宵越しの金持たねーどころか年越しの借金抱えやがって、大人しく四国の方言でしゃべれ!」
「ならそっちもはにーだの言ってねぇで、うちが奥州筆頭だっちゃ!とか言ってろぃ!」
気持ち悪い裏声を発しつつ再び立ち上がるその瞬間、
「もうちょっと奥州の方言勉強してから言え!MAAAAGNAM!」
一気に距離をつめ拳を繰り出し、そして元親の体がふっと沈んだ。
当たる前に。
「ならそっちもはにーだの言ってねぇで、うちが奥州筆頭だっちゃ!とか言ってろぃ!」
気持ち悪い裏声を発しつつ再び立ち上がるその瞬間、
「もうちょっと奥州の方言勉強してから言え!MAAAAGNAM!」
一気に距離をつめ拳を繰り出し、そして元親の体がふっと沈んだ。
当たる前に。
つんのめる。あの無駄になげー足をかけられたのだ。
刀を持っていないのを幸い、飛び込み前転。襖が倒れる。
その背中に悲鳴がぶつかる。
「あいでででででで!てててめーわざわざ向こうずねにぶつかるかぁぁぁ!?」
「自分でやったんだ自分で!」
つっこみを入れて元親に向き直る。
涙目の元親がびっくりしたような目で政宗を見た。
「ah?」
後ろに慣れた気配。いつも背中を守る、
「………げ」
その背中に悲鳴がぶつかる。
「あいでででででで!てててめーわざわざ向こうずねにぶつかるかぁぁぁ!?」
「自分でやったんだ自分で!」
つっこみを入れて元親に向き直る。
涙目の元親がびっくりしたような目で政宗を見た。
「ah?」
後ろに慣れた気配。いつも背中を守る、
「………げ」
元親と政宗は、小十郎に仲良く一発づつ殴られた。
小十郎が静かに怒っている。
「ま、ヤンチャざかりにハメ外すのは良くある話でございましょう。
ですが国の当主同士の諍いは後を引かせちゃなりますまい。この小十郎に訳を言って貰えましょうか」
めちゃくちゃ怒ってるなぁ、と元親がでっかい体を竦めて目配せをよこす。
「Ah……理由か」
「……あれ?理由?…なんだったかな、政宗?ええとそうだ、空の中にはバケモンが居るとかな、名前は白鯨」
ねぇよ。
「違うね、海の底にいる奴らの話だ」
「だっけ?」
元親は呆れるほど澄んだ目でこっちを見た。てめー本気か。
小十郎が苛々している。
「ま、そう言うつまんねー事だ。悪いな、バカな事で熱くなった」
「バカじゃねー!海の底のことを政宗がどんだけ知ってるってんだ!
海に出たってまざこん政宗じゃ一生わかんねぇぞ!」
「だから発音悪いんだてめーは!Mother……」
「政宗様」
空気が一気に冷える。
「長曾我部様も、ではさしたる理由もなく、今後はそれを引きずることはない、とのことで?」
「Yes」
「ああ、うーん、別にいつものこったしなあ」
空気読め元親ぁぁぁぁぁ小十郎はそんな建前がどうこうとか言っちゃいねえええええ!
