烈火 :
(教室。
烈火 :
(大きな校庭を窓から見下ろす窓際の席
烈火 :
(「イーストファイトクラブ」はその名の通り元々「クラブ」
烈火 :
(学校の部活のような存在だったらしい。
烈火 :
(新入りの烈火はただただその話を信じたが、
烈火 :
(教えてくれたのがライム、グリグリ、ウサミン…信憑性は…うん…一旦先輩達を信じよう。
烈火 :
(ともかくそんな教室の1つで
烈火 :
(「イーストファイトクラブ」外の客人と一緒に居た。
烈火 :
へえ。コーチ制度か。
藤乃 :
うん。
烈火 :
でも。俺と藤乃は元々同じ事やろうとしてたし、大丈夫そうだね。
烈火 :
ペアが変わらなくて良かったよ。藤乃が便宜を図ってくれたのかな?
藤乃 :
そうだよね。こんな偶然あるんだなぁってびっくりしちゃった。
藤乃 :
ううん。私はなんにも…。だから烈ちゃんで良かった。(微笑んで
烈火 :
そっか。じゃあ幸運だったね。
烈火 :
俺も藤乃と一緒で良かったよ。これからも宜しくね。
藤乃 :
うんっ。改めてよろしくね。烈ちゃん。
烈火 :
(藤乃の持って来てくれたメンバーリスト眺めて
烈火 :
正直、シュウお兄ちゃん以外に興味は無かったんだけど、
烈火 :
こうやって名前が並ぶと、結構…本番で“ご挨拶”しておきたい人はいっぱい居るね。
藤乃 :
ふふっ。烈ちゃんらしいね。 …うん…(烈火が眺めてるのを同じく覗き込んで
烈火 :
(前回シュウに勝ったイアン、前回優勝の灰簾、この前シメられたナレノニアなど…勝手に因縁付けれるメンバーは多い
藤乃 :
この間の夢で出会った人が多いのは偶然かなぁ…?
烈火 :
どうだろうね。夢の主はなんでもお見通しみたいだし。
烈火 :
未来の姿でも見て、あらかじめ呼んでおいたのかもしれないよ?
藤乃 :
…たしかに。あの夢にいた棋士も全員コーチ役を務めてるし…。
藤乃 :
…それと、夢には居なかったけど、ナレノニアさん。将棋武道に出るんだね。びっくりしちゃった。
烈火 :
あぁ。そうだね。(藤乃の様子見て
烈火 :
ナレノニアさんが気になるの?
藤乃 :
ぇ。ぁ、 ぅ、…ぅん。
藤乃 :
そうだね。気になる…かも。(素直に肯定して
烈火 :
…そうなんだ。
烈火 :
それは…その…
烈火 :
…。シュウお兄ちゃんと仲が良さそうだから?
藤乃 :
…。烈ちゃんも気になる……よね?
烈火 :
うん。
烈火 :
聞いたら怒られたけどね…。
藤乃 :
そ、そうなの…!?
烈火 :
あ。うん。聞いたわけじゃないんだけど聞いたというか…
烈火 :
(思い出しながら
藤乃 :
そ、そうだったんだね。何時の間に…
烈火 :
「ナレノニア選手は、シュウお兄ちゃんの…何なんですか?」………って訊いたな。
藤乃 :
す、すごいね…!?そんなにはっきり訊いちゃったんだ…!?
烈火 :
うん…。「彼女じゃない」って言ってたよ。その後ボコボコにされた。
藤乃 :
。。。ぁ、それで……「食後の憂さ晴らし」…?(色々繋がって納得したように
烈火 :
あ。うん。その時に訊いたんだ。
藤乃 :
…そっかぁ。…うん、付き合ってはないみたいだよね。
藤乃 :
秋ちゃんがそう言ってた。
烈火 :
え?
