アキラ : ーーーーー
アキラ : ーーー
アキラ : ー
アキラ : っと。
アキラ : なんだかココも久々な気がするな。
アキラ : (噴水を見上げて呟き
アキラ : (噴水に背を向けて建物へと向かう
アキラ : 伝説の喫茶、エンドレスバトル。
アキラ : 大層な名前だな…と思うけど。
アキラ : 今ならちょっと納得しちゃうな。ガキがつけたようなネーミングも好きだぜ。
アキラ : さて。
アキラ : 特に待ち合わせをしたわけでも無いし、
アキラ : 夢の翌日ってわけでも無いから今日この瞬間こんな半端な昼下がりに
アキラ : 誰かに会うなんて普通はありえないけど。
アキラ : …次元の消滅を耐え抜いて別次元でコンニチワするのに比べりゃ
アキラ : そのぐらいの奇跡。あってもおかしくないよね?
アキラ : (等と宣いながら
アキラ : (伝説の喫茶。
アキラ : (エンドレスバトルへ入店する
ウツロ : (店内にて。
ウツロ : (テーブルを椅子代わりに腰掛けて待ち構えている
ウツロ : (長身細身の人物。
ウツロ : やあ。(腕組み笑顔でアキラの方を向いて
ウツロ : こんな所で会うとは奇遇だねぇ?
アキラ : やあ。奇遇すぎるね。でも、なんとなく会える気がしていたよ。(笑顔で手を振って
アキラ : ちなみに椅子の座り方は知ってるかな? オレのミナリアと変わらないマナーだったんだけど。
ウツロ : おやおや。不思議な事に僕もだよ。
ウツロ : フフ、ちょっとこの喫茶の椅子は僕の足には窮屈でね。
アキラ : なんだ。ワガママなボディだな。
ウツロ : (テーブルに足組み腰掛けてる姿は確かにサマにはなるが…当然マナーはよろしくない。
ウツロ : まあ。アキラ君が気になるようならマナーの方を優先しようかな。(あっさりテーブルから降りて
アキラ : あんまり長身アピールされると元宿主さんが怒っちゃうぜ。
ウツロ : おやおや。ミナリア人らしいね。
ウツロ : と言っても、この世界に来るまでは、ソレ(小柄)が普通だと思っていたのだけれど。
アキラ : そういうキミは大きいね? タルコスみたいに体に何か継ぎ足した?
ウツロ : どうだろうねぇ。「伸ばそう」と思って伸ばしたのは確かなのだけれど。
ウツロ : 具体的にはどうだったかな。まあ、その方が姫を護るに相応しいと思ったからね。
アキラ : 「思った」事を体に反映する。か。それはまた“悪魔”らしいね。
アキラ : ま。立ち話もなんだし、外で噴水を眺めながら話さない?そこなら足も伸ばせるかもよ。
ウツロ : 解釈を広げればいろいろな事が出来る。フフ、悪魔じみているね?
ウツロ : そうだね。構わないよ。
アキラ : うん。良かった。(外へと向かい
ウツロ : (あっさり了承し、アキラと共に外へと歩く
アキラ : (外にあったテーブルと椅子を勝手に並べて
アキラ : (椅子を引いてご案内する
アキラ : ご覧の通り「ネーム」もしてないし、闘いに来たわけじゃないよ。
ウツロ : おやおや。紳士だね。(その様子を見て
ウツロ : 姫ならばともかく、僕にそんな気遣う必要はないのだけれどね。
ウツロ : まあ、せっかくだしエスコートを受けようか。(引かれた椅子に歩み、座る
アキラ : あぁ、そんな畏まらずにさ。
アキラ : ガキみたいにジュース飲んで噴水にハシャギながら軽くお喋りしようぜ。
ウツロ : あぁ。そうしようか。
アキラ : オレはオレンジジュース。何飲む?
