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■■■■ : その日。
■■■■ : ■■■■は
■■■■ : 消滅した。
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アンドレ : ーーーーーー
アンドレ : (何があったかは覚えていない。
アンドレ : (あまりにも一瞬の出来事で理解が追いつかなかったのか。
アンドレ : (出血が酷すぎて記憶が抜け落ちたのか。
アンドレ : (何かしらの世界を縛る因果が隠れヒーローに記憶封印の魔法をかけたのか?
アンドレ : (なあんて。
アンドレ : (結論から言うと僕はスーパーヒーローでは無かった。
アンドレ : (元々そうじゃないけど、【その日】は輪にかけてそうだった。
アンドレ : (鍛冶屋の腕試しとして、ちょっとイカした■■■■の刃を腕に仕込んでた気がする。
アンドレ : (もうなんだったか覚えてないけど。
アンドレ : (敵?悪?世界?
アンドレ : (とにかく【相手】は、
アンドレ : (それを消し去りにきたのかな?
アンドレ : (僕の腕に仕込んだ■■■■は
アンドレ : (隠しもつなんて生半可でかわいいものじゃあなくって
アンドレ : (雷魔人の電気信号で筋肉操作のように動かせるぐらい
アンドレ : (僕と■■■■は一体化してたから。
アンドレ : (【相手】にそのつもりがあったかはわからないけど。
アンドレ : (僕は腕ごと引っ張られて
アンドレ : (肩から引き千切れて
アンドレ : (辛うじて残った脊椎に食べ残しの残飯がくっ付いてるみたいな壊れたカカシ
アンドレ : (ここで死んだーーーと思ったんだけどな。
アンドレ : (何故だか生き延びている。
アンドレ : (死んだーーーと思ってから、
アンドレ : (自分が実は生きてた事に気づくまでの長い長い長い時間の事は
アンドレ : (残念だけど僕は覚えてないから
アンドレ : (知ってる人に聞くと良いと思うよ。
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ルッツ : (―――その日?
ルッツ : (本ッ当に。本当に本当に本当に最悪だったわよ。
ルッツ : (あたしは「その日」の前から、似たような症状の大量の人間を相手にしてたんだから。
ルッツ : (ようするに「家」の件でてんやわんやしてたって事。
ルッツ : (血と硝煙の臭いで頭おかしくなりそうだったわよ。結局そいつらも大半が死体になったし。
ルッツ : (その上、企業倫理皆無のワーホリ企業が業務追加?
ルッツ : (ホンット。
ルッツ : (最悪よ。ふざけてるわ。
ルッツ : (まあ。さんざ手遅れを出した後に、またこっちでも手遅れってのは、
ルッツ : (流石に研究者が廃るってもんだわ
ルッツ : (―――って。いう、訳で。
ルッツ : (上手く行ったわよ、行かせたわよ。あたしにも意地ってもんがあるんだから。
ルッツ : (まあ、両腕を肩から?がれた上に、体組織のほぼ全てが加護不良状態。
ルッツ : (そんな人間マトモな処置で生かせるもんじゃないから。
ルッツ : (色々。そーね。色々「手を尽くす」しか無かったけど。
ルッツ : (ま、生きてるだけ感謝する事ね。あいつ、EV勤めじゃなかったら…
ルッツ : (いいえ。
ルッツ : (処置したのがあたしじゃなきゃ死んでるわよ。
ルッツ : ――――
ルッツ : (ってな。 訳で。
ルッツ : (EV施設内 Eternal Equip-永久装備研究開発チーム
ルッツ : ((体内埋込装備研究室…の奥の奥
ルッツ : (幾つものゲートで厳重に管理されている場所
ルッツ : …(無機質な白い扉の前に立つ白衣の女
ルッツ : (リーダーにカードを翳して
ルッツ : 入るわよ。(カード認証の際に内部に通知される。 挨拶もそこそこに扉の中へ
ルッツ : 調子はどうかしら。被験体さん?
アンドレ : …やぁ。ご機嫌ようお姫様。
アンドレ : おかげさまで挨拶ぐらいは毎回出来るようになったよ?
ルッツ : だからそれ止めなさいよ。実質あんたが眠り姫でしょうが?(ジト目で睨みつけ
アンドレ : ふふふ。それなら僕の眠りを解いてくれた「王子様」って呼んだ方が良いかな?
