吐息と共に思考まで吸い取られる、と元就は感じた。絡む舌は心地がいい。
四つん這いになって覆い被さる男の熱の塊がぼてりと元就の腹部に乗って、
時折顔が上下するのに合わせて擦れた。男の顎から一粒、汗が元就の頬に落ちる。
次の雫が落ちる前に舐め取る。潮の味がする、と彼女は思った。
その行為に驚いたか、元親が目を見開いた。
「どうした、そなたの真似をしただけぞ」
先程からどうしてか判らぬが、この男は自分の顔をよく舐める。
男女の親愛の情の表現だと知っていた口付けは、実際は呼吸をするのも難しいほど熱いものだった。
「不快であったか」
「いんや…むしろ、嬉しい」
答える元親はすこし赤面した。
自分からは何の躊躇もなしに口を寄せてくるくせに、こっちから仕掛けると照れが出るのか。
元就は、おかしいような愛しいような気分になって、再び元親の顔に唇を乗せた。傷の跡に。
乾いてざらつく目蓋をなぞり、眼窩の形状を確かめる。美しい形だ、と元就は思う。
「痛むか」囁いて訊けば「普段はそうでもないんだけどよ、潮風が染みる」そうか。だからこその眼帯か。
美しいのに、隠さなきゃいけないなんて。可哀想にね。
「海もそなたに害することがあるのか」
「そりゃ当然。…それより」
元親が手を彼女の脚の間に戻し、性器に指を差し入れた。痛みに元就が肩を強張らせる。
「何でお前が余裕しゃくしゃくなんだよ。生意気ー」
元親がからかい口調でにやりと笑う。その手を止めるため、元就は彼の手首を握ろうとうつむく。
視線の先に、屹立した男の証があった。充血して今にも弾けそうだと元就は思う。
しかし、あまりにも。
「…違う」
何が。彼女の見ている物と、今までのずれた発言を思い返して嫌な予感が元親の背を走る。
「その…随分、長すぎやしまいか、と」
「やぁー、まぁ…確かに俺のデカいけどよ」
安心しろ、無理矢理突っ込む事はしないから。多分。そう言おうとした矢先、彼はまた耳を疑った。
「無花果のようなものではなかったか…?」
「いちじく…って、コレが?!」
「他に何があるか。それにしても…我が見たものとはまるで違う」
元就は記憶に残る男子の象徴を思い出してみる。それは小さく白く、先の形状はこんな風ではなかった。
「念のため訊くけどよ、いつ、誰のを見たよ…」
「甥と、弟のだ」
弟は六つの時、風呂で。甥はおむつを取り替えてやった時。
その回答を最後まで聞かず、元親は彼女の額を叩いた。ぴしゃりとよい音がした。
「この馬鹿!アホの子!」
「貴様、我が父母を愚弄するか…!」
「ああ?いつお前ぇのとーちゃんかーちゃん出てきたよ?!」
「今、阿呆の子供、と」「そおじゃねぇえ!てめぇ何処までボケれば気が済むんだ!」
ふざけているのはそなただ、長曾我部、我は常に真剣である。そう言って元就は顔を背けた。
そうですね、元就さん。あなたはいっつも真剣ですよね。で、俺の知る限りぜーんぶ空回って妙な方向に飛んでってますよね。
元親はあえて口には出さずに頭を抱えた。早く性交を成し遂げたいのだが、このままでは如何ともしがたい。
「…もいっこだけ訊くな…お前、子種っての、どんなモンだと思ってる…?」
あんまり答えは聞きたくない。が、仕方がない。
「種、なのだろう?知れた事、硬くて丸い、粒状の物だ」
清々しいまでに真っ直ぐな目で、彼女が答えた。元親は、亡き父に謝りたい気持ちになった。
(親父、俺、今人生最大級に挫けそうだ。ぶっちゃけ初陣より怖い。あと、嫁さんは日の本一の天然ボケですごめんなさい)
そんな元親の様子は気にも留めず、元就は説明を続ける。
「であるから、こう、それを割って、中から種を取り出すのであろう?…早うせぬか」
痛ぇえ…!元親は悶絶した。己が男根が裂かれ、ごろりと硬い塊が出る様を想像したからだ。それは痛過ぎる。
「…違うぞ、元就。出るのは、あー…液体だ。ネバネバしてる」
でな、コレを、お前のソコに突っ込んで、揺さぶって刺激与えて、そんで出すんだ。子種…精液を。
