アットウィキロゴ

接ぎ木 [イリゼ コロン]

――― : ――――
――― : (同時刻。 どこかの場所
――― : (赤黒く汚れた地面に、無数の赤い目が覗く空が広がっている
――― : (禁忌。 異界。 触れてはいけないもの。
――― : (これは、――とある【大罪】の内側。
――― : (大罪悪魔の古代魔器<アーティファクト>。その【強欲】の権能によって、
――― : (奪われたもの達が蒐集される場所。
――― : (……前回よりはこざっぱりとしている。断捨離でもしたのだろうか。
イリゼ : ……
イリゼ : (赤黒く汚れた地面から身を起こす
イリゼ : (右腕は肘から先が無く、白い制服シャツは紅く染まり、全身土や埃で汚れている。
イリゼ : …はぁ。(ふら、と立ち上がり、地獄と形容するに相応しいその空間を歩く
イリゼ : 起きて。 …ねえ、起きてよ。
イリゼ : (地面に倒れている、何者かに向かって声を掛ける
コロン : ………。
イリゼ : ……。
イリゼ : (しゃがんで、倒れている人物を見下ろす
イリゼ : …起きない。
イリゼ : 困ったな~。
イリゼ : うーん。どうしよう。
コロン : ………。
コロン : (喰われた。
コロン : (起きる起きない以前に自分はまだ生きているのか…???
イリゼ : うっかり壊して……無いよね。うん。(コロンの様子を確認して
イリゼ : 前とおなじの筈だから。…うーん。
コロン : ………。
コロン : 、、
コロン :
コロン : ん。
コロン : …。
イリゼ : 起きるまで待つしかないかなぁ… ぁ。
コロン : ………。(目を開けて、倒れたままで辺りを見渡す)
コロン : …は?何ココ。
イリゼ : 起きた?(上からコロンを見下ろす 色んな厄の元凶
イリゼ : ココはねぇ、腕の中だよ。前も来たでしょ?
コロン : は?
コロン : え?なんでいんの?腕?え?前も??
コロン : (イリゼを見上げて困惑している
イリゼ : 『強欲悪魔の双手』の中だよ。(ご丁寧に言い直して
イリゼ : 前も来たの、覚えてない?
コロン : 覚え……は?いや、何言ってんの?(言いながら立ち上がり
コロン : (イリゼを観ながら後退り
イリゼ : うーん。 もしかして持ち主しか記憶が残らない…?(首傾げて頬に指当てて
イリゼ : …まぁいっか。(よくよく見れば満身創痍だし、なんか右腕無いし血塗れだ
コロン : ボクはオマエに喰われたのか?
イリゼ : 喰ったっていうか、「奪った」…だけどねぇ。
コロン : 何、意味のわかんない事を言ってるんだよ………
イリゼ : ちょっと、必要だったから。…連れてきちゃった。
コロン : …必要?
イリゼ : あなたなら一回来てるから、説明しなくていいと思ったんだけど…。ほんとに覚えてないの?
コロン : 覚えてるわけ無いだろ。こんな場所。
コロン : そもそもオマエ…生きてたのか?何で今更街に…
イリゼ : そっか。
イリゼ : ええっとね。わたしは…ミカエルちゃん達と戦って、気付いたら此処にいたの。
イリゼ : 覚えてないみたいだけど、あなたもその時に居たんだよ。
コロン : ………。
コロン : あの闘い、
コロン : ボクは自分が死ぬと思ってたんだ。
コロン : でも、何でか生きてた。
イリゼ : うん。多分、わたしが送り返したから。
イリゼ : それからこっちの腕、何か変になっちゃって。 さっき取れちゃった。(血塗れの垂れ下がった袖を見ながら
コロン : ………。
コロン : 多分、キミは嘘は言ってない。
コロン : いや、前もそうだったんだけど。
コロン : 嘘は言ってないのに、言っている意味がわかんないよ。
イリゼ : うん?
イリゼ : そうなの?うーん…わたし、本当に嘘は言ってないよ。
コロン : …。
コロン : ボクはまた、元の世界に帰れるのか?
イリゼ : ……。
イリゼ : ココに来る前の事、覚えてる? 2回目…さっきの話。
イリゼ : (さっきと言っても時間感覚もなんだかおかしくなりそうな空間だが
コロン : アレだって意味わかんないよ…。
コロン : …何があったんだ?
イリゼ : ええっとね。 …(どこから話そうかなぁ、と考えて
イリゼ : わたしはね、あなたを送り返した後、しばらくここにいたんだけど…(頭から話す事にした
イリゼ : 外に出て、フルーのお墓を作る事にしたんだ。
コロン : 前の闘いの後か…。
イリゼ : うん。・・・。
イリゼ : あなたが、「もう死んでる」って言ったから。
イリゼ : しばらく考えてたけど、 そっかぁ。 確かに、そうだなぁ。ずっとそうだったんだな。って。
イリゼ : 思って。
コロン : …。
イリゼ : ・・・で、作ってたんだけどね。
イリゼ : そしたら、なんだか街がどんどん変な感じ?になっていって。
イリゼ : フルーのお墓、景色のきれいな場所に作ったのに…
イリゼ : あんまりきれいじゃない・・・変な円陣みたいなものまで出来てて…
イリゼ : だから消したんだけどね。
コロン : 消した…?
イリゼ : うん。 この腕で。えい。って。(左手を宙に向けて見せて
イリゼ : そしたらね、多分、魔術…呪いみたいなのが掛かっちゃって……
コロン : ………。
イリゼ : 身体の制御が利かなくなっちゃった。
イリゼ : わたしの蒐集品<コレクション>、勝手にどんどん吐き出しちゃうし・・・困っちゃって。
コロン : 制御の効かなくなった体は、
コロン : 今、どうなってる?目の前のキミと一緒か?
