ウルウさんが入室しました
ウルウ->(金鳳花の屋敷を越え、
ウルウ->(隣に居た人と道を違い、
ウルウ->(誰も居ない静かな草原を抜け、
ウルウ->(誰も居ない屋敷へと帰ってくる
ウルウ->いや、
ウルウ->(彼の仕える屋敷へと、帰ってくる
ウルウ->…………………
ウルウ->(入り口から入り、
ウルウ->(廊下を抜け食料庫へと
ウルウ->(買い物袋を置き、
ウルウ->(黒様の待つ寝室へと向かう
ウルウ->…、………、
ウルウ->(その途中で。
ウルウ->(ふと、その足を止める。
ウルウ->(「放っておけば良いのに。 」「なんで、そうしないのかしらね。 」
ウルウ->誰が…何を…
ウルウ->いや…
ウルウ->私めに"普通に生きる"事を望まれている………
ウルウ->まだそんな事が…あるのでしょうか…
ウルウ->…
ウルウ->人間らしく過ごし、人間と生活し、人らしく生きる………
ウルウ->「気狂い」の私めに…誰が何の為に…
ウルウ->………、
ウルウ->(ふと横道に逸れて
ウルウ->(誰も居ない大食堂の扉を開く
ウルウ->誰も…居ません…
ウルウ->ココには誰も………
ウルウ->私めが身をお守りする方も……
ウルウ->私めの身を案じてくれる方も………
ウルウ->………
ウルウ->主はもう…ココには居ません…
ウルウ->私めが護りたかったモノはもう…既にありません…
ウルウ->わかっていますよ…わかっています…
ウルウ->だから…
ウルウ->幸せになれない………
ウルウ->……………
ウルウ->しかし、貴女は………
ウルウ->貴女の護りたいモノは…もう、無くなってしまったモノでしょうか…
ウルウ->面倒を見ていた「気狂い」が、
ウルウ->自立し、離れてゆくことで…
ウルウ->それとも…
ウルウ->死人と共に在る召使いの………
ウルウ->余生を容認しない事で………
ウルウ->…………………
ウルウ->…………………
ウルウ->わかりません。
ウルウ->「……貴女にも出せない答えを」
ウルウ->私めでは探す事が出来ません…
ウルウ->私めに"普通に生きる"事を望まれている………のであれば、
ウルウ->…
ウルウ->何故私めを見て、あんな哀しそうな笑みを。
ウルウ->…、……、
ウルウ->…………「にんげん活動中」とは、よく言ったものです。
ウルウ->そうなのかもしれませんね……
ウルウ->私めも………
ウルウ->…、……、
ウルウ->(大食堂の中を歩く
ウルウ->(食堂内の装飾品を見渡す
ウルウ->このまま抜けてしまえば…
ウルウ->私めの今まで行ってきたものは…全て無となる…
ウルウ->それを躊躇しているのでしょうか…………………
ウルウ->いえ、もっとシンプルな………
ウルウ->…………、………、……、…、
ウルウ->(大食堂を抜けて
ウルウ->(廊下を回って長き道を歩き
ウルウ->(黒様の待つ寝室の扉の前へと足を運ぶ
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->…私めは急には変われないでしょうね。
ウルウ->私めは何も持っていないですから…
ウルウ->禁術でこの世に縛る黒様を…"護る"使命以外なにも…
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->まだ…
ウルウ->(寝室を開けて、中へと入る
ウルウさんが退室しました
ウルウさんが入室しました
ウルウ->―――――――(一面モノクロの世界
ウルウ->、
ウルウ->ここは………
ウルウ->(部屋へと入ったはずだったが、
ウルウ->何処でしょうか………
ウルウ->(目の前に広がるのは見たことのない…モノクロの世界
黒さんが入室しました
黒->(漆の視界の先、モノクロの世界に、モノクロの少女が佇む
ウルウ->…、………、
黒->(それはこの部屋にあって当然の姿。この部屋の、この屋敷の主。
ウルウ->黒様…?
黒->(人形の様に美しい少女は、何時ものように静かに椅子に腰掛けている
ウルウ->黒様も…、この世界へ飛ばされてきたのですね…、(呟きながら黒様へと近づく
黒->―――(微動だにせぬその姿が
黒->(僅かに、ゆっくりと、レースに包まれた両腕が動く
ウルウ->、
ウルウ->…黒、さま?