四つん這いになって覆い被さる男の熱の塊がぼてりと元就の腹部に乗って、
時折顔が上下するのに合わせて擦れた。男の顎から一粒、汗が元就の頬に落ちる。
次の雫が落ちる前に舐め取る。潮の味がする、と彼女は思った。
その行為に驚いたか、元親が目を見開いた。
「どうした、そなたの真似をしただけぞ」
先程からどうしてか判らぬが、この男は自分の顔をよく舐める。
男女の親愛の情の表現だと知っていた口付けは、実際は呼吸をするのも難しいほど熱いものだった。
「不快であったか」
「いんや…むしろ、嬉しい」
答える元親はすこし赤面した。
自分からは何の躊躇もなしに口を寄せてくるくせに、こっちから仕掛けると照れが出るのか。
元就は、おかしいような愛しいような気分になって、再び元親の顔に唇を乗せた。傷の跡に。
乾いてざらつく目蓋をなぞり、眼窩の形状を確かめる。美しい形だ、と元就は思う。
「痛むか」囁いて訊けば「普段はそうでもないんだけどよ、潮風が染みる」そうか。だからこその眼帯か。
美しいのに、隠さなきゃいけないなんて。可哀想にね。
「海もそなたに害することがあるのか」
「そりゃ当然。…それより」
元親が手を彼女の脚の間に戻し、性器に指を差し入れた。痛みに元就が肩を強張らせる。
「何でお前が余裕しゃくしゃくなんだよ。生意気ー」
元親がからかい口調でにやりと笑う。その手を止めるため、元就は彼の手首を握ろうとうつむく。
視線の先に、屹立した男の証があった。充血して今にも弾けそうだと元就は思う。
しかし、あまりにも。
「…違う」
何が。彼女の見ている物と、今までのずれた発言を思い返して嫌な予感が元親の背を走る。
「その…随分、長すぎやしまいか、と」
「やぁー、まぁ…確かに俺のデカいけどよ」
安心しろ、無理矢理突っ込む事はしないから。多分。そう言おうとした矢先、彼はまた耳を疑った。
「無花果のようなものではなかったか…?」
「いちじく…って、コレが?!」
「他に何があるか。それにしても…我が見たものとはまるで違う」
元就は記憶に残る男子の象徴を思い出してみる。それは小さく白く、先の形状はこんな風ではなかった。
「念のため訊くけどよ、いつ、誰のを見たよ…」
「甥と、弟のだ」
弟は六つの時、風呂で。甥はおむつを取り替えてやった時。
その回答を最後まで聞かず、元親は彼女の額を叩いた。ぴしゃりとよい音がした。
「この馬鹿!アホの子!」
「貴様、我が父母を愚弄するか…!」
「ああ?いつお前ぇのとーちゃんかーちゃん出てきたよ?!」
「今、阿呆の子供、と」「そおじゃねぇえ!てめぇ何処までボケれば気が済むんだ!」
ふざけているのはそなただ、長曾我部、我は常に真剣である。そう言って元就は顔を背けた。
そうですね、元就さん。あなたはいっつも真剣ですよね。で、俺の知る限りぜーんぶ空回って妙な方向に飛んでってますよね。
元親はあえて口には出さずに頭を抱えた。早く性交を成し遂げたいのだが、このままでは如何ともしがたい。
「…もいっこだけ訊くな…お前、子種っての、どんなモンだと思ってる…?」
あんまり答えは聞きたくない。が、仕方がない。
「種、なのだろう?知れた事、硬くて丸い、粒状の物だ」
清々しいまでに真っ直ぐな目で、彼女が答えた。元親は、亡き父に謝りたい気持ちになった。
(親父、俺、今人生最大級に挫けそうだ。ぶっちゃけ初陣より怖い。あと、嫁さんは日の本一の天然ボケですごめんなさい)
そんな元親の様子は気にも留めず、元就は説明を続ける。
「であるから、こう、それを割って、中から種を取り出すのであろう?…早うせぬか」
痛ぇえ…!元親は悶絶した。己が男根が裂かれ、ごろりと硬い塊が出る様を想像したからだ。それは痛過ぎる。
「…違うぞ、元就。出るのは、あー…液体だ。ネバネバしてる」
でな、コレを、お前のソコに突っ込んで、揺さぶって刺激与えて、そんで出すんだ。子種…精液を。




