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VRAEーDC 幕間「嫌いになんてならないよ。」 [キアラ ヴィアたん]

キアラ:(VRAE
キアラ:(第三試合途中
キアラ:――――ッ(ゲームの世界から現実に意識が戻る
キアラ:……(試合用に用意された部屋
キアラ:…ふふっ。
キアラ:死んじゃった。(思わず笑って呟く
キアラ:(…
キアラ:(一息吐くと、視界の先には大きなモニター画面
キアラ:(燃え盛る聖樹の中、漆黒の騎馬に突撃されるチームメイトの姿。
キアラ:…ぁぁ。
キアラ:終わり、か。
ヴィアたん:ーーーーー。
ヴィアたん:……………。
ヴィアたん:(ゆっくりと意識を戻していく
ヴィアたん:(Rentalの体ではない自身の体。
キアラ:…。
ヴィアたん:死んだのね。私も。
キアラ:そうだね。お疲れ様。
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:うん。
ヴィアたん:キアラもお疲れ様。
キアラ:…うん。ありがとう。
ヴィアたん:有り難う。最後まで一緒に居てくれて。
キアラ:たまたまだよ。君がすぐ死んでしまったからね。
キアラ:別に生き足掻いてくれても良かったんだよ。
ヴィアたん:意地悪言わないで。(小さく笑み
ヴィアたん:春慶二冠はあの瞬間を狙ってたのよ。
キアラ:ふふ、ごめんね。…そうだよね。
ヴィアたん:…。闘いはまだ続いてるけれど、
ヴィアたん:私、キアラと一緒に最後まで闘えて良かった。
キアラ:…完全に先攻逃げ切り型だね。後は他のチームがどれだけ追い上げてくるか。
キアラ:だから…現段階で「結果を出せた」と断言はできないけど…、
キアラ:…どう?君は、生き残れそう?(なんだか抽象的な事を訊いてくる
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:生き残るよ。
ヴィアたん:VRの世界でキアラと一緒に死ねたから。
キアラ:君はこの戦いに随分懸けているようだったから。後が無いと思い詰めてるみたいに。
ヴィアたん:うん。
キアラ:……そう。理屈は良く分からないけど。それなら良かったのかな。
ヴィアたん:でも私の願いはきっと叶ったの。
ヴィアたん:蛇道の予想屋ヴィアたんは、これで、ベリオに売られない。
キアラ:そうか。それは、一先ず良かったね。
ヴィアたん:ええ。貴方のおかげ。
ヴィアたん:ありがとう。キアラ。
キアラ:相応の成果が出せたのは、君の力<情報>も大きいと思ってるよ。チームの力、とも言えるけれど。
キアラ:でも…そうだね。素直に受け取っておこうかな。
キアラ:どういたしまして。
ヴィアたん:……うん。
ヴィアたん:ねえ。この闘いが終わったら…
ヴィアたん:もう、あまりキアラとは会えない?
キアラ:…。そうだね。戦っている界隈が違うから。
ヴィアたん:…。そうよね。
キアラ:この大会みたいなお祭り事は、そう頻繁にあるわけじゃないだろうしね。
ヴィアたん:…理由がなければ会わない。みたいな言い方。
ヴィアたん:ううん。
ヴィアたん:でも、私も…きっとそうだから…
キアラ:……。(モニターの中の試合は長い膠着状態に入っている。
キアラ:…理由も無しに会う人間なんて、そんなにいるものかな。
ヴィアたん:どうかしら。
ヴィアたん:今回の…
ヴィアたん:VRAEでペアになったみんなが一体何人………
ヴィアたん:(モニター越しに春慶見て
ヴィアたん:私、将棋武道には出れないな。
キアラ:そうなの?プロファイターデビューするって話だったのに。
ヴィアたん:うん。そう。でも、今日、確信したの。
ヴィアたん:私は、プロファイターにはなれない。ううん。プロファイターでは生き残れない。
キアラ:…成程ね。
ヴィアたん:Rentalの体は私よりも遥かに強かった。それでも全然足りなかったんだもの。
ヴィアたん:…でも。
ヴィアたん:キアラが、 君の力<情報>も大きい って言ってくれて嬉しかったわ。
キアラ:世辞ではないよ。プロファイターの情報は、僕はあまり深くは知る所ではなかったし…
キアラ:今回の得点は、事前準備が功を奏した部分が大きいと思ってるしね。
ヴィアたん:私、AE道場…AAEEのデータチームに入る。裏方役ね。私の力をチームにもっと役立てたいの。舞台に立つのは私じゃなくていい。私の力が認められて、組織に必要で、売られなくて、生き延びて、頼られて、必要とされて、生きていければ、それがいい。(思いの丈を一気に語る
ヴィアたん:だから。
キアラ:…ふうん。(横目にヴィアたんを見て
ヴィアたん:次に、この大会みたいなお祭り事があっても、私は裏方。将棋武道にも出ない。
ヴィアたん:本当にもう会えないかも、ね。
キアラ:そう。……。
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:…。
キアラ:まあ、そういうものだよね。
キアラ:多くの人と出会っても…大半は一期一会。
ヴィアたん:いきなりこんな話して、ごめんなさい。貴方と2人で話せる時間が最後かと思うと…こう…一気に……。
キアラ:…。(ヴィアたんを見て
キアラ:…敢えて言うのも憚られるけど、君は僕に妙な執着があるよね。
ヴィアたん:そうだよ。
キアラ:好意ではないだろうけど。一体何?
