~~~ : ーーーーー
~~~ : ーーーーーー
音楽室 : ♪ジャジャーン♪
音楽室 : (秘密結社Ev
音楽室 : (秘密本部
音楽室 : (どうして音楽室なんかがあるのかは昔からの謎だが、
音楽室 : (こうして音を使う隊員や
音楽室 : (音で心を落ち着ける隊員や
音楽室 : (なぜかピアノごと基地内を移動する摩訶不思議現象があるのだから、
音楽室 : (きっと必要な施設なんだろう
音楽室 : ♪ジャジャーン♪
音楽室 : (ピアノを演奏するのは
音楽室 : (藍住麗
音楽室 : (EE=III=simile(イーイー=アイズィミーレ)
音楽室 : (灰色タキシードに身を包み演奏をしている
音楽室 : ♪ジャジャーン♪
音楽室 : (日時は…“あの”大反省会の直後。
音楽室 : (ちょうど、VDCやシーフォがケーキを買いに出かける頃合いだろう
音楽室 : ・・・・・・
音楽室 : 特に・・・・・・
音楽室 : 待ち合わせをしたわけじゃない。
音楽室 : ♪~~~~~~♪
音楽室 : でも、
音楽室 : 「治ったら話そ」って約束したから。
音楽室 : ・・・・・・
音楽室 : 所詮は、夢での約束事だけど。
音楽室 : あの夢は、ただの夢なんかじゃないって。
音楽室 : みんな、私も・・・・・・みんな、わかってるはずだから・・・・・・
音楽室 : ♪ジャジャーン♪
藍住麗 : ・・・・・・
藍住麗 : (グランドピアノを弾く藍住麗
藍住麗 : (来るはずの誰かを待っている?
藍住麗 : (来ないはずの誰かを待っている?
扉 : (ピピッ
藍住麗 : 、
扉 : (扉の認証デバイスから、入室者を知らせる電子音が鳴る。
藍住麗 : (らしくなく、演奏をすぐ止めて、電子音へ振り向く
扉 : (Ev施設内の音楽室ともなれば、それはもう雑音一つ通さない作りになっている。
扉 : (故に…演奏が一段落するのを見計らう事が出来ないのがネックか。
扉 : (そういう訳で。
扉 : (無機質な扉は自動で開かれ、
扉 : (音楽室の中に、人が入って来る。
よつば : ぁぁ、居た居た。(部屋奥のピアノの方に向かって、軽く声を掛ける、…男性。
よつば : (メイド服にエプロンに三角巾という出で立ちではあるが。
藍住麗 : ・・・眼は?
藍住麗 : (挨拶よりも何よりも
藍住麗 : ・・・治った?
藍住麗 : (余裕の無い心配した声でそれを聞いてしまう
よつば : この通り?起きた瞬間治ってたわよ。(片手で右側の前髪上げて、ウィンク気味に見せつけて
藍住麗 : ・・・・・・
藍住麗 : (じーっと見て、
藍住麗 : ・・・・・・
藍住麗 : 良かった。
藍住麗 : (そんな、安堵の声を漏らす
藍住麗 : (藍住麗の格好をして、ピアノの前に座っているが
藍住麗 : (優雅さも余裕も持ち合わせていない
藍住麗 : (時たまに出没する少し幼い女性
よつば : ま、夢だからねぇ。覚めちゃえば何てこと無いわよ。
よつば : そろそろ・・・・安心してくれたかしら?