藤乃 :
…えへへ。私は…秋ちゃんに訊いちゃった。(てへ、と
烈火 :
えええ!!? そっちのがいつの間に!?だよっ、、
藤乃 :
…たぶん烈ちゃんと同じくらいのタイミングで。かな…(えへへ、と
烈火 :
あー。あーー。あの時か。
烈火 :
でも何度もデートまでしておいて、付き合ってないなんて、変な2人だよね。
藤乃 :
…そうだよね。(少し視線を落として)
藤乃 :
2人の間では、いろいろ…あるのかもしれないけど。
藤乃 :
…。 烈ちゃんは…
烈火 :
ん?
藤乃 :
秋ちゃんに恋人ができちゃったら、寂しいな…って思わないの?
烈火 :
え?思うよ。(普通に答える
藤乃 :
そ、そうだよね…!
烈火 :
応援しないか…って言われたら、相手次第だけど…(藤乃見て
烈火 :
でも寂しいものは寂しいよ。
藤乃 :
…。そうだよね…。
烈火 :
藤乃は?
藤乃 :
…。私は… どう、なんだろう…
烈火 :
…。シュウお兄ちゃんに恋人が出来ても…良いの?
藤乃 :
…わからない。ずっとお話も出来てなかったのに、寂しいなんて変かも、って思う。
藤乃 :
でも……
藤乃 :
……恋人ができるなら、幸せになってくれないと嫌だな。
烈火 :
…。
烈火 :
(そんな顔されちゃ、続きは聞けないな………。
烈火 :
大丈夫だよ。
藤乃 :
…ふぇ?
烈火 :
シュウお兄ちゃんはみんなを不幸せにするような事は、
烈火 :
もう、しないよ。きっとね。
藤乃 :
…。
藤乃 :
ほんとだ。たしかにだね。(ふわ、と柔く微笑んで
藤乃 :
秋ちゃんは、昔からずっと、私達の憧れのお兄ちゃんだもんね。
烈火 :
うん!そうだよ。シュウお兄ちゃんは凄いんだ。
藤乃 :
…うん。
藤乃 :
―――――
藤乃 :
(そして、戦闘都市フォーデン
藤乃 :
(中央区。
藤乃 :
(「それなら早速……『宣戦布告』しなきゃ、だね!」
藤乃 :
(そう言って、東を出て、中央区を通り、
藤乃 :
(「西」へ向かおう…としている最中。
ナレノニア : (通りを歩いている美人ファイター
藤乃 :
… ぁっ。(ナレノニアの姿を見て
ナレノニア : ん。(藤乃に気づいて
ナレノニア : なんだ。シュウの幼馴染と弟か。
キアラ :
… あれ?(ナレノニアと共に歩くスーツの男
藤乃 :
あっ、、はい。 …あれ、アーヴィデルゼくん?
藤乃 :
こ、こんにちはっ。…偶然、ですね…!(両手を前で合わせて、ぺこっとお辞儀
烈火 :
この2人の組み合わせ…ぁ。そうか…。
ナレノニア : あぁ。偶然だね。
キアラ :
こんにちは。聡見さんもフォーデンまで来てたんだね。(柔らかい笑みで
藤乃 :
うん。…どっちも、将棋武道の件で…だよね?
ナレノニア : そうだよ。
ナレノニア : 私のコーチはキアラさん。そんで、
ナレノニア : さっきシュウにフラれたから、今からキアラさんと2人で修行するんだよね。
ナレノニア : (しれっと言う。デートとかフラれたとか軽率に言う悪いオタク語彙だ!
藤乃 :
ふぇっ!?!?