黒->(両腕だけが静かに前に上げられてゆく
黒->――
黒->「そんなわけないじゃないすか」(腕を折り曲げ、両手で切断された自分の首をひょいっと持ち上げる
ウルウ->…、……、………、
ウルウ->また、
ウルウ->貴女ですか? 「セヴンスヘヴン」
ウルウ->(静かに首を持ち上げる黒様へと問う
黒->「どーもっ。お久しぶりー」(持ち上げたままの生首の口が動く
ウルウ->えぇ………
ウルウ->何度見ても嫌気がしますね。
黒->「ほんと勿体無いよねぇ。生きてたらほっとかないくらい可愛いのになーこの子。」
ウルウ->えぇ………
ウルウ->それはそれはお美しい方でした…
黒->「うんうん、気持ちは解んなくないよ」
黒->「放っといたら腐っちゃうだけだしねぇ」
ウルウ->させませんよ。
ウルウ->黒様をお護りするのが
ウルウ->私めの使命ですから…
黒->「あはは。でも残念な事にさ」
黒->「このコはもう役者じゃあないんだな」
黒->「死んじゃってるからね。舞台に立たせらんない。どうやっても小道具なの」
ウルウ->それなら、
ウルウ->また敵役ですか?
ウルウ->貴女を倒せば、この世界を壊す事が出来る…そんなストーリー…
黒->「はははっ!」(哂い
黒->「なぁに言ってんの。私を何だと思ってんの?天下の美少女殺人鬼『セブンスヘヴン』だよ?」
黒->「むさ苦しい野郎一人がメインキャストのわけないじゃん!」
ウルウ->………、(黒様を見つめ
ウルウ->私めの他にも、
ウルウ->誰かを招待したのですか?
黒->「そーゆーことー。」
黒->「君の敵役はもう一人の主演。本日のアクトレス。」
黒->「彼女を見事殺害できればこの世界から抜けられる。それがキミに与えられたミッションだよ」
黒->(ぴろろろろろろ・・・。 以前にも聞いた事のある音がする
ウルウ->全く…
ウルウ->また強制的な試合ですか…
黒->「だって私がロールしても面白くないじゃん。結果解ってるんだし」(生首をくっつけ直して
黒->「どうせ相手するならかわいー子の方がいいしね。」
黒->「そんじゃま、」
黒->「お楽しみの時間は長い方がいいしね。さっさと始めちゃいましょー」
黒->「タイムリミットはー、」
黒->「あ、自分で解ってるよね?」
黒->「もしも抜け出せなかったらー・・・」
黒->(美しい少女の白い肌が、みるみる腐り果てていく
ウルウ->・・・・・・・(腐ってゆく肌を見つめて
黒->「・・・ね。」(肉が溶け落ちていき
黒->(ゴスロリの身体がぐしゃりと崩れる
黒さんが退室しました
璃雨さんが入室しました
璃雨->(ぴろろろろろ・・・・・・
璃雨->(あの音がする。空間が変化する音。干渉の音。
璃雨->―――(少しして、音が止み
璃雨->(代わりに、シーツの擦れる音が漆の耳に届く。
璃雨->……、(黒様の為の、天蓋付のベッド。
璃雨->(そこで頭を押さえながら身を起こす女性の姿
ウルウ->璃雨さま…………………
璃雨->…、此処は……、(周囲を見渡す 見たこともない部屋。
璃雨->……………、(誂えた調度品からして、相応の身分の人間のものであろう部屋――
璃雨->……、(その中にいる一人の人間の姿を視界に入れる
ウルウ->………(璃雨を見つめる喪服の召使い
璃雨->………。(見慣れない部屋。明らかに異質なモノクロの世界。自分の近くにいるはずの無い人間。
璃雨->………どうなっているの?