イリゼ : …どうなんだろ? ミカエルちゃんの時は、消えちゃったのかな?わたし。
イリゼ : うん、とにかくね、
イリゼ : わたしに呪いを掛けた相手を、わたしがこの腕で奪(と)っちゃったから・・・
イリゼ : どうにかするには、だれかに同じ場所に行ってもらうしかないのかなぁって。
イリゼ : だから…
イリゼ : 連れて来ちゃった。(えへへ、と
コロン : は・・・?
イリゼ : …?
コロン : ちょっと…わかんないなりに纏めるけどさ…
コロン : “キミ”は今、キミ自身の腕の中に居て、
コロン : “ボク”もそこに居る。キミが連れてきた。
イリゼ : うん。
コロン : 腕の中にその体の持ち主が居るなんて意味不明だけど…
コロン : 固有結界の発現…あるいは異空間能力だと思えば納得出来るか…?
コロン : 空関魔法なら術者の分身をそこに入れる事も可能…意識的にはむしろ分身というより本体…
イリゼ : うんうん。わたしもよく分かってないんだけどね。くわしい原理は。
コロン : うーん…それで…えっと、体の事はまあ、そうやって納得するとしてさ…
イリゼ : でも、起こってることは言ってる通りだと思う。
コロン : 整理…。ね。
イリゼ : うん、なぁに?
コロン : キミがたまたまお墓作りをしていた時に、
コロン : 街がヤバくなって、
コロン : おそらくグリチルっぽい「悪い魔法使い」が現れて、
コロン : 「お墓作り」の邪魔になるから、勢いで…
コロン : 「悪い魔法使い」をぶっ殺して…
コロン : そしたら「悪い魔法使い」の死に際の呪いで、“キミ”と“腕”が暴走状態?
イリゼ : うん。
コロン : うーん。
コロン : 整理…。
イリゼ : そんな感じみたい。(首傾げて
コロン : ボクがその暴走をなんとかしてくれる…と思って、ボクは誘拐されたの?
イリゼ : あの子、「グリアスチルドレン」だったんだね。久しぶりに聞いたな。
イリゼ : ぁぁ、うん。そうだよ。(コロンを見て
コロン : うーーーん。はぁーーー(ため息ついて
イリゼ : あなたは前にココに来た事があったし…エミリーちゃん、ちょっとこわがりさんだから。
イリゼ : あなたにしよう。って思ったの。
コロン : はぁ…ボクが何とか出来るわけが無いだろ…(ため息吐いて
コロン : あの時(前の闘い)だって、ボクはミカエルセンパイ達に撤退を進言したんだからね。
イリゼ : そうなんだね。
イリゼ : でもあなた…わたしに勝ったよ。
コロン : 大罪悪魔の古代魔器なんてシロモノ、学生の領分を超えすぎてるよ。
コロン : ………結果的には、そうだけどさ。
イリゼ : そっか。・・・。
コロン : うーん…嘆いてても仕方ないから、質問するけど。
イリゼ : うん。いいよ。
コロン : キミの意思でボクを外に開放したりは出来るわけ?
コロン : それとも『解呪するまで出れない腕』?
イリゼ : うーんとね、前は出せたんだよね。
イリゼ : だから、できると思うけど・・・、あの時とは、ちょっと状況が違うから。
コロン : 暴走中だもんね…
イリゼ : 片方の腕は取れちゃったし、「悪い子」の呪いで制御も利かないから。
コロン : うーん…はぁ…えー…
コロン : えっとさ。キミってリーズベルトの生徒なんだよね?そもそもだけどさ。
イリゼ : それに…あなたをそのまま出しちゃったとしても、わたしの暴走が収まってなかったら、
コロン : 解呪の授業ってちゃんと受けてた?
イリゼ : ふふ。またたべられちゃうかもしれないよね。(なんか笑ってやがる
コロン : 嫌な無限ループだな…
イリゼ : うん。わたし、ちゃんと学校には行ってたよ。
コロン : じゃあ呪いに対抗する策3つ…いや、2つの授業は聞いてたよね。
コロン : 呪いって厳密には魔法と違う原理してるから、結構対策難しいんだけどさ…(魔法学生らしい会話を始める
イリゼ : そうなんだよねぇ。魔法に括られがちだけど・・・
コロン : うん…(意外と話通じるな…)
コロン : …そもそも“呪い”を発動させない …解呪専用魔法を習得する
コロン : この2つだよね。
コロン : …はもう無理で、
コロン : …解呪魔法。ボクは出来ないけど、キミは?
イリゼ : わたしもできないよ。(にこにこ
コロン : はぁーーーーー。
コロン : それじゃあ……だ。裏ワザを使うしかないね。
イリゼ : うん。そうそう。三つ目ってなんだったっけ?
コロン : “格の差”を見せつけるしかない。
イリゼ : 2つは基礎的なところを学ぶけど…、3つ目なんてあったっけ。
イリゼ : ぁぁ。力押しだから、授業じゃ教えてくれないんだね。
コロン : ………ボク自身が“そういう家系”だから嫌ほど実感してるんだけどさ。
コロン : 圧倒的な“格の差”の前に、
コロン : ちんけなバフもデバフも無意味なんだよね。
イリゼ : そうなんだね。
コロン : キミ自身が魔術師としてどこまで強いのかは知らないけどさ…
コロン : “大罪悪魔の古代魔器”って適合者を選ぶタイプの“魔器”なんでしょ?