藍住麗 : ・・・・・・うん
藍住麗 : 夢の外まで残らなくって良かった。
藍住麗 : (眼の治り具合を見て安心した後も
藍住麗 : (“藍住麗”の喋り方には戻らない
よつば : ・・・・。(そんな麗の様子を見て
よつば : アハ、そんな調子で会議中よく持ったわねぇ。(本題…からは少しそれた話をする。
藍住麗 : ・・・・・・
藍住麗 : そっちを・・・・・・
藍住麗 : 怖くて見れなかったから。
藍住麗 : だから、大丈夫だった。
よつば : …やけに目ェ合わないと思ったら。(やれやれ、と
藍住麗 : だって・・・目を見て、治ってなかったら・・・
藍住麗 : んーん、もう治ってたから・・・大丈夫だけど・・・
よつば : まあ…それだけ心配掛けちゃったってコトよね。実際イレギュラーではあったし。
藍住麗 : ・・・・・・。
藍住麗 : 「闘いなんだから、当然」
藍住麗 : って思えない私がその・・・・・・
藍住麗 : (言いづらそうに。よつばを見たり、ピアノに目を落としたり、
よつば : ……。
よつば : まー、夢で良かったじゃない。心の準備にもなったんじゃない?(ケロっと
藍住麗 : ・・・心の準備って?
藍住麗 : しよ・・・よつばが任務中に大怪我をしちゃうって事?
よつば : そーね。こんな仕事してたらいつ五体満足じゃなくなるか分かんないでしょ。
よつば : ま、アタシに限った話じゃないけど。
藍住麗 : ・・・・・・
藍住麗 : っ、
藍住麗 : ど、
藍住麗 : っ・・・。
藍住麗 : (ピアノの方を向いて黙る
よつば : ぁー、…別に脅すつもりじゃ無いんだけどね?
藍住麗 : っ、
よつば : …実際……(いやコレ追い打ちだわ。)……
藍住麗 : そんな・・・いじわる言わないでよ。
藍住麗 : 私は“戦士”の自覚が・・・まだ足りてないかも知れないけど・・・
藍住麗 : それでも“よつば”が敵の攻撃でピンチになったら・・・頑張るよ・・・
藍住麗 : 私自身が“よつば”を傷つけちゃって治らないのとは、
藍住麗 : 違うじゃん。
よつば : ・・・・。
藍住麗 : (スネてる
藍住麗 : (もうなんか優雅さとかじゃないし
藍住麗 : (実際よつばが怪我した時にちゃんと“頑張る”かはかなり怪しい所だが、
藍住麗 : (ピアノの方に目を落として、よつばの方は見ずに
藍住麗 : (いじけてる
よつば : いや、まあ。……そうね? (あっさり受け入れる。 『よつば』はまあ、大人だ。
よつば : そもそも戦人とか組織人としての心構えだとか…そーゆー話してたワケじゃないものね?
藍住麗 : うん・・・・・・。
よつば : それならもう、「アンタは刺した!アタシは治った!」 それで解決!
藍住麗 : 言い方・・・・・・。
よつば : ・・・・じゃない?(視線落とす麗を、窺うように姿勢を落として
藍住麗 : (なんか拗ねてる表情!泣いたり凹んだりはしてない。
よつば : ……あーらら。ご不満ね?
よつば : …なーに。思ってるコトがあるなら今の内に言いなさいよ。(ピアノの傍の適当なパイプ椅子を見繕って、腰掛けて
よつば : 話しに来たんだものね、アタシ『達』。
藍住麗 : ・・・・・・
藍住麗 : そう、だったね。
よつば : ええ。・・・・。
藍住麗 : ・・・・・・。
藍住麗 : “麗”は・・・・・・もう少しかかるかも。
藍住麗 : 来ても・・・その時に“私”が自由に喋れるかどうか・・・
藍住麗 : (そもそも今は藍住麗の格好でピアノを引いていたわけで、
藍住麗 : (何故、“六孤”がここまで現れてしまっているのかも気付いていない……気づかないようにしている……
藍住麗 : “しよう”は、どうかしら?
よつば : 似たようなもんよ。今は「アタシ」が出しゃばってるから。
よつば : ま、自由にちゃきちゃき切り替えられるならこんな風にしてないわよねェ。(軽めに皮肉って
藍住麗 : そっか・・・・・・
藍住麗 : そうだよね・・・・・・
藍住麗 : (しゅんとして
よつば : …『アンタ』とアタシで話すのって、実は結構珍しいかもね。
藍住麗 : ・・・・・・
よつば : すぐアイツ出て来ちゃうから。今は何か引っ込んでるけど。・・・・『史葉』をご所望?
