イオン : ………
イオン : ………はぁ。
イオン : (大学祭実行委員会がロストパーク家に乗り込んでから、数日後。
イオン : (突然口喧嘩の傍聴人にさせられたり、突然人の名前を裁判のダシに使われたり、突然捕虜三人分の受け入れ準備を頼まれたり、と。
イオン : (彼にとっては何かと慌ただしく忙しく溜息の出る日々であった………が。
イオン : (慌ただしく忙しい事項は、それだけではなかった。
イオン : (―――場所。喫茶EM、二階。
イオン : (貸し切っている会議室……の、廊下を挟んだ反対サイドにある、寝泊り用の個室。
イオン : (ある一室のドアの前に立つ。
イオン : ………はぁ。 余り気が進みませんが…
イオン : …彼女には、あらましを伝えておく必要があるでしょうから。
イオン : (コンコン、とドアをノックする
フクリン : はーーーい。(普通に返事する声
イオン : …私です。イオン・ヴェルハリー。
フクリン : (イオンが名乗るのとほぼ同時にドアが開く
フクリン : あれぇ?教授1人?
イオン : …えぇ。そうですけど?
フクリン : (ローブに隠れた小さな少女。ローブの下に大翼を隠す。
イオン : PUREに関する事で、福さんに幾つか伝えたい事があって参りました。
イオン : (ならば、猶更1人である事は不自然なのだが…他の元信者生徒の姿は無い。
フクリン : えーーーーー???(キョロキョロと周りを見渡し
フクリン : ったく…しょうがないにゃあ。(なんてふざけて、背中を向けて先に部屋に入っていく
イオン : 何がしょうがないのか知りませんけど…お邪魔しますね。(フクリンの後に続いて、室内へと歩む
フクリン : (ザ・空き部屋。といった感じで
フクリン : (小さめなベッドと空っぽの本棚
フクリン : (おそらくわずかな衣服を入れてあるだろう小棚
フクリン : 椅子すらないこんな部屋に何の用?(ベッドに腰掛けて
イオン : …あぁ、お気遣いは無用ですよ。(立ったままでフクリンを見下ろして
イオン : …何、福さんには、報告しておきたいと思いましてね。PURE本部が破壊され、行き場を失った信者達の…
イオン : 身元の引き受け先が見つかった、という話を。
フクリン : え?
フクリン : え???
フクリン : え、何何?は?え?急なんだけど??
フクリン : (嫌がっている様子は無いが、突然の事に困惑してる
イオン : …そんなに驚くとは思いませんでしたけど。確かに凄まじく早い話ですよね。
イオン : 何、私の知り合いに……とんでもなくお人好しでお節介な方が居りましてね。
イオン : その方に、「とある場所」を紹介していただきました。
フクリン : え。何?アンタじゃないの!?
フクリン : ん?場所?へ?何?どゆこと?!
フクリン : (困惑に困惑を重ねている
イオン : ええ。早ければ早いほど良い話でしたから、事後報告ですが…住む場所の無い信徒たちは既に「そちら」に移動して頂いています。
イオン : …。(フクリンを気まずげに見る 現時点でこの困惑ぶり、どこまで畳みかけるか…
イオン : … オレオル・プリムス・ネシス。 …という方をご存知ですか?
フクリン : え?
フクリン : んぇ?オレオルの所いくのあたし???
イオン : …彼とはちょっとした知り合いでしてね。とんでもないお人好しの彼から…
イオン : 『ルインズベルト』を紹介された訳です。
フクリン : …ちょっと。
フクリン : (急に声のトーンが落ちて
フクリン : ……。
フクリン : (イオンを見上げて、急に黙って
イオン : いや…絶対めっっっちゃくちゃ諍い起きますよって言ったんですけどね?でもあの人「相互理解」への夢がすごいというか光属性すぎるというか…謎の説得力あって… ……。
イオン : …(フクリン見下ろして
イオン : ………(はぁ~~~。
フクリン : その……
フクリン : ああっもう!なんでこっちが探り探りしなきゃいけないのよ!
フクリン : ちゃんとアンタが説明しなさいよーー!!
