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  • Extreme Dream

チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

Extreme Dream

最終更新:2022年03月20日 18:24

匿名ユーザー

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「承太郎…!」
「…気を失ってるだけです!でも、早く治療しないと……!」

目を覚ました新八が真っ先に聞いたのは、焦燥感を隠そうともしない男女の声。
薄っすらと視界に光が入って来る。
やけに重たく感じる瞼を開け顔を動かすと、見えたのはガタイの良い少年が淡い光に包まれている光景。
慌てて体を起こそうとするが、全身が酷く痛み短い悲鳴が漏れた。
そこで男女も気付いたのだろう、二人の視線がこちらへ向けられる。

「新八!気が付いたのか?」
「う……はい…。承太郎さんは……」
「今傷を治してます。…その……」
「……うん。僕のせい、ですよね…」

鮮明に覚えてはいないが、自分がやったのだろう。
ディケイドに斬られた後の記憶は所々ボヤけていて、正確に何が起きたとは説明できない。
けれど自分が承太郎達を傷つけた事、承太郎達が自分を正気に戻そうと戦っていたのは間違いないと確信した。

承太郎が目を覚ましたら、傷つけてしまった事への謝罪、
何より暴走を止めてくれた事への礼を必ず伝えよう。
その前に、今はどうしてもやらなければならない事が一つある。

体中の痛みに耐えてよろけながらも立ち上がり、男の姿を真正面から捉える。
黒い帽子を被った傷だらけの青年だ。
彼が誰なのか、それはもう分かっていた。

「左翔太郎さん、ですよね」
「…ああ。精神は雨宮蓮だけど。そっちは、フィリップか」
「…はい。精神は志村新八なんですけどね」

目を覚まして蓮の姿が視界に入った瞬間、頭では無く心で理解した。
彼が左翔太郎、フィリップの相棒であると。
初めて見る顔だ、なのにずっと離れ離れになっていた友とようやく再会を果たしたかのような、そんな満たされた想いが新八の中を駆け抜けた。
その感動は蓮もまた同じである。
事前に説明を受けていたが、多分何も知らされずとも、相手を見たらフィリップだと一目で理解出来る。
そんな確信があった。

「蓮さん。さっきまで暴れてた僕にこんな事言う資格何て無いって、そう分かってます。だけど…!」

一度言葉を区切り、蓮に向けてある物を差しだす。
赤いバックル。蓮の持つ物と違って、スロットが二つ付いていた。
夢で見たあの光景が鮮明に思い起こされる。
仮面ライダージョーカーは翔太郎の力の証。だがあの戦士は違う。
あれは翔太郎とフィリップ、二人が揃わなければ決して誕生する事の無かったヒーロー。
新八が何を言うのか、先を聞かずとも蓮には分かった。

「僕と一緒に、戦ってください…!!」

自分も彼も傷だらけで、そもそも彼を傷付けていたのは自分で。
勝手な事を言っている自覚は当然ある。
なのに止められない。自分の心は今どうしようもなく彼と共に戦いたがっている。
二人で戦わなければならないんだと、強く訴えているのだから。

――『悪魔と相乗りする勇気、あるかな?』

新八の言葉ではない。だがどこからかそんな言葉が聞こえて来た。
差し出された物と新八の顔を交互に見やる蓮。いや、もう彼の答えは決まっていた。
雨宮蓮にとって相棒と呼べる存在は、モルガナか、坂本竜司か、或いはこの地で共犯関係を結んだ男なのかもしれない。
だが左翔太郎にとっての相棒とはフィリップしかいない。
彼に仲間は数多くいても、相棒になれるのはフィリップだけだ。
その相棒が頼み込んでいるのなら、どうして断る事が出来ようか。

新八の手からダブルドライバーを力強く受け取る。
答えはそれだけで十分だった。


○


「……よぉ、やっと主役の出番って訳か?」

おどけたようなエボルトの言葉に、ディケイドは眉を顰める。
どこか面白そうな表情の女が視線を投げかけるのはディケイドではなく、その後方。
そういえば、愚物と蔑んでいた少年の雄叫びが聞こえなくなっているのに気付く。
焦らずに振り返ると、その少年が立っていた。
隣には見覚えの無い青年が一人。あの黒いライダーかと察する。