藍住麗 : (そもそも“六孤”は出ないようにしているので、誰であれ話すのは珍しい存在じゃなきゃ行けないのだけど、
藍住麗 : (最近もろもろとほつれすぎて色々表に出ちゃってしまっているので、今更そんな言い訳出来ないが、
藍住麗 : (とにかく“よつば”とは珍しい。
藍住麗 : (だってーーーーーー
藍住麗 : “私”が出てるのに、『史葉』が来ないのが珍しいよ。
藍住麗 : (ちょっと意地悪に。そんなふうに返す。
よつば : それね?(肩すくめて
よつば : 良く分かってんじゃないの。(揶揄うように笑って。史葉は知らんがよつばはノーダメだ
藍住麗 : ぅ。
藍住麗 : (こっちはちょっとだけ勇気を出していじわるしたのに
藍住麗 : (ノーダメージとはずるい。
藍住麗 : (やっぱり“よつば”には敵わない気がする・・・
藍住麗 : じゃあ、
藍住麗 : その・・・・・・
よつば : ん?
藍住麗 : “よつば”は、
藍住麗 : どうしたいの?
藍住麗 : “私”、と
藍住麗 : “私”達、4人で、話すのは、嫌?
よつば : アタシは別に嫌って言ったつもりはないわよ?
藍住麗 : ぅ、
よつば : 『史葉』が今すぐには出て来れないのも、別に大した理由じゃないし。…まあ、ただ言った通り。
よつば : アンタも解ってるでしょうけど、そこまで意識的に切り替えられるモノでも無いから。
藍住麗 : そう・・・だけど・・・
よつば : 四人で話す、っていうアンタの提案を受けて、今アタシは此処に居るワケだけど…
よつば : …実行するのは結構難しいんじゃない?…とは思ってるわね。
藍住麗 : ・・・・・・。
藍住麗 : そうよね・・・・・・
藍住麗 : ・・・・・・。(ぼーっとピアノを見つめて
藍住麗 : 用は済んだし、目の無事も確認できたんだから、
藍住麗 : 私は戻って、”麗“を呼ばなくっちゃね。
藍住麗 : (ピアノに向き合う
よつば : あらやだ、すごい後ろ髪。
藍住麗 : でも……“麗”じゃないと、ここ<Ev>では暮らせないから……
よつば : の割に戻りたくなさそうね?(頬杖気味に
藍住麗 : ・・・・・・。
よつば : ぁーやだやだ。さっきから意地悪ばっかねアタシ。(史葉の為のよつばである自分なら、こんな事言う必要も無いのだが
藍住麗 : どうして今日はそんなにいじわるなの?
藍住麗 : (ほぼ同時に言ってしまった
よつば : アハ!やっぱそう思うんだ?(おかしげに
藍住麗 : そう、思うよ。
よつば : どうして、どうしてねぇ…。(んー、と考え
よつば : ……。 「どっちも」意固地だから?(人差し指立てて
藍住麗 : ・・・。「どっちも」って、
藍住麗 : それって・・・“私”の事・・・?
よつば : さーて、どことどこかしらね?
藍住麗 : それも意地悪・・・・・・(よつばに振り向いて、ジト目で見上げて
よつば : (――『よつば』は『史葉』の為に生まれた人格。自由に振る舞って見えても、その根本は通底している。
藍住麗 : (ーー『藍住麗』は六孤の【理想の私】
よつば : (…「六孤」が「史葉」の出現を期待しているのは、話していれば解る事。
藍住麗 : (こんな風に駄々こねているような会話をいじらしく続ける姿の何処が【理想】か。こんな事ではいつまで経っても『藍住麗』にはならない。
よつば : (でも「史葉」はちょっと出づらい。出られないって訳じゃないけど、しょうもない理由で踏ん切りが付かずにいる。
よつば : (――……そんなら【理想】に戻させてあげなさいよ。…ってハナシなんだけどね?全く。
よつば : (今のアタシが「よつば」だろうが、意地悪言ってでも引き留めたいっていうのが………
藍住麗 : ・・・。・・・。
よつば : …さーて。どうしたもんかしらねぇ。(やれやれ、と
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : 解散、でしょ。(ピアノに向き直り
藍住麗 : 4人集まるのなんて無理だったんだから、
藍住麗 : “麗”を呼び出して、せめて“いつも通り”にしなくっちゃ……
よつば : …。
よつば : (「できるの?」って即答するトコだったわ。…流石に意地悪がすぎるわね?