ウルウ->…、
ウルウ->………、
ウルウ->(状況は理解している。「セブンスヘヴン」のその策略。
ウルウ->(敵役と自分との1対1の殺し合いゲーム
璃雨->私は………(曖昧な記憶を辿る
ウルウ->…、……、………、
璃雨->(私は仕事をしていて、住宅街で……に会って、それから………
ウルウ->(黒様のベッドで起き上がる
ウルウ->(女性をただ、見つめていた
璃雨->………。(漆を見る。黙ったまま、こちらを見つめてくる
ウルウ->ココは…
ウルウ->黒様の部屋を…模して造られた「セブンスヘヴン」のフィールドです…。
璃雨->……、セブンスヘヴン?
璃雨->そう、…また狙われてしまったのね…。
璃雨->……。(己に不釣り合いなベッドから出る。なんとなく、此処に居てはいけない気がするから。
ウルウ->…、
ウルウ->今回の参加者は…
ウルウ->何名いるかわかりませんが…
ウルウ->私めと璃雨様…
ウルウ->それが今の組み合わせのようですね…
璃雨->……。そう……。
璃雨->また、あのトーナメントのような形式かしらね。
ウルウ->そうですね…
ウルウ->おそらくは…
ウルウ->参加者が私めと璃雨様のみということはないでしょう…
璃雨->…(ベッドのそばを歩き、対面するようにウルウに近付く
璃雨->…何も説明が無いけれど、(そう、彼女には何も伝えられていない
璃雨->…大凡、あの時の通りでしょうね。
ウルウ->…、………、
ウルウ->私めと、試合をし、
ウルウ->勝ち抜けた方がこの世界から抜けれる…
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->そういう手はずだと…思います…
璃雨->……。そう…。(漆を見て
璃雨->……
璃雨->「降参」。(一言、告げる
ウルウ->(目を開き璃雨を見る
璃雨->……(が、何も変化は無い。
璃雨->……今回は使えないのね。(溜息のように
ウルウ->……、
ウルウ->意識的に退却は…、出来ないようですね…
璃雨->ルールくらい統一していれば良いのに…。
ウルウ->…、
ウルウ->…戦え、ますか?
璃雨->…一応、心得はあるけれど。
璃雨->…抵抗するつもりは無いわ。
ウルウ->…、
ウルウ->ここが決勝戦で…
ウルウ->私めに負ければ璃雨様が死ぬとしても…、ですか?
璃雨->…あなたは生きたいでしょう?
ウルウ->………、
ウルウ->いえ………
璃雨->…やりたい事があるのではないかしら。
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->…、
ウルウ->果たさねばならぬ事と…
ウルウ->させられて行う事は…、違いますので…
璃雨->……。
璃雨->…別に気にしなくていいのよ。
璃雨->…抜け出た所で、どうせ私には何もないわ。
ウルウ->璃雨、さま?
ウルウ->…、……(璃雨を見つめて
璃雨->……。
ウルウ->「死んでしまえば、そこでおしまい。 」
ウルウ->そう言ったのは…璃雨様ですよ。
璃雨->…ええ。
ウルウ->それなら…
ウルウ->終わらせる道を選ばせるわけにも行きません…
璃雨->……。(漆を見て
璃雨->どうして、かしら。
ウルウ->璃雨様は望んでいるわけではないでしょう…
ウルウ->「死」を。
璃雨->…そうね。
璃雨->けれど、それほど「生」に執着してもいないわ。
ウルウ->…
璃雨->「悩んでいるなら生きなさい。」
璃雨->以前の時には、そう言ってくれる人がいたのだけれど。
ウルウ->…、
璃雨->…今は悩んでもいないのかしらね。よくわからないわ。
ウルウ->(部屋の隅にある椅子の元へ行き
ウルウ->(椅子を取って、璃雨の近くまで運ぶ
璃雨->…(漆の動きを目で追う
ウルウ->「死」を望まぬ貴女に「死」を渡すほど、
ウルウ->私めは「死」にまみれる事はできません…
璃雨->……。
璃雨->「死」はもっとも大きな喪失。 自分にとっても、周囲にとっても。
璃雨->…あなたはそれを良く知っているのだものね。
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->…、そうですね、
璃雨->…けれど、
璃雨->私の「死」など、あなたにとっては大した事じゃないわ。(はっきりと言い切る
ウルウ->。
璃雨->…黒様の「死」とは違うわ。同じ「死」だからといって、同じ痛みを味わう事は無い。
璃雨->…そうでしょう?