イリゼ : うん。そうみたい。
コロン : それならさ。
コロン : 「グリチルの命懸けの呪い」よりも
コロン : キミ自身の”適合者としての格“が上回りさえすれば、
コロン : 大罪悪魔の古代魔器を掌握出来るようになるんじゃない?
イリゼ : そっか。 …(自分の両腕―片方はなくなってる―に、視線を落として
コロン : …。
コロン : 「はい。じゃあ、やってみよー!」って簡単な話では無いけどさ…
コロン : …も…もダメならもうそれしかないと思うけど…
イリゼ : ・・・。(少し考えて
コロン : (イリゼの視線の先を追って
イリゼ : ・・・うーん。 困ったなぁ。(困っている
コロン : …何が?
イリゼ : …魔器の司る大罪は『強欲』。わたしが適合者としての「格」を示すには・・・
イリゼ : わたしがもっともっと欲しがりさんにならなくちゃ。ってことだよね。
コロン : え?あ?うーん…
コロン : そうなのかな…わかんないけどさ…
イリゼ : 他に「強欲」の格の示し方なんてあるのかなぁ?
イリゼ : ええと、それでね。
コロン : ………う、うん。(イリゼを見つめて
イリゼ : 今、片腕なくなっちゃってるんだけど…(マイペース
イリゼ : 呪いを受ける前から、調子がおかしくなってたんだ。
コロン : え?な、なに?(嫌な予感しかしないなか話を聞いている
イリゼ : さっきも言ったけど・・・「前にあなたをここから出した時」から。
イリゼ : うまく動かなくなっちゃって。
イリゼ : たぶん・・・
イリゼ : 『強欲』の悪魔なのに、手放すなんて事をしちゃったから。
コロン : …は?
コロン : 手放すも何も…は?え?
イリゼ : あなたの言う所の、「適合者の格」が弱まっちゃったのかもって。
コロン : え?は?え?
コロン : ボクにキミのものになれって言うわけ!?
イリゼ : うん。きっとそうだったんだと思う。こうして話をするまで、よくわからなかったけど。(マイペースに一人納得して
コロン : ちょ、ちょ、ちょっと待って!勝手に納得しないで!
イリゼ : ?(コロンの方を見て
コロン : キミの呪いを解くためにボクがここで永遠の時を過ごすわけにはいかないよ?!
イリゼ : うーん。それなら・・・他に方法ってあるの?
イリゼ : わたしもこのままあなたを返す訳にも行かないから・・・だから困ってて。(ぅーん、と
コロン : ぐ…なんて無茶振りをしてくるんだ…
コロン : ちょ、、、ちょっと待って、ちゃんと考えるから…
イリゼ : うん? うん。
コロン : うーん…クソ…なんでボクがこんな目に…(ぶつぶつ
コロン : 強欲が…トリガーなら欲求を見せつけるのは最低条件として…
コロン : その欲求に「ボクの腕をくれ」が来るのは覚悟の上だけど、ボク自身を幽閉はおかしいだろ…(ぶつぶつ
イリゼ : あれ?腕ならいいの?
コロン : いいわけあるかバカ!
イリゼ : えへへ。そうだよねぇ。(にこにこ
コロン : くっそー…!!
コロン : それに…アイツの根源的欲求はすでに腕集めじゃなくて、フルーの墓作りにシフトしているから…(ぶつぶつ
イリゼ : 魔術師の手は、とても大事な物だもんね。・・・だからとってもきれいで、欲しかったんだけど…(なんか語り始めた…
コロン : でも…それならボクの腕じゃなくなるのは良いとしてボク自身を幽閉するのは意味がわからないだろ…
コロン : 人生の生きるキッカケを変えた転機にあの闘いがあったとして…
コロン : あの闘いのMVPを勝手にボクと決めつけて、
コロン : 人生の恩人扱いにでもしてるのか…?
コロン : なんて傍迷惑な…!
コロン : (ぶつぶつと失礼な独り言を続ける
イリゼ : うーん?(コロンを見て
コロン : いや、違うそれだけじゃなく…
コロン : (イリゼの腕を見て
コロン : 彼女自身の腕を喪失した事が格の消失に直結…いや、
コロン : それだと結局ボクの腕を切り落としてはいどうぞに帰着する…!
コロン : それはダメ…!くっっそおー…
コロン : (悩み中
イリゼ : ・・・。(
コロン : そもそもなんでボクなんだ思い違いも大概にしてくれ…
コロン : いや…腕とか墓とか元々思い込みが激しいやばい奴だった…
イリゼ : (悩みまくってるコロンを見て
コロン : それなら…
コロン : ん…?
コロン : あ…。
イリゼ : 「なんで」?
コロン : え?
イリゼ : …そっか。あなた、覚えてないんだったね。
コロン : ん…?
イリゼ : わたしに言った事。
コロン : え?なんか言ったっけ…?
イリゼ : 思い違いなんて事は無いよ。
コロン : ・・・ん?え?
イリゼ : ずっとアンプルで高まってた気持ちが覚めてた時で・・・それで冷静になれたのも、あるかもしれないけど。
イリゼ : わたしが今までやってきた事を変える切っ掛けになったのは…
イリゼ : ミカエルちゃんでもロルちゃんでもなくて、あなただよ。
コロン : は…?なんで…?