藍住麗 : …。…。
藍住麗 : ♪ポーン♪
藍住麗 : (ゆっくりと、小さな音で、ピアノを弾き始める
藍住麗 : (六孤すらあまりわかっていない事だが、
藍住麗 : (“藍住麗”は“優雅”でないと現存出来なくなる。
藍住麗 : (その逆で、“優雅”な行動を積み重ねればきっと帰ってくる。
藍住麗 : ♪ピピピーーー♪
よつば : …………。
よつば : (――全く。本当にコレでいいの? せっかくこんなに出てきてくれてるのに。
よつば : (…そうは言っても、ぼやいてもしょうがない事はわかってる。
よつば : (誰かの前で意識的に『史葉』になろうとした事なんて、アタシ達は一度も無いんだから。
よつば : (それならもう、この子の言う通り。「いつも通り」にするのが良いのだろう。
藍住麗 : ……。
よつば : (揺らがさず、優しく、平和的な選択を取るのが、いつものよつばの筈なのだから。
藍住麗 : ♪ぴ。。。ぽん。。ぽーーーん♪
藍住麗 : (とても優雅になる気配のない
藍住麗 : (鍵盤をただ押しているだけのような曲
よつば : …。
よつば : (鍵盤を見つめる俯いた横顔よりも、演奏は雄弁。
よつば : ……。(えぇ、、、、
よつば : (アタシ、……どうしたらいいのかしら。
よつば : (此処で帰るの流石に冷たいわよね?……とはいえ、このまま残っても…
藍住麗 : ・・・。・・・。
よつば : (……この子の望みを、叶える事ができない。
藍住麗 : ″麗″。来ないな。
藍住麗 : ……。
よつば : ……奇遇。今おんなじ事で困ってるわ。
藍住麗 : え?
藍住麗 : おんなじ事?
藍住麗 : (不思議そうによつばに振り向く
よつば : アタシはアタシで『史葉』が来なくて困ってるのよ。
藍住麗 : そうなんだ。
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : ″麗″が来ない理由は、わかるよ。
藍住麗 : 【理想】の為の優雅さが、今の私には、足りないから。
よつば : …ぁー、そういうカンジなのね。(凡そ勘付いてはいたが
藍住麗 : ・・・。多分、だけどね。
藍住麗 : ……。
藍住麗 : 史葉は、なんで?(来れない?来ない?)
よつば : 『史葉』がどうやったら出て来るかは…あんまりロジカルじゃないのよねェ。
よつば : あいつはなんっていうか、こう…
よつば : アタシが前に出てた方が、大体の事は上手くやれると思ってるから。
藍住麗 : それは……
よつば : まあでもソレは、アンタにとっての麗も似たようなもんよね、きっと。
藍住麗 : (麗だって、そうだけども…
藍住麗 : うん・・・。
よつば : だから、『史葉』が表に出るのは大抵イレギュラーな事態よね。言ってしまえば…
よつば : 相当精神的に弱ったり、動揺しちゃってる時。
藍住麗 : ・・・。
藍住麗 : じゃあ、
藍住麗 : 出ない方が、いいのかな・・・。
よつば : …………。
藍住麗 : (寂しそうに、再びピアノに向かい合う
よつば : (…なら普段『六孤』になるとすぐに出てきたのは、まあつまりそーゆー事で、
よつば : (でもまあ、それは流石に明け透けに話すのは止してあげましょう。って感じで。
よつば : (今回ズレが発生してるのは、多分…
よつば : (『目の怪我の件』での動揺の度合いに、あんまりにも差があったから…なんでしょうけど。
藍住麗 : ……。
藍住麗 : ♪ぽーーーん。どーーん。どー。♪
よつば : (そんな理屈と分析喋った所で、何の助けにもなりゃしないし。
よつば : ………史葉と。(ぽつりと
よつば : 何を話そうと思ってるの?
