ラピエル : ーーーーー
ラピエル : ーーー
ラピエル : ー
ラピエル : ・・・
ラピエル : (閉会式後、
ラピエル : (何故か鳳凰ではなく、灰簾が〆の挨拶をしていたが、
ラピエル : (そういう夢の巡り合わせだったのだろう。
ラピエル : (十傑の大会ではなく、
ラピエル : (夢の祭り。
ラピエル : (それだけの事。
ラピエル : ・・・
ラピエル : (閉会式後、
ラピエル : (特に何を言うでもなく、道を歩いている
ラピエル : ・・・
鋼 : ……。
鋼 : (特に何を言うでもなく、
鋼 : (特に何か言われた訳でも無いが
鋼 : (ラピエルの後に続いて歩いている。
ラピエル : ・・・
鋼 : …。
ラピエル : (仮想駐屯地フォーデン
ラピエル : (その街の中心地に近い
ラピエル : (少し古めの老舗の洋館ホテル
ラピエル : (従業員までは再現されていないこの街で、その建物に勝手に侵入する
鋼 : (目の前を歩く人物とは、こうした会合の後に、修行に付き合って貰う事がしばしばある。
鋼 : (特に言葉を交わした訳では無いが、今回も無言の了解で、きっとそうなのだろう。と。
鋼 : (と。
鋼 : …
ラピエル : ・・・
鋼 : …?
ラピエル : (ロビーを抜け
ラピエル : (オープンテラス
鋼 : …(ラピエルに続いて洋館に入り
ラピエル : (すたすたと無言で進み続けて
鋼 : (ロビーを抜け、見えてくるオープンテラス。
鋼 : (これは…
ラピエル : ・・・
鋼 : (どう見ても、ホテル併設のカフェだが…
ラピエル : あったな。
鋼 : …?
鋼 : …あった、ですか。
ラピエル : (宿泊者用のブレックファーストバイキング
ラピエル : (そのテーブルの隅に並べられた
ラピエル : (氷とグラスと牛乳
鋼 : …。
ラピエル : いつもホットだが、
ラピエル : 今日は冷たい方でも良いだろう。
ラピエル : (マイペースにグラス2つの氷とミルクを注ぐ
鋼 : ………(無言で思考をまとめて
鋼 : …そういえば、
鋼 : 何処に行かれるのか…、聞いて、いませんでしたね…。(今更のように呟く
ラピエル : 聞かれてないな。言っても無い。
ラピエル : (ミルクグラス2つをオープンテラスの席に置き、
ラピエル : (片側に座る
鋼 : …はい。てっきり… …。(言いかけて止めて、ラピエルの動作を目で追って
鋼 : …。
鋼 : …ご一緒させて頂きます…。(ラピエルの対席へと歩み、席に着く
ラピエル : どうぞ。
ラピエル : ・・・(ミルクを飲む
鋼 : …。いただきます。(グラスを両手で持ち、ミルクを飲む
ラピエル : ・・・
鋼 : …。
鋼 : …ラピエルさんは。
ラピエル : …ん。
鋼 : …牛乳がお好きなんですか…?(すごく素朴に尋ねる
ラピエル : ・・・
ラピエル : そうだな。
ラピエル : どちらかと言えば。好きと言えよう。
鋼 : …いつも、飲んでいらっしゃいますし…。今も、
鋼 : これのある場所を、探していたのかな、と…(両手で持ったグラスに視線を落としながら
ラピエル : そうだな。
ラピエル : 閉会式にも、療養施設にも牛乳は無かった。
ラピエル : フォーデン全土に無いはずはないので、ココへ来た。
ラピエル : ・・・牛乳を探しに来たと言えるな。
鋼 : …そうだったんですね。(それは…相当好きなのでは…
ラピエル : ・・・
ラピエル : サマンサが、
鋼 : …?
ラピエル : 次の牛乳のCMを撮ると言っていたな。
鋼 : … そうなんですね。…そういう、お仕事も…(修行僧のような生活をしている為あまり馴染みが無い
ラピエル : GBB(ほのか)で撮ったCMが………
ラピエル : 刺激的?で、差し替えだそうだ。
鋼 : …。 そうなんですね……(コメントが下手である
ラピエル : ・・・
ラピエル : そういう仕事も、ある。
鋼 : …。 そう…、(もっと何か言った方が良いんだろうか…と思いつつも上手く言葉にならず
鋼 : …。
ラピエル : 鋼は、
鋼 : …はい。(名前を呼ばれて顔を上げて
ラピエル : 祭りはどうだった?
鋼 : …。(問われ、少し考えて
鋼 : …技能の共通する方と、相まみえ…、力及びませんでした。
鋼 : …やはり、まだまだ…、課題が多いですね。
ラピエル : ・・・。スミスの長だな。
鋼 : …ええ。橙の貴族の方の…。
ラピエル : ・・・あの闘い、
ラピエル : (今まで何一つ言っていないし、そんなそぶりも見せていなかったが、
ラピエル : (録画された試合の該当部分は見て来たらしい。
ラピエル : (治療室に飛ばされて閉会式が終わるまでに合間に
ラピエル : ・・・不利な試合だったと思うが。
鋼 : ……。
ラピエル : ・・・
ラピエル : 何故、闘った?