イリゼ : そっか。覚えてないんだったねぇ。(繰り返す なんか笑って
コロン : ………。
コロン : 何か知っているなら教えてくれよ。
コロン : ここまで来て隠す事なんて無いだろ。
イリゼ : それもそっか。(たしかに、と
イリゼ : そうだねぇ。
イリゼ : えーっとね。(どこから話したものかと
イリゼ : 前はココに、フルーが居たんだよね。 
イリゼ : あ、えっとね。生まれてきた時の、元のフルーの身体がね。(説明が突飛すぎる
コロン : くそ…!また下手な説明を咀嚼する時間か…!
イリゼ : 腕の外の、『作品』のフルーを改める度に入れ替えてた、
イリゼ : フルーの元々の身体のパーツが…ココに来てたみたいで。
イリゼ : あ、今はもうちゃんと埋葬したよ。(聞いてない
コロン : あー…うん…
イリゼ : それで、あなたもココで、フルーを見て…
イリゼ : その時に聞いたんだ。
イリゼ : フルーは生きてたと思う?って。
イリゼ : そしたらあなたは、「死んでる」って言った。
イリゼ : だから、「いつ死んだと思う?」って聞いたの。
イリゼ : そしたら、
イリゼ : 「親に始めに切られた時」だって。
コロン : ………。
イリゼ : ・・・。
イリゼ : あなたがそう言ったんだよ。覚えてないかもしれないけど。
コロン : だったら…何なのさ…。
イリゼ : そんな風に言う人は、わたしの周りにいなかったから。
コロン : …だ、、だから、
コロン : だから何なのさ!?
イリゼ : おとうさんも、フルーの事とってもきれいだって言ってたし。…うん?
イリゼ : だから・・・?(首傾げて
イリゼ : だから・・・
イリゼ : 「そっか。確かに、もうずっと前に、フルーは死んでしまっていたんだな。」って思ったよ。
コロン : …質問を変えるよ。
コロン : えっとさ。
コロン : 君のその…
イリゼ : …?
コロン : 思い出話は、ボクの脱出や、キミの解呪に、
コロン : 何か関係があるの…?
イリゼ : え?
イリゼ : 「なんでボクなんだ」って言ってたから・・・
コロン : …は?え?
コロン : あーーー
コロン : あーーーくそ…ふ、ふざけやがって…(勝手に何か納得して悪態付く
イリゼ : …?どうしたの??
コロン : ボクは…えーっと、
イリゼ : うーん。困ったなぁ。別にふざけてないのに…(困っている
コロン : とにかくキミの人生をなんかこう…
コロン : 前向き…違うな…歩みを動かして…
コロン : しまった感じ?…なんだね?
イリゼ : うん。そうだね。
コロン : はぁ~~~(大きくため息
イリゼ : …??
コロン : 人生の転機を与えた人間との再会…強欲の発現と暴走…謎空間への2度目の招待…くっそ…
コロン : ボクに執着しすぎだろ…
イリゼ : え? そうなの?
コロン : そうじゃないなら良いよ!(ぶっきらぼうに
コロン : えっとさぁ。
イリゼ : ??? うん、なぁに?
コロン : ボクをこの腕の中にずっと閉じ込めておきたいとは別に思ってないよね?
イリゼ : うーん。咄嗟だったから…(ちょっと考える。 考えるな
コロン : …。
イリゼ : うん。でも、戻りたいでしょ?
コロン : 当たり前だろ。
イリゼ : そうだよねぇ。前もそう言った。
コロン : …前、ね、、、
イリゼ : だから、うん。 呪いを解いてくれたら、帰してあげてもいいよ。
コロン : ふぅ…わかったよ。
コロン : 帰すつもりが無いって話ならそこで決裂だった。
イリゼ : えへへ、喧嘩は良くないよぉ
コロン : …。
コロン : はぁ。(ため息ついて
コロン : ちょっと…(意を決してイリゼの方へ歩む
コロン : 腕、診せて。
イリゼ : うん。(歩んでくるコロンを見て、
イリゼ : (両腕…右腕は肘から先が無くなってるが…を、前に出して見せる
コロン : …。
コロン : “ジーニアス・……”(何か呟き、自分の眼に魔力が宿る
コロン : (視覚強化。イリゼの腕を見る
イリゼ : (見た目はイリゼの…通常の人間の腕と変わらないが、掌には鋭利な歯の並ぶ口
イリゼ : (見るからに異様な気配を放つシロモノだ。
コロン : ボクの魔術は…感覚強化…
コロン : 自分自身の五感を強化して、性能向上を行う…(しっかりと丁寧に説明する
イリゼ : ふぅん。そうだったんだ。
イリゼ : じゃあ、わたしの腕の事も…わかる?
コロン : その派生が…触覚強化で空気に触れて…
コロン : 空気を魔力で固めて作るプリズム剣…
コロン : キミの腕の事なんて全ては全然わからないけど…
コロン : (イリゼのすぐ目の前まで近づき
イリゼ : そっかぁ。感覚強化の延長でそんな事もできるんだねぇ。
コロン : (腕を。手を。掌を。凝視する。
コロン : …。
イリゼ : 綺麗なものを体中で味わえる。
イリゼ : 素敵な魔法だね。
コロン : 全然。全てをぶっ壊す地獄の炎とか攻撃系の魔法の方が断然良かったさ。
コロン : (自らの家計に悪態付きながら
コロン : こんな魔法、鍛えたってせいぜいダンジョンの案内役か、アジトの見張りだよ。
コロン : 治療にも使えない、地味な能力。(言いながら両手を伸ばしてきて、
イリゼ : …。
コロン : (イリゼの左腕の肘。そのすぐ近くまで両手が伸びてくる
コロン : 右腕を半分失った事による喪失感はきっと見た目以上に大きい。
イリゼ : ・・・(肘に両手が伸びてきて
コロン : “強欲”な…”大罪悪魔の古代魔器“は不完全な形が許せない…
コロン : だから暴れてる…チルドレンごときの呪いなんかに負けている…そう仮定する…
コロン : …。
コロン : 食べないでよ?(両手で左腕の肘に触る
イリゼ : ぁ。(触れられて
コロン : …。(イリゼに向かい合って間近に立ち
コロン : ”ジーニアス・ファイブ“(触覚強化)
コロン : (イリゼの左肘に右の掌を重ね、
イリゼ : ―…!