藍住麗 : え?
藍住麗 : ・・・え?
藍住麗 : ・・・。
藍住麗 : 怪我、は、
藍住麗 : 治ってる、から。
藍住麗 : ・・・。
藍住麗 : ・・・え?
藍住麗 : なんで?
藍住麗 : (よつばに、ふりむいて
藍住麗 : (困ったように。
よつば : …「話そう」って言ったから?
藍住麗 : え?
藍住麗 : …。・・・。
藍住麗 : “私”と、何を話すかわからないから、
藍住麗 : “史葉”は、出て、これない・・・?
よつば : んー…そーゆーワケじゃないけどね?
よつば : そもそも、別にわざと出てこないわけじゃないのよ。ただ……
よつば : …なんでもない話なんて、もうずっとしてないじゃない。「アンタ達」。
藍住麗 : ぁ
藍住麗 : (よつばを見上げ
藍住麗 : ごめんなさい。
よつば : ぇ。
藍住麗 : (ピアノの席から立ち上がって
藍住麗 : その、
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : 普段、その、、、
藍住麗 : ・・・。
藍住麗 : ”よつば“は、“私”を引き摺り出したりしないのに、
藍住麗 : “私”、その・・・。。。
よつば : …ちょ、ちょっと。別に謝る事じゃないわよ。
よつば : …………ただただアイツが… …いや、アタシも良く無いのよね。
よつば : ちょっと安全志向すぎるっていうか……
よつば : …………。(見下ろして
藍住麗 : でも、
藍住麗 : 普段そうしないのに。
藍住麗 : “私”、
藍住麗 : たまたま自分の調子が良いからって・・・。
藍住麗 : ・・・。
藍住麗 : ”史葉“に、迷惑かけてる。
よつば : …………。
よつば : (…たまたま調子が良い時に、話ができるチャンスだっていうのに。 ホンット……
藍住麗 : ・・・。・・・。
よつば : ……「引き摺り出したい」って、思ってくれてるんだ?
藍住麗 : え。えっと。その。えっと。
藍住麗 : ・・・。
藍住麗 : えっと、
藍住麗 : その。
藍住麗 : その・・・。
よつば : …ええ。(…この様子。アンタも見てるんでしょうが?
よつば : (見りゃわかるでしょ。聞いてりゃわかるでしょ、って。…そう言ってやりたいけど…
よつば : …聞かせてくれない?(――ハッキリ言われないと安心できないっていうなら、…もう、本当しょうがない奴よ。
藍住麗 : …私は、
藍住麗 : その
藍住麗 : ・・・・・・。
藍住麗 : 今までの事を思ったら、
藍住麗 : きっと、
藍住麗 : すごくわがままな願いだけど、
藍住麗 : 「4人」みんなで、話してみたいな。
よつば : …。そう、言ってたものね。
よつば : じゃあ…………
よつば : そうできる手段を見つけるしかないかしらね?
藍住麗 : え?
藍住麗 : で、でも。
藍住麗 : “麗”も・・・史葉も、来れないって話じゃ・・・
よつば : あら。でも話してみたいんでしょ?
藍住麗 : ・・・。うん。
藍住麗 : “麗”や史葉が、そう、なのかはわからないけど、
藍住麗 : 1人は、聞ける、よね。
藍住麗 : ・・・。よつばは、どう、思う?
よつば : …そーねぇ、『アタシ達』の記憶は基本共有されてるわ。時によって程度のバラつきはあるけどね。
よつば : だから、表に出てない方が「聞く」事は可能。そっちの方は問題無いでしょうね。
藍住麗 : あ。そっか。
藍住麗 : 話すのは「4人」同時じゃないから、
藍住麗 : ソレ、でも、みんなで話すのは、ちょっと出来るんだね。(素直に感心して
よつば : …まあでもよ。今のアタシたちのやりとりを「史葉」と「麗」が聞いて、覚えてたとしても、
よつば : 「四人で話した」って思えるかっていうと…そうじゃないでしょ?