ウルウ->…、……(璃雨を見て
ウルウ->……
ウルウ->そうだとしても。
ウルウ->「死」をもたらす理由にもなりません…
璃雨->……。
璃雨->なら、
璃雨->あなたが死ぬというの?
ウルウ->…、
ウルウ->いえ、私めを殺すようお願いする事もありません。
璃雨->…なら、どうするの。
璃雨->…私も、
璃雨->…どんな形であれ、護りたい人が居て、
璃雨->生きる意味を持っている人間に、「死」を与える気にはならないわ。
ウルウ->別の正解を探します。
ウルウ->殺し合う以外に、
ウルウ->この世界から抜け出す手法を。
璃雨->……、漆さん?
ウルウ->二人で、この世界から抜け出しましょう。
璃雨->……そんな事が……、出来ると言うの?
ウルウ->わかりません。
ウルウ->ですが、
ウルウ->それがこの「死」への一番の抵抗ですから。
璃雨->……、
ウルウ->方法はわかりませんが…
ウルウ->ここが「セブンスヘヴン」の作り出した擬似世界なら…
ウルウ->創世主である"彼女"を倒せば…
ウルウ->世界は消えるかもしれません…
璃雨->…彼女を、……。
璃雨->…だけど、「セヴンスヘヴン」は、対象を別空間に隔離する襲撃者よ。
璃雨->私達の今の状況で……彼女に近付く事ができるとは思えないわ。
ウルウ->えぇ…
ウルウ->そうでしょうね…
ウルウ->彼女が別空間から監視しているのであれば…無理な話です…
璃雨->…そうではないと言うのかしら?
ウルウ->えぇ・・・・・・・
ウルウ->空間だけでなく…自身も主に成り代わる事で…
ウルウ->創世主はこの空間に…居ます。
璃雨->……、(は、と
璃雨->……まさか。(漆を見て
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->先ほど、お会いしたばかりですから…
璃雨->…………。
璃雨->そう…。…余程気に入っているのね。
ウルウ->初回の時と同様…
ウルウ->"彼女"を破壊すれば良いだけかもしれません…
璃雨->……。
璃雨->"彼女"は……
璃雨->……(椅子に視線を向ける
ウルウ->(璃雨と同じ場所へ視線を向ける
璃雨->(肉が腐り落ち、骨を露わにさせた漆黒のゴスロリ服
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->先ほどまで、こちらで創世主は喋っておりました…
璃雨->……相変わらず、趣味の悪い事をするのね。
ウルウ->・・・・・・・(椅子へと歩いて近寄る
ウルウ->(椅子の上の骨を見ながら
ウルウ->・・・・・・・
ウルウ->「封、解かれよ…"死霊の書"…」(呪文を詠唱する。手元に書物を呼び寄せる魔術
ウルウ->(手に握るは金縁の黒の書物
ウルウ->今回も…トーナメントの時と同様…能力制限はないみたいですね…(椅子の上の骨に語りかけるように呟き
璃雨->………。(漆の様子を背から見つめる
ウルウ->(黒の書物を開き
ウルウ->(左片手で開き持ち
ウルウ->「死してなおも美しく。」(椅子の上の骨を見ながら小さく呟く
ウルウ->「死してなおも在り続け。」(小さく続ける詠唱
ウルウ->「人形のように、影のように。」
ウルウ->「命<メイ>の為、そこに居る。」
ウルウ->(崩れた骨格が振るえ、形を組み出し
ウルウ->(溶け落ちた肉が身を持って骨へと吸い付き
ウルウ->(腐り果てるはずの肌が、みるみると白い美しさを取り戻してゆく
璃雨->…………。
ウルウ->(腐敗し散乱した死体さえも、
ウルウ->(強制的に、永久的に、元の死姿へと舞い戻す
ウルウ->(漆の最も得意とする黒魔術―『死を固定する禁術』―
璃雨->…………。(その人の所業を、黙ってただ見つめていた
ウルウ->・・・・・・・(骨も肉も皮も衣服さえも、黒様のお姿に戻す
ウルウ->さあ、
ウルウ->この部屋に"ソレが在った"状態へと戻しました…
