : (ましてや治療室では、残りの試合の様子を観戦できる設備まである
あまのはら : (チーム戦である以上は、自分が離脱した後も残りの試合を見たいと思うのが道理だろう。
あまのはら : (それでもさ 外を飛びたい 夢の街
あまのはら : (事、あまのはらはやはり違った。
あまのはら : (理解不能な透明ウィルスに殺されても
あまのはら : (治療室をすぐに抜け出して、駐屯地の空をゆっくりと跳躍している
あまのはら : (小さな小屋の屋根
あまのはら : (そこからまた飛んで大きな倉庫の上
あまのはら : (そこから飛んで飛んで飛んで
あまのはら : (先ほどまで自らが薙ぎ倒していたような高層ビル
あまのはら : (その屋上
あまのはら : 空の下 夢を見たいな 夢の中
あまのはら : (あまのはらが見上げる空の景色が
あまのはら : (変色、蠢き、色形を変えて、
あまのはら : (激闘を続ける紗沙の姿を映し出す
あまのはら : (チーム戦である以上は、自分が離脱した後も残りの試合を見たいと思うのが道理だろう。
あまのはら : (事、あまのはらはやはり違った。
あまのはら : (治療室の機械質なモニターではなく、
あまのはら : (見上げた大空に広がるキャンパスに描く夢の試合。
あまのはら : (共に命を生きる者の試合を彼なりの最高の環境で観たいだけだった。
あまのはら : (試合の様子を見ていると
あまのはら : (2人だけの追いかけっこだと思っていた試合は
あまのはら : (いつの間にか状況が変わっていた。
あまのはら : 妖を 幾多倒せど 終わり無し
あまのはら : 生きたとて 割れて終わりの 命の火
あまのはら : (観戦していた試合で
あまのはら : (紗沙の姿が虹色に消えていく
あまのはら : 虹色の 光を点そう この地にも
あまのはら : (あまのはらの居る屋上から
あまのはら : (七色の虹色模様
あまのはら : (虹の架け橋が
あまのはら : (地上の療養室へ
あまのはら : (道標代わりに降りていく
紗沙 : ―――(ほどなくして。
紗沙 : (虹の反対側から、あまのはらの方に向かい歩いてくる女性の姿
あまのはら : 虹の道 登りて来るよ 待ち人が
あまのはら : (屋上のアスファルトにあぐらをかいて座って空を見上げて俳句を読んでいる詩人
紗沙 : ふふふ。
紗沙 : 橋をお掛けになるとは。また風情のある事をなされますね。(静かに微笑み歩いてくる
紗沙 : (橋を降り、屋上に着地)ちょうど、外の空気を吸いたいと思っていたのです。
あまのはら : 絡繰を 部屋で眺める 日々よりも
あまのはら : 空の下 大きな世界を 観ていたい
あまのはら : (紗沙に目をやり会釈すると
あまのはら : (自分の隣の地面をとんっと軽く触って
あまのはら : (また、空を見上げる
紗沙 : (その音を聞き、
紗沙 : (言葉を交わすまでもなく、あまのはらの隣まで歩いてきて、
紗沙 : (そっと腰掛ける
紗沙 : (そして、同じように空を見上げる
あまのはら : (治療室にあるのは、機械のモニターだった
あまのはら : (それは、治療を終えた選手が試合を見るために優しさから設置されたものだろう
あまのはら : (ただ、悲しいかな、それは画一的な優しさだった
あまのはら : (ただの機械のモニター、ただの機械の実況、ただの巻き戻し再生
あまのはら : (そこにあるのは利便性と再現性であり、魂ではなかった。
あまのはら : (空の精霊あまのはらは違う。
あまのはら : (夢の中に起こり得る素敵な出来事
あまのはら : (夢の中だからこそ描かれる体験を
あまのはら : (大きな空のスクリーンに描き出す
あまのはら : (それは雲の動きで、それは風の動きで、それは光や水の煌めきで
あまのはら : (夢の中だからこそ描かれた奇跡の映像は、
紗沙 : .........これは……
あまのはら : (きっと魂の籠った一つの作品
あまのはら : 閉じた目に 映ると良いな 夢だもの
紗沙 : ……… ふふ。(空を見上げるその瞳は閉じられている だが。そこには。
紗沙 : (光を映さぬ瞳に、今なお戦いを続ける戦士達の様子が、ありありと映し出されている。――少なくとも、彼女にはそれが感じ取れる。
紗沙 : ……… こんな事が。 ……こんな、事まで。
あまのはら : 出来るとも 夢の世ならば 叶えなきゃ
紗沙 : ……貴方様は、わたくしに、本当に色々なものを見せてくださりますね。
あまのはら : 見えぬもの 魅せてみせるよ 詩人なら
紗沙 : …はい。 わたくしの目はきっと、盲いる前よりもずっと彩に満ちています。
紗沙 : …あまのはら様の、お陰ですね。
あまのはら : (紗沙の言葉を受けて、微笑み、空をまた見上げる
紗沙 : …… … …
あまのはら : 彩満ちる それは私も 同じ事
紗沙 : あまのはら様。(は、と
紗沙 : … …(彼が魅せてくれる景色に浸りたい。仲間や縁の者達の戦いを見届けたい。その気持ちも勿論ある。
紗沙 : (けど、 ああ、……
紗沙 : …(おず、と身動ぎして、
紗沙 : …(あまのはらにそっと寄り添い、肩に頭を乗せる
あまのはら : (紗沙の頭を肩に載せ、空を見上げ、
あまのはら : (逆の手を伸ばして、
あまのはら : (額を触り、瞳を撫でて、唇に触れる
紗沙 : ……、 …。(触れられ、幸せそうに微笑み、ほんのりと白い頬を染める
あまのはら : (夢の祭り、夢の闘い、夢の中
あまのはら : (激闘を交わし、激論を交わし、激情を露わにする夢の祭りにおいても
あまのはら : (彼、彼女らには、それぞれの、
あまのはら : (頬を触り、鼻を掠め、瞳に触れて、額を通り、頭を撫でる
あまのはら : (彼、彼女らには、それぞれの、
あまのはら : (画一的ではない、独特の雰囲気
あまのはら : (夢のような世界が広がっていた
最終更新:2023年04月27日 16:21