「懲りない輩よ」

呆れ交じりに吐き捨てる。
敵からの罵倒に新八は動じない。
自分が間違いを犯したの何て言われるまでも無く理解しているからだ。

「新八」
「はい…!」

そんなものより新八の心を占めるのは、絶対にディケイドを倒さなくてはと言う使命感、
自分達ならば、翔太郎とフィリップの二人なら不可能ではないという信頼。

「やろう、俺たちが!」
「はい、僕たちが!」

ダブルドライバーを蓮が自らの腰に当てると、自動でベルトが巻き付く。
ここまではロストドライバーと同じ、違うのは新八の腰にも同型のベルトが出現した事である。
原理不明の未知なる現象に驚きは無い、これが正しいのだと分かるから。
それぞれが取り出したガイアメモリのスイッチを押せば、ガイアウィスパーが高らかに鳴り響く。
切り札と疾風が、遂に揃った。

『CYCLONE!』『JOKER!』

「「変身!」」

夢で見たのと同じようにメモリを持った手を振り被れば、偶然なのかWの形となった。
新八が装填したメモリは蓮のドライバーへと転移、同じく自身のメモリを装填、全ての準備が整いバックルを展開する。

『CYCLONE!/JOKER!』

疾風と切り札、二つの記憶が解放され、緑と黒の粒子が蓮の身体を包み込む。
並んだ新八の身体は床にゆっくりと倒れ込んだ。彼の意識は相棒の肉体へと憑依したのだ。

「貴様、いや貴様らは…」

風が吹いている。
まるで戦士の再降を祝福するかのように、強い風が吹いていた。
右は緑の、左は黒のボディ。長いマフラーを靡かせたその姿こそ仮面ライダーW(ダブル)。風の都の守護者たるヒーロー。

「僕は…僕は幾つも間違いを犯してしまった。
 自分の無力さに焦って危険な力に手を出し、仲間を沢山傷つけて、挙句銀さんの前で誓った事すら破ろうとした」

ダブルの右側、ソウルサイドの眼が点滅し言葉を発する。
出てくるのは新八が犯した罪の告白。
後悔と、自分自身への強い怒りを滲ませながら、罪を一つずつ並べていく。
そこに悔いはあっても、諦めは無い。

「これが僕の罪。僕は自分の罪を数えた」

何も見えず、何も消えない暗闇が晴れた先の光景。
無数の本棚が並ぶ空間にいた、白スーツと帽子の似合う男。
あの男は最後に何と言ったのか、ちゃんと覚えている。

「今度はそっちの番だ」

ダブルの左側、ボディサイドの眼が点滅し言葉を発する。
新八の言葉の続きを、蓮が引き継いだ。
この後ぶつけるべき言葉は一体何なのか。
そんなもの、二人ともとっくに分かっている。
自分達が、仮面ライダーWが悪と対峙した際に放つ言葉はあれしかない。

「「さあ、お前の罪を数えろ!」」

「人間が我に罪を問うか」

クツクツと低く笑い声を漏らす。
竜の餌が支配者に、人間がJUDOに罪を数えろとのたまった。
余りにも滑稽で、馬鹿馬鹿しいとすら思えない光景。
ここまで来ると怒りや苛立ちよりも、笑いの方が先にやって来る。

「世迷言の代償を支払わないとは言うまいな?」

尤もそれはそれとして、単なる戯言と聞き逃してやりはしない。
誰に何を言ったのか、理解していないのならば、手ずから教えてやる必要がある。
エターナルソードを構え、断罪するべく斬り掛かった。
ダブルもまた無手で迎え撃つ気は無い。
ソウルサイド、右手で構えるは一本の刀。幕末の亡霊の愛刀であり、今は亡き鬼殺隊の炎柱が振るった無限刃。
志村新八が最も得意とする得物である。

「フンッ!」

長い刀身が狙うのは、ダブルの首。
変身しているとはいえライダーの力で振るわれれば、致命傷は確実。
万が一首輪に衝撃が届けば、逃れようのない死が待っている。

「っと!」

尤も全ては攻撃が命中すればの話。
跳躍、というより浮遊したダブルに剣は届かない。
頭上に場所を移した標的目掛けて、ディケイドも跳躍。
エターナルソードを突き出した。

「やああああっ!」
「ムッ!?」

魔王を倒すはずの剣が、ヒーローを殺す。
あってはならない悲劇を現実のものにはさせてたまるかと、ダブルもまた剣を振るう。
掬い上げるような斬り上げがエターナルソードを弾いた。

