テーゼ : ーーーーーー
テーゼ : ーーーーー
テーゼ : ーーーー
テーゼ : ーーー
テーゼ : ーー
テーゼ : (深夜。
テーゼ : (酒場でのひと悶着により、丑三つ時を更に過ぎ…
テーゼ : (更に静けさを増す、しんと冷えた夜。
テーゼ : (シドリーの工業地帯を発った馬車は、南の方角へと向かっている。
テーゼ : ・・・さて。(御者であるヴィヴィが馬を走らせ、馬車に乗るのは、2人。
テーゼ : (二人掛けのオープン座席に並んで座っている
テーゼ : どこから説明したものかなぁ。ソフィアさんは…本当に釈放されたその足であそこ(酒場)に?
ソフィア : ええ。そうよ。(着替え終わってテーゼの隣に座ってケロっとしてる娘
ソフィア : (先ほどまでの狂乱した様子は無く、落ち着きを取り戻し…なんか馬車とは言え、座ってる距離が近い気がする
テーゼ : そっか。サンフラワーの兄弟達にもまだ会ってないんだ?
ソフィア : ええ。そうね。・・・うっかりしてたわ。
ソフィア : 私、みんなに色々差し入れしてもらっていたのに。
ソフィア : 歓迎パーティの予定を立ててたらどうしましょう。
テーゼ : ははっ、そっか。そっちの家は皆仲良しだもんな。(距離近い気がするソフィアを特に違和感無く受け入れている。こいつも距離が近いため。
テーゼ : でも…それを押してでも、フレデ兄さんを探してくれたんだ?(先程の狂乱猫戦には流石に手を焼いたものの…今の落ち着いたソフィア相手には
テーゼ : (普通に会話を仕掛けられる。
ソフィア : ええ。ええ。ええ。いてもたってもいられなくなってしまって。
ソフィア : どうしても嫌だったのだけど。
ソフィア : 絆の約束を破って、
ソフィア : あの店に踏み入れるしか………私には無かったの。
テーゼ : そうなんだ。他に手がかりが無かったから…か。
ヴィヴィ : (「絆の約束」が何なのか一切の説明が無かったが、
ヴィヴィ : (彼女の思い込みと説明不足は今に始まった事ではない。
テーゼ : そうだよな。あの貨物駅は前と様変わりしちまってるし…兄さんもそこには居ないもんな。それでユフィーア姉さんに、か。
ヴィヴィ : (距離が近いのが気になるが、今は“彼”の会話術に任せておこう。
ヴィヴィ : (ちょっと
ヴィヴィ : (懇願するような眼でテーゼの眼を見ているのも気になるし、いちいち「兄さん」とかの単語に眼を潤ませるのも
ヴィヴィ : (若干鼻につくが、
ヴィヴィ : (大人げないので御者に専念していよう。
ヴィヴィ : (プロなのでーーー
ソフィア : うん。そうなの。そうなのよ。
ソフィア : この世界、おかしいわ。
ソフィア : 大事なものが変わってしまった感じ。
テーゼ : ……。
テーゼ : そうだね。俺もそんな感じがしてる。
ソフィア : あのお姉さんは………色々と難しい人だったけど、
ソフィア : 貴方達が応援に来てくれて助かったわ。(テーゼを近距離で見つめて微笑む
テーゼ : ははっ。鉢合わせたのは偶々だったけど…まあ、大変な事になる前に間に入れて良かったよ。(微笑みを受けて笑い返し
テーゼ : ともあれ、今後の事を引き受けた以上は、俺がちゃんとソフィアさんに説明しないとな。
ヴィヴィ : (“あれ”が「大変な事になる前」はだいぶボーダーが緩いわね。
ソフィア : うん。お願い。テーゼさん。(ウルウル目で見つめる。
テーゼ : …(世界から■■■■が消え去った。俺達の件はきっと、その煽りの一つ。…そういう話から始めてもいいけど…
テーゼ : (ソフィアさんが望む情報は、そういうのじゃないだろうな。
テーゼ : 今から向かってるのはポウフェナだよ。貴族住宅街にある、ヴィオレット家の別荘地。
ソフィア : まぁ♪
テーゼ : …■ヶ月前に、シドリーの駅舎と、貨物車両への襲撃があってさ。
テーゼ : 勤務中だったフレデ兄さんは…その襲撃に巻き込まれたんだ。
テーゼ : …そこで何が起こったのかはまだ分かってない。(監視カメラの類は駅舎ごと破壊されていた、し…
ソフィア : そんな………(両手を口に合わせて
テーゼ : (…駅職員の生き残りは兄さん一人だけ。その兄さんも、あれから一言も発しようとしない。
ソフィア : でも、回復…したんですよね…?