コロン : …、(イリゼのちぎれた右肘へ、コロンの左の掌を伸ばす。
コロン : 良い。聞いて?
コロン : 今から空気を塗り固めて…キミのちぎれた腕を形作る。
イリゼ : そんな事ができるんだ?
コロン : 出来ないさ。
コロン : もちろんボクにそんな治療能力は無い。
コロン : でも、
イリゼ : ぁ、そっか。
コロン : 出来ると”思い込んで信じてくれ“
イリゼ : うん。 うんうん。
コロン : ボクは…
コロン : 右手で、キミの左肘を触って、(触覚強化
イリゼ : わかったよぉ。(笑顔で答える ゆるい返事だが、
コロン : 左手で、キミの右肘を触って、(触覚強化
イリゼ : (コロンの行おうとしている事は、理解できた
コロン : このちぎれた何も無い部分に…(右手はイリゼの腕を撫でる、左手は空中の何もない所を撫でる
コロン : 腕を作る。
コロン : (もちろん作れない。腕なんて。
コロン : (でも空気を固めてそう思わせる。誤認させる。
イリゼ : ・・・っふふ。
イリゼ : くすぐったいよぉ。(なんか笑って
コロン : ったく…緩いな…
コロン : 誰のせいでこうなってると…いや…今は集中…
コロン : 集中… 集中…(腕と空気を同時に撫でながら
コロン : (魔力で空気を固めていく
イリゼ : … … …
コロン : …。
コロン : (腕を回って撫で回す。下だけじゃなく、横上、裏。
コロン : (そのたびに逆の手で可能な限り同じ動きをして、空気を固めていく
コロン : (右手はイリゼの左腕を撫で続ける
コロン : (右手は空気を固め続ける
コロン : …。
イリゼ : …、ふふ、 なんだか…
イリゼ : 造形家みたい。
コロン : うるさいな。ボクは攻撃系の魔術師になりたかったんだよ。(なんかムスっとして
コロン : もう後方支援のモブ役家系はウンザリなんだ。
コロン : こんな地味な治療にすらならない…”思い込み“にかけたチンケな魔法…
コロン : クソ…でも今はこれしか…
コロン : …。
イリゼ : そうなの? そうなんだねぇ。
コロン : (掌の口に触る勇気はまだない。手首までしか撫でてない。
コロン : (造形家みたい。と言うぐらいには腕作りを信じてくれているんだろうか…
コロン : (しかし、”思い込む“には…まだ…感覚が足りていない…気がする。
コロン : キミはさ。
コロン : どう思う?
イリゼ : 攻撃系の魔術も素敵だよねぇ。…でも、・・・ん?なぁに?
コロン : 攻撃でも防御でも回復でも無い。
コロン : 地図とか調査とか。地味な支援役の魔術師。
コロン : (聞きながら腕を撫で回す
イリゼ : そうだねぇ・・・(問われ、少し考えて
イリゼ : 調査。・・・今は私の腕について調べて、
イリゼ : それを形にしてくれてるって事だよね。
コロン : まぁ…そうですけど…
イリゼ : 視て、聴いて、香って、味わって、触って…
コロン : …(イリゼの腕を見ながら触っている。
コロン : (主には触覚強化だが、最初に視覚強化も使ったし…他の感覚も…
コロン : いや、味わってはないですけど。(遅れてツッコミ
イリゼ : 人よりも、いろんなものに深く感じ入って、受け止める事ができる。
イリゼ : えへへ。そうかもねぇ。(なんか笑って
コロン : 芸術家ウケは良いんですかね。こんなの、普通の人が普通に出来る事を少しだけ伸ばしただけで。
イリゼ : でも、『五感』だから、それもできるんでしょ?
コロン : 結局…素体となるボクの肉体が普通の人以下じゃあ意味が無い。
コロン : 1番になんて程遠い。意味の無い魔法でしたよ。
イリゼ : ・・・。そういう風に思ってるんだ?
イリゼ : ふふ。勿体無いね。
コロン : …はぁ?
コロン : そーですかねー・・・
イリゼ : わたしはあなたの魔法、素敵だと思うけどな。
コロン : ふーん…何がそんなに気にいるんですか?
イリゼ : わたしはきれいなものを見るのが好きだから。
イリゼ : 綺麗なものを、もっともっと綺麗に感じられるの、素敵じゃない?
