アットウィキロゴ

とある死について [ウルウ 璃雨]

ウルウさんが入室しました
ウルウ->(黒塗りの和風お屋敷
ウルウ->(ポウフェナ地方、高級別荘地からは少し離れた寂しげな場所にある建物
ウルウ->(池の魚は全て死に絶え、庭の草木は自由に生い茂り、入り口には首の折れた亀の石像
ウルウ->さあ。着きましたよ黒様。(車椅子を押してやってくる
ウルウ-> (車椅子に座る少女は ゴスロリ衣装に深い帽子を被り、黒のパラソルを差すお嬢様。
ウルウ-> (車椅子を押す青年は 蒼と濃い紫を基調とした着飾らない服を着た静かな雰囲気の召使い。
ウルウ->(動物も草木も置物も、全て死んでるこのお屋敷に、酷くミスマッチな洋風な二人
ウルウ->・・・・・・・(一本だけ、綺麗に舗装されたタイルの道を車椅子を押して進む
ウルウ->さあ。黒様、もうすぐ日も落ちます。
ウルウ->ご就寝のお時間ですよ・・・・・・・(車椅子を押したまま離れの一室へと入って行く
ウルウさんが退室しました
ウルウさんが入室しました
ウルウ->(数十分後、独りで中から出てくる召使いの姿
ウルウ->(独り箒を持って、タイルの上だけ掃除を始める
璃雨さんが入室しました
璃雨->(昔は栄華の中にあったであろう、黒塗りのお屋敷へと続く広大な庭
璃雨->……。(その玄関前に立つ一人の女性
ウルウ->・・・・・・・、(掃除の手を止める
ウルウ->どうやら、客人のようですね。(玄関前に立つ女性を見て
璃雨->……(足下には一本だけ綺麗に掃除されたタイルが伸び、屋敷へと続いている。
ウルウ->(箒を置いて、ゆっくりと玄関へと歩む
璃雨->…人の手が掛かった形跡がある。という事は…(小さく呟き
璃雨->…やっぱり、只の噂でしょうね。
璃雨->(ふと顔を上げると、奥から歩いてくる人の姿
璃雨->今晩は。夜分にごめんなさい。(人影に穏やかな笑顔で挨拶
ウルウ->いえいえ、構いませんよ。(玄関の柵を横に開き
ウルウ->こんばんわ璃雨様。 ようこそ玄源武家へ。(璃雨へ挨拶をする
璃雨->あら…。やっぱり漆さんだったのね。(穏やかに微笑み
ウルウ->ええ、ココは黒様のお屋敷ですから。
ウルウ->黒様に仕える召使いとして、ココに住まわせて頂いております。
璃雨->…そう、ここは玄源武家の本邸だものね。
ウルウ->左様で御座います。璃雨様。
璃雨->でもあなた達は別の地で暮らしているものだと思っていたから…少し驚いてしまったわ。(うふふ、と
ウルウ->いえ、ここが黒様のお屋敷ですから。
ウルウ->ずっと、ココで暮らしますよ。 黒様さえ許してくれるのであれば。(振り向いて離れを見る
璃雨->…そうね。誇れる相手に従者として身を捧げられる…とても素敵なことだと思うわ。(微笑み
ウルウ->お褒めに頂き光栄です。璃雨様。(璃雨へ振り向き軽く一礼
璃雨->……(そんな漆を見て
璃雨->…一応、用件があってここへ来たの。聞いてくださる?
ウルウ->えぇ、どうぞなんなりと。
璃雨->近隣の住民から相談を受けたの。この屋敷の付近で霊障が発生すると。
ウルウ->・・・・・・・
璃雨->…うちは魂魄の存在を信じているから。…でも、あなた達が居るという事は、きっと見間違いか思い込みね。
璃雨->だからここに人が住んでいる事を確認しに来たのよ。書類上手放されてはいないみたいだから。
ウルウ->それはそれはご面倒をおかけ致しました。(丁寧に頭を下げる
ウルウ->ココには私めと・・・・・・・黒様が住んでおりますから。
璃雨->ええ。それが確認できたなら充分。こちらこそお邪魔してごめんなさいね。
ウルウ->いえいえ、わざわざご足労頂き申し訳ないです。
璃雨->………。
璃雨->……漆さんって、霊感の類はあるのかしら。
ウルウ->さあ…どうでしょう…
ウルウ->知識に偏りがあるものですから…
璃雨->そうなの…。
ウルウ->無いとは…言えませんね。
璃雨->…いえね。 恥ずかしながら、私には霊感の類がまったく無いの。
璃雨->道士の名を持っていても。……だから此処で実際に霊障が起こっているのかどうか、感じる事はできないのよ。……(漆を見て
璃雨->……漆さんは、どうかしら。
ウルウ->そうですか… それでは、調査は難航を極めますね………(ふと暗くなった空を見上げ
ウルウ->わたくしは…見ようと思ったものしか見えませんから…
璃雨->………。(同じく空を見上げ
ウルウ->璃雨様………人はいつ、死ぬと思いますか?