フクリン : (八つ当たり
イオン : はぁ~~~。(声に出した
イオン : だっ…から気が進まなかったんですけどねぇ… でもまぁ言わない訳に行かないじゃないですかぁ……
イオン : …貴方にとっては、故郷に帰れる機会になる。
フクリン : 人ん家まで来てそれ!?(※居候部屋です)
イオン : そういうお話ですよね。福鈴=ルインズベルトさん。
フクリン : 故郷…
フクリン : もーー
フクリン : あーーー
フクリン : なんだよーーーー
フクリン : もーーー!!!なんでよーーー!!!(ベッドに倒れ込んで
イオン : はぁーーーもう。知ってしまったモノは仕方が無いじゃないですかぁ…?
イオン : 全てを察した上でニコニコ上辺で接するのとどっちが良かったです?……全くもう…
フクリン : ううううるさいなあ! あたしにとっては死活問題なのっ!
イオン : どんな魔術…いえ、別の絡繰ですかね。妙に記憶にブレが生じると思ったら。
フクリン : 本当は「ルーズベルト家」なんて魔術家系は無いっ!
フクリン : 本当は「虚飾悪魔の大翼」なんて古代魔器も存在しないっ!
フクリン : 「認識阻害」魔法なんてのも…色々ズルしてるだけよ。
フクリン : あーーーもーーーこれからどうすればいいのよーーー!!(布団で足バタバタして
イオン : …オレオルさんから「福鈴くん?勿論知っているとも!」と聞いただけで、その辺りの認識が全て整地されるのだから恐ろしいですね。
フクリン : あの馬鹿野郎!!
フクリン : ってか!!(がばっと起き上がって
フクリン : そんなカラクリなの!? 教授スーパーパワーで見抜いたとかじゃないの!?
フクリン : オレオルの奴がネタバレしただけ!?
フクリン : え!!?嘘でしょ!?
イオン : …まあ、半信半疑ではありましたよ。『クワイエットルーム』に居る間は完全に『認識阻害』の干渉外だったのもあるのでしょうけど、
イオン : 認識に過剰なブレと寸断がありましたからね。…まぁ、全てがクリアになったのはオレオルさん後ですが。
イオン : というか絶対魔術じゃないですよね? 魔術だったら流石に色々読める筈なので…
フクリン : …そうよ。(ローブ脱ぎ捨てて大翼を晒す
フクリン : 『虚飾悪魔の大翼』じゃなくって、
フクリン : あたしのもルーインズ。「巨」大な「幻」の「壁」って書いて、
フクリン : 虚言癖。
イオン : …虚言癖。
フクリン : 南で独自発展した遺跡魔法と…それを結晶化した古代魔具って所。
イオン : 察するに、虚ろ事を周囲に信じ込ませるもの…と言った所ですか。
フクリン : そ。
フクリン : みんなが、(露出度高めな翼晒し格好でくるっと回って
フクリン : 「ルーズベルト家」なんて家を「なんとなくキアシスにあった気がする家だったような…」程度に思えるのはそのおかげ。
イオン : 成程ね。魔術でそれを成すのは相当に高度ですから興味深い。
フクリン : あたしと触れ合ったり、嘘の調べ物をさせられたりしたら、もっと信憑性はあがる。
イオン : やはり一度ちゃんと『ルーインズ』にも『南大陸」にも触れてみたい所ですねぇ…(妙な所で学者気質出してる
フクリン : …オレオルとかアンタはそれで良いかもしれないけど、
フクリン : 。。。
フクリン : 本題よ本題。(翼晒したまま、ベッドに座り直して
イオン : ……何です?
フクリン : あたし、ネシス…というかジェネシス…というか『ルインズベルト』から逃げ出してきたの。
フクリン : だから今更戻れない。
イオン : おや、そうでしたか。…まぁわざわざ大陸を越えてやってきた訳ですからね。
フクリン : うん…あたし以外の難民はそりゃあ…まあ…そうね…(考えて
フクリン : オレオルの能力と人脈があれば意外となんとか移住出来るかもしれないけど。。。
フクリン : ともかくあたしは無理!
イオン : …成程ね。解りました。
フクリン : わかっ・・・って、わかりましたって。な、なに?え?どうするつもり??
フクリン : 強制送還…とかしないわよね…???
