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  • 悔いなき選択 -ソコに悪意がある限り-

チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

悔いなき選択 -ソコに悪意がある限り-

最終更新:2023年11月22日 00:42

匿名ユーザー

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「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」

先手必勝、対話は不要。
必要なのはこれまで幾度も邪悪をブチのめした自慢の拳。
星を名に冠した最強のスタンドが放つラッシュが狙う、DIOとはまた別の支配者(アーク)。
油断なし、手加減抜き、慢心は論外。
元より戦闘へ敵に付け入る隙を持ち込まないのが承太郎と言う男。
とはいえ承太郎でなくとも、此度の相手を前に気を抜ける輩はまずいない。

「4対1だが卑怯とは思わないでくれ」

自分で口にしておきながら呆れを抱く。
複数人で掛かっても勝てるイメージが思い付かないのに、卑怯も何も無いだろう。
などの愚痴は胸に仕舞い、ベルデも承太郎に続き剣を振るう。
片手にはクリスマス用の蝋燭、もう片方にはメカニックな剣。
得物を増やした程度で勝てるとは微塵も思わない、だが手数は多い方が良い。

スタープラチナが数あるスタンドの中でも、屈指の高性能を誇るのは言うまでもない。
そこに加えて超人的な身体能力を持つベルデも加わった。
並のスタンド使いやミラーモンスターが相手では、過剰戦力となる。

だがどうだ、過剰どころか容易くあしらわれるのが現状ではないか。
男二人の猛攻へ汗の一つも掻かずに捌く。
一般人の域を出ないアイドルの体だけでは不可能以前に、冗談にもならない。
可能とするは悪意の伝道師が生み出した負の遺産、究極の闇をもたらす王の精神。
それらが創りし怪物こそ、仮面ライダーアークワンである。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

拳の勢いは一切緩めない。
傍らのベルデも剣を振るう手を決して止めない。
後方から連続して発射される桜色の光弾、いろはの放つショートバスターだ。
こちらもマシンガンを思わせる勢いで放たれ続ける。
銃弾と違って装填の必要が無く、消費される魔力も少ない為ガス欠には滅多にならない。

その全てがアークワンには届かない、掠り傷すら付けられない。
右手でスタープラチナのラシュをいなし、左手でベルデの双剣を捌く。
装甲へ命中するいろはの光弾には無反応。
お世辞にもダメージがあるとは、誰が見ても口に出来なかった。

残る一人も指を咥えて見ているだけではない。
罪悪感と、時折走るノイズに苛まれるのは変わらず。
されど自分が手に掛けた少年の仲間に会い、断罪されるまでは死ぬ訳にいかなかった。

(そこだ…!)

暗殺系の職業としてキャラメイクされた肉体。
まだ稼働時間が僅かに残るアンチバリア。
二つの効果で姿と気配を隠し、ホイミンは敵の背後を取る。
アークワンが気付いた様子は無い、ここぞとばかりにスライム状へ戻した腕を伸ばす。

「ぐっ…!?」
「えっ」

苦悶の声はアークワンに変身した少女のものではない。
スタープラチナの腕に溶解液が掛かり、本体にも焼ける痛みが襲った承太郎の声だ。

新八の時のような包み込む程ではないのが幸いだ。
だが痛みを感じたのに変わりは無い。
一瞬、スタープラチナのラッシュの勢いが衰えた。
常人では知覚不可能な隙をもアークワンの機能は正確に捉え、腹部に蹴りが叩き込まれる。

「がっ…!?」

内臓を複数潰された、そう思いかねない痛みに血を吐く。
今度こそスタープラチナの攻撃も止まり、片腕を自由に。
ベルデの双剣は捌いたまま、空いた手を背後へと翳す。
掌に装着された照射口へ、アークドライバーワンからエネルギーが流れ込む。
自分の手で仲間を攻撃し固まる女に、視線を寄越さずスパイトネガを発射。

「うわああああああああああああ!?」

黒く煽情的な衣装を、よりドス黒い光で覆い隠す。
物理攻撃には耐性を持つスライムの体は、絶対防御を約束しない。
スパイトネガが肉体を蝕み、耐え難い激痛がホイミンを襲う。
ディケイド龍騎に炎を浴びせられた時とはまた違う、理解不能の苦痛だ。

「アクセルシューター!」

仲間の絶叫がいろはの焦りを加速させ、何とかせねばと別の手を模索。
ショートバスターでは効き目が薄い、ダメージが無くとも攻撃を中止させられれば。
選択したのはギニュー相手にも使った魔法。
魔力弾を操作しアークワンの顔付近を飛び回らせる。

「邪魔だな…」

なのは程の精密な操作は出来なくとも成果は有り。
顔周辺を羽虫のようにうろちょろし、蛍よりも眩しい光を放つ。
流石に鬱陶しく感じたらしく、スパイトネガの放射をホイミンから魔力弾に変更。
呆気なく掻き消され、同時にホイミンへの攻撃も一旦は止まる。
すかさず承太郎へ回復魔法を発動。
痛みが引き戦線復帰が可能となった。

「助かった。ホイミンの方も頼む」
「分かりました!」

ホイミンに駆け寄るいろはの姿はアークワンにも確認出来た。
照射口をそちらに向けようとし、ふと片手で捌く感覚が消え失せる。
緑の騎士が後退しているのが見えた。
慣れない双剣を振り回しても大して効果は無いと理解。
ベルデもまた別の手に出るべく、デッキからカードを取り出す。

