「おいおい、ほっといたって横にいるもんだろ、初夜なんだぜ?」
「お、奥州の初夜はそういうものでござったかッ」
「どこの初夜だろうが初夜はそういうもんだ」
一瞬前までの怖気を忘れたように幸村は成る程そうであったか、などとひとり驚いていた。
どういう教育で育ったんだ。
「そういや幸村、アンタのHusky Voiceは元からか?」
「はす?」
もうお約束じみてきた問い返しに、腕を伸ばしてその頭をくしゃりとかき混ぜる。
思ったよりもやわらかい、ふわふわの髪だった。
伸ばしてみれば、栗色に波打つのかもしれない。
「声だよ声。掠れて魅力的ってヤツだ」
自然に出た言葉に、幸村はしばし布団につっぷしはれんちはれんちと呟いた。
「おい、どうした幸村?」
「ううううう…そう、声でござったな。戦場に出た頃から何ゆえか喉が痛んでいたのでござるが、何時の間にか痛まなくったのでござる。これも修行の成果でござる。が、…そのころ佐助がそのようなことを言っていた様な気がしますな。掠れているだの、喉を潰すだの…なんの、今でも立派に某は声を出せるでござるよ」
天真爛漫に笑む幸村の背中をぱんぱん叩いて政宗は肩を震わせた。
「佐助ってアレだろ、あのへろっとした忍び。そりゃー確かに喉潰しちまったんだろ。あー、アンタ熱血もそこまで行けば…クッ」
たまらず笑い声が堰を切る。
口の端を持ち上げるのではなく、戦に高揚するのでもない衝動的な笑いがどうしようもなく腹のそこからこみ上げる。
「なんでござるかっ!つぶれたつぶれたと、某の喉の形はへこんではおらぬ!」
憤然としているか、照れているか、むくれているか、笑っているか。
それが入れ替わりたちかわり、何の尾も引かずに現れる。
「お、奥州の初夜はそういうものでござったかッ」
「どこの初夜だろうが初夜はそういうもんだ」
一瞬前までの怖気を忘れたように幸村は成る程そうであったか、などとひとり驚いていた。
どういう教育で育ったんだ。
「そういや幸村、アンタのHusky Voiceは元からか?」
「はす?」
もうお約束じみてきた問い返しに、腕を伸ばしてその頭をくしゃりとかき混ぜる。
思ったよりもやわらかい、ふわふわの髪だった。
伸ばしてみれば、栗色に波打つのかもしれない。
「声だよ声。掠れて魅力的ってヤツだ」
自然に出た言葉に、幸村はしばし布団につっぷしはれんちはれんちと呟いた。
「おい、どうした幸村?」
「ううううう…そう、声でござったな。戦場に出た頃から何ゆえか喉が痛んでいたのでござるが、何時の間にか痛まなくったのでござる。これも修行の成果でござる。が、…そのころ佐助がそのようなことを言っていた様な気がしますな。掠れているだの、喉を潰すだの…なんの、今でも立派に某は声を出せるでござるよ」
天真爛漫に笑む幸村の背中をぱんぱん叩いて政宗は肩を震わせた。
「佐助ってアレだろ、あのへろっとした忍び。そりゃー確かに喉潰しちまったんだろ。あー、アンタ熱血もそこまで行けば…クッ」
たまらず笑い声が堰を切る。
口の端を持ち上げるのではなく、戦に高揚するのでもない衝動的な笑いがどうしようもなく腹のそこからこみ上げる。
「なんでござるかっ!つぶれたつぶれたと、某の喉の形はへこんではおらぬ!」
憤然としているか、照れているか、むくれているか、笑っているか。
それが入れ替わりたちかわり、何の尾も引かずに現れる。




