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いざないの舞踏会 [鋼 プリン姫 サマンサ ラピエル]

ーーー : (フォーデン
ーーー : (ある日のT3コロシアムにて―――
鋼 : 錬、   鋼―――――
鋼 : ――――『鏡』!!(前に突き出した手の先に形作られるは、鏡面状のシールド!
プリン姫 : えっ!!?(闇を切り裂くプリプリプリズムビームが鏡面に跳ね返される!!
プリン姫 : 姫に対してっっっっっ!! 不敬ですよ~~~~っっ!!!!
サマンサ : 「………エイト…ナイン…テン…!決着ぅ~~!!!」
サマンサ : 「舞踏会選抜武闘会トーナメント!優勝はーーー」
フォーデン : ーーーーーー ーーーー ーーー ーー ー
フォーデン : (T3の所持する訓練室の一つ
フォーデン : (地下闘技場
フォーデン : ……。
フォーデン : ……。ーー。……。ーー。
フォーデン : ー ーー ーーー ーーーー ーーーーー
舞踏会 : ーー。ーー。ーー。ーー。ーー。
舞踏会 : (フォーデンの少し外れ
舞踏会 : (趣ある洋館の建物
鋼 : …。(――の、更衣室としてあてがわれた部屋。
鋼 : …。 …、 …。
鋼 : (3日前のあの日、土埃に塗れた衣服で闘技場に立っていた自分が、
鋼 : (T3所属のプロスタイリストに、全身くまなくコーディネートされ、
鋼 : (今度は全く別の舞台に立とうとしている。
鋼 : …。(次の場は次の場で、未知の戦場だ。
鋼 : (王城仕えの過去はあれど、護衛兵だった自分にはこのような華やかな場の経験は無かった。
鋼 : …。 …、 …。
鋼 : 三日間の短い猶予期間に、最低限の知識は頭に叩き込んだが、それでも…
鋼 : …。
鋼 : …いえ。
鋼 : …行きましょう。
鋼 : (…私は勝ったのだ。正道を通ってこの舞台に立つ資格を得た。
鋼 : (…私は、この道を、進む。
鋼 : (椅子から立ち上がって、
鋼 : (更衣室から外へと出ていく
舞踏会 : ーー ーー ーー ーー ーー
舞踏会 : (赤い絨毯
舞踏会 : (金刺繍の入った美麗な造り
舞踏会 : (広い廊下を彩る明るい電灯
舞踏会 : (両開きでダンスホールに繋がる扉の前で
舞踏会 : (白と銀の聖なる正装。聖装を見に纏いし剣闘士。
舞踏会 : (銀髪の麗しき男性。フォーデン随一の超人気プロファイター。
鋼 : …。(慣れないヒールで絨毯を踏みしめ、廊下を歩いてくる少女
鋼 : (デビュタント、というものは、白のドレスを着る決まりがあるらしいが、
鋼 : (もしかしたらこの色調は、「相手」に合わせての事だったのかもしれない。
鋼 : (床にギリギリつかない丈の純白の舞踏会用ロングドレス 二の腕までの長さの白のロンググローブ
鋼 : (毛量が多い事が悩みの髪は、スタイリストの不思議な技術で綺麗にアップでまとめられて、
鋼 : (純銀のティアラで頭部が飾られている。
鋼 : …。
鋼 : …お待たせ、しました。
ラピエル : …。ようこそ。(鋼の前に立ち
ラピエル : 私の舞踏会へ。(丁寧に。お辞儀をする。
鋼 : …。(スカートの両端を持ち、無言で一礼
ラピエル : あの難関を乗り越え、
ラピエル : よく、来てくれたね。
ラピエル : 優勝おめでとう。
鋼 : …。…はい。
鋼 : ありがとう、ございます。
鋼 : …。
鋼 : 「プロファイターに、なる」。
鋼 : …この道を、(扉の方に視線を向けて
鋼 : 進むと、…決めましたから。
ラピエル : 嗚呼。
ラピエル : (扉を見て、
ラピエル : (鋼を見て、
ラピエル : 簡単な道では無いけど、
ラピエル : 1つ目の難所は乗り越えた。
鋼 : …。
ラピエル : まだ道半ば。
ラピエル : しかし、
ラピエル : 退屈をさせない道である事は約束するよ。
鋼 : …。…はい。
鋼 : (実際、この大会で登り詰める間にも実感した。
鋼 : (闘技場の上での、1対1の、公正な試合。その限られた闘いに、これほどの幅と奥深さがあるのかと。
鋼 : …。そうですね。
鋼 : …。
鋼 : 楽しみ、です。
ラピエル : 良い。
ラピエル : 良い。志だね。
鋼 : …。
鋼 : …そのくらいでなくては…、
鋼 : きっと。…務まりません。
ラピエル : …。 何を務める?