ヴィアたん:最初は嫌いだったの。
ヴィアたん:一緒に居たくない。今すぐ離れたい感じ。
ヴィアたん:でもすぐに変わって。
キアラ:……。
ヴィアたん:一緒に死にたいと思ったの。
ヴィアたん:それで、一緒に一緒に一緒に一緒に過ごして。短い間だったけど。
ヴィアたん:それで…。
ヴィアたん:一緒に死んだの。
ヴィアたん:一緒に死んだのよ?
キアラ:…。結果的にね。
ヴィアたん:うん。
ヴィアたん:でも一緒に死んだのに。
ヴィアたん:私達はまだ生きていて、
ヴィアたん:そうしたら、そしたら、ね。私………
ヴィアたん:キアラとずっと一緒に生き続けたいって思ってるの。
ヴィアたん:(支離滅裂な文章だが、真剣に。キアラを見つめて伝えてくる。
キアラ:……。
ヴィアたん:それは「好意」。ううん。もっと深いものかも。
ヴィアたん:でも。ほら。
ヴィアたん:さっき言った通りよ。
ヴィアたん:キアラと私は暮らす世界が違うから………。
ヴィアたん:ずっと一緒に。なんて。無理なの。
キアラ:随分……感情の飛躍が大きいんだね。
ヴィアたん:だから。今日が最後だと思って。貴方と沢山お話をしているの。
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:そうなのかな。
ヴィアたん:キアラはずっと冷静ね。
ヴィアたん:私が取り乱しても、
ヴィアたん:私が、貴方との最後の時間を…嘆いていても。
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:寂しくない?
キアラ:…冷静。そうなのかな。あんまり自覚は無いんだけど、
キアラ:理屈っぽいのかもね。…考えてるんだよ。今君が止め処なく話して聞かせた事について。
ヴィアたん:……そうなんだ。
キアラ:最初に君が抱いたのは「嫌悪」。でも、それは強い感情に他ならなかった。
キアラ:その発端は、僕達の血による所だろうけれど。……それで、
キアラ:君の中で嫌悪と好意がぐちゃぐちゃになっちゃったのかな。…やっぱりちょっとよく分からないな。
ヴィアたん:そう。
ヴィアたん:一緒に訓練して、闘って、
ヴィアたん:一緒に傷ついて、闘って、
ヴィアたん:一緒に点を勝ち得て、一緒に死んで。
ヴィアたん:そんな貴方に好意を抱くのは、変な事かしら?
キアラ:…。そうだね。そう表現されると…
キアラ:…別に変ではない、のかな。
キアラ:…よく分からないんだよね。普通の人間は、どんな過程で人に好意を抱くのか。
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:わからないから、
ヴィアたん:キアラさんは、私に好意も何もないの?
キアラ:君の事は…
キアラ:嫌いでは無いと思うよ。
キアラ:最初は気味が悪いと思っていたけど。(薄ら笑いで
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:そうなのね…。
キアラ:身に覚えも無いのに強い感情を持たれるんだもの。得体が知れないと思っていた。
キアラ:けど…そうだね。そういう警戒心は、今は落ち着いてるかな。
ヴィアたん:…。
ヴィアたん:わからないものが、怖いのね。
キアラ:……。
キアラ:…人にどう思われるのかが怖いのかもしれないね。
ヴィアたん:…。そうなんだ。
ヴィアたん:…。
キアラ:好意って、相手への期待を含んでいるでしょう。最初から期待しなければ…
ヴィアたん:期待したいし、されたいよ。
キアラ:……。
キアラ:…僕はね、
キアラ:君のその情熱が、永遠に続くものだとは思っていないよ。
ヴィアたん:…?