ウツロ : それじゃあ、ペリエにしよう。
アキラ : はい。ペリエね。(いつの間にか手元に呼び寄せた注文票に鉛筆でサラサラと記入し
アキラ : (注文票を紙飛行機にして窓から店内へと飛ばす
ウツロ : そういう注文形式もあるんだねぇ。(そんな様子を見つつ
ウツロ : こういう所も噂に違わぬ喫茶EB、か。
アキラ : (金色に輝く魔眼。トオルの元を離れても効果を持つ「ベクトル」操作の魔眼。
アキラ : あぁ。タッチパネルなんかよりコッチのほうが「らしい」かなってね。
ウツロ : なるほどね。(フフッと
アキラ : さて…どうしようかな…
アキラ : オレはトオルほどお喋り上手じゃないから…早速聞きたかった事を聞いても良いかな。
ウツロ : あぁ。構わないとも?(頬杖で
アキラ : じゃあ…遠慮なく。結構突っ込んだ質問だけど…
ウツロ : 僕達がこうして待ち合わせたように偶然出会ったのも、きっと必然なのだからね。
アキラ : なるほど…うん。そうだね。それなら、聞きやすい。かもね。
アキラ : 夢の中にしか居れない「うつつ」。
アキラ : あれって…ミナリアの消滅から逃れる為に能力を覚醒させた結果のデメリット?
ウツロ : あぁ、そうだよ。(あっさりと
アキラ : …。
アキラ : やっぱり…そっか。
ウツロ : まあ…デメリットというよりは、「逃れる為にはこうするしかなかった」というのが正しいかな?
アキラ : (少し、悲しそうに、頷く。予想通りの回答ではあったけども。
アキラ : …なるほどね。
アキラ : …次元消滅から無傷で逃げ出せる奴なんてほぼ居ないからさ。
アキラ : ヴァースで会うミナリア人はそれ相応になんか背負ってるものだけど…
アキラ : 「うつつ」は結構なデメリットを背負わせちゃったね。
ウツロ : …。
ウツロ : 次元の崩壊に巻き込まれない為に、僕は姫が「世界から観測されなくなる」というやり方を取った。
アキラ : 世界からの観測…なるほど。そういう手段か。
ウツロ : 僕の力ではそれしかやり方が無かったのだけれどね。 …でもだよ、アキラくん。
アキラ : (すぐにその言葉の意味を咀嚼するミナリアの悪魔
ウツロ : そのデメリット自体は、本当は大した問題ではないのさ。
アキラ : え?
アキラ : いや、いやいや。
ウツロ : 経緯はどうであれ僕達は生きているし、新たな世界に流れ着いた。
アキラ : 気休めはよしてくれよ。「世界から観測されなくなる」なんて力。相当重い十字架だぜ。
ウツロ : おまけに流れ着いた世界には生き残りのミナリア人が何人もいる。事の元凶である君も含めてね。
ウツロ : 「何とかしよう」と足掻く事なら…幾らでも出来そうじゃないか?
アキラ : うん…なんだか不思議とどんどん出会うね。
アキラ : 「じゃあ良かった!」とは一生ならないけど、
ウツロ : そうだねぇ。「サカイ君」に辿り着けた甲斐があったかな。(などと笑っている
アキラ : 1人でも多くのミナリア人に会うたびに、なんだか勝手に救われた気がするよ。
ウツロ : あぁ。 …だからね。
ウツロ : 本当の問題は、姫が世界から観測されなくなった事ではなくて。
ウツロ : 姫が観測されない世界から出る気持ちを失くしてしまった事なんだよ。
アキラ : …。
アキラ : なるほど。
アキラ : 確かに夢で会った感じじゃあ…全く出る気は無さそうだったね。
ウツロ : だろう? …まあ、それは…そうなるべくしてそうなったという他無いんだけれどね。
アキラ : うーん…。ウツロはさ。
アキラ : 姫に、ヴァースに来て欲しい。
アキラ : あの世界から抜け出させてあげたい。
アキラ : そう思ってるよね?
