サイゼリア : (リーズベルト魔術学院
サイゼリア : (研究棟内
サイゼリア : (夕方。
レイヴン : (何やらいつもよりも身なりがきちんとしている。
レイヴン : (どことなく緊張しているようだ。
サイゼリア : …。(こちらは相変わらずの研究者ルック。
サイゼリア : (あれから本当に泊まり込みで、こまごまとした終わりの見えない作業を、毎日のようにこなしている
サイゼリア : (そんなレイヴンを横目で見遣って
サイゼリア : …あら。日が傾いてきたわね。(少々わざとらしいか、独り言のように呟く
レイヴン : ………。
レイヴン : だからどうした。
サイゼリア : …。もー。何よ。ホント素直じゃないわね。
レイヴン : ………。何の話だ。
サイゼリア : 先週の今頃もアンタどっかに出かけて行ってたじゃない。
サイゼリア : 今日もそうなんでしょ。何の用事か知らないけど。
レイヴン : …やれやれ。
レイヴン : …そうだな。恋人を待たせている。
サイゼリア : (先週も全く同じような調子でソワソワしてたんだから気付かないでか、よ。全くもう。
サイゼリア : っはぁ??
レイヴン : 冗談だ。(真顔で
サイゼリア : ちょ、ちょっと。あんまり吃驚させないでよ!?もーーー
サイゼリア : ぁ。ぃゃ。べ、別に変な意味で動揺した訳じゃないんだからね!?ただあんまり似合わないワードが飛び出すもんだから!
レイヴン : こんな生活をしながら恋愛にうつつを抜かす時間などないさ。
レイヴン : フン…。やけに動揺しているな。
レイヴン : (いつもより声のトーンが低い。
サイゼリア : べ、別にぃ~?
レイヴン : ……。
サイゼリア : ……。(まあ、本当は、予想付いてるのよね。
サイゼリア : (…前に買ったまんまのケーキ渡された時も、ちょうど同じ曜日だった気がする。
レイヴン : …まったく。かわいいやつだ。
サイゼリア : … っへ???
サイゼリア : えっ な、 何? もしかして熱ある…!?
レイヴン : …なんだと。
レイヴン : …そうだな、熱などないさ。ただ…。
レイヴン : サイゼリア=スカイラーク。
サイゼリア : っ は、はい!?
レイヴン : お前と会うのもこれが最後かもしれない。
サイゼリア : … え?
サイゼリア : …なんでよ? どうしたのよ急に?
レイヴン : ワタシがどこに行くかおおよそ見当はついているのだろう?
サイゼリア : …それは…… まあ、そうよ。(バツ悪そうに
レイヴン : そしてワタシは…ワタシであるが故に身を守る類の小細工を弄せない。
レイヴン : さて。
レイヴン : ワタシを狙うなら、ここしかないとは思わないか?
サイゼリア : …
サイゼリア : ……レイヴン。
サイゼリア : それを、アタシに話すって事は……
レイヴン : …フン。敵がマヌケならともかくだ。
レイヴン : あとは頼んだぞ、サイゼリア。ワタシがたくせるのはお前しかいない。
サイゼリア : ちょ、ちょっと待ちなさいよ!?
サイゼリア : そこまで聞かされて! アタシがのうのうとアンタを一人にさせて待ってると思うの!?
レイヴン : …なんだと。
レイヴン : ついてくるなど論外だ。
サイゼリア : アンタがアタシにそれを話した時点でそれこそ論外よ!
レイヴン : …やれやれ。
レイヴン : ぬかったな。
サイゼリア : …。アンタのプライべートに踏み込むのは良く無いって、だから前回も一人で行かせたけど…
サイゼリア : そこまで言われて、アンタを一人にさせてらんないわよ!
サイゼリア : …一緒に行かせてよ。 妹さんのお見舞い。
サイゼリア : …アンタが理由を与えたんだからね。
レイヴン : …ある程度は善処しよう。
サイゼリア : ある程度って何!?