コロン : あー………
イリゼ : それにね…何かを造る時って、自分の中にあるものだけじゃだめで・・・
イリゼ : 街中の…世界じゅうのいろんなものに触れて、吸収して、
イリゼ : 己の中に素敵なものをたっくさん蓄えて、…それを糧にして、新たなものを生み出すの。
コロン : ………っはぁ。つくづく、、、
イリゼ : 今、あなたがそうしてるみたいにね。
コロン : だからその…さぁ… (「綺麗なものを綺麗に感じる」の素体があってこそ…って話なんだけどな…でも、
コロン : (でも…
コロン : 自分の中だけじゃダメってのは…そうなん…でしょうね。(こんな気狂いになんて気づかさせられたく無いけど。
コロン : (イリゼの腕に触れて、外気に触れて、冴えた五感で、現実を理解していく。
イリゼ : うん。だから…
イリゼ : わたしはあなたの魔法が好きだし、
イリゼ : あなたはきっと、とっても素敵なものを創れる人だと思うよ。
コロン : ……。はぁ…それも“思い込み”ですか。
コロン : いや、今はそれでも良いんですけど…。
コロン : はぁ…はぁーーー…。。。
コロン : (イリゼにかけられた言葉とは逆に、なんだか煮え切らないコロン
イリゼ : ふふ、素直じゃないんだね。(なんか笑って
コロン : ボクはボクの魔法が嫌いですし…ついでに貴女の事も嫌いですが…
コロン : そこまで陶酔してくれるんなら、とっておきを魅せてあげますよ。
イリゼ : うんうん。
イリゼ : 思い込んだら、きっとなれるよぉ。 素敵な職人に。
コロン : …。…秘密にしてくださいね。(イリゼに触れる手に魔力が灯る
コロン : “ユー・アー・ジーニアス”
イリゼ : ――?
コロン : …君は天才。
コロン : 君の五感全てを大幅に性能上昇させる魔法です。
コロン : (言いながら、腕を撫でる
イリゼ : ――――!
コロン : (イリゼの五感が異様なまでに研ぎ澄まされる。
コロン : (コロン…ドイル家は元々支援魔術の家系
コロン : (いくらコロン本人が肉体を鍛えても、自己強化に努めても、結果は実らなかった。
コロン : (だが、他者は別。研鑽し、研ぎ澄まされた五感強化魔術は他者にこそ過敏な程の効果を発揮する。
イリゼ : ぁっ・・・(――世界を。すみずみまで冴え渡るように感じ取れる。
コロン : ただの「強化」じゃない。攻撃力とか防御力なんてものをあげるんじゃ無いですよね。
コロン : キミの五感を研ぎ澄ます。
コロン : (イリゼの腕に触りながら。空気の腕に触りながら。語りかける。
コロン : 「腕」の事なら、誰よりも詳しいんじゃあ無いですか?″センパイ″は。
イリゼ : (空気の微細な揺れ一つまで逃さぬように。無い筈の腕から、体温が伝わると思い込むほどに。
イリゼ : ――うん。うん。うんうんうん。
イリゼ : ・・・・・すごいねぇ。(一周回ってシンプルな言葉が出てくる
イリゼ : 今のわたしなら―――・・・
イリゼ : 本当に、
イリゼ : ・・・なんだって手に入れられそう。(元々の腕と、空気の腕。 両方の5本の指が、ぱ、と開く
イリゼ : (つながっていない筈の腕が、指が動く。そう「思い込んだ」から。
イリゼ : (そう「思い込ませるようにつくられた」から。
コロン : それはまた…強欲な羨望ですね…
イリゼ : ふふふっ。(広げた両指で、
イリゼ : (そのままコロンの両手を えいっ。と捕まえる
コロン : っ…、、(逃げない。
コロン : (手で手を握り返す。
コロン : (そう。先ほどから1度も触ってなかった最後の部分。
コロン : …食べないでくださいよ?
イリゼ : ふふっ。大丈夫だよぉ。
イリゼ : わたし、手に入れたものは、ずぅっと大事にするから。
イリゼ : ほんとだよ?(傾げ笑いで
コロン : な…え?
コロン : 手に入れたもの…ってその…腕の話ですよね…?
イリゼ : えへへっ。
コロン : で、出られる約束ですからね…?(念押し
イリゼ : ふふ、わかってるよぉ。でも……
イリゼ : 思い込むことがだいじ・・・でしょ?(ぎゅ、と両手を握って、掌の口を掌に押し付ける
コロン : う…まぁ…そうです…けど…
コロン : (困っていそうだが、繋いだ手と手は離さない。
コロン : (増幅した触覚が互いの掌を感じさせる
イリゼ : 大事なのは、わたしが………
イリゼ : 『ほしいものを手に入れる』イメージ。(手のひらから両手がするりと抜けて、コロンの手の甲を握り、滑る
イリゼ : だよね?
コロン : あ。うん…そうだと思うよ…
コロン : (イリゼの顔を思わず見て、
イリゼ : うん。(コロンの目をじっと見返して
コロン : ………欲しい?(イリゼ見つめて訊く
イリゼ : うん。(手の甲から、上り、肘の方まで滑ってゆく
イリゼ : あなたの手<魔法>、とっても素敵。
イリゼ : だから・・・
イリゼ : 欲しくなっちゃった。
コロン : ぅ、(されるがまま、滑る手を触覚が感じ取る
コロン : …、、、(イリゼを見つめている
イリゼ : うん。うんうんうん。(さっきと逆に、コロンの肘から先を丁寧に触って
コロン : ぁっのさ、腕を…触って確かめる…
コロン : えっと…さっきの僕と同じ事をしてるんだよね…?
イリゼ : うん。そうだよぉ。
イリゼ : ・・・わたしは『強欲悪魔』の宿主。(ポツリと
イリゼ : 両腕は欠けることなく動く。ほしいものに触れられる。感じ取れる。
イリゼ : そして・・・
イリゼ : (肘まで撫でた両手を、腕から離して、そのままコロンに伸ばして
イリゼ : 手に入れる事が、できる。(両腕を伸ばして
コロン : ぁ。
イリゼ : (両腕でコロンの身体を抱き締める
コロン : …!
コロン : (は?え?…え!!?
コロン : …、、…!
