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終演 [ルーチェ サイギ]

ルーチェさんが入室しました
ルーチェ->(夕方のセントラル
ルーチェ->(夕日を背に喫茶へと向かう青いドレスの少女
ルーチェ->(手にはカバン、首には白い宝石のネックレス、ゆっくりとした歩調で喫茶へと歩む
ルーチェ->(喫茶の前へ着くとその歩みを止め
ルーチェ->久しく…訪れることが叶いませんでしたわ…(入り口の看板を見上げ、呟く
ルーチェ->…、
ルーチェ->………、(扉の前で暫し立ち止まる
ルーチェ->…、
ルーチェ->(振り返り街のほうへ歩き出す
サイギさんが入室しました
サイギ->(カランコロン、と 扉の開く音
ルーチェ->、(二歩離れた所で、歩みを止める
サイギ->―、……(普段ならこんな事はしない、此処には色々な客が来るから、引き止めるようなことは
サイギ->… ルーチェ、さん?(半分ほど開いた扉から、その背に投げかける
ルーチェ->(その声に振り返る
ルーチェ->…、覚えていてくださったのですね…(振り絞る小さな声
サイギ->……久しぶり。(僅かに微笑んで
ルーチェ->はい…何も伝えずに去ってしまって申し訳ありません…
ルーチェ->(皮の鞄を握り締め、目線を下げる
サイギ->…、中入る?
ルーチェ->…、…はい。
サイギ->ん、(下がり、招き入れるように扉を大きく開く
ルーチェ->失礼しますわ…(開かれた扉へ、サイギの隣を通り喫茶へ入る
サイギ->いらっしゃいませ。…なんてね、(扉を閉めながら
サイギ->お席のご案内は必要ですか?(いつも通りを模倣するように、言葉を続ける
ルーチェ->お願いしますわ。(ゆっくりと自然に答える
サイギ->畏まりました。(軽く会釈、いつもの奥の席へと案内
ルーチェ->(サイギの後ろを歩き奥の席まで
サイギ->こちらへどうぞ(席を手で示す
ルーチェ->はい…(席へ
サイギ->…(踵を返し、お冷とメニューを取りに行く
ルーチェ->…(その後姿をずっと目で追う
サイギ->(2つを乗せたトレイを手にルーチェの元へ
サイギ->ご注文がお決まりになりましたらお呼びください。(テーブルに置きながら
ルーチェ->…、(置かれたメニューと誰も居ない向かいの席を見る
サイギ->……(その目線に気付いているのかいないのか、離れるまでに少しのタイムラグ
ルーチェ->待って…(小さく呟く
サイギ->、(僅かな逡巡が動きを止める
ルーチェ->……、(黙ったままテーブルに俯く
サイギ->………、(静かな店内にのさばる沈黙
ルーチェ->何でもありませんわ…
ルーチェ->お仕事、邪魔してしまって申し訳ありません…
サイギ->…ぁ、いや…そういうんじゃなくて。
サイギ->この通り暇だしね(夕日の差し込むガラガラの店内
サイギ->…、(それだけ言うと、対席に腰掛ける
ルーチェ->…(顔を上げ
ルーチェ->……、(向かいの席に腰掛ける彼を見つめる
サイギ->…(その視線から逃れるように、テーブルに視線を移し
サイギ->あんな事があったから、もう来ないかと思った(さも普段通りの口調に努めて
ルーチェ->……―――
ルーチェ->いえっ、違いますわっ、
ルーチェ->そのような理由では決して…
ルーチェ->(珍しく焦るような口調で
ルーチェ->あの件でわたくしが…いえ、わたくしに…その…(必死に言葉を探すが繋がらず
サイギ->…、……うん、
ルーチェ->サイギさんには、感謝していますわ…
サイギ->…感謝されるような事したっけか。
サイギ->(苦笑、というか、自嘲したように
ルーチェ->あの日、あなたがいなければ…わたくしは今、この世にいられませんでしたから…
サイギ->……
サイギ->あれは、俺、だよ。 ルーチェさん
ルーチェ->はい。それでも、ですわ…
ルーチェ->あの影の正体や原因がなんであったとしても…
ルーチェ->わたくしは貴方を信じ…貴方がわたくしを救ってくれた…