璃雨->……人によって信じるものは違う、としか言えないわ。私には。
璃雨->……少なくとも、他人が見届けられるのは肉体の死まで。その先の事は…証明できないわ。
ウルウ->そう…そうですね…
璃雨->…けれど、証明できないという事は、その先は強制されるものではない。
璃雨->だから宗教なんかでは、死後についての教えを多く扱う。……私はそういう風に考えているわ。
ウルウ->ああ・・・・・・・
ウルウ->私めの考えは…少し、医学的には可笑しなものなので…
ウルウ->急に話しても驚かれるかと思いましたが…
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->璃雨様なら大丈夫かもしれませんね…(薄く笑って
璃雨->うふふ、教えてくださる? 訊こうと思っていた所なの。
ウルウ->私めは…人は…人が死んだ認めたとき、生を諦めたときに死ぬと考えております…
ウルウ->あぁ、死んだのを認めるのも、生を諦めるのも…これから死に行くその人ではありません…
ウルウ->周りです。 他人に死んだと思われて、ようやくその人は死ぬ。
ウルウ->心臓が止まっても、脳が死んでも、体が粉々になっても…医師が諦めなければまだソノヒトは死んでないでしょう…?
璃雨->………。(漆をじっと見て
璃雨->……驚いたわ。……私が昔居た土地の人と、全く同じ考え方をしているのね。
ウルウ->それはそれは…そうでしたか…。 それなら話が早いかもしれません。
ウルウ->ココから先も一緒かどうかわかりませんが・・・・・・・
璃雨->うふふ。続きを聞かせていただける?
ウルウ->私めと璃雨様に共通の友人―そうですね、仮に燦山様としましょう。
ウルウ->燦山様が何者かに心臓を握りつぶされて絶命してしまった…その時に…
ウルウ->私めが燦山様の死を認めてしまえば…燦山様は私めにとって"死んでいる"事になります…
ウルウ->私めが幽霊を信じており、霊感が強ければ…"死んでしまった"燦山様の幽霊を見ることもあるでしょう…
ウルウ->しかしながら…燦山様の死を認めていない者にとっては…
ウルウ->彼はまだ"死んでいない"のですから…幽霊を信じていて霊感が強くとも…
ウルウ->見ることは出来ないと考えております…
璃雨->…………。
ウルウ->つまり・・・・・・・(玄源武家の敷地を見渡す
ウルウ->私めには今、ココに誰の幽霊も見えませんが………
ウルウ->玄源武家の一族が何者かに皆殺しにされ既に"死んでしまって""幽霊になってしまっている"と信じる者なら、
ウルウ->そういった方の幽霊が、見えるかもしれませんね・・・・・・・(薄っすらと微笑み
璃雨->…零障は、現象を察知する人間が「死」を認識する事でもたらされる。
璃雨->……そういう解釈でいいかしら?