藍住麗 : む・・・。
藍住麗 : そうかも・・・。
藍住麗 : (再びしゅんとして。
藍住麗 : ・・・。・・・。(今まで閉じ籠もって出てこなかったのは何だったのかというぐらい
よつば : 結局「入れ替わり」を自由にスイッチできない事の方が問題になってくるわよね。
藍住麗 : (今日の“六孤”は長い間出ているし、
藍住麗 : (感情も言葉も、素直に出てしまっている
藍住麗 : そう、だね。
藍住麗 : 試合中は、何度も“麗”が帰って来てくれたんだけどな・・・。
藍住麗 : (夢の中の一幕を思い出しながら
よつば : 目の前で「アンタ」が出ちゃった時はどうなるかと思ったけどね?(からかい気味に
藍住麗 : っ、あの時はその、、・・・。、、(目を逸らして
よつば : ま、切り替えられたアンタの勝ち。それでよかったじゃない。
藍住麗 : ・・・。ん、うん。
藍住麗 : その。
藍住麗 : ・・・。うん。
藍住麗 : ・・・ありがとう。
よつば : もう。何よ改まって。
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : その、
藍住麗 : だって、あの時・・・。その、
よつば : ……。
藍住麗 : ……。
藍住麗 : 「私」が闘い続けられたのは、
藍住麗 : よつばと、史葉の、おかげだから。
よつば : …あのまま弱ったアンタの風船撃ち抜いてたら、そりゃあ勝ちにシビアな戦闘組織らしいけど。
よつば : 4人全員凹み散らかしてたトコでしょ。 いいのよそういうのは。お祭りなんだから。(肩竦めて
藍住麗 : ぅ
藍住麗 : ぅ、うん、
藍住麗 : だからその、、、えっと、
藍住麗 : やっぱり、
藍住麗 : ありがとう。かな?
藍住麗 : (恥ずかしそうに
藍住麗 : (よつばを向いて
藍住麗 : (伝える
よつば : ……ありがと。…でもまぁ、その言葉は。
よつば : 1人枕に頭突っ込んでジタバタする羽目になった、今は居ない誰かさんにでも言ってあげなさいな。
藍住麗 : ・・・。
藍住麗 : そ、そんな事になってるんだね。(ちょっと困ったように笑って
よつば : ぁ。コレ内緒にしたかったかも?やっだー(しらじらしく
藍住麗 : えっと、、、
藍住麗 : じゃあやっぱり、
藍住麗 : 史葉に会うのは、また、別の時にした方が、良いかな。良いよね。
よつば : …まー、今すぐ ハイ! って出て来れる感じしないわよね。
よつば : ……ごめんなさいね?
藍住麗 : ううん。いいの。
藍住麗 : 今までずっと出てこなかったのは“私”の方だし、
藍住麗 : それに、
藍住麗 : 様子を少し、聞けたから。(よつばに微笑んで
よつば : あらあら。それはどういたしまして?
藍住麗 : うん。
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : じゃあ、私も“麗”を呼び戻さなくっちゃいけないから、
藍住麗 : (ピアノに向き直り
よつば : ええ。
よつば : ・・・・。
よつば : またね、六孤。
藍住麗 : っっ・・・!
藍住麗 : 、また、ね。
藍住麗 : (ピアノに向いたまま
藍住麗 : (返事を返す
藍住麗 : ーーーーーー
藍住麗 : ♪ ジャジャーン♪
藍住麗 : ーーーーーー
藍住麗 : (暫く、演奏に集中して、ピアノを掻き立てる
藍住麗 : (結局、4人で話す事は出来なかった。
藍住麗 : (史葉にばかり出てこない事を聞いたりしていたが
藍住麗 : (“麗”だって出て来ていない
藍住麗 : (こうして暫く演奏をしていても出てこない
藍住麗 : ーーーーーー
藍住麗 : ♪じゃーーーーーーん♪
藍住麗 : ーーーーーー
藍住麗 : (じゃあ“麗”は消えたのか?“六孤”はこれからどうなるのか?