ヴィアたん:どうして?
キアラ:その強い執着には、思い込みや過信を多分に含んでいるだろうし、
キアラ:…そもそも、人の感情なんて、すぐに移ろってしまうものでしょう。
ヴィアたん:キアラ。
キアラ:…。…今の君が本気だって事を否定するつもりはないけど…
ヴィアたん:強い情熱と執着を抱えたまま、2人とも死んじゃえば、それは永遠よね?
キアラ:…相変わらず破滅的だね。(やれやれと
ヴィアたん:…。ううん。ごめんね。意地悪しただけ。
ヴィアたん:さっき(VRAEで)一緒に死んでくれたばかりじゃない。
ヴィアたん:だから、今世は生きるよ私。
ヴィアたん:貴方への感情を抱えながら。
ヴィアたん:………キアラは、そんな私が、
ヴィアたん:………、…怖い?
キアラ:……。
キアラ:可哀想だと思う。
ヴィアたん:え?
キアラ:僕なんかに好意を持って、情熱を抱き続けてしまうなんて、本当に可哀想だ。(ふふ、と薄ら笑って
ヴィアたん:…え?…キアラ?
キアラ:きっと碌な事にならないよ。絶対に後悔する事になる。
ヴィアたん:何…?それは…
ヴィアたん:予言?
キアラ:まさか。僕にそんな力は無いよ。……ただ…
キアラ:僕は思ってるほど碌な人間じゃないんだ。なんとか上辺を取り繕っているだけ、
キアラ:体面を保っていないと、すぐに道を外れそうになる生物だ。
キアラ:だから……きっと後悔するよ。
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:大丈夫。
ヴィアたん:それがキアラの″予想″なら、
ヴィアたん:私はきっと後悔なんてしないって、″予言″してあげる。
ヴィアたん:だから…。
ヴィアたん:その。
キアラ:…………
ヴィアたん:そんなに心配しないでよキアラ。私はもう貴方を嫌いになんてならないよ。
キアラ:っ、、
キアラ:…………本当に?(片手で顔を覆って、ヴィアたんを窺い見て
ヴィアたん:本当。
ヴィアたん:死んでも誓うよ。
キアラ:………
キアラ:……
キアラ:…
キアラ:……ごめんね。
キアラ:君の″予言″を、今すぐに信じる事はできない。
ヴィアたん:…そっか。
キアラ:…。けど……
キアラ:……少しだけ、期待したくなっちゃったよ。(途方に暮れたような笑みで
ヴィアたん:…! キアラ…!
キアラ:………ぁーぁ。(ぐしゃっと両手で顔を覆って
キアラ:どうしたらいいんだろう。……もう嫌われたくないし、怖がられたくもないのに。
ヴィアたん:……キアラ。
ヴィアたん:嫌わないし、怖がらないし、期待してもいいし……
ヴィアたん:私は、私で、キアラを想い続けるから。
ヴィアたん:………。
ヴィアたん:…。
ヴィアたん:キアラは………。
ヴィアたん:……、…。
キアラ:…
キアラ:……
ヴィアたん:いつか…キアラも私を想ってくれたら…って期待しちゃう。
ヴィアたん:いつか…2人が死ぬまでに。ね。
キアラ:………そう。
キアラ:……
キアラ:……今度、
キアラ:ご飯でも行こうか。(唐突に
ヴィアたん:…ええ。喜んで。
キアラ:…うん。ありがとう。
キアラ:信じられないくせに、期待したく……なっちゃったからさ。
ヴィアたん:………。嬉しい。
キアラ:まだ、縁を繋げておいても…いいかな。
ヴィアたん:会う理由があれば、会ってくれるのだものね?
キアラ:…そうだね。それに…
キアラ:… …いや、なんでもない。
キアラ:…。(縁を繋げて、…どうする気なんだろう。どうにもならないかもしれないのに。
キアラ:(…。酷く不安定だ。足元が心許なく感じる。
キアラ:(…それでも、こうする事を選んでしまった。これが、人に期待するって事か。
キアラ:(……怖いな。やっぱり。
ヴィアたん:(一緒に死んだ筈なのに。
ヴィアたん:(死は別ちの筈なのに。
ヴィアたん:(今は。離れるのが寂しい。
ヴィアたん:(…また会おうね。キアラ。
ヴィアたん:(生きていればまた会えるよ。
ヴィアたん:(……
ヴィアたん:(……またね。

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ログ 2026Q2 VRAE
最終更新:2026年06月11日 22:29