「つっか腹へらねぇか?なあ小十郎、一緒にメシにしねーか?」
「悪い、ホント悪い小十郎……コイツにゴボウ粥でも出してやってくれ」
元親がうへぇと肩をすくめてやな目で見た。
「うぁー政宗お前相変わらず変な創作料理してんのな。俺ぁふつーの朝飯で」
小十郎がにこりと笑う。元親がはっは!とやたらさわやかに笑う。
「普通の朝食ですか。ではオクラ納豆の粥を今お持ちします」
小十郎が下がる。しかしその額にあったのは青筋。
「政宗、どんだけ食い合わせ悪い朝飯喰ってンだ?」
こらてめ信じるな。
「おま……あやまっとけよ小十郎に……土産のヘチマ水の中身がへんなもんに入れ替わってもしらねえぞ」
「げ!そりゃやべー!つっか何で俺が小十郎のヘチマ水貰ってるの知ってるんだ?」
あのなあ、と政宗は元親の眼帯をちょいと引っ張って指を離した。
ぺちん。
「てっ」
「テメエ前に来た時、赤い襦袢一枚で女中と戯れてたろ」
「……ああ、うん、ここの女中は気っぷがいいよな」
思い出したような思い出していないような相づち。
あの粋な姿で、元親は女中と『いろんなトコ行ったけどやっぱ小十郎のへちま水がサイコーだぜぇ』とかいいながら、
爪紅のさしあいをしていたのだ。
あんなアホな光景そうそう忘れられるものか。この海のオカマが。
そして元親は話を変えた。
「まあいいや、準備が済んだらこっちは出航するぜ。んで政宗、詫び料にこれやるわ」
ぽん、と妙な財布を懐から出して元親は笑った。
「ま、ヤンチャざかりにハメ外すのは良くある話でございましょう。
ですが国の当主同士の諍いは後を引かせちゃなりますまい。この小十郎に訳を言って貰えましょうか」
めちゃくちゃ怒ってるなぁ、と元親がでっかい体を竦めて目配せをよこす。
「Ah……理由か」
「……あれ?理由?…なんだったかな、政宗?ええとそうだ、空の中にはバケモンが居るとかな、名前は白鯨」
ねぇよ。
「違うね、海の底にいる奴らの話だ」
「だっけ?」
元親は呆れるほど澄んだ目でこっちを見た。てめー本気か。
小十郎が苛々している。
「ま、そう言うつまんねー事だ。悪いな、バカな事で熱くなった」
「バカじゃねー!海の底のことを政宗がどんだけ知ってるってんだ!
海に出たってまざこん政宗じゃ一生わかんねぇぞ!」
「だから発音悪いんだてめーは!Mother……」
「政宗様」
空気が一気に冷える。
「長曾我部様も、ではさしたる理由もなく、今後はそれを引きずることはない、とのことで?」
「Yes」
「ああ、うーん、別にいつものこったしなあ」
空気読め元親ぁぁぁぁぁ小十郎はそんな建前がどうこうとか言っちゃいねえええええ!
「つっか腹へらねぇか?なあ小十郎、一緒にメシにしねーか?」
「悪い、ホント悪い小十郎……コイツにゴボウ粥でも出してやってくれ」
元親がうへぇと肩をすくめてやな目で見た。
「うぁー政宗お前相変わらず変な創作料理してんのな。俺ぁふつーの朝飯で」
小十郎がにこりと笑う。元親がはっは!とやたらさわやかに笑う。
「普通の朝食ですか。ではオクラ納豆の粥を今お持ちします」
小十郎が下がる。しかしその額にあったのは青筋。
「政宗、どんだけ食い合わせ悪い朝飯喰ってンだ?」
こらてめ信じるな。
「おま……あやまっとけよ小十郎に……土産のヘチマ水の中身がへんなもんに入れ替わってもしらねえぞ」
「げ!そりゃやべー!つっか何で俺が小十郎のヘチマ水貰ってるの知ってるんだ?」
あのなあ、と政宗は元親の眼帯をちょいと引っ張って指を離した。
ぺちん。
「てっ」
「テメエ前に来た時、赤い襦袢一枚で女中と戯れてたろ」
「……ああ、うん、ここの女中は気っぷがいいよな」
思い出したような思い出していないような相づち。
あの粋な姿で、元親は女中と『いろんなトコ行ったけどやっぱ小十郎のへちま水がサイコーだぜぇ』とかいいながら、
爪紅のさしあいをしていたのだ。
あんなアホな光景そうそう忘れられるものか。この海のオカマが。
そして元親は話を変えた。
「まあいいや、準備が済んだらこっちは出航するぜ。んで政宗、詫び料にこれやるわ」
ぽん、と妙な財布を懐から出して元親は笑った。