ウツロ : ああ。
アキラ : …うん。
アキラ : じゃあオレも手伝わせてよ。それ。
ウツロ : …アキラ君?(少し驚いたように
アキラ : ん?別におかしな事は言ってないつもりだよ。
ウツロ : …ぁぁ。そうだね。
アキラ : (届いたペリエとオレンジジュースを受け取りながら
ウツロ : だけど…一つ訊いてもいいかな?
アキラ : なんだい?
ウツロ : それは罪滅ぼしの為かい?
アキラ : …。ま。無いとは言い切れないよ。そりゃあ。
ウツロ : フフ。そうだね。…そうだよねぇ。
アキラ : でも、それだけじゃない。
アキラ : いや、意味合いとしては同じなのかもしれないけどさ。
アキラ : オレ自身、ミナリアのみんなの協力で「独立」出来たから。
アキラ : 困ってる同郷の仲間が居たら、自然と助けてやりたくなるもんさ。
ウツロ : なるほどね。随分と…お人好しな悪魔が居たものだ。
アキラ : お人好しな悪魔はお互い様だろ?
ウツロ : ……。
ウツロ : どうだろうね。…。(少し遠い目をして
アキラ : うん?
ウツロ : さっきは君を試すような事を聞いたけれど…本当はね、答えはどちらでも構わなかったんだよ。
アキラ : へえ…?
ウツロ : 僕も罪滅ぼしの為に、彼女を連れ出したいと思っているのだから。
アキラ : …。オレが言えた義理じゃないんだけど、
アキラ : 悪魔は宿主を乗っ取って自立出来ればそれで使命完了だ。
アキラ : うつつを夢に幽閉したままウツロが現世を謳歌すれば“悪魔”的には正しい生き方になる…はずだぜ?
ウツロ : ………。
ウツロ : …そうだね。ミナリアにいた頃の僕は、きっと正しくそう生きていたよ。
アキラ : ………。
アキラ : 悪かった。意味の無い意地悪な問いかけだったね。
ウツロ : 何。気にする事は無いよ。自ら始めた話なのだから。
アキラ : …。
アキラ : オレの罪滅ぼしは聞いての通りだけど。
アキラ : ウツロは何なの?
ウツロ : フフ。そうだねぇ。
ウツロ : 突然生き方を歪めた悪魔<ヴィラン>の自分語りを聞いてくれるかい?アキラ君。
アキラ : 良いよ。ちょうど悪魔と話したかった気分だ。(オレンジジュース飲みながら
ウツロ : …(ペリエの入ったお洒落なグラスを揺らして
ウツロ : …。なに。君が言った通りの事だよ。「悪魔は自立する為に宿主を乗っ取る」――…
ウツロ : …。姫は生まれついて臆病でね。闘争を好むミナリアの気質にあまりそぐわなかった。
ウツロ : だから、僕はそんな彼女の逃げ場であり続けた。
ウツロ : 弱くてもいい、逃げてもいい、と甘く囁いて。いつでも眠りに落ちる事の出来る錘を与えた。
ウツロ : ――そうすれば、彼女が眠っている間、僕は自由に動き回る事ができたからね。
アキラ : あぁ。実に“悪魔”らしい。甘美な誘惑だね。
ウツロ : ……そうだね。実際、その目論見は上手く行っていた。行きすぎていたとも言える。
ウツロ : いざ次元が崩壊し、自らの住まう世界が失われるという時も、姫は当然のように同じ行動を取ったよ。
アキラ : ………。
ウツロ : ……当然かもしれないね。【悪魔】の僕の方が強力な力を有しているのは間違いないし。
ウツロ : けど、それは、「生き延びる為」にした事ではなかった。
ウツロ : ただ目の前の現実から…現実を認識する事から逃げただけだった。
ウツロ : …僕は彼女の【悪魔】だからね。それがどうしようもないほどよく解ったんだ。