ウルウ->居るんでしょう? セブンスヘヴン-スイッチ様…(黒様を見つめて
璃雨->……(まるでいつも通りの姿に戻った黒様の身体
璃雨->(無表情のまま、無言のまま、静かに顔を上げる
黒さんが入室しました
黒->「いや、しゃーないねー君も」(両手で自分の首を持ち上げて
ウルウ->(金縁の黒の書物を片手で開きながら黒様を見つめる
黒->「リミットあるって初めに言ってたのにさぁ。押し問答で時間潰しちゃって」
黒->「最初っからアウトじゃ興が乗らないじゃん?」
ウルウ->時間制限など…私めには無いようなものです。
璃雨->……、セヴンスヘブン……。
ウルウ->貴方を破壊し、この世界から抜け出します…
黒->「全くもう。私がロールしてもつまんないって言ったのにさー」
黒->「何、そのコと遊ぶんじゃ不満?」(璃雨を見て
ウルウ->…
ウルウ->えぇ、貴方との闘いを選びます…
黒->「あはは、だってさー。悲しいねぇ」(璃雨を見て
璃雨->……貴女の安い挑発に乗るほど、
璃雨->私も漆さんも、暇ではないのよ。
ウルウ->貴女の望みは…叶えられません…(黒様を見て
黒->「あれま、解って無いなぁ」
黒->「この空間の中で、」
黒->「私が叶えられない望みなんて、無いよ」
ウルウ->果たして…本当にそうでしょうか…
黒->「うん。」(黒様が椅子から立ち上がる
黒->「私はこの世界から抜け出す為に、一定の条件を作ってあげてるけど、」(こつ、こつ、と靴音を響かせ
黒->「そうしなきゃいけない理由は、ホントは無いんだからね」(2人の元に近付いてくる
ウルウ->世界の創造主…ですからね…
黒->「そんで君は、人がせっかく提示した条件を突っぱねちゃったわけだ。」
ウルウ->えぇ、
ウルウ->その条件は………呑めませんね。
璃雨->……。(黒様の姿を見て
璃雨->…掴めないわね。貴方の目的が。
璃雨->あなたは貴族を狙う襲撃者だと聞いているけれど。
璃雨->わざわざこんな回りくどい真似をする必要があるのかしら。
黒->「はははっ」
黒->「私はねぇ、」
黒->「ちょっかい掛ける子を貧富や貴賤や家柄で選んだりはしないんだ。平等主義だからね」
黒->「でも、」
黒->「選ぶ相手にはそれなりに「こだわり」があってさ。」
璃雨->……。
黒->「綺麗でも可愛くもない男にも、」
黒->「苦しみすらしない死体にも興味無いの。」
黒->「おわかり?」(璃雨を見上げて、ぱちんと指を弾くと
黒->(――ウルウの肉体を掌握。強制的に黒の書物を開かせる。
ウルウ->、!(黒の書物を開く
黒->(書物の働きに呼応するように、黒様の身体が、ぷつんと糸が切れたように脱力
ウルウ->、・・・・・・・
ウルウ->(脱力した黒様の体を見つめる
黒->(黒様の身体は「まるで操られているかのように」璃雨を向く。
黒->(標的を見定めるように。
璃雨->、――……
璃雨->…まさか。(ざ、と身構え
ウルウ->…(開かれた書物を横目で見つめ
ウルウ->全て手中というわけですか…
黒->(小柄の黒様の体が、操り糸に釣られるかのように璃雨へと飛ぶ
璃雨->、っ!(飛び退き、距離を取る
黒->(飛び退いた璃雨へ追いつくように空中で両足を振り回す
璃雨->、!(両手を交差し足を防御
黒->(防御された両足が骨から圧し折れる
黒->(圧し折れた両足で跳ね返るように璃雨の前の床に黒様の体が落下する
璃雨->っ、………(脚の圧し折れた黒様を見下ろす
ウルウ->ッ!(地に落ちた黒様へ駆け寄り
ウルウ->、(両手で両肩を抑える
璃雨->、………(その様子を見つめる
璃雨->……。
ウルウ->(黒の書が床に落ちる
ウルウ->私めや黒様の意思とは関係なく………スイッチ様の命でカラダを動かす事が出来るようですね…
璃雨->…………。そうね。
璃雨->此処は彼女の為の空間……。何もかもが「スイッチ」の意のままなんでしょう。
