アットウィキロゴ

緋色の夜明け [ルーチェ サイギ]

ルーチェさんが入室しました
ルーチェ->…、
ルーチェ->……、
ルーチェ->………、
ルーチェ->(何処かの街 何処かの路地裏 肌寒い深夜
ルーチェ->(栗色の髪に水色のリボン、青いドレスに身を包む少女
ルーチェ->…、
ルーチェ->救い…、
ルーチェ->わたくしをまだ、救ってくれる人がいる…
ルーチェ->(人気の無い路地裏を力無く歩く
ルーチェ->あの人は何故わたくしを救ったのでしょうか…、
ルーチェ->何故わたくしはあの人に救われなければならなかったのでしょうか…
ルーチェ->わたくしは…、っ(廃材に足を取られて転倒
ルーチェ->………っ、
ルーチェ->(ポウフェナ戦線から約10日。あの新弾から約3日の時が過ぎた頃
ルーチェ->(青薔薇千恵はまた独りだった
ルーチェ->っ…(冷め切ったコンクリートを握り締め
ルーチェ->あの人の下に居てはいけない…
ルーチェ->(体をゆっくりと起こし、落としてしまった鞄を拾う
ルーチェ->家に戻る事も許されない…
ルーチェ->(見れば青のドレスは煤汚れ、綺麗だった手先には生傷が絶えない
ルーチェ->でも、…
ルーチェ->(身嗜みを整え、顔を上げ、前を見つめ
ルーチェ->わたくしは逃げません、
ルーチェ->あの娘を殺すまで………
ルーチェ->(一歩一歩、慣れない路地を歩く
路地裏さんが入室しました
路地裏 : (――曲がり角の先、ルーチェの視界の先で紅色が弾ける
ルーチェ->…っ(こわばり身を竦める
路地裏 : (数瞬遅れ、生暖かい赤の斑点がぽつぽつとルーチェに降りかかり
ルーチェ->……ぁ。
路地裏 : (人のカタチをしていた目先の肉塊が崩れ堕ち、路地裏の壁を嫌な色に染めてゆく
ルーチェ->………ぁぁ、(口を押さえ、身を竦ませ、足が震える
路地裏 : (ワンテンポ遅れ、肉塊の前に滑るように降り立つ。黒い翼。人の姿。
ルーチェ->………ぁ、(震えながら目の前の者を見上げる
路地裏 : ………しょうもないな(白いシャツにはべったりと返り血。目の前の惨劇を物語る。
路地裏 : (鈍い色の前髪を両手で掻き揚げ、男は
路地裏 : (―――ルーチェに振り向いた。
路地裏さんが退室しました
サイギさんが入室しました
ルーチェ->……―――(見上げたまま固まる
サイギ->――――(薄い色の瞳がルーチェの瞳を捉える
サイギ->……、(その瞳が、動揺によって僅かに揺れ
サイギ->――あんたは……(その口から出た言葉は、案外凡庸なものだった
ルーチェ->青葉…ルーチェです………(小さな声で呟くように
ルーチェ->覚えておられますか………(震えた声で続ける
サイギ->………。
サイギ->……忘れてたら良かったんだけどね。(皮肉気に笑って
ルーチェ->そんな事…言わないでください………(顔を伏せる
サイギ->言うさ。あんたと俺はもう関わるべきじゃないと思うね。
サイギ->(エプロン姿でなく、結ぶほどだった長い髪が襟足からばっさりと切られている以外は、以前と殆ど変らぬサイギの姿
ルーチェ->………、(サイギの言葉に呼応し十と三の脳が記憶を呼び起こす
ルーチェ->わたくしは、貴方の為に成れませんでしたか………(顔を伏せたまま問いかける
サイギ->…じゃあ逆に訊かせてくれよ。俺はあんたの何に成った?
ルーチェ->全て、でした。
サイギ->本当に、俺が救いだって思ってたのか。中途半端に関わって、傷を負わせただけだっていうのに
ルーチェ->…はい。
ルーチェ->わたくしにとっては貴方が…
ルーチェ->あなただけが、わたくしの空虚を埋めてくれる…
サイギ->………。
ルーチェ->わたくしはあなたを信じ…あなたはわたくしを救ってくれた…
サイギ->……血みどろにされても?
ルーチェ->えぇ。
ルーチェ->わたくしを何度も何度も救ってくださったあなたへ…
ルーチェ->わたくしは何を差し出すのも厭いません…
サイギ->…それじゃ俺は嫌なんだよ。(妙に切迫した様子で
サイギ->あんたが身を切って何を差し出してくれようが、俺はひとつも嬉しくない。
ルーチェ->存じております………(顔を伏せたまま
サイギ->……あんたが傷付くのは厭なんだ。
ルーチェ->………え、
ルーチェ->……そんな、いえ、…わたくしなど………(顔を背けて後ろを向く
サイギ->……(口元押さえて
サイギ->……だから、突き放させてくれよ。頼むから
ルーチェ->…、近づけば………
サイギ->……あんたは傷付くよ。
ルーチェ->そうあなたが望むのであれば……、
ルーチェ->その為にわたくしは……そう想って来た、でも…
サイギ->……止めろよ。
サイギ->(一歩後退り、血溜まりがぴちゃ、と音を立てる
サイギ->こんな血生臭い所に来ないでくれ。
ルーチェ->………、いえ。(立ち上がり
ルーチェ->逃げないと……決めましたから………
サイギ->……違うね。結局は逃げだ。あんたはあんたの家から逃げようとしてる。
ルーチェ->いいえ。
ルーチェ->わたくしは白薔薇百合恵を殺します。
サイギ->――、
ルーチェ->家からもあの娘からも運命からも逃げません、………そう、決めました。
ルーチェ->だから、(振り返り
ルーチェ->(煤汚れた青いドレスに真っ赤な返り血を浴び
ルーチェ->(涙と血に濡れた頬を緩ませ、自分の恐怖を精一杯押し殺した笑みで
ルーチェ->サイギさん、あなたのそばに居させてください………
サイギ->………、(表情が突き刺さる。恐怖を押し隠し、それでもこちらに手を伸ばそうとする、その貌
サイギ->……突き放せなくなったら、
サイギ->もう、戻れないのに……(ポツリと呟く、どこか放心したような
ルーチェ->…、……、………、(一歩、一歩、一歩、サイギに近づいて行く
サイギ->―――(ルーチェに、手を伸ばす。
ルーチェ->――(その手に向かって―
サイギ->(細い手首を引っ張り、ルーチェの体を無理矢理引き寄せる
ルーチェ->――(ん、
サイギ->(さながら血溜まりに誘うように 折れそうな身体を掻き抱き
サイギ->――やっと腹が決まった。(耳元で呟く。
サイギ->……今から俺は、あんたの為の死神だ。
ルーチェ->―――(その身を任せる
サイギ->あんたの目的を果たす為。好きなように使ってくれ(ルーチェの頬を両手で覆い、目線を合わせて微笑む
ルーチェ->………、(感涙のあまり言葉も無く
ルーチェ->………はい、サイギさん(涙を流しながら、同じように微笑んだ
サイギ->――よろしく。千恵さん(ぐ、と顔を近付け
サイギ->(唇と唇が触れる。
サイギさんが退室しました
ルーチェさんが退室しました

タグ:

ログ
最終更新:2011年11月23日 06:32