フクリン : (恐る恐るイオンを見て
イオン : いえ。別に? …まぁ、他の居場所を用意する程の親切はすぐには出来ませんけれど…
イオン : 今しばらくこの仮住まいで、実行委員会の皆さんに吹聴した通り、
イオン : 「飛び級入学予定者」として過ごすのであれば、まだ暫しの猶予がありますね。
イオン : …一先ずはそれでいいのではないですか?勿論、貴方の決める事ですが。
フクリン : ・・・。
イオン : ……。どういう沈黙なんです?
フクリン : もーーー!急に言われても困っちゃう!!(ばたーんとベッドに倒れて
イオン : まぁ…それはそうですかねぇ。無限に悩める部屋でもあれば別ですが。
フクリン : 何よ無限に悩める部屋って。なーに言ってんの。
イオン : …。ま、別に、今すぐ身の振り方を決めなければならない訳でもないんじゃないですか。
フクリン : ぅ~~~!(なんかイオン睨みながら起き上がって
フクリン : だってさだってさ。
フクリン : オレオルの奴が話すだけであたしの立場吹き飛ぶ状況なのよ?
フクリン : そんな不安抱えながら仮宿に住むなんてお先真っ暗すぎるんですけど!!
イオン : 言われてみれば確かにですね。
フクリン : ほっら~~~!
フクリン : それにそれにそっれに~!!(なんかヤケになってきて
フクリン : オレオルの奴を口封じした所で、
フクリン : 今から『ルインズベルト』に大量にPURE難民が雪崩れ込むなら時間の問題!
フクリン : PUREにだってルインズベルトにだって「ふくりん」を知ってる人は山程いるんだからねっ!
イオン : あっという間に設定が破綻してしまう訳ですか。
イオン : 成程、案外死活問題ですね…?
フクリン : せ、設定とか言わないでよっ!そうだけど!!
フクリン : そうなのよ!(ベッドから立ち上がって胸に指先当てて
フクリン : いつ村八分にあってもおかしくない大ピンチなのっ!
イオン : いやだって…阻害が解けた今、思い返せば思い返すほど…
イオン : 「ルーズベルト家?なんですそれ??パチモンにしてももうちょっと無かったんです?」ってなっちゃいますもんね…
イオン : 飛び級天才13歳を自称するのもなかなかの面の皮ですし…
フクリン : ちょっっとーーー!!!!(イオンの胸に両手ぽかぽかして
フクリン : けけ、けけけ、喧嘩売ってるのー!?何よ何よ何よ何よーー!!
イオン : あっちょっ 痛… くはないですね別に
フクリン : 同年代の設定にすると「あれ?あんな子いたっけ?」の設定齟齬が大変になるでしょーっ!!
フクリン : ご、、合理的な理由で飛び級にしたんだからねっ!?
フクリン : 人の気も知らないでーーーっ!!(ぽかぽかぽかぽか
イオン : …あぁ、いきなり出て来た新人にする事で認識の歪みを抑えるという… ぁたたた
イオン : 、、、とにかく。今の福さんは…キアシスにもルインズベルトにも居辛くなってしまったんですね?
フクリン : そ、、そうよ!てかなんで年齢まで知ってんのよ!キモいんですけど!
イオン : え?13歳は自称してましたよね? 実年齢の方です?
フクリン : そうよ!誰から聞いたのよ!オレオルなんでも知ってるのかしら!?
イオン : いえその、実年齢は流石に知らないんですけど… えーーっと……(なんかすごい気まずそうにして
フクリン : 何よ!!!
フクリン : (ぽかぽか止めてイオン見上げて
イオン : ………阻害が解かれて、「見え方」が変わったら、分かりません? (詐称してる事は。
イオン : (別に今のフクリンが2○歳に見えるとかそういう事は言っていないのだが
イオン : (何せ自称していたのが13歳なので……
フクリン : ぁ…ぅ…!!(両手で自分抱いてなんか体隠して
フクリン : 変態!まぬけ!ノンデリ!わーーーん!!
イオン : いや……なんか今私がめちゃくちゃ失礼な人間みたいになってて困るんですけど……
イオン : かなり貴女の自滅ですよね??(責任転嫁型
フクリン : そんな事ないもんっ!!(ぼすっとベッドに座り直してイオン見上げる
イオン : も~…人の所為にしないでくださいよぉ…!(頭抱えて
フクリン : そんな事言ったってしょうがないじゃない…それにっ、
フクリン : どうすんのよこの状況!なんか手は無いの!?ダカイサク!
イオン : 私が考えるんです!?