藤乃 :
な、なんで…どういう…???(おめめしろくろ
キアラ :
ぇ。ぁ。 ちょ、ちょっと待って。色々語弊があるよ。
キアラ :
天野君を将棋武道の修行に誘ったけど、都合が付かなかった…っていう話だよ。(ね。
烈火 :
な・・・ぇ・・・(みんなの顔を見て
ナレノニア : うん。そうだね。(キアラの補足を聞いて
藤乃 :
ぁ。そ、そうなんだね。びっくりしたぁ。
烈火 :
そうだよ。びっくりさせないでよ…
ナレノニア : なんだコイツら。面白いな。
キアラ :
お、面白がっていいのかな…(なんか心配そうに
藤乃 :
…。でも、そっか。秋ちゃんと修行…かぁ。
藤乃 :
考えもしませんでした。そんな事…。
ナレノニア : 将棋武道の競技人口は少ないからね。
ナレノニア : シュウなら間違いないと思って頼んだんだけどさ。ダメだったわ。
藤乃 :
そうなんですね…? …そうなんだ。
烈火 :
生まれたばかりの競技だから…かな。
ナレノニア : せっかく会ったし、君たちとやっても良いんだけど。(烈火見て
烈火 :
む。
ナレノニア : シュウは本番まで参加者同士の練習会はしない…?みたいな感じだったから。
藤乃 :
…。
ナレノニア : 私もそれに乗っからせてもらうよ。
藤乃 :
ぁぁ、そういう事なんですね…(色々納得したように
キアラ :
…まぁ、これから大会で当たるかもしれない相手だものね。将棋でもそういう人とは研究会避けたりするじゃない。(将棋界あるある
烈火 :
む…。今ここで闘えと言われるのかと…
藤乃 :
うん。そういう事なんだなって。(キアラに
藤乃 :
…。フォーデンでは、対戦が近い人とでも一緒に練習する事が多いんですか?(ナレノニアに尋ねる
ナレノニア : いや。そっちと大体変わらないと思うよ。
ナレノニア : ただ、そもそもの部門の参加者が少ない場合とか、
ナレノニア : 8人中北河2人で、この2人は当たるかもしれないけど…お互いやれる事はやろう。みたいな時はスパーリングパートナーに選ぶね。
藤乃 :
なるほど…。確かに大体変わらなそうです。
ナレノニア : シュウもそのへんの考え方は変わらないと思うんだけど…
ナレノニア : んー。なんだ。「覚悟」かな。違うんだと思う。
ナレノニア : 上手く説明できないけれどもね。
藤乃 :
…。「覚悟」…。
烈火 :
………。
藤乃 :
…秋ちゃんはこの大会に、それだけ思い入れがあるって事なのかな…。(ぽつりと呟くように
ナレノニア : そうなんじゃない?
藤乃 :
……。…。
藤乃 :
あの。
ナレノニア : ん。何?
藤乃 :
ナレノニアさんは、どうしてこの大会に出場する事にしたんですか?
ナレノニア : ん…。(藤乃見て
烈火 :
…。
ナレノニア : (固唾を飲んで見守っている烈火も見て
藤乃 :
…ごめんなさい。…でも、他に新規の出場選手の方達は…
藤乃 :
比較的デビューから日が浅い選手が多くて、…、
ナレノニア : ははっ、言うねえ。(笑って
ナレノニア : 大人気ないかな。
藤乃 :
(既に十分実績を重ねているナレノニア選手が、わざわざ「将棋武道」に踏み出す理由は…?
藤乃 :
…(なんて、そんな言い方…できないけど。)…ナレノニア選手は、何か理由があるのかな…って。
ナレノニア : そうだね。(キアラをチラっと見てから
キアラ :
…。(……。…。気まずい。
ナレノニア : 新競技には挑戦しないってほど大御所にも老兵にもなったつもりはなくてね。
キアラ :
(…正直、薄々理由を察してはいる。だからこそ敢えて会議では触れなかった。
ナレノニア : 私が出れて、闘えそうな場があれば、参加するよ。
ナレノニア : 例えそれが、シュウの優勝を阻む事になろうとも。ね?
藤乃 :
……。
キアラ :
(…そして、聡見さんがそれを問い質さずにはいられない理由も、薄々察せてしまっているから… …困る…
藤乃 :
…そうだったんですね。答えていただいて…ありがとうございます。
ナレノニア : いいえ。別に。たいした事じゃないよ。
ナレノニア : それじゃあ…逆に質問だけど、
藤乃 :
…はい。何でしょうか…?
ナレノニア : 藤乃さんは何で将棋武道に出演してくれたんだい?
藤乃 :
…!