璃雨->……
璃雨->こうしている内に、再び掌握が行われるかもしれないわ。
璃雨->(しゃがみ、床に落ちた黒の書を拾い上げる
ウルウ->えぇ………防ぐ手立ては今のところありませんから…
璃雨->…今回彼女は、「黒様の撃破」では満足しないんでしょうね。
璃雨->……。
璃雨->(漆の前まで歩き、
璃雨->(黒の書を差し出す
ウルウ->(左手を璃雨へ伸ばし
ウルウ->有難う御座います。(黒の書を受け取る
璃雨->……。
璃雨->もう、黒様を武器にしたくはないでしょう。(漆を見て
ウルウ->えぇ…、
ウルウ->そうですね…
ウルウ->(片手で黒様の肩を抑えたまま黒様を見つめ
璃雨->だから、
璃雨->私を殺して。
璃雨->……自由である内に。
ウルウ->、(璃雨を見上げて
ウルウ->今、なんと…?(璃雨へと問う
璃雨->……何という事は無いわ。初めの選択肢に戻っただけ。
璃雨->漆さんの出した選択肢は、『スイッチ』によって却下されてしまった。
璃雨->だからもう、二択しかないのよ。
ウルウ->・・・・・・・(璃雨を見上げ
璃雨->私があなたを撃破するか、あなたが私を撃破するか。
ウルウ->戦いの道しか…残されていないのですか…
璃雨->…それが、『スイッチ』の出した条件なんでしょう。
璃雨->…『黒様』を倒すのではダメなのよ。
璃雨->………私が苦しまないから。
ウルウ->貴女を…苦しめるのが…『スイッチ様』の目的なのですね…
璃雨->……。 ええ。
璃雨->『スイッチ』の今回のターゲットは、男性であるあなたでも、死んでいる黒様でもない。
璃雨->……私だったみたいね。
ウルウ->…………………(璃雨を見上げたまま沈黙
璃雨->……うふふ。(そんな漆を見て、笑う
璃雨->でも、いいのよ。(まるでいつもの、微笑みを形作る
璃雨->言った通り、どうせ私には何も無いもの。
ウルウ->悲しみ、ますよ…
ウルウ->死んだら…人が悲しみます…
璃雨->………………。
璃雨->……一体、誰が。
璃雨->私が死んで、本当に困る人間なんて。
璃雨->……本当に悲しむ人間なんて。
璃雨->いるのかしら。
ウルウ->えぇ、
ウルウ->居ますよ…………………
璃雨->……私は、誰も信じていないのに?
璃雨->……誰にも心を預ける事ができないのに。
璃雨->それなのに、
璃雨->居るだなんて、おかしいじゃない……。
ウルウ->…………………
ウルウ->(暫しの沈黙の後、
ウルウ->おかしいのでしょうか…
ウルウ->「死」を望んでいない貴女が「生きる」事が。
璃雨->…………。
璃雨->……おかしいかしら。
璃雨->人の生に優先順位を付ける事が。
ウルウ->貴女は死にたいわけじゃない。
璃雨->、
璃雨->……。
ウルウ->死は望まぬものに与えて回るほど軽いものじゃありません…
璃雨->……それでも、理不尽に訪れるものよ。
璃雨->選択できるだけ……ましなのではないかしら。
ウルウ->だからといえ、
ウルウ->受け入れる必要はありません…
ウルウ->(璃雨を見上げ
璃雨->……。
ウルウ->それに、
ウルウ->私めは貴女を死なせたくはありません…
璃雨->…………。
璃雨->……止めて、漆さん。
璃雨->……そんな事を言っても、
璃雨->私には信じられない。(俯き、漆から視線を外す
ウルウ->構いませんよ…(璃雨を見たまま静かに続ける
ウルウ->それでも死なせる理由になりませんから…
璃雨->………なんでよ。
璃雨->……如何してそんな事を言うの。
ウルウ->…………………
ウルウ->…………………(璃雨を見て
璃雨->………嫌よ、(俯いたまま、両手で頭を抱えるように
璃雨->信じられないのに、、
璃雨->信じたくないのに、、
璃雨->希望を、
璃雨->持たせるような事を言わないで………………
ウルウ-> …………………(璃雨を見て
ウルウ->持っては、いけませんか?