「ハッ!」

刀を振るうのがソウルサイドなら、肉弾戦はボディサイドの役目。
ディケイドの腹部目掛けて長い脚が伸びる。
硬い靴底を剣を握るのとは反対の腕で防御、上空での攻防はそこまでであり、両者共に地面へと降り立った。

「せやっ!」

足が床に着いた直後、無限刃がディケイドに迫る。
対処は難しくない一撃だ、エターナルソードに阻まれた。
その一撃だけは、である。
続く二撃目、僅かにディケイドの反応が遅れるも再び防御。
なら次はどうだ、防御はほんの少しの差で間に合わず、身を捩っての回避。
四度目に振るわれた刀は、防御も回避も一手遅い。
マゼンタ色の装甲を、血と脂の染みこんだ刃が奔った。

「クッ…」

低い呻きに僅かな苛立ちが灯り、反撃に出んとエターナルソードを左胸へと突き出す。
手応えは無し。風に吹かれた布のようにヒラリと躱せば、エターナルソードは虚しく空気を斬る。
ダブルもまた腕をピンと伸ばし一歩踏み込めば、無限刃の切っ先が敵の胴体を突いた。

(この動きは…)

ダブルの身体スペックはアナザーディケイドよりもずっと低い。
肉体の頑強さだって、あれ程では無いはず。
だが刀を振るう速さと精細さは、明らかにアナザーディケイドの時よりも上がっている。
本当にさっきまで愚物と見下していた少年と同じなのか。
困惑した所へ再度振るわれた刀を躱せば、こちらが斬り返す間もなく胸部を斬られた。

志村新八は決して弱者ではない。
剣術道場の長男として生まれ、幼い頃よりの地道な鍛錬で己を磨き続けて来た。
故にこれまで幾度も血生臭い騒動に巻き込まれても、その都度戦って生き延びたのだ。
銀時や神楽などの超人的な戦闘力を持つ面子に囲まれながらも、彼らの足を引っ張るのではなく、肩を並べて戦えるだけの力が確かにある。

加えて新八の攻撃を支援しているのは、サイクロンメモリの固有能力。
体や武器に風を纏わせる事で、攻撃の速度を高めている。

しかしディケイドは簡単に勝ちを譲ってくれる相手でない。
速さに物を言わせて休む間もなく振るわれた刀を、強引に突破する。
ディケイドが元々持つ武器、ソードモードのライドブッカーで無限刃を弾き返し、間髪入れずにエターナルソードを振り下ろした。
胴体から火花が散り、堪らずダブルはたたらを踏む。
もう一撃与えるべくライドブッカーを突き出せば、赤い眼へ伸びて行く。

だが忘れるなかれ。
ディケイドと戦っているのは新八一人でない事を。

「マガツイザナギ!」

名前の通り禍々しいオーラの魔人が、長得物を振り下ろす。
両手の剣で防御の姿勢を取ったディケイド、それぞれの刀身から衝撃が腕を伝わった。

「アルセーヌ!」

ワイルドの特権であるペルソナチェンジを行使。
稀代の大怪盗と同じ名を持つペルソナが出現、両腕を組み尊大な仕草でディケイドを睥睨する。
反撃に移る為、防御の構えをディケイドは解除。その一瞬をジョーカーは見逃さない。
サイクロンメモリの速さを乗せた鋭い回し蹴りを放つ。
ダブルの動きへ呼応するようにして、アルセーヌが放ったのも主同様の回し蹴り。
二本の長い脚の内、片方は胴体へ、もう片方は右手に叩き込まれた。

「ガッ…」

命を刈り取るレベルの攻撃にはあらず。
されど意味はあった。ディケイドの右手からエターナルソードが弾き飛ばされ床に転がる。
取りに行かせる気は毛頭無し。無限刃に風を纏わせ、敵の胸部を境目に泣き別れさせる勢いで振るった。

「でりゃああああああああっ!!」

腹の底から出したその叫びは、決して威勢だけのものでは無い。
これまで以上に激しく火花を散らし、ディケイドが吹き飛び床を転がって行く。

攻撃の成功、その代償は握り締めた武器に降りかかる。
無限刃は砕け散り、今や柄と鍔、数ミリ程度の刀身を残すのみと化したのだ。
刀匠・新井赤空の最終型殺人奇剣。
チェンソーの悪魔と世界の破壊者を相手に振るわれ、今役目を終えた。