藍住麗 : (なーんて。
藍住麗 : (そんなシリアスな悩みなんて無く、
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : (部屋でピアノを聴いているよつばの存在を感じながら
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : (演奏を続けている
藍住麗 : ーーーーーー
藍住麗 : (4人で話すって何を?
藍住麗 : (試合の反省会なら、この会の前に散々やった。やらされた。
藍住麗 : (勝敗分析だけするんなら“麗”と“よつば”だけでやればいい。
藍住麗 : (今後の私達4人の表に出る頻度とか、そんな難しい話、わざわざ自分達から掘り起こしたくない。
藍住麗 : (じゃあなんで、会いたがった、会わせたがったんだろう。
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : ーーーーーー
藍住麗 : ♪ ジャジャーン♪
藍住麗 : (紅椿家六孤は、
藍住麗 : (史葉に
藍住麗 : (「よくがんばったね。」って褒めてもらいたかった。
藍住麗 : (そんな想いじゃ・・・“優雅さ“なんて無いし、いつまでも”麗“は出てこれないよね・・・。
藍住麗 : ♪ ジャジャーン♪
藍住麗 : ーーーーーー
藍住麗 : (同じ部屋でで聴いてくれている“よつば”の存在を気にしながら演奏は続く
藍住麗 : (続けど続けど、やっぱりこんなフワフワな気持ちじゃあ、
藍住麗 : (藍住麗を呼び出す“優雅さ”や【理想】なんて、満たせないみたいだ。
藍住麗 : ・・・。・・・。
藍住麗 : (枕に頭突っ込んでジタバタしてるんだ・・・。
藍住麗 : (元気そうで良かった・・・かな?
藍住麗 : ♪ ジャジャーン♪
よつば : ーーーーーー
よつば : (演奏をひととおり終えても、
よつば : (あの子は"六孤"のままだった。ように見えた。
よつば : (まあそんな事、茶々入れるのも無粋だから、そのまま別れて、今は1人。
よつば : …………。
よつば : (――「4人で話したい」あの子は言ったけど。
よつば : (いいえ、その気持ち自体は本音なんだろうけど。
よつば : (今日表に出るのがずっと『史葉』だけだったら、きっとあんな風にはなってなかった。
よつば : (…ま、勝手に決め付けるのもそれこそ無粋なんだけどね。
よつば : (でも、結局アタシは「そう」としか捉えられなかったから、
よつば : (「・・・・『史葉』をご所望?」「「引き摺り出したい」って、思ってくれてるんだ? 」 「…聞かせてくれない?」
よつば : (……いやまあ露骨だったわね。
よつば : (…その一言さえ聞かせて貰えたら、アイツは出て来れるんだろうって思ったんだもの。
よつば : (望まれた人間を望んだ人間の前に引きずり出す為に、それは必要な事だった。
よつば : (・・・・けどまァ、それって。
よつば : (『アタシ』だけが解っててもどうしようもない事なのよね。
よつば : (出来るのはせいぜいお節介くらい。
よつば : …………。
よつば : ま、(とはいえ、そんなに悲観的な気分でも無い。
よつば : 焦んなくてもそのうち噛み合うわよ。きっと。(その場しのぎの前向きさではなく、自然にそう思える。
よつば : (『六孤』とはきっとまた話せるだろう。本調子じゃない自覚がある時に無理にぶつからなくとも。
よつば : (そういう結論になるあたり・・・・結局『よつば<アタシ>』は、『史葉』の為の存在なんでしょうけど。
よつば : ・・・・
よつば : せっかく結果出せて前向きになってるのに、下手な事言って傷付けたくないもんね?
よつば : まったくとんだチキン野郎だわホント。
よつば : (施設の無機質な廊下を歩いてゆく
よつば : ーーーーーー
最終更新:2023年12月30日 19:54