璃雨->………
璃雨->………ええ。
璃雨->………あなたに希望を持つなんて、
璃雨->………虚しいだけ。
ウルウ->…………………
ウルウ->そうですか………私めに…………
璃雨->………。(漆の姿を、支えられる足の折れた少女の姿を、見ないように俯く
ウルウ->…………………(言葉を繋げず璃雨を見つめたまま
璃雨->…………。
璃雨->(ふらっ、と おぼつかぬ足取りで歩き出す
ウルウ->(それを目で追い
ウルウ->何処へ…?
璃雨->……(黒く塗られた、古びた高級そうな棚へと歩く
璃雨->……外には出られないでしょう。(ぼそりと、漆に振り向かずに
璃雨->(棚の引き出しを開け、
璃雨->(中から一本の、銀食器のナイフを取り出す
ウルウ->(一歩でその距離を詰め、
ウルウ->(片手でナイフを弾き飛ばす
璃雨->、っ
璃雨->(カラン、とナイフが床を滑る
ウルウ->(左手に黒の書を持ったまま、右手を水平に構え、
ウルウ->(璃雨の間近に、璃雨を見て立つ
ウルウ->自決する気ですか………
璃雨->………………っ(間近で、漆を見上げ
璃雨->……あなたがやらないからよ。(低い声で
ウルウ->えぇ……… させません…………
璃雨->…っ(いつもの笑顔も、冷静さもなりを潜めた表情でウルウを見上げる
璃雨->………これ以上、
璃雨->私を惨めにさせないで………
ウルウ->………だから、
ウルウ->死を選ぶと?
璃雨->………
璃雨->……いけない?
ウルウ->えぇ。
璃雨->………。
璃雨->勝手な人ね………。
ウルウ->いいえ。
璃雨->……何よ、それ。
ウルウ->勝手に死を選ぶ貴女ほどではありません…(璃雨を見つめ
璃雨->……私が私をどうしようと、私の勝手じゃない。
ウルウ->いえ。
ウルウ->「死」は貴女に必要ありません…
璃雨->…そんなの、あなたが決める事じゃないわ。
ウルウ->…………………
璃雨->……そうでしょう。
ウルウ->それならば…
ウルウ->一つ、提案があります…
璃雨->………。
璃雨->何を?
ウルウ->何か動きがあるまで…この空間に残りましょう…
ウルウ->どちらかの死でしか解放できない空間など…
ウルウ->空間から脱出する為に死を選ぶなど…
ウルウ->そんな必要などありません…
璃雨->………………。
璃雨->……何も無かったら、どうするというの。
ウルウ->何かあるまで待ちます。
ウルウ->それだけです。
ウルウ->残念ながら策などはありませんから…
璃雨->………………。
璃雨->……こんなに、
璃雨->強情な人だとは思ってなかったわ……。(漆から視線を外すように横を向く
ウルウ->えぇ。
ウルウ->ですから、「死」を選ぶ必要なんて、ありません。
ウルウ->(璃雨を見つめたまま伝える
璃雨->・・・・・・。(漆を見て
璃雨->……。
璃雨->……解ったわ。(ふぅ、と息を吐き
璃雨->……あなたの言う通りにする。……どうせまた止めるでしょう。
ウルウ->………
ウルウ->ご無礼を、失礼致しました。(璃雨へと礼をする
璃雨->……。いいえ。
璃雨->謝る事は無いから……。
璃雨->(漆も黒様も見ないようにしながら、2人から離れるように移動する。
ウルウ->(床に落ちたナイフを拾い
ウルウ->(棚の上へと戻す
ウルウ->ただ、時を待ちましょう…
璃雨->………………。
璃雨->……時が、
璃雨->解決するようなものならいいけれど。(壁を見つめて呟く
璃雨->……(時の止まったような空間で
璃雨->(途方も無く感じられる時間を過ごす。
璃雨さんが退室しました
黒さんが退室しました
ウルウさんが退室しました
最終更新:2013年03月16日 05:13