ウツロ : ……可笑しな話だろう。姫を……『うつつ』をそんな風にしたのは他でもない自分だというのに。
ウツロ : 彼女が自らの意思を投げ捨てた瞬間、 こんなつもりじゃなかった、…って思ったんだ。
アキラ : …。
アキラ : そりゃあ…おかしな話。だな………
ウツロ : だろう?(フフッと、自嘲する笑みで
アキラ : ………ああ。
アキラ : なんだろうな。
アキラ : あまりにも自分も同じ矛盾を経験した事があると
アキラ : 却って何も言ってあげられないな。
ウツロ : …。そうなんだね。
ウツロ : もしかして悪魔あるあるなのかな?(なんて軽口を叩いてみる
アキラ : いいや。絶対にそんな事無いって言い切れるけど(ミナリアでの頃を思い出しながら)
アキラ : でも。不思議と。
アキラ : ヴァース<ここ>まで来るような奴らは宿主思いの変わった悪魔が多いみたいだね。
ウツロ : …(夢で出会ったミナリアの人々を思い出して)…フフ、そうかもね。
ウツロ : …でも、…宿主想いと言えば聞こえはいいけれど。…
ウツロ : ヴァースに流れ着いて、彼女を連れ出す手段を探したり、夢の境の主に協力を仰いだり…
ウツロ : これまでを考えると、エゴだな、という自覚があるよ。
アキラ : …あー、、、
アキラ : …。
アキラ : あぁ、うん。ムズイ。ガキみてーな頭で考えても宿主様みたいなカッコイイ答えは出ねえや。
アキラ : でも…エゴでも良いんじゃないの?
ウツロ : ……フフ。君の宿主様は随分と …カッコ良かったみたいだねぇ。(なんて笑って
アキラ : ああ。カッコつけだったけど、カッコイイから、そのまま上手くいってた奴だ。
ウツロ : だから君もそんな感じなのかな? …まあ、そうか。エゴでも良い、か。
アキラ : そんな感じ。とか言わないでくれよ。喋りづらくなるだろ。(ちょっと恥ずかしそうに
アキラ : エゴでも良い。というかエゴでもなきゃ無理なんじゃない?
アキラ : 誰かを幸せにしたい。だなんて願いはさ。
ウツロ : …。
ウツロ : ……そうだね。結局僕は、姫を連れ出す事を諦める気は無いのだろう。…姫がどう思ったとしても。
ウツロ : …どう思われたとしても、ね。
ウツロ : …それで。 アキラ君は、こんなエゴ塗れの行動に、それでも協力してくれるんだね?
アキラ : ああ。勿論。
アキラ : エゴイストでカッコつけでお人好しな悪魔達で、
アキラ : 眠れるお姫様をヴァースへ連れ出す。
ウツロ : フフ。良いね。格好良いじゃないか。
アキラ : どうも。
アキラ : 格好良く宣言したなら、
アキラ : あとはやるしかないね。
ウツロ : ぁぁ。そうだね。
ウツロ : …そういえば。姫に話したい事があると言ったんだって?君。(こないだの夢での事らしい
ウツロ : フフ、面白いねぇ。そう簡単に同じ夢が見られる訳でも無いだろうに。(なんて笑いつつ
アキラ : …あぁ。
アキラ : なんだ。この広いヴァースの喫茶店で巡り合うぐらいだ。同じ夢にもまた行けるさ。
ウツロ : …まあ、「簡単に」はできないが、「できない」訳では無いだろうさ。
ウツロ : 僕達はミナリアの悪魔だからね。
アキラ : …ああ。ミナリアの悪魔達に「できない」事なんて無いさ。
アキラ : 多分ね。(笑ってオレンジジュース飲んで
ウツロ : フフ。多分ね。(同じく笑ってペリエを煽って
ウツロ : (そうして、何者もが集う大陸の中央の喫茶店で。
ウツロ : (不思議な悪魔達の談笑は続いた
最終更新:2024年08月23日 01:38