エドゥアルド・リモノフ(1943年2月22日 - 2020年3月17日)は、ロシアの作家・政治活動家。本名はエドゥアルド・ヴェニアミノヴィチ・サヴェンコ。反体制的詩人として出発し、亡命生活、過激な政治運動、民族ボルシェヴィキ党の結成などを通じて、文学と政治の境界を挑発的に横断した人物である。
ウクライナのハリコフに生まれ、ソ連時代に地下文学活動を行ったのち、1970年代にアメリカへ亡命する。ニューヨーク滞在中の経験をもとに執筆した自伝的小説『これは俺だ、エディーチカ』は、移民生活の貧困、性的逸脱、自己神話化を赤裸々に描き、スキャンダラスな評価を受けた。のちにフランスへ移住し、作家として一定の評価を確立する。
1990年代にはロシアへ帰国し、急進的民族主義と社会主義を混合したナショナルボルシェヴィキ党を創設する。政治活動により投獄されるなど、実人生そのものがパフォーマンス的性格を帯びた。晩年は政権批判勢力とも接近し、体制との緊張関係を保ち続けた。
リモノフの文学は、自伝と虚構の境界を曖昧にし、自己演出と政治的挑発を一体化させる点に特徴がある。彼は作家であると同時に自己創作された人物像そのものでもあり、後期ソ連からポストソ連期にかけてのロシア社会の矛盾を体現する存在として論じられている。
作品
『リモノフ』中央公論新社