コロン : (強化しあったお互いの触覚が、
コロン : (密着した身体を感じ取る
イリゼ : ―――。(「手に入れた」感覚を、全身で感じる
イリゼ : (―「“強欲”な…”大罪悪魔の古代魔器“は不完全な形が許せない…」
イリゼ : (―「だから暴れてる…チルドレンごときの呪いなんかに負けている…そう仮定する…」
イリゼ : ――(それなら今はどうだろうか。”大罪悪魔の古代魔器“はこのように、完全な形で機能しているではないか。
イリゼ : (少なくとも、わたしは今、
イリゼ : (心の底から、神経の先に至るまで、そう『思い込んでいる』。
イリゼ : ・・・ふふ。
イリゼ : やっぱり素敵。
コロン : ぅ…何が、さ…(抱きしめられたまま
コロン : 何が、そんなに素敵?(イリゼに問う
イリゼ : ふふ。全部だよぉ。ぜんぶ。
イリゼ : つまさきから、頭のてっぺんまで。(にこにこと抽象的な事を言う
コロン : う………うん…
コロン : (コロンよりイリゼの方が身長が大きい。この体勢で頭のてっぺんとか言われて、意識しないわけはないが…
コロン : ………(『作戦成功』のその時まで余計な茶々は入れない。
コロン : (『思い込み』が成就するまで、
コロン : (触られたり、抱きしめられたり、褒められたり…?する…??
コロン : 、、、
イリゼ : ―――………
イリゼ : (ひととおり無言でぎゅむぎゅむして
イリゼ : うん。
イリゼ : (抱き締めた左腕が、おもむろにすすす…と背中を上り
イリゼ : (コロンの後頭部へ。
イリゼ : もうだいじょうぶ。
コロン : …え?(イリゼの言葉に驚いて
イリゼ : ・・・
イリゼ : …あなたがどう思うかわからないけど、(コロンの耳元に落とされる声
イリゼ : わたしを助けられるの、あなただけだったと思うよ。
イリゼ : ありがとね。(――そう言い残して
イリゼ : (コロンの後頭部に触れた『口』が大きく広がる
コロン : え?あ?!
イリゼ : (掌の『口』がコロンを丸飲みに
イリゼ : ―――
イリゼ : ――
キアシス :
キアシス : ――
キアシス : ―――
キアシス : (戦場となっていたその場所。
キアシス : (北西部の街外れ。
キアシス : (街から外れた貴族街と、のどかな田園地区の間あたりの、つまり人里から外れた平野。
キアシス : (禍々しい巨大な魔方陣……は今は跡形も無く。
キアシス : (静まり返ったその場所で、コロン・ドイルは目を覚ます。
コロン : っ、
コロン : な…?
コロン : なんだ…?帰って来れたのか…?
コロン : あれ、アイツ…?彼女は何処に?(周りを見渡す
キアシス : ―――
キアシス : (女性の右腕が地に転がっている
コロン : …は?
コロン : あの腕ってまさか…?(視力強化して、腕を視る
キアシス : (強化した視力なら容易く判別できる 先ほど全神経を凝らして作り出したもの。
コロン : …。
コロン : 古代魔器の方が戻った…って事だね。
コロン : じゃあ暴走も止まったのか…
キアシス : (辺りには血の跡が飛び散っていて、点々と地面に続いている
コロン : それで…「墓作り」に戻ったのか…?ん?
キアシス : (少し離れた所に、大きな血溜まりが広がっていて…
コロン : っ…(血の方へ駆け寄る
イリゼ : (力無くそこに座り込んでいる女性の姿
コロン : んぁ?!(驚いた声を上げ
コロン : こんな近くに居たのか…っていうかその血、大丈夫なのか??
イリゼ : (右腕の肘から先が無くなり、そこから止め処なく血が滴っている
イリゼ : うーん・・・
イリゼ : だめかも?(傾げ笑いで
コロン : なんでだよバカ!
コロン : 腕を取り戻したから、あの空間で解散したんじゃなかったのか??
イリゼ : うん。取り戻したって、心から思い込んだから。
イリゼ : だから・・・呪いは解けたよ。(うん、と
コロン : じゃあ…なんで…?(右腕と血を見て
イリゼ : えーっとね。呪いとは関係無く、元々おかしかったから・・・(こんな時でも説明が下手だ
コロン : は・・・?
イリゼ : 二回も「手放しちゃった」しね。(ふふ、と
コロン : ・・・!?
イリゼ : ・・・でも、もう両腕無くなっちゃうかと思ったから・・・
イリゼ : 「あっち」であなたが作ってくれたものが、補完になったのかもね・・・なんて・・・
コロン : ・・・、、、
イリゼ : ぜんぶ想像だけどね。・・・(言いつつ、声が段々ゆるゆるしてくる
コロン : (強欲な腕を呪いから奪還し、解呪する事には成功したんだ…!
コロン : (だから今この場所に暴れているモノが無い!
コロン : (だからボクがまだ“内側”の世界にいる間、おそらく“現実”の世界のイリゼは完全な状態になった。
コロン : (呪いからも奪還し、強欲悪魔の腕を飼い慣らした状態…!
コロン : (しかし、“内側”での干渉期間が長すぎたんだ…きっと…
コロン : ボクを…
コロン : 欲しいと言ったのが…
イリゼ : ………んー・・・?
コロン : (治療役を買って出たボクを強欲に欲しいと願ってしまい、それが心、体、腕に結びついた?
コロン : (しかし、ボクを“現実”世界に帰す約束を実行するためには・・・
コロン : (ボクを「手放す」必要があって…
コロン : (それは“強欲”と矛盾する…
コロン : だから、
コロン : だから、その、出血か。
コロン : (イリゼの説明を咀嚼して、推察、理解に励む
イリゼ : うん・・・たぶん?
