そよか:みーちゃん、みーちゃん。(こそっと肩トントン
たかみ:…うん。(横目小声で返して
たかみ:それじゃあ、わたし達はこの辺りで。(サクヤと冬青に
冬青:…え??
そよか:うんっ。心奈ちゃん達の様子も気になるしねっ。
サクヤ:ぁー…はい。コッチは大丈夫です。結構元気だし。
たかみ:無理しないでゆっくり休んでね。怪我は治っても、疲れは溜まってるだろうし。
サクヤ:ありがとうございます。
冬青:ぁ、ぁー… 私は…
たかみ:大丈夫だよ。わたし達で行ってくるから。
たかみ:色々話したい事もあるだろうし。お友達なんでしょう?
冬青:…ぅ、ぁ。 …そ、ソデスネ…
そよか:(うんうん。これが青春かぁ~!って顔をしている
そよか:それじゃ、行こっか!(たかみの袖を引っ張って
たかみ:はいはい。 それじゃあ、お大事にね。サクヤくん。(振り返り、笑顔を見せて
そよか:お大事に!(扉から出ていく2人
冬青:……
冬青:…ぉ、ぉぅ…
サクヤ:……
冬青:…
サクヤ:…
冬青:ぇ、ぇーっと……
冬青:…
サクヤ:……城崎凛久也、同高だったんだよ。知ってた?
冬青:…、 …いや。
冬青:…全然知らんかった。あんまちゃんと教室行ってなかったし、そーゆー噂話する相手も…
サクヤ:…そか。まー、あっちも最近は殆ど通ってなかったみたいだけど。
冬青:まー、天下のアイドル?だもんね…。 …。知らんけど…
冬青:……
冬青:あの「映像」……(あの襲撃の時、炎のスクリーンで街中に映し出された光景
サクヤ:…一年の時、同じクラスでさ。
サクヤ:まー…なんか目に付いたみたいだな。
冬青:…天下のアイドル、とんでもねぇカスじゃん…
サクヤ:そーだよ。とんでもねぇカス。(思わず笑って
冬青:…(これまでのいろんな事が繋がってしまって、頭がぐるぐるする。
冬青:(クラスの輪に上手く入れなくてドロップアウト気味になった私と違って、そこそこメンタルも気も強い虻川が、なんで保健室登校なんてしてたのか。
冬青:(「守護」に守られてる筈のこの世界で、なんでこんなに目立つ傷を負っていたのか。
冬青:(頭がぐるぐるするし、吐き気がする。…見知った人が強い悪意に晒されていた事も。それがヴァース1、2を争う有名人からだという事も。
サクヤ:…まぁ、そんなとんでもねぇカスには、ちょっと罰が当たったみたいだけど。
サクヤ:…まあ、じきに目を覚ますだろ。全世界が復活を祈ってるだろうしな。(ハハッと
冬青:…。
冬青:覚まさないってさ。
サクヤ:…は?(冬青を見て
冬青:…たかみさんもそよかさんも優しいから。この場じゃ言わなかったけど…
冬青:…「魂」を喰われた人間の復活は絶望的なんだって。だから…
冬青:目を覚まさないよ。あいつは。
サクヤ:………
サクヤ:……
冬青:…(何とも言えない表情で沈黙するサクヤを見ている
サクヤ:……。それは……(上手く言葉が出てこない様子で
冬青:…
冬青:…いいじゃん。別に。
サクヤ:…。茨木…?
冬青:あんな奴、目を覚まさなくたっていいじゃん。
冬青:……(サクヤをじっと見て
冬青:虻川をあんな目に遭わせた奴なんか、目を覚まさなくていい。
サクヤ:……おい。どうしたんだよ、
冬青:だって。(遮るように
冬青:…虻川自身がそう思えないんじゃん。…だったら私が言う。
冬青:ヴァース一有名なアイドルだから、何。世界中の人々を笑顔にしてるから、何。
冬青:…そんなの関係無い。
冬青:私の友達を苦しめた奴なんか、死ねばいいんだ。
サクヤ:…………茨木……
サクヤ:………(『ЯiKU』が華々しく活躍する度に。『ЯiKU』が人々を沸かせる度に。
サクヤ:(世界中の人間から否定されるような心地が、どこかでしていた。
サクヤ:(そんなのは歪んだ認識だって分かってる。分かっていても尚、直しきれない傷。
サクヤ:(一度拉げてしまった心は、どう頑張っても元の形には戻らない。
冬青:…………
冬青:…正しくないとか言わないでよ。今はそんなん、関係無いから。
冬青:…私は、私と虻川だけの話を、してるから…
サクヤ:……うん。……
サクヤ:…
サクヤ:……ありがと、茨木。
サクヤ:(正しくない。間違ってる。歪んでる。
サクヤ:(でも、そういうものに救われる瞬間がある。
冬青:…。いーんだよ。だって、その。
冬青:…私ら、友達……じゃん。
サクヤ:…っは(思わず笑って
サクヤ:そー、…友達。友達な。
冬青:うん……
冬青:…
サクヤ:…
冬青:……
サクヤ:………
サクヤ:……そー、(ぽつりと
サクヤ:友達だからさ。ちゃんと観るよ、試合。
冬青:…ぁ。
サクヤ:VRAE…だっけ。 頑張ってな。
冬青:……ぁぁ、そっか。
冬青:余計な奴が画面に映らなくなったもんな。虻川も気兼ねなく見られるじゃん。
サクヤ:お前口悪すぎだろ(笑って
冬青:いいじゃん。他に誰も聞いてないし。
サクヤ:…ま、そりゃそーだけど。(死人を軽口のネタにして笑い飛ばす。不謹慎な雑談が出来るのも、
サクヤ:(友達だから…だろうか。
冬青:まあ、でも…良かった。
冬青:虻川が見ててくれるなら、いっそう頑張ろーってなるしな。
サクヤ:…。どしたの茨木。今日はやけに素直じゃん。
冬青:ぇ。。いや、別にその……友達だから……??
サクヤ:ぁー…そーだな。友達だからな。負傷中の友人を労わってんのな。
冬青:そう。それ。多分。……
サクヤ:…うん。
冬青:、、、…まー、実際頑張るからさ。
サクヤ:うん。…えーっと、なんだ。
サクヤ:……応援してる。
冬青:……。。。
冬青:うん。
冬青:……(…なんだコレ。
冬青:(試合に出るから応援って、フツーのやりとりの筈じゃ……なんでこんなにムズ痒い感じに…
冬青:(これが……友達……???
サクヤ:…(……友達。友達な。
サクヤ:(……まあ、いいか。「友達」がいいって言うなら。
サクヤ:(暫くは……友達でいようぜ。 茨木。