レイヴン : ………。(椅子に座って
レイヴン : …紅茶を淹れてくれないか。
サイゼリア : …。
サイゼリア : …いいけど。 …アンタ程上手じゃないわよ。(逆に立ち上がって
サイゼリア : (キッチンの方に歩く
レイヴン : ………。(ゆったりとした仕草で機械鳥をいじっている。
サイゼリア : …。(ケトルを沸かし、ティーポットに茶葉を入れて、お湯を注ぎ。
サイゼリア : (ティーカップに2人分の紅茶を淹れる。
サイゼリア : (トレイに2人分の紅茶を乗せて、レイヴンの座る席の方へ
サイゼリア : はい。どーぞ。(カップをレイヴンの傍に置いて
レイヴン : …ありがとう。
サイゼリア : (残ったカップを持って自分のデスクへと戻る
サイゼリア : …アンタが素直にお礼言うなんてねー。(ぽそっと呟いて
レイヴン : …ワタシだって気が向けばお礼くらいは言うさ。
サイゼリア : …そーね。確かに。
レイヴン : …サイゼリア。
サイゼリア : けっこー最近は… ん。なーに?
レイヴン : (入れてもらった紅茶をゆったりと飲み終え
レイヴン : (サイゼリアの方に歩いていく。
レイヴン : ……ワタシたちはいいパートナーだと思わないか?
サイゼリア : …(見上げて
サイゼリア : も、もー。…そーゆーのさ。そーゆーの…、、
サイゼリア : もっと不穏じゃない時に言いなさいよぉ……!(顔歪めて
レイヴン : …ワタシのような偏屈についてきてくれたことに例を言おう。(聞こえないかのように言葉を続ける。
レイヴン : …そしてだ。
レイヴン : サイゼリア=スカイラーク。
サイゼリア : だからっ、なんでそんな今際の際みたいに言うわけ!?
レイヴン : ワタシはお前を愛している。
サイゼリア : そうならないように、一緒に行くって ―――
レイヴン : (そうレイヴンが言った瞬間にカラスからサイゼリア目がけ睡眠ガスが射出される。
サイゼリア : ―――― 言っ ・・・ ・・・(急速に意識が遠くなり
レイヴン : …バカめ。不穏じゃない時に言うわけないだろう。
サイゼリア : ・・・ ・・ ・(椅子に深く凭れるようにして眠りに就く
レイヴン : 思ったとおりに隙をつけたな。四年前の二の舞はこりごりだ。
レイヴン : …サイゼリア、お前を巻き込みたくない。
レイヴン : (そう言い残して、研究室を後にする。
レイヴン : (レイヴンの足音が遠ざかっていく。
サイゼリア : (――――
サイゼリア : (…………… なんで。
サイゼリア : (パートナーだって言うなら、
サイゼリア : (…なんで、 頼ってくれないの………
サイゼリア : (視界が暗くなり、意識が遠のいていく。
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リーズベルト病院 : ------
リーズベルト病院 : ーーーーーーーーーーーーー
リーズベルト病院 : (夕暮れ。病室では一人の少女が静かに眠っている。
リーズベルト病院 : (見舞いに来た男はいつものように花を変え、彼女がいつ目覚めてもよいように部屋を整える。
レイヴン : ………。
レイヴン : ロビン。(優しげに眠る妹を見つめる。
レイヴン : ……………
レイヴン : お前たちには。人の心がないのか?
レイヴン : (気配なく後ろに立つ人影に語りかける。
レイヴン : ……やれやれ。愚脳であるだかでなく、愚劣だとはな。
レイヴン : もちろん、予想していたことだが。
??? : (一瞬動揺したそぶりを見せるが、
??? : (眠る妹に記された魔法陣を指差す。
レイヴン : ……、驚いたな。
レイヴン : 流石にそこまで腐っているとは…(振り返って顔を確認すると…
レイヴン : ………、
レイヴン : …驚いたな。
レイヴン : ……いや、そういうわけでもなさそうだ。
レイヴン : (レイヴンの頭をこれまでに集めた情報がかけめぐる。
??? : ーーーーーーーー
??? : ーーーーーーー
レイヴン : いいだろう。
レイヴン : (バレることのないように静かに
レイヴン : (魔力で自らの身に傷をつける。
レイヴン : ………。望むようにしてやるさ。(そしてレイヴンはその人物の前に跪き…、
レイヴン : …………
リーズベルト病院 : (高位の魔術師による術式のせいか、誰もがはっきりした記憶をもたないその数分間に
リーズベルト病院 : (レイヴン・ギゼルブスは魔力と記憶の一部を奪われ、物を言えぬ状態で床に横たわっていた。
最終更新:2024年06月27日 00:43