サイ(IF)さんが入室しました
サイ(IF)-> (西へ向かって鮮やかな朱が落ちていく――
サイ(IF)-> (雲を茜色に塗り替えていく様を、遠い目で見遣っている
サイ(IF)-> ……そう、か これが、赤、か(思い出すように
サイ(IF)-> (一条の光が、射抜きささんばかりの眩しさで、色づいた木の枝と葉を真っ赤に染め上げる。
サイ(IF)-> (例の大戦より5日後。スカイロード某所――
サイ(IF)-> (岩に腰掛け、想いに耽る
サイ(IF)-> ……(ふと、自らの掌に目線を落とし
サイ(IF)-> 正義、か……
いー子さんが入室しました
いー子-> (浮遊しIFに近づくヘッドギア
いー子-> *「晴レマセンカ?」
サイ(IF)-> ……良いのか? サイはまだ安静なんだろう?(振り向かず
いー子-> *「ハイ。 "サイ"ハマダ…体ヲ休メル必要ガ有リマス…」
いー子-> (旧時代の電子音声で質問に答える
サイ(IF)-> ……そうか
いー子-> *「貴方コソ…モウ良イノデスカ?」
サイ(IF)-> ああ、問題無い。
サイ(IF)-> ……晴れるとは妙な話だな。あとは、落ちるだけだろう(夕日を見遣り
いー子-> *「…、太陽デハ有リマセン…」
いー子-> *「貴方ノ心ノ話デス…」
サイ(IF)-> ……、(鼻で笑い、押し黙る
いー子-> *「コレデ…良イノデスカ?」
サイ(IF)-> それを訊いて、どうする。
いー子-> *「決マッテイマス…」
いー子-> *「"サイ"ニ尽クス事ダケガ…私ノ存在意義デス…」
サイ(IF)-> ……そう言うな、本人じゃー、ないぞ
いー子-> *「理解シテイマス…」
サイ(IF)-> 歪曲し、呪われた生涯なのは、判っている
いー子-> *「把握シテオリマス…」
サイ(IF)-> だが、まだ道は続いている。なら、歩まなければならない
サイ(IF)-> その道を、目の前に続く道を。俺を救ってくれた彼女を、今度は俺が救ってやるために(淡々と
いー子-> *「ハイ…ソレガ"貴方"ノ望ム道…」
いー子-> *「デシタラ何故…今貴方ハ此処ニ居ルノデスカ?」
サイ(IF)-> アイツ達が歩むはずの道を、絶対的な正義で塞ぎ、他に道を示してやらなければならない。
サイ(IF)-> ここまで汚れた俺でも、未来を憂い、人を愛することだけはできた。だから、まだ諦めない。
いー子-> *「…諦メル"サイ"ハ見タコトガ有リマセン」
サイ(IF)-> ……判っている。いー子、お前の言うことも、理解していることも
サイ(IF)-> だが……違う、違うんだ。
サイ(IF)-> 俺は、”サイ”じゃない。
いー子-> *「理解シテイマス…」
いー子-> *「貴方ハ貴方デス…」
サイ(IF)-> 俺は、”サイ”としては認められない。世界にも、サイにも、イブにも、誰にも。
サイ(IF)-> 取り返しは、つかないんだ(夕日が、山岳の向こうに沈んでいく
サイ(IF)-> 言い聞かせても、真実だ。
サイ(IF)-> 命に代えても、何を代償にしても、救いたかったこの痛恨は、消せない。
サイ(IF)-> あと数年生きていてくれたら、もっと幸せにしてやれたかもしれない。
サイ(IF)-> 違う道を選ぶことも出来たかもしれない。
サイ(IF)-> だが、無理だ。俺には、過去になってしまった俺にとっては(赤が沈み、今日が終わっていく
サイ(IF)-> 彼女にとっても、過去の事だ。彼女にもう、どうあがいても、認めてもらうことは出来ない。
いー子-> *「ハイ…悔イテモ…"貴方"ノ歴史ハ変ワリマセン。」
サイ(IF)-> ……倒錯、しているな(額を覆い、俯く
サイ(IF)-> それでも、何かができたら、少しでも幸福にできたらと、そう、決意したんだが、な……