鋼 : …。 …闘士<プロファイター>、
鋼 :  …いえ、今は…
鋼 : …。
鋼 : …貴方と、踊る事。 …ですね。
ラピエル : 嗚呼……。
ラピエル : あぁ。(フッ、と微笑みを浮かべ
ラピエル : 良い。ね。
ラピエル : (言葉少なだが、何か満足げに
ラピエル : ようこそ。私の舞踏会へ。
鋼 : …。…。…。
鋼 : (無言で、小さく頭を下げる
ラピエル : (小さく頭を下げたその一瞬、
ラピエル : (瞬身。
ラピエル : (鋼の目の前に瞬間移動。
鋼 :
ラピエル : (大きく丁寧に。移動速度とは比較にならないほど、とてもとてもゆっくりと。お辞儀をする。
鋼 : …。 …。(ぁ、
鋼 : (これは、確か…、(「最低限の知識」が頭を過ぎる
鋼 : (お辞儀をするラピエルに、右手を差し伸べる
ラピエル : (無言で微笑みを浮かべて。至極ゆっくりと。その手を取り、
ラピエル : (手の甲を上に向けるように、軽く回転させる。
鋼 : 、、、
ラピエル : (鋼の手を少し持ち上げて、
ラピエル : (お辞儀をしながら、唇を
ラピエル : (手の甲のそばへ
鋼 :
鋼 : ………
鋼 : (固まっている
ラピエル : (頭を上げて、姿勢を正し、
ラピエル : (鋼を見つめる
鋼 : ………(ラピエルの顔を見返す
鋼 : (笑顔を向ける余裕などなく、緊張と照れの入り混じった真顔
ラピエル : ーー。(小さな微笑みを携えた柔らかな表情でその真顔を見つめ
ラピエル : (優しく手を引くように隣に立って、
ラピエル : 共にゆこう。(扉の方へと歩みを進める
鋼 : …、…。
鋼 : …はい。(ラピエルに手を引かれ、共に扉へと歩む
ラピエル : (鋼の返事を聞いて ふっ と小さく安堵の微笑みのような吐息を漏らすが、誰にも聞こえないぐらい小さい物だろう
親衛隊A&B : (左右の扉が内側から何者かに引かれて開かれる
楽器隊A : (小さく響き出すピアノの鍵盤の伴奏
楽器隊B : (追従して動き出す弦楽器隊
聖歌隊A : (伴奏に少しづつ載せるようにハミングを口ずさむ
ラピエル : (開かれた扉を抜けて、
ラピエル : (大きく曲がる階段の上の踊り場
ラピエル : (鋼の手を引いて、ゆっくりと歩みを進め、
鋼 : ……。(踊り場から見下ろすと、階下にダンスホールが見える。
ラピエル : ……。ゆこう。(階段の手すりに手をかけて階段を降り始める
親衛隊A : (ラピエルが1歩目を降りる直前に楽器隊の元へ合流し、指揮を振り始め
鋼 : …、…。(小さく頷き、ラピエルに誘導されて共に階段を下りてゆく
音楽隊AtoZ : (鋼の一歩目に合わせて伴奏が掻き鳴らされる
音楽隊AtoZ : (赤い幕の裏からぞろぞろと楽器隊や聖歌隊が出てきて、
音楽隊AtoZ : (2人が階段を降りる間、聖なる歌を音楽に乗せて歌い上げる
ラピエル : (音楽を受けながら階段を降りていき、
ラピエル : (2人が巨大シャンデリアの下を通り過ぎる頃、それが光輝く
ラピエル : ふふっ……
ラピエル : (2人が階下のフロアに辿り着いた時、突然全ての音楽が止まる。
鋼 : …、……?(大合奏の中、ふいに声が聞こえた気がして、不思議そうに見上げる
鋼 : 、(音楽が止まって、同時に立ち止まる
ラピエル : 鋼。
鋼 :
鋼 : …、はい。
ラピエル : 優勝……。武闘会で力を示した……。
ラピエル : この街は鋼に道を作るだろう……。急速に。嗚呼。険しく楽しいものをね。
鋼 : ……。ええ…。
ラピエル : これからとてもやれる事もやる事も多くなるだろう。
ラピエル : でも……。いや、だからこそ、今日は。
ラピエル : (鋼を見つめ、
ラピエル : (引いていた手を上げて、
ラピエル : (ココに至るまで何度目かにもなるその台詞を少しだけ変えて。
ラピエル : 私と踊ろう。
鋼 : …、(ラピエルを静かに見上げて
鋼 : …(これは儀式。これからこの街で新たに生きていく為の。
鋼 : (これから作り上げられる険しく長く楽しい道の始まりに。
鋼 : (与えられた、ご褒美のようなもの。
鋼 : ………はい。(やっと、小さく、柔らかい微笑みを見せて
鋼 : …よろしく、お願いします。
ラピエル : なるほど……良い笑みだ……(鋼に歩み寄りながら小さく言葉を溢す
音楽隊AtoZ : ~~? ?♪♪
音楽隊AtoZ : (音楽隊が再び動き出す
音楽隊AtoZ : (rAh~~~~pi~~~~eru~~~~
音楽隊AtoZ : (聖歌隊も歌い出す
ラピエル : (ゆっくりと鋼をリードするように手を上げて足を横に歩ませ踊りのステップ
鋼 : …、…、…(ラピエルにリードを任せながら、覚えたばかりのステップを繋いでいく
ラピエル : (その様子に少し驚いたような呼吸、喜ぶような吐息、流れるような次の踊りの動き
音楽隊AtoZ : (舞踏会の2人の為に音楽と聖歌を届ける親衛隊の皆様
最終更新:2024年02月10日 22:30