ナレノニア : 別にほら。平和が来てるわけでもないし。
ナレノニア : 在水とか闘える野郎棋士が他にも選ばれてるらしいからさ。
ナレノニア : なんで、出てくれたのかな?って。
藤乃 :
…。…。 …。
藤乃 :
…本当は、
藤乃 :
出るかどうか悩んでたんです。 …こういうお祭り事は、しばらく避けていたので…
ナレノニア : あぁ。みたいだね。
烈火 :
…!(知ってて訊いてる?!
藤乃 :
…でも、本当はそれじゃダメだとも思ってて…(…解ってて訊いてる。それなら。ううん、だからこそ。
藤乃 :
結局それは、他の棋士達に負担を押し付けてるだけだから、このままじゃいけないって…だから、
キアラ :
…。
藤乃 :
…ずっと、踏み出す切っ掛けを探してた。
ナレノニア : …。成程。それで。今回こそは。かな。
藤乃 :
はい。そんな時に……、 秋ちゃんや、烈ちゃんと再会できた。
烈火 :
藤乃…。
藤乃 :
やっと話せるようになった2人が将棋に触れてくれて、大会に参加しようとしてくれて、
藤乃 :
その大会に、私が呼んでもらえて。
藤乃 :
…こんな機会、フイにできないです。これを逃したら…私がまた立ち上がれるのはいつになるだろう、…って。
ナレノニア : 良いんじゃない。そっちも「覚悟」決めてきたわけだ。
藤乃 :
……はい。
藤乃 :
(ナレノニアを見上げて、目をしっかり見て
藤乃 :
私の大好きな人達が一緒だから、…私はこの大会に参加を決めました。
ナレノニア : 「大好きな人達」…ね…
藤乃 :
(私は…嘘を吐かない。誤魔化したりしない。
ナレノニア : …。
ナレノニア : そうか。うん。
ナレノニア : 本戦の楽しみ<ぶっ倒したい相手>が増えたな。
藤乃 :
…。私も、
藤乃 :
絶対に負けたくありません。…「大好きな人達」の為にも。
藤乃 :
…一番頑張るのはどうしたって烈ちゃんだけど…… 私も負けないくらい頑張ります。
烈火 :
任せてよ。
藤乃 :
…えへへ。ありがと。
烈火 :
藤乃の為に…いいや、僕自身のケジメの為にもこの大会は負けられない。
烈火 :
相手が貴女でも倒しますよ。ナレノニアさん。
ナレノニア : ふふ。良いね。
フォーデンらしいや。
ナレノニア : シュウでも烈火でもかかって来なよ。この大会は大人気なく私が優勝する。
ナレノニア : そうと決まれば、だね。(キアラに目線を送って武器博物館へ向けて歩き出す
キアラ :
…。…うん。こうして闘志を全面に出すのがフォーデン流って感じなのかな。
ナレノニア : ああ。こんなにわかりやすいのは久々だね。昂って来ちゃうよ。(キアラに答えて
キアラ :
聡見さんも堂に入ってて驚いたよ。…それじゃ、お互い頑張ろうね。(…なんて、微笑と分析でお茶を濁しつつ
キアラ :
(2人に笑み掛け、ナレノニアに続いて歩く
キアラ :
(……… ……
キアラ :
(… 気まずいよ…………
烈火 :
っ…(2人の背を見送り
藤乃 :
…。(同じく見送り
藤乃 :
… っ はぁぁ~……(急に気が抜けたように息吐いて
烈火 :
藤乃。
烈火 :
やっぱりお兄ちゃんの会うのは別の日にしよう。
藤乃 :
…烈ちゃん?(見上げて
烈火 :
ごめんけど、僕も見せなくっちゃ。
烈火 :
この闘いにかける「覚悟」を。
藤乃 :
………
藤乃 :
そっか。…うん。そうだね。
烈火 :
藤乃。これから"教室"に戻って、将棋を教えてほしいな。
藤乃 :
… うん!
藤乃 :
うん、私達も…いっぱい「修行」しなきゃね。
藤乃 :
烈ちゃんは昔から覚えが良いから…きっとすぐに上達すると思う!(烈火に笑み向けて
藤乃 :
(来た道を引き返し、『教室』へと歩き出す