戦国BASARA/エロパロ保管庫

虎竜・隠れ鬼7

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momo

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気にはなるが、それ以上に今は『隠れ鬼』の理由のほうが気になった。
「政宗殿にとっての『隠れ鬼』の意味を伺った以上、戻らぬわけにはいき
申さぬ。本当に何か、お気に病むことがあったのでは」
「Nothing.……考えすぎなんだよ、小十郎も、アンタも。所詮遊びだぞ、
『隠れ鬼』なんて。楽しくなかったか?」
そういえば、俺をここに連れ出したときの姫君の様子は明らかに楽しそう
ではあったが。
「お小さいころも、楽しみのために『隠れ鬼』をされていた、と?」
「ああ」
「片倉殿の言われていたような、自己防衛の意味はなかったと?」
「そういうことが全くなかったわけでもねえが、ちゃんと『もうやめた』
とも言ったんだがな」
穏やかな表情。
今はもう、その身に掛かる重圧に苦しめられることはないのだろうか。
それが真実ならば、喜ばしいことなのは確かであるものの。
「では何故、此度はこのような」
「んー?」
「他国で、しかも某を連れて『隠れ鬼』を」
問うてから、また幾許かの後悔を覚える。
同じ問うにしても、何もここまで直截にではなく、もう少し言葉を選ぶことも
できたのではないか。
しかし一度口にしたことを消す方法もなく、幸いにして相手も特に気を悪く
した様子が見られないことに安堵する。
「何故ってほどの理由もねえよ。ちょっとばかり、昔を懐かしんだだけで」
それだけだ、そう言って微笑んだ姫君が何かを隠しておられることくらいは、
他者の心情……というか女人の心というものに疎すぎる俺にでもさすがに
察することができた。
そして、問うたところで決してその隠し事を教えてはいただけないことも。
いつかそんな隠し事も、包み隠さず語ってくださる日は来るのか。
それとも俺が成長すれば、問わずともその想いを読み取ることができるように
なるのか。
仮にどちらかがかなうとしても、それはまだ遠い話としか思えなかったが。


―――――お館様。修行には己の未熟さを知ることこそが肝要かと!



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