いー子-> *「ドウゾ…コノ場ハ…悔イ嘆キ悲シミ哀シテクダサイ…」
いー子-> *「貴方ノ歴史ハ…決シテ"サイ"ニ継ガセマセン… 貴方ノ無念ハ"私"ダケガ受ケ止メマス…」
サイ(IF)-> (判っている、存在せざる己の果てに至る道を、”サイ”に”イブ”に、何ができるかを
サイ(IF)-> いー、子……
サイ(IF)-> (俯きながら、近くに浮くヘッドギアを手繰り寄せる
いー子-> *「………」(静かに浮遊する
サイ(IF)-> (ヘッドギアを握り締める、痛い程に
サイ(IF)-> 俺は、、俺は、、、
サイ(IF)-> ただ、彼女に、、笑っていて欲しかったんだ
サイ(IF)-> 俺は、彼女の中に、居たかったんだ
サイ(IF)-> それだけ、なんだ それだけ、だったんだ……
いー子-> *「ハイ………」 (静かに。一言だけ返答する。
サイ(IF)-> 報われ、ないな(乾いた岩に、黒い斑点を落としていく
サイ(IF)-> 俺が、そうさせてしまった、だけなのに――
いー子-> *「サイ………」
サイ(IF)-> ……ただ、愛されたかったんだ
サイ(IF)-> 相手が、誰かも、わかっちゃ、いないのに
サイ(IF)-> ――ク、ソ……
いー子-> *「………、、」(高速機動 腕を振り払う
サイ(IF)-> 、、く……そ、ぉ……、っ、(口元から血がしたり
サイ(IF)-> ――、(振り払われる
いー子-> *「貴方が…"サイ"デハ無イ様ニ………」
いー子-> *「…………、――――、、、」
いー子-> *「"彼女"ハ…貴方ノ失ッタ"彼女"デハ有リマセン…………」
サイ(IF)-> …………
いー子-> *「"彼女"ハ…"彼女"デス…代ワリニハ成リマセン…誰モ…」
サイ(IF)-> ……ああ、そうだな(その通りだ、”彼女”は、”彼女”じゃない。
サイ(IF)-> (イブから見た俺は、”サイ”じゃない
サイ(IF)-> 少し、残酷過ぎただけさ(彼女の、全てが
いー子-> *「貴方ハ…"彼女"ヲ救ウ事デ救ワレタカッタ…」
サイ(IF)-> ……ああ、そうだな。
サイ(IF)-> (言って、岩から降りる
いー子-> *「"彼女"ヲ救ウ事デ…"貴方"ハ救ワレタカッタ…」
いー子-> *「"彼女"ヲ救ウ事デ…"貴方ノ失ッタ彼女"ニ償イタカッタ…」
いー子-> *「"彼女"ヲ救ウ事デ…"サイ"ノ無念ヲ晴ラシタカッタ…」
いー子-> *「"彼女"ヲ救ウ事デ…"彼女"ヲ救イタカッタ…………」
サイ(IF)-> ……よしてくれ、言葉にすると酷く惨めだ(自嘲するように
いー子-> *「言葉ニスル事デシカ…私ハ"貴方"ニ近ヅケマセン…」
サイ(IF)-> ……
いー子-> *「………」 (浮遊し岩から降りたIFの前で止まる
サイ(IF)-> ……ここまで来た。最後まで、強がらせてもらうさ(何処か枯れた微笑みで
いー子-> *「ソレガ…今尚"貴方"ノ選択デスカ…」
サイ(IF)-> (それでいい。それが、いい。たとえ、あの世とやらで、彼女に怒られたとしても
サイ(IF)-> (認められず、認めることもできない中で、壊れるより先に、せめて、何かを残したい
サイ(IF)-> (例え、誰にも、認められない事だとしても、これが、俺の振り絞れる、ギリギリの正義だ
サイ(IF)-> ……ああ。(歩み、ヘッドギアを通り過ぎる
サイ(IF)-> 決着を付けてくる(背中越しに
いー子-> *「…………」
サイ(IF)-> その後は……いー子
サイ(IF)-> 俺を、頼む。
いー子-> *「了解シマシタ…サイ…」
サイ(IF)-> ああ、それでこそ、俺の相棒だ
サイ(IF)-> ――――――
いー子さんが退室しました
サイ(IF)さんが退室しました