ルーチェ->それに変わりはありませんわ…
ルーチェ->(じっと、サイギを見つめて
サイギ->…、(真っ直ぐすぎる視線から瞳を逸らして
サイギ->俺があんたと居なきゃ…いや、俺が俺じゃなきゃ、あんたを巻き込む事もなかったのに
サイギ->(珍しく、抽象的な事を口走る
ルーチェ->あなたがサイギさんでなければ…わたくしは救われていませんわ…
サイギ->……、
サイギ->俺は、あんたを傷付けるよ。きっと
サイギ->こんな風に(ルーチェの首元に刃先が突きつけられている
ルーチェ->っ(息を呑む
ルーチェ->なんで…そんな風に…
ルーチェ->なんでそんな風に…嘘を振舞うのですか…
サイギ->……偽<じぶん>に嘘を吐く事はできても、あんたには吐けない。
ルーチェ->ならわたくしを傷付けるなど…
ルーチェ->そんなこと…ありませんわ…
サイギ->…元々こういう感じなんだよ。
サイギ->嗜虐趣味がある。…というより、血と肉を見るのが好きだった
サイギ->…あんたの事だって、その気になればいつでもバラせるさ
ルーチェ->(ゆっくりと両手を上げ、刃へ
ルーチェ->…、サイギさんにはいつも…救われていますわ…
ルーチェ->喫茶へ来てから…わたくしが折れそうになるたび…
ルーチェ->何かに押しつぶされそうになるたび…幾度も何度も今日も…
ルーチェ->サイギさんに救われましたわ…
サイギ->…救ってやってる気なんて、無かった
ルーチェ->それでも貴方はわたくしに優しかった…
サイギ->バカな子だなって、ずっと思ってたよ(刃先が数ミリ、ルーチェに食い込む
ルーチェ->はい、そうかもしれません…
ルーチェ->わたくしは…一人では満足に生きることもできず…
ルーチェ->あなたが現れるまで…常に虚空を抱いていた…
ルーチェ->そうきっと…
ルーチェ->わたくしは貴方から見ればとてもバカな子で…
ルーチェ->上辺の態度を真に受けて本気にして…
ルーチェ->本当の貴方のことを何も知れない無知な子で…
ルーチェ->知りたいと願うのに近づけない愚かな子…
ルーチェ->…、
ルーチェ->貴方は言ってくれましたわ…
ルーチェ->わたくしには嘘は吐かないと…そして貴方の望むものを…
ルーチェ->……、
サイギ->………、
ルーチェ->わたくしを満たしてくれる…貴方の渇きを癒すためならば……
ルーチェ->(体を前に突き出し刃を首に食い込ませる
サイギ->、 ―――
サイギ->  止め、  (ブレードを霧散させる、が
ルーチェ->(目を瞑り苦悶の表情一つ浮かべず、首からは鮮血を滴らせる
サイギ->  (他人事のように、視界の先で紅色が弾ける
ルーチェ->、 、(身じろぎ一つせず、声一つ漏らさず、ただそこで血を流す
サイギ-> 、待、ってくれ、、、
サイギ->違うんだ、こんな事を望んでたんじゃない、、、(立ち上がりルーチェに駆け寄る
ルーチェ->(答えもなくテーブルに倒れる
サイギ->ッ、、…、(抱え上げる、望んでいた筈の色に染まる細い身体
サイギ->(流れ続けるそれは、青いドレスに染みを広げるばかり
ルーチェ->(首からかける宝石が彼にその色を反射する
サイギ->――― (解らない筈が無い
サイギ->…、 、あんたの事、、(己が濡れるのも構わず抱きかかえる
サイギ->……、、 、傷付けたく、なかったんだ……ッ
サイギ->(――否、傷付けると確信していた。
サイギ->(だから、遠ざけようと思った。自分から
サイギ->(失ってしまうことが怖いと思えるくらいに、その存在は―――
サイギ->(―――傾いていく夕日が、舞台を染め上げる
サイギ->(今まさに彼女の纏う色と同じに。
サイギさんが退室しました(2008/09/10 06:00)
ルーチェさんが退室しました(2008/09/10 06:00)

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最終更新:2008年09月10日 06:36