「……………………」
自室の中央で大の字に寝そべり、元親はぼんやりと天井を眺めていた。
朝起きて一日中部屋の中央で寝そべって、野郎共に懇願されてかろうじて飯食って夜寝て-
俺一体、もう何日こんな廃人みてぇな生活を続けてるんだ…?
俺一体、もう何日こんな廃人みてぇな生活を続けてるんだ…?
『…考えがまとまり次第、追って使いの者を四国へ向ける。
それまで大人しく待つが良い』
それまで大人しく待つが良い』
確かに毛利は、そう言った。
だがあれから三ヶ月も経つってのに、使いの者どころか一通の書状すら届かないじゃねぇか。
これってつまり、俺の事なんざ考える暇もねぇ程忙しいって事なのか?
だがあれから三ヶ月も経つってのに、使いの者どころか一通の書状すら届かないじゃねぇか。
これってつまり、俺の事なんざ考える暇もねぇ程忙しいって事なのか?
「……………………」
確かに年がら年中毛利の頭を占めているのは、
第一に安芸を守る為の戦に備えて平時の内からいくつもの策を練る事。
次に安芸を平穏に導く為のまつりごとの数々に心を砕く事。
…つまり少なくとも俺の事なんか二の次だってのは分かっちゃいるが、
それにしたってこうも返事を待たされちゃぁ、そのうち干上がってくたばっちまいそうだぜ…。
第一に安芸を守る為の戦に備えて平時の内からいくつもの策を練る事。
次に安芸を平穏に導く為のまつりごとの数々に心を砕く事。
…つまり少なくとも俺の事なんか二の次だってのは分かっちゃいるが、
それにしたってこうも返事を待たされちゃぁ、そのうち干上がってくたばっちまいそうだぜ…。
瞼をつむった拍子にふいにあの夜の元就の表情を思い出すと、
元親はやるせない気持ちに駆られて両腕をゆるゆると上に伸ばした。
だが無論その先に誰が居る筈も無く、力を失った元親の両腕は虚しく空を…そして己の身を抱く。
元親はやるせない気持ちに駆られて両腕をゆるゆると上に伸ばした。
だが無論その先に誰が居る筈も無く、力を失った元親の両腕は虚しく空を…そして己の身を抱く。
あの夜の毛利の姿、声、薫り、味、そして感触は、今でも全部克明に思い出す事が出来る。
だがそれでも…やっぱり全然足りねぇよ。
だから俺は寝ても覚めても毛利の事ばかり考えちまう訳だが、毛利の方はどうなんだ。
俺みてぇにここまで腑抜けになっちまう訳ねぇだろうが、それでも…。
その心のほんの片隅ででも、俺の事を考えてくれている時も有るんだろうか。
だがそれでも…やっぱり全然足りねぇよ。
だから俺は寝ても覚めても毛利の事ばかり考えちまう訳だが、毛利の方はどうなんだ。
俺みてぇにここまで腑抜けになっちまう訳ねぇだろうが、それでも…。
その心のほんの片隅ででも、俺の事を考えてくれている時も有るんだろうか。
「……………………」
元親を気遣い、こっそり襖の陰から様子を伺いに来た者達にも全く気づかず、
天井を眺めながら、元親はただひたすら物思いにふける。
天井を眺めながら、元親はただひたすら物思いにふける。
駄目だ。
もう何ヶ月も、こうやって堂々巡りを繰り返してる。
俺がいつまでもこうしていると、いい加減野郎共の士気にも関わってくるだろ。
いっそ気晴らしに、船旅にでも出ちまうか…?
って、いやいや…もしその間に毛利の使いが来て、俺が不在だった事が毛利に知れてみろ。
もう何ヶ月も、こうやって堂々巡りを繰り返してる。
俺がいつまでもこうしていると、いい加減野郎共の士気にも関わってくるだろ。
いっそ気晴らしに、船旅にでも出ちまうか…?
って、いやいや…もしその間に毛利の使いが来て、俺が不在だった事が毛利に知れてみろ。
―そうか…「ずっと待ってる」などと仰々しい事を申した割に、長曾我部は不在であったか―
と、色良い返事すらたちまちひるがえっちまうに違いねぇ。
あぁ…だが航海出来ねぇ海賊なんて、ただの賊じゃねぇか。
俺の存在意義って、一体…。
あぁ…だが航海出来ねぇ海賊なんて、ただの賊じゃねぇか。
俺の存在意義って、一体…。
「あっ!! アニキっ!! 大変だっ!!!」
「っ!?? どうした野郎共!! もしかして毛利の使いか!!??」
「いや…アニキ…それが……」