コロン : (本来2度目の強欲からの離反は両腕も命も失いかねないモノだったのだろう。
イリゼ : 腕が取れちゃったら……血は出るよねぇ……
コロン : (それがボクらで作った腕で耐えたなんて…まぁ…人間やってみるものだね…
コロン : 血は出るね…
コロン : (さて…
イリゼ : うん。血が出てるねぇ・・・(ぽやーと微笑んで
コロン : (①グリチルレイダーは倒した。
コロン : (②ボク自身は帰還している
コロン : (③腕は暴走していない
コロン : (④イリゼ本人も街を破壊する気配も体力も無い
コロン : …、……。
イリゼ : ふふふ。(そう、この場の戦いはもう終わっている。
コロン : ………。
イリゼ : (目の前にいるのは、
コロン : ……………。
イリゼ : (学園中の人間の腕を捥ぎ取ってプランターに植えてガーデニングを楽しんでいたイカレ女……が無力化した姿。
コロン : …逮捕するべきだね。(冷静に…呟く
コロン : ………(イリゼを診て、イリゼに近づく
イリゼ : …ん…。
イリゼ : …そうだねぇ~…(わかっているのかいないのか、気の抜けたような返事
コロン : …。
コロン : キミさ。
コロン : その腕でもう、したいことは無いの?
イリゼ : あるよぉ。たっくさんある。
コロン : だよね…。例えば?
イリゼ : うーんとね、この辺りの景色、もう一回ちゃんと綺麗にして…
イリゼ : フルーのお墓から見える景色、もっと良くできると思うし・・・
コロン : ………。
コロン : 他には…?
イリゼ : えーっと、大学も卒業したいなぁ。もうあと1年とちょっとだし・・・
イリゼ : 他にかぁ、・・・ うーん。・・・えーっと・・・
イリゼ : ぁ、そうだ。(コロンの顔をじっと見て
コロン : …(イリゼを見返して
イリゼ : もう一回、あなたと手を繋ぎたいな。(片腕だけ宙に浮かして
コロン : いいよ。(あっさりと承認
コロン : きっとボクを解放した事がキッカケで腕を失ったなら、
コロン : “現実”世界でもボクを失わないと認識すれば、また…
コロン : 「強欲悪魔の古代魔器」の適合者になれるはず。
イリゼ : ふふ。それって・・・
イリゼ : わたしの物になってくれるってこと?
コロン : (戦闘が終わった今、イカれ女に用なんて無い。無力化万歳だ。
コロン : ・・・。
コロン : いいよ。
コロン : (まさかの要求が通る。
イリゼ : ぇ。
コロン : ただし、こっちの言うことも聞いてもらう。
イリゼ : (キョトンとコロンを見つめて
イリゼ : ・・・うん。なぁに?(あんまり追い付かない感じで尋ねる
コロン : 我慢は無い。強欲と強欲のぶつけ合い。対等な契約だ。
コロン : (謎の理論を組み立てる
イリゼ : ・・・??
コロン : (強欲悪魔の擬似治療から何から始まり全て前例無しの綱渡り
コロン : ボクとこの街の為に闘って欲しい。
コロン : 今、キアシスの街は…ヤバい事になってるんだ。
イリゼ : いいよ。(あっさり要求が通る
コロン : うん…。
イリゼ : …それだけでいいの?
コロン : (グリチルを瞬殺し、ミカエル先輩を圧倒していた彼女の実力は本物だ。
コロン : (まだまだ増え続けるキアシスの敵意に対抗するためには強大な戦力がいくつも必要…
コロン : それだけじゃないけど、まずはそれで良いよ。
イリゼ : ん、わかったぁ。(へら、と笑って
コロン : ボクがキミの物になって、強欲な願いを叶えて、腕を復活させる。
コロン : その後、キミがボクの戦力になって、キアシスの街を救うんだ。
コロン : いいね?
イリゼ : いいよ。(うん、と
イリゼ : じゃあ・・・
コロン : うん・・・
イリゼ : (血だまりの中、よろりと立ち上がって
イリゼ : あなた、これからわたしのね?
コロン : …。うん。
コロン : (左手を差し出して
コロン : …。宜しく。
イリゼ : うん。(コロンと向かい合って――無い筈の右腕を伸ばすと
イリゼ : ――ふふっ。
イリゼ : とっても嬉しい!(―――コロンの背後で、地に転がっていた右腕が紅く弾け飛び
イリゼ : (イリゼの伸ばした先で、禍々しいエフェクトと紋様と共に再構成されていく―――!
イリゼ : ―――(改めて適合者となった、強欲悪魔の右腕で
イリゼ : (コロンの左手をぎゅっと握る
コロン : 無茶苦茶…だな…
コロン : (改めて目の前でありえない光景を見せられて思わず呟き
コロン : これからも、宜しく………。
イリゼ : うん。よろしくねっ。
イリゼ : えーっと・・・
イリゼ : あなたの名前、教えて?
イリゼ : (今更。
コロン : …コロン・ドイルだよ。イリゼ・トレマイオニー先輩。
イリゼ : うん。・・・コロンちゃん。 コロンちゃん、だね?
イリゼ : よろしくね、コロンちゃん!(――そう言って、「あっち」でやったのと同じように、この「現実」でも
イリゼ : (コロンをぎゅむっと抱き締める
コロン : っ!!、?
コロン : (抱き締められ、
コロン : (ボクが、強欲なキミのモノになっていく
最終更新:2025年02月19日 23:58