ルッツ : 何?そのメルヘンな感じから離れらんないわけ?…はー、まあどうでもいいわ。(諦め
ルッツ : (眠りに付く前からこの調子だし、眠りから覚めた途端にこの調子だ。今更変わるまい。
アンドレ : (メカニカルなカラーのリクライニングベッドに横たわるアンドレの姿
アンドレ : (上半身が起き上がって会話しているように見えるが
アンドレ : (両肩はベッドに繋がったまま。
ルッツ : はー。達者な口は早々に回復してるってコトね。別のトコから治れば良かったのに。
アンドレ : あぁ。命の恩人様が人工血液を絶やさないでくれたおかげだね?
アンドレ : 脳も下半身も腐らず元気に眠りから目覚めているよ。
アンドレ : (足首をくるくる回して健在をアピール。
ルッツ : はいはい。 ま、サンプルが順調なのは良い事だと思う事にするわよ。
アンドレ : サンプルね…足先は軽いリフティングできるぐらい元気な気がするけど、
アンドレ : コッチの方はまだキーパーに起用するには無謀かな?
アンドレ : (メカニカルなベッドにコードやらチューブやらが繋がったままの両肩
ルッツ : 無茶無謀だっての。せめてアーモンドラテ淹れられるくらいになって欲しいトコですけど。
アンドレ : あぁ
ルッツ : 今の仮の義手じゃそこまで器用な事できないでしょ。
アンドレ : そうだねキーパー用のパーツよりも先にバリスタ用のアームを作ってもらわないとね。
ルッツ : ま、心配しなくてもどんどん機能強化されるわよ。永久の奴らが手ぐすね引いて待ってるから。
アンドレ : パーティ前の貴族の娘になった気分さ。
アンドレ : 幼く大人しかった頃のロードには何人もの服持ちが集って、色々着せ替えて具合を見ていたものさ。
ルッツ : あいつそんな時期あったわけ?無いでしょ。(よく知る訳でも無いのに断言
アンドレ : あったさ。…まぁ、少し短かったかもしれないけど。
ルッツ : へぇー…ま、お坊ちゃんもお着替えパーティを楽しみにしてなさいよ。
アンドレ : あぁ。そうする事にするよ。
アンドレ : 寝転がるだけの毎日より装備改良に献身出来ている方が心が落ち着くよ。
アンドレ : (皮肉ではなく、案外、嘘偽りない言葉。
アンドレ : (鍛冶屋としても社畜としても真面目な彼には、治療を受け続けるだけの「義理」が必要だった。
ルッツ : そーね。折角拾った命なんだから精々役立てなさいよ。
アンドレ : 刃が研ぎすまれていく様を見るのは心が落ち着くだろう?(鍛冶屋ジョーク?
ルッツ : …はいはい、職業病ねー。
ルッツ : あたしもあんたの回復傾向チェックするのは心が落ち着くわよ。精々データ取らせてもらうわ。
アンドレ : おや。
アンドレ : ふふふ。
アンドレ : よろしくね。お姫様。
ルッツ : 何ニヤニヤしてんのよ(睨んで
アンドレ : 変な意味じゃないよ。君に診てもらえて嬉しいのさ。(微笑んで
ルッツ : 余計不気味なんですけど??
ルッツ : 大体あんた、死にかけて寝たきりの割にやたら機嫌良い時多くない?(周囲の電子機械の画面確認しながら
アンドレ : 死にかけて寝たきりだったのに、死んでなくて起きてるんだぜ?
アンドレ : しかもそれを君が診てくれてそうなってるんだ。ご機嫌にならなくてどうするさ。
ルッツ : 全く。まだ腕も体も満足に動かせない癖に気が早いんじゃない?
アンドレ : ふふ。満足に動くようになったら………………もっと元気な笑顔になっているだろうから大丈夫だよ。
ルッツ : … うざっ……(眉間に皺寄せて
ルッツ : …でも治さない訳にも行かないのよねー…。やっぱ医療班の真似事とか向いてないんじゃないのあたし。(なんか悪態尽きつつ計測データを確認中
アンドレ : …十分に治したら好きなだけ作ったり弄ったり出来るさ。(データ確認中のルッツを見つめて
アンドレ : だから…(って事だけじゃあ無いんだろうけど。さ。)…ちゃんと治されるよ。僕も。
ルッツ : …はいはい。治した甲斐あったって思えるくらいキリキリ働かしてやるわよ。
ルッツ : そんできっちり治療データも貰う。効率良くやんないとね。(計測画面を見たまま
アンドレ : うん。うん。(微笑んでずっと作業中のルッツを見つめて
ルッツ : そんで。
ルッツ : 作業の間、閉じ込もりっぱなしの眠り姫様に外界の土産話くらいはしてやってもいいけど。
ルッツ : なんか知りたい事ある?