何時までも無様に地を這うディケイドではない。
素早く立ち上がるが目を離した数秒の間に、ダブルは決着を付けるべく動き出す。

「決めるぞ新八!」
「はい!終わらせましょう!」

『JOKER!MAXIMAM DRIVE!』

スロットに装填したガイアメモリから、必殺のエネルギーがダブルへと伝導される。
街を泣かせる数多のドーパントを撃破して来た、サイクロンジョーカーのマキシマムドライブだ。
緑色の乱気流が発生し、瓦礫やガラス片が巻き込まれる。
中央に立つダブルが浮き上がれば、後は敵へ叩き込むのみ。

「面白い、付き合ってやろう…」

『FINAL ATTACK RIDE DE・DE・DE DECADE!』

対するディケイドもまた、真っ向から叩き潰すカードを叩き込む。
ライダー世界の怪人を屠って来た技が、同じ仮面ライダーを破壊する為に使われようとしている。
10枚のカード状エネルギーが出現し、ディケイドとダブルを繋ぐ道と化す。
バトルロワイアルで放つのはこれが三度目となるディメンションキック、大きく跳び上がりダブル目掛けてカードを通過して行く。

「「ジョーカーエクストリーム!」」

揃って言い放つ、技の名前。
ボディサイドとソウルサイド、ダブルの身体が中央で真っ二つに分離される。
ディメンションキックへ、ジョーカーの蹴りが真っ向から迎え撃つ。
しかしディケイドの勢いは微塵も揺るがず。
続けて時間差によりサイクロンもまた蹴りを叩き込むも、ディケイドは止められない。
蓮、新八、JUDO。
三人共に決して軽くない負傷を抱え込んではいるが、より重症なのはダブルの二人であるが故か。

だが左翔太郎と雨宮蓮。
彼らは切り札。如何なる逆境をも覆すからこそのジョーカー。
この局面で蓮は切る、残された最後の手札を。

「ケツアルカトル!」

アステカ神話に登場する神の名を持つペルソナは、嵐を呼ぶ園児との絆の証。
翼を生やした白蛇が、威圧するかのように牙を見せる。
残りのSP全てを使い切る勢いで、ケツアルカトルは己の力を放った。
マハガルダイン。高威力の暴風を広範囲に巻き起こす疾風属性のスキルだ。

だが蓮が対象に選んだのはディケイドではなくダブル。
自分達への攻撃を選択するなど、血迷ったと取られてもおかしくない愚行。
普通ならばそう。

「何…!?」

蓮の選択が間違っていない事は、ディケイドの反応からも明らかだろう。
マキシマムドライブの威力が急上昇している。
このまま押し切れるはずだった自分の身体へ、猛烈な痛みが走り逆に押し負けている。
勝利するのはディケイド、その結果が大きく覆されようとしていた。

翔太郎とフィリップにとって、風は何時でも味方だった。
ある時は迷う背中をそっと押し、ある時は喪失の悲しみに濡らした頬を撫でてくれる。
そして人々の声援を風に乗せ、ダブルの元へ届け新たな力を授け、仮面ライダーエターナルとの決戦に勝利を齎してくれた。

此度もそうだ。
サイクロンが発生させた風とマハガルダインは一つになり、ダブルに力を与えてくれている。
ならば負ける道理は無い。勝てない道理は無い。
風が味方でいてくれる限り、仮面ライダーWは何度だって立ち上がれるのだから。

「「これで決まりだ!!」」

ダブルの両足が、ディケイドの胸部を強く叩く。

猛威を振るった破壊者は、守護者の放つ風の中へと消えて行った。


○


緩やかな風を纏い、ダブルはそっと降り立つ。

自分達はディケイドに打ち勝った。
そう思ってしまった直後、膝から崩れ落ち、変身が解除される。

「……っはぁ…!」

生身となった蓮は汗でびっしょりとなった顔で、言葉にもならず息を吐いた。
アーマージャックとの戦いによる傷も癒えないまま、風都タワーでの連戦。
いい加減疲労もピークに達している。
顔を上げるのも億劫に感じながら、どうにかこうにか見てみれば、新八も同じような状態だった。
アナザーディケイドの変身を解除させる為とはいえ、容赦なく攻撃し続けたのだ。
気力でディケイドと戦いはしたが、向こうも限界だろう。
仰向けになったまま、荒い呼吸を繰り返している。