ウルウ->そう、ですね・・・・・・・(璃雨を見て少考し
ウルウ->一般的にはそうです・・・・・・・正確には「死後」を認識する事で幽霊や死霊やはたまた転生となる。
ウルウ->これは例外的な…例外中の例外の話なので聞き流してくださって結構なのですが…
ウルウ->「ネクロマンシー」と呼ばれる術師の中には、
ウルウ->「生存」でも、「死後」でもなく、
ウルウ->―『死を固定する禁術』―を扱えるものもいるそうですよ・・・・・・・
璃雨->………『死』を、固定する……。
ウルウ->そういった方であれば…「死」を認識しているにも関わらず、
ウルウ->蘇りも、幽霊になったりも、生まれ変わったりも、死後の世界に飛ばされたりも、する事無く、
ウルウ->"死んだまま"この世にあり続ける存在も…作れるのかもしれませんね…
ウルウ->・・・・・・・
璃雨->…………。
ウルウ->あぁ、少し、特殊な事例を話しすぎましたね。 申し訳御座いません。(一礼して
璃雨->いいえ。……とても興味深いお話だったわ。(微笑み
ウルウ->そう言って頂ければ幸いです。
ウルウ->幽霊を見られた方がいるんでしたら、確かにこの屋敷にはその人にとっての幽霊が居るのでしょう。
璃雨->……ええ、そうなのかもしれないわ。
璃雨->………。 そう、ね。
璃雨->……例外中の例外の方についての話を…少ししてみてもいいかしら。
ウルウ->えぇ、どうぞ…。
璃雨->……
璃雨->……その人は、辛くは無いかしら。
ウルウ->・・・・・・・それは、どちらが?(少しの沈黙の後、尋ねる
璃雨->「ネクロマンシー」の方よ。(即答し
ウルウ->・・・・・・・
璃雨->「死」は恐怖とは違うと、私は前に言ったけれど……
璃雨->それでも、人をひどく疲れさせるわ。……見つめる人間を消耗させていく。
ウルウ->・・・・・・・
璃雨->その消耗は、通常時の経過によって癒えてゆくもの。…身近な人の死を受け入れる事。思い出にする事。それには「時間」が必要なの。
璃雨->私の居た所は、死体を凍結させて永久保存するのだけれど……それでも同じ事よ。
璃雨->だけれど、「死を固定」してしまったら、どうかしら。
璃雨->「死」が目の前に絶え間なく存在し続ける……その人は一体、どんな気持ちでそれを見つめるのかしら。
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->きっと、
ウルウ->辛い、のでしょうね。 その人は。
ウルウ->でも、おそらく・・・・・・・
璃雨->………。
ウルウ->他の生き方は知りませんから・・・・・・・
ウルウ->知らないですから・・・・・・・
ウルウ->すがるしか無いんです・・・・・・・
璃雨->……そうね、きっとその人には、
璃雨->……その死を受け入れられないほど……大切な人がいたんでしょうね。
璃雨->………私には、死を受け入れられないほど大事な人間なんていないから。(ポツリと、
ウルウ->・・・・・・・
璃雨->……きっと、その人の気持ちを解れる事はないでしょうね。(少し俯き、遠くの地面を見つめて
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->はい・・・・・・・
ウルウ->変わらなければならないのはどっちか・・・・・・・明白ですから・・・・・・・
璃雨->…………、(顔を上げて漆を見て
璃雨->…………どうかしら。……変わる必要なんて無いと思うわ。(再び視線を地に移し
ウルウ->どうで・・・・・・・しょうかね・・・・・・・
璃雨->…………少なくとも、私には彼等が少しだけ、羨ましい……(ぼんやりと遠くを見上げる
ウルウ->・・・・・・・そうですか。
ウルウ->不思議な方です…璃雨様は………
璃雨->………無い物ねだりなだけよ。
璃雨->……形振り構わず人を想える、強い感情と、純粋な心。……そういうものに憧れてしまうだけ。
璃雨->私には無い物ばかりだから………
ウルウ->そう、おっしゃられたのは………璃雨様が初めてでございます…………
璃雨->………。
璃雨->……うふふ、なんだか、貴方にはおかしな話ばかりしてしまうわね。(微笑み
ウルウ->いえいえ。こちらこそ………ですが…興味深い話ばかりで御座います…………
ウルウ->璃雨様…………………
璃雨->…………何かしら? 漆さん。
ウルウ->これからも、宜しくお願い致します…………………(頭を下げる。何かが彼をそうさせたのか。
璃雨->…………………(彼のその言葉に、驚き、戸惑い、複雑な感情が入り混じる
璃雨->………………、(けれど、
璃雨->…………ぜひ、またお会いしましょう。(穏やかに―――だが、いつもと何かが違う微笑みを見せる
ウルウ->えぇ…………………
ウルウ->またお会い致しましょう。
ウルウ->(スッと後ろへ下がる
ウルウ->私めは離れの方へ行かねばなりません・・・・・・・
ウルウ->どうか………夜道にお気をつけてお帰りくださいませ。
璃雨->……そうね。 …お時間を取らせてごめんなさいね。(困ったように微笑み
ウルウ->いえいえ、こちらこそ申し訳ない。(薄っすらと微笑み
璃雨->それじゃあ、そろそろ失礼するわね。(微笑みながら、少し漆から離れ
ウルウ->えぇ………お気をつけて…………
ウルウ->(深々と一礼し、こちらも離れへと歩む
璃雨->漆さんもお仕事お疲れ様。(笑顔で手を振り、踵を返して帰路に
璃雨->………
璃雨->(互いに背を向け、随分離れた所で
璃雨->………最後の言葉は、余計だったかもしれないわね。(ポツリと
璃雨->………(だけど、ああ言われた瞬間、本当に、単純に
璃雨->(――――嬉しかった。
璃雨さんが退室しました
ウルウさんが退室しました

タグ:

ログ
最終更新:2012年09月13日 17:08