アンドレ : ありがとう。お話まで持ってきてくれるなんて慈愛に満ち溢れているね。
アンドレ : 物騒な話………ばかりになりそうだけど、
アンドレ : 僕達の会社や家族は………どうだい?
アンドレ : (率直に聞く。
アンドレ : (自分が世界に唯一のスーパーヒーローでは無いなら、
アンドレ : (自分だけが襲われたって事は無いだろうって事は少しぐらい気付いてた。
ルッツ : どうって。らしくなくフンワリしてるわね。
ルッツ : どっちも犠牲者が出てるわよ。家族ってのはうちのだけど。
アンドレ : 犠牲者…か…
ルッツ : どうも、特定の武装…■■■■を所有していた人物や組織が狙われたって感じみたいよ。
アンドレ : 武装…?(怪訝な顔をして
アンドレ : (なんだか頭にモヤがかかっていて思い出せない
アンドレ : 武装を狙うなんて…不思議な事件だね…
ルッツ : Evは勿論、ヴィオレット家は軍と輸送ごと襲われてハイ残念。って有様ね。
アンドレ : 思っていたよりも…広い範囲だね。(哀しそうに
ルッツ : …ぁぁ、勿体付けるのもアレだから言うけど、
ルッツ : ナンバーズではデュアルクッジが死んだ。VIIは武装が別個だったから本人は無事ね。【裁きの竜】は木っ端微塵だけど。
アンドレ : ・・・!
アンドレ : …そっか。
ルッツ : ええ。胸糞悪い話を上乗せするけど。今は『復元』も出来ないわ。
アンドレ : …そこの詳しい話は僕にわからないけど、
アンドレ : …残念だよ。
アンドレ : VIIは不幸中の幸いだったね。
アンドレ : (体と武器の密接具合か。と。すぐにわかる説明だった。
アンドレ : (それならVIIが無事なのもわかるし、意外とEvの戦士には被害者は少なそうだ。
アンドレ : (武器庫とか材料保管庫とかの整備士が巻き込まれてない事を祈るけども…
アンドレ : ・・・。・・・。・・・。
アンドレ : (そして、改めて、今更だけど。
アンドレ : 僕を生かすの、大変だったろう?
ルッツ : っはぁ。今更?
アンドレ : 改めて。ね。
ルッツ : 大変なんてもんじゃないわよ。体中が世界の加護を拒絶してんのよ?
ルッツ : まったく労って欲しいもんだわ。…ま、生きてたからね。生かさない訳には行かないでしょ。
アンドレ : ありがとう。生かしてくれて。
アンドレ : まだまだ苦労をかけるけど。
アンドレ : いつか必ず返すから…これからもよろしくね。(ルッツを真っ直ぐ見て
ルッツ : ………。そういう所やたら素直よねあんた。
ルッツ : ……ま、今の内にたっぷり恩売ってやるけど。でも言っとくけどね、100%善意じゃないわ。
ルッツ : それにプライドでもない。あんたという症例の治療を足掛かりにして、「治したい」人材がいんのよ。
アンドレ : ………。(自分の察しの良さが少し厭になるね。
アンドレ : ………。(だからって言い当てるような事じゃあない。
アンドレ : そっか。それでも僕からは感謝しかないし。
アンドレ : それならいっそうだね。治されるよ。ちゃんと。
ルッツ : ええ。……。
ルッツ : (電子端末の操作を終えて)…ハイ、清々しい程予後良好ね。
ルッツ : コレなら来週にでも新作のアームが試せるんじゃない?
アンドレ : それは良いね!(楽しそうに
アンドレ : ハムぐらいは斬れるようになって、サンドイッチを作りたいな。
ルッツ : 前向きでいい事ねー。じゃ、動作精度のチェックも兼ねて味見するわよ。
アンドレ : ふふふ。それは楽しみだね。(ルッツを見つめて微笑み
ルッツ : ま、ちゃんと借りを返して貰わないとですから?調理技術の向上が待たれるわね。
アンドレ : 料理も刃裁きも得意“だった”からね。きっとなんとかなるさ。
ルッツ : (そうして軽口を叩き合いながら、緩やかに時間が過ぎていく
最終更新:2023年10月16日 00:52