自分もいっそ横になってしまいたい。
ついそんな風に考えて、



『KAMEN RIDE BLADE!』



心臓が凍り付きそうになった。

「よもや、我がここまで梃子摺らされるとはな…」

何時の間にやら、ソイツがいた。
膝を付き、立つ力すら残っていない自分達と違い、ソイツは二本の足でしっかりと床を踏みしめている。
また初めて見る姿に変わっていた。
角のようにも、一本の剣にも見える頭頂部は知らない戦士のもの。
けれど腰に巻かれたベルトは、これまでと同じだ。

「良くやったと言うべきか。それもここまでのようだが」

キリキリと不快な金属音。
ライドブッカーの刀身を撫でるという、門矢士と同じ動作。
今の蓮にとっては、まるで死神が鎌を研いでいるかのように、恐怖を煽るものだ。

人間どもの戦慄など、JUDOを止めるには至らない。
首を斬り落とし己の勝利で終わらせるべく、黙々と近付く。

『おいおい、そいつに死なれちゃ困るってさっき言っただろ。もう忘れちまったのか?』

気だるさを含んだ呆れ声が、JUDOへ向けられた。
ピタリと足を止め声の主へと首を動かせば、案の定ブラッドスタークがため息を吐いている。
どうやらダブルと戦っている間に再変身したらしい。
生身の身体は女なのに変身後の声は男。ボイスチェンジャーでも使っているのか知らんが、どうでもいい事と投げ捨てた。

「貴様の考えなど知った事ではない」
『言ってくれるぜ。ツレない態度ばっかりで、こっちは涙が出そうだよ』

わざとらしくバイザーの目元を覆うブラッドスタークの姿に眉を顰める。
この状況には似つかわしくない態度を取り続けていれば、当たり前の反応。
いや、思い返せばこいつは常にこんな感じだったか。
だがまぁ良い。殺す相手という事に変わりは無いのだから。

標的を蓮から赤い怪人へ変えると、面倒そうに首を回した。

『ま、そりゃそうだよなぁ。お前は……』

気のせいだろうか、ブラッドスタークの声が一段低くなったように聞こえた。
ほんの僅かな疑問は、次の瞬間どうでもよくなった。
ブラッドスタークの右腕が光を帯びている。
元々赤い装甲だったが、より禍々しい赤いオーラのようなものが纏わりついているのだ。
アレはマズいものだと理解し、だが動き出すには少しだけ遅い。

『そうなるよなァッ!!!』

翳したブラッドスタークの掌から、エネルギー波が放射される。
自分の装甲と同じ色が破壊を齎そうと、JUDOへと殺到。
ライドブッカーで斬り付けようと飛び掛かるも、刃の到達は叶わず後方へと押し出されて行く。

「グ……オ…オオオオオオオオオ……!!」

これ以上は下がるまいという抵抗も空しく、火花を散らしてJUDOの体力は削り取られる。
自分の意思とは裏腹に、身体は前では無く後ろにしか動いてくれない。
戦闘の余波でとっくに砕け散ったガラス窓を失って、外と展望室を遮る物は皆無。
このままでは押し出されればどうなるかは、火を見るよりも明らか。
そうはさせるかと、どうにかライドブッカーを振り被る。

「ウィンドスラッシュ!」

それも無意味に終わった。
突如JUDOの周囲に発生した真空の刃が、余計な抵抗を封じる。
誰がやったかは今の声で即座に判明した。
傷がじくじくと痛む体に鞭打って、晶術を放ったジューダスだ。
緑の眼で睨みつけてやれば、真紅の瞳で冷たく視線を返される。

そして、限界は訪れた。

「ッ!?」

エネルギー波が一際激しくJUDOを呑み込み、とうとう立っている事すら出来なくなった。
安定のしない宙では抵抗らしい抵抗も叶わず、後はもうされるがまま。
自分の身体が引っ張られるような感覚を味わい、視界に映るのが展望室の天井から澄み切った青空に変化し、

『CIAO(チャオ)♪』

小憎たらしい声を最後に、JUDOは風都タワーの外へと吹き飛ばされていった。


→

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  • 俺ロワ・トキワ荘:http://jbbs.shitaraba.net/otaku/12648/
  • 本スレ①:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1615384066/
  • 本スレ②:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1633849195/l30
  • 本スレ③:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1664632643/l30
  • 本スレ④:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1706338338/l30
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