ラピエル : (戦闘の場において、何故戦闘したかを問う
鋼 : ……あぁ、
鋼 : あの大会では…、不利な相手とは戦わないという選択が…取れましたものね。
ラピエル : ・・・
ラピエル : (不思議と、返答はなく。
ラピエル : ・・・
鋼 : それは…正直、あの時、あの場では、頭に浮かびませんでした。
ラピエル : ・・・そうか。
鋼 : …護衛人は仕事柄、敵対する相手を選別する事はできません。
鋼 : ですから…例え相性不利だとしても、避ける選択は無かった。…それも、理由の一つだとは、思います。
ラピエル : ・・・
ラピエル : 我ら十傑も、あの場で敵を避ける事はしなかった。
鋼 : …そう、ですよね。
ラピエル : ・・・
ラピエル : 自分と似た系統の相手や、天敵は、
ラピエル : 良い修行になる。
鋼 : …そうですね。それに…
鋼 : 猶の事、敗けて堪るかという、…気持ちになります。
ラピエル : 良い心構え。
ラピエル : ・・・
鋼 : ……それが、もう一つの理由、ですね。
ラピエル : ・・・
ラピエル : スミスと闘った事は無いが、
ラピエル : 同じ部門の選手にスミスを讃える者は居る。
ラピエル : 刀鍛冶として剣士として両方。
鋼 : …そう、なんですね。それほど、力のある方でしたか…。
鋼 : …。
ラピエル : ・・・
ラピエル : 鋼は、
ラピエル : ・・・
鋼 : …どうぞ。
ラピエル : 鋼は、
ラピエル : プロファイターにはならないのか?
鋼 : ……え。(少し目を丸くして
鋼 : ………
ラピエル : ・・・
鋼 : ………(長い沈黙。考えた事も無かったような。
ラピエル : ・・・
鋼 : …… 少し。
鋼 : 自分の話をしても、…構わないでしょうか。
ラピエル : どうぞ。
鋼 : …。
鋼 : …私は、元居た場所で…、護るべきものを護れなかった人間です。
ラピエル : ・・・
鋼 : …国を失い、主君と共に、中央大陸<ここ>まで逃げ延びてきました。
鋼 : …「今度こそは」と。…護るべきものを、取りこぼさず済むように。その為の力が欲しいと、思っていて…
鋼 : …そう思って、護衛人と成り。日々研鑽を積んでいる、つもり…です。(けど、と
ラピエル : ・・・
鋼 : …「主君」はもう、この地で新たな人生を根付かせています。
鋼 : もう王子でも無く、国も無く、それでも幸福な生活を…手に入れている。
ラピエル : ・・・?
鋼 : 私ももう、自分に縛られなくても良いと。…そう、言っていました。
ラピエル : 護衛はもう不要か。
鋼 : …。そういう事、ですね。
ラピエル : ・・・
ラピエル : では、何を志す?
鋼 : …もしかしたら、もう、「護衛」に拘る必要は無いのかも…、しれません。
鋼 : …そう、頭では思っていても。
ラピエル : ・・・
鋼 : …なかなか、切り替えられないのかも、しれません。
ラピエル : 難儀。
鋼 : …プロファイターの世界に、惹かれるものもあります。何だかんだとあれど、強ければ勝つ。
ラピエル : ・・・DDFに選ばれたのは、志願した事だったか?
ラピエル : ペアファイトに当選したのはどのような経緯だった?
ラピエル : ・・・
鋼 : …? …
ラピエル : 自分の進む道を自分で決めるのは難儀。難儀な事。
ラピエル : しかし、強ければ、勝手に周りから声がかかる。
ラピエル : ・・・
鋼 : ………
ラピエル : 真に強ければ、周りの声援が自然と道を作る。
ラピエル : それだけの。事。
ラピエル : ・・・
ラピエル : 鋼は、
ラピエル : プロファイターにはならないのか?
鋼 : …、
鋼 : それは……(先程と同じことを繰り返すのに、
鋼 : …(全く違った意図に聞こえるのは何故だろう。
ラピエル : (強ければ、周りから声がかかる。
ラピエル : (これはもはや質問ではなく…
ラピエル : 舞踏会の為の武闘会。
ラピエル : 参加するのだろう?
鋼 : …。勿論。
鋼 : 優勝するつもりです。
ラピエル : ・・・なら良い。
鋼 : …。優勝したら、ラピエルさんは………
鋼 : …(顔を上げて、ラピエルの目を見て)
ラピエル : ・・・
鋼 : 私に道を作りますか?
ラピエル : 私だけではない。
ラピエル : (鋼 : …強い者が。 …勝った者が、権利を手にする。)
ラピエル : (鋼 : そういう図式が、フォーデンは分かり易くて。…良いですね。)
ラピエル : この街が道を作る。
ラピエル : 私がするのは、
ラピエル : 鋼と踊る事。
ラピエル : 舞踏会だからね。
鋼 : …。 成程。
鋼 : 確かに。 …その方が、ずっと良い、ですね。(黒目がちの強い瞳でラピエルを見上げて
ラピエル : ・・・
鋼 : …誰もが憧れる闘技場<舞台>で。 貴方と踊る。
鋼 : その為の舞台には…自分の「力」で、上がるもの。
ラピエル : 嗚呼。
ラピエル : ・・・
ラピエル : …。・・・。
ラピエル : 楽しみにしておくよ。
鋼 : …はい。その時の為に…、
鋼 : …もっと、己を磨いておきます。
ラピエル : 嗚呼。
鋼 : …。
ラピエル : (夢での一幕はここで終わり。続きは夢が覚めてから。
ラピエル : (舞踏会への武闘会。
ラピエル : (前々から約束していたそれにまた別の意味が付いた。
鋼 : (……己の道を己以外が決めるなどと、思いもしなかったけれど。
鋼 : (その言葉に不思議な説得力があるのは、恐らく彼自身がそのようにして道を進み、今の場所に立っているからだろう。
鋼 : (さて、改めて気を引き締めなければ。 舞踏会という名の武闘会。
鋼 : (彼の道を作りあげたフォーデンの街は、きっと手強い強敵<ライバル>だらけだろうから。
最終更新:2023年09月28日 09:55