フクリン : このまま不安だけ押し付けてハイさよならはあんまりじゃない!?
フクリン : 一緒に考えてよ~~!ねえ~~!!(腕を両手で掴んで引っ張って
イオン : まぁ確かにそうなんですけど…貴方が絶体絶命なのは私のせいじゃな… って痛った、(引っ張られて
イオン : ぁっちょっも~……分かりましたってば!考えればいいんですね!?
フクリン : そうっ!そうよ!
フクリン : なんか考えて、あたしのピンチを救いなさいっ!!
イオン : はぁ……(また押し負けてしまった…
イオン : 他力本願過ぎません?…まぁ、私も切っ掛けの一端を担ったといえばそうですけど……
イオン : 大体オレオルさんの所為じゃないですか……?(責任転嫁型
フクリン : 教授がオレオルなんかと組むからでしょ~!?
フクリン : そうよ!アイツのせいよ!
フクリン : ・・・。移民開始前にアイツをぶっ倒せば良いのかな?
イオン : それはPURE民どうでもよすぎじゃないです?
フクリン : ぐ。正論パンチ。。。
フクリン : もーーー!じゃあどうすればいいのよーーー!!
イオン : …はぁ。まあ、すぐに浮かべば苦労はしませんねぇ。
イオン : …とりあえずオレオルさんの口止めしときます?
イオン : ルインズベルトの方はちょっと現状どうにもならないですけど…とりあえず彼を止めておかないと
フクリン : ぅ、、ぅん、
フクリン : 不服だけど、ひとまずそれね。。。
イオン : ええ。リーズベルト大学の皆々様に福さんがやべえ奴だって事が次々バレてしまいますからね…
フクリン : 一旦これ以上被害が広がらないうちに栓をしめておかなーーーちょっと!!言い方!!
イオン : …そうそう。彼、『大学祭実行委員会』への協力も望んでますから。恩を売っておいてもいいかもですね?
イオン : どうも阿笠教授を探しているようで。
フクリン : 何。「亞 乱」に勝った女王様じゃない。
イオン : ええ。今、彼女の行方も解らなくなっていますからね。
イオン : 大学としてもキアシスとしてもえらい事なんですけどね本当……(はぁ…
フクリン : そ、どーでもい・・・あ!
フクリン : あー!!あんた良い事言うじゃない!
イオン : はい??
フクリン : 「あたしのルーインズを駆使して、オレオル。あんたの女探しを手伝ってあげるわ!」
イオン : … …なるほど?
フクリン : 「あんたがコレ以上あたしの事バラしたら…どんどん出力落ちて…手伝いとか言ってる場合じゃないから…ほんっと頼むわよ!?!」
フクリン : ・・・って感じのギブアンドテイクならどうかしら?
イオン : … …なるほど。
イオン : そうですね。…一先ずはそれで持つんじゃないです? 阿笠教授が見つかるに越した事はありませんしね。
フクリン : 一旦ね!
フクリン : PURE難民とルインズベルトが交流してからの事は…別で考える!
イオン : 一旦「これから」が定まったという事で。
イオン : よし、おめでとうございますですね。
フクリン : ふんっ、何よ急に。
フクリン : お祝いのケーキでも奢ってくれるなら…食べるけど。。
イオン : いえ、福さんの今後が定まったという事で… 私の「一緒に考える」工程は満了かなって…?
フクリン : はあーーー!?解決するまで一緒に考えなさいよーーっ!!
イオン : はぁ~…… ですよねぇ~…?
フクリン : あとついでにケーキも奢ってよー!!
イオン : はぁ。まあ…そのぐらいは構いませんけど。階下喫茶ですしね。
フクリン : やったぁ!久々のスイーツよ!
フクリン : そうと決まれば(ローブ羽織って大翼隠して
イオン : そんなにです…? ええ、選びに行きましょうか。
フクリン : うんっ、行きましょ行きましょ~っ!
フクリン : (楽しそうに部屋から出て行く
イオン : ……(そんな様子を見遣って
イオン : (PUREと言ったら血統と家柄の集まりの筈ですけど… …なるほど、それが虚ろ事だった訳ですもんねぇ…
イオン : (…まあ、ケーキぐらいは良しとしますか。
イオン : (フクリンの後に続き、階下の喫茶へと
最終更新:2024年06月27日 00:53