テーゼ : うん。傷は駅舎の破壊に巻き込まれたものだけでさ。…それも、治るのには時間が掛かったけどね。
テーゼ : (■■■■の影響による加護不良)…それでも完治はしてるんだ。…ただ、さっきも言った通り。
テーゼ : 心の方はまだ治ってないんだろうね。…シドリーに居たら、どうしても近しい景色を見てしまうだろうし…って事で。
テーゼ : ポウフェナの方で静養してもらってるんだ。
ソフィア : …そう。なのですね。
ソフィア : ………いえ、いえ。
ソフィア : いけません。いけないことだとわかっているのですけど、
ソフィア : 少し、ホッとして、しまいました。
テーゼ : ……そうなのかい?
ソフィア : フュンフレデさんはまだなお大変な状況なのに…
ソフィア : 生きていて、コレから会えるって、思ってしまって、
テーゼ : あぁ、…そういう事か。(笑って
ソフィア : ごめんなさい。ちょっと自分勝手でしたね。(涙拭ってハニカミ笑い
テーゼ : うん。会えると思うよ。……結構な時間に押しかけちまう事にはなるけど。(ははっと
ヴィヴィ : …(ちょっと?
テーゼ : (そう。丑三つ時を越えているのである。
ソフィア : ふふふ。こんな時間に会えるなんて。
ソフィア : ロマンチックですね。
ヴィヴィ : …(普通に迷惑だと思うけど…
テーゼ : ははっ、流石にビックリ……してくれるといいけどな?
テーゼ : (静養中の兄弟の元に、丑三つ刻を越えた時間に全裸泣き女(元)を連れて行く算段を、普通に斡旋している。
テーゼ : (この男もそこそこ狂っているのである。)…寝てたらどうしようか。使用人も控えてるし、朝まで待たせてもらう?
ソフィア : はいっ!(全く疑いのない笑顔で
テーゼ : じゃあ、そんな感じで。よろしく頼むよ、ソフィアさん。(笑って
ソフィア : ええ。
ソフィア : テーゼさんが作ってくださった機会、無駄にはしませんよ。
ソフィア : 私は必ずフュンフレデさんを救って。
ソフィア : 恩返しするんですから。
テーゼ : …恩返し、か。
テーゼ : …フレデ兄さんに…助けてもらった事があるんだっけ?
ソフィア : はい!
テーゼ : そうなんだ。いい縁があったんだね。(嬉しそうに
テーゼ : …なんだか俺まで嬉しいよ。兄さんも、知らないうちにそんな風に…外との繋がりを持ててたんだなって。
ソフィア : ええ。ええ。フュンフレデさんは「道」を造れるお方ですから。
テーゼ : (――そうして、馬車は宵闇を進んでいく。
テーゼ : (…極端。狂ってる。正気じゃない。…そうだね。そうかもしれない。でも、やっぱり…
テーゼ : (……「繋がりたい」っていうその想いを、俺は大事にしたいよ。
テーゼ : (よくない結果になるかもしれなくても――……それは、一度触れ合ってみないとわからないじゃないか。
最終更新:2023年11月26日 15:06