『HOLD VENT』

バイオグリーザの目を模した巨大ヨーヨー、バイオワンダーを装着。
ワイヤーをしならせ鋼鉄の塊が飛来。
生身で受ければミンチ確定の衝撃を、アークワンは無手で防ぐ。
あらぬ方向へと弾かれたヨーヨーを手元に戻す間に、再度スタープラチナが拳を放った。

「おっと」

さっきまでみたいに真正面から相手をしてやっても構わない。
が、折角アークワンに変身してるのだから色々と楽しみたいのが本音。
能力の多彩さにはダグバも子供のように胸を躍らせる。

「こっちこっち」

膝部の機能により引力を操作、浮遊し承太郎達を見下ろす。
両掌の照射口から閃光を発射。
此度はスパイトネガではなく多次元プリンター機能のレーザーだ。
青い拳銃型変身ツール、ショットライザーを二丁装備。
地上目掛けて乱射する。

「ぐぅっ…!」

スタープラチナの精密性とスピードならば、銃弾を掴むのも容易い。
対ヒューマギア用の徹甲弾だろうと、一発残らず叩き落とせる。
しかし引き金を引くのはアークワンだ。
億単位の高スペックな演算能力を駆使、どの位置にどのタイミングで撃てば防がれないかを瞬時に弾き出す。
姿と気配を消したホイミンの不意打ちに対処したのも、この演算能力があってこそ。
結果、徹甲弾はスタープラチナへ面白い様に命中。
回復したばかりの承太郎の全身から血が噴き出る。
ベルデにも徹甲弾が雨あられと降り注ぐ。
再度ヨーヨーを放とうものなら、その隙に蜂の巣にされてしまう。
故にバイオワンダーを盾代わりにして、どうにかデッキの破壊だけは阻止。
痛みと屈辱に顔が歪み、仮面越しにも怒りが発せられた。

「スタープラチナ・ザ・ワールド…!」

しかし驚異的な演算能力のアークワンと言えど、時を止められれば為す術がない。
宙に浮かぶ大量の徹甲弾を薙ぎ払い、スタープラチナがアークワンの元に到達。
入門を許された時間内で叩きのめすべくラッシュを放つ。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!」

時が止まっている最中だというのに、アークワンの装甲は非常に強固。
数時間前に戦った偽りの破壊者といい勝負だ。
されど今この時だけは敵の反撃に警戒の必要も無く、一方的な攻撃が可能。

「うわっ…!?」

気が付いたら目の前に真下で撃たれていた筈の拳闘士がいて。
どうしてと思う前に装甲部へ衝撃が走り、殴り飛ばされた。
流石に驚きを隠せず、地面へと真っ逆様。
尤も、叩きつけられる前に引力操作で浮遊。
二本足で綺麗に着地した所へ、すかさずベルデとスタープラチナが接近。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」

ショットライザーを投げ捨て再び無手に。
片腕ずつで二方向からの攻撃に対処。
ベルデの武器が違う以外は最初の光景の焼き直し。
ワイヤーをしならせヨーヨーをぶつけ、弾かれては手元に戻してまたぶつける。
同じ動きを繰り返す中で、ベルデは自身に起きた変化に確信を抱く。
最初に双剣を振るっていた時から感じた、体が軽くなっていると。
動きにキレが増すだけでない、徹甲弾を撃たれた時も以前よりダメージに耐えられている気がしたのだ。
天津の肉体ではなく、ベルデのスペックが上昇したと言うべきか。
理由については心当たりがある、だが今はそれを悠長に考えている場合ではない。
何より能力が強化されたベルデであっても、苦戦したままなのだから。

「チェーンバインド!」

悪しき魔人を縛り付けるは、光り輝く魔力の鎖。
リトの体だったユーノ・スクライアが得意とする拘束魔法。
なのはもまた習得しており、その体であるいろはにもこうして使えた。
アークワン相手にどこまで拘束が続くかは不明、しかしほんの少しでも動きを止めれば上等だ。
こちらの攻撃を防ぐ手が止まり、承太郎達が一気に畳みかける。

拘束一つ、どうという事もない。
スパイトネガを放射し力任せに鎖を破壊。
両手はそのまま地面に向けて、スパイトネガを流し続ける。
乾いた道路へ水が広がるように、承太郎とベルデの足元にまで赤黒いエネルギーが伝導。
じっとしていればロクな目に合わないのは確実だろう。
鼠の外套とカードデッキ、それぞれ強化された身体能力で跳び退く。

「僕も似たようなのが出来るよ」

背後の動きに演算能力が次の行動を変身者へ伝える。
再度チェーンバインドを使う気だったようだが、一手早いのはアークワン。
片手を翳し空中浮遊にも使った機能を、今度はいろはとホイミンに使用。
アークワン自身の移動や強化だけでなく、他者の拘束にも利用可能だ。
途端に身動きの取れなくなった二人を引き寄せ、残りの二人へと叩き付けた。

「きゃっ…!」

投げ飛ばされた仲間を受け止め、承太郎達の動きが止まった。
それで良い、アークワンの狙い通り。
いろは達を捕らえた時、先に動きを見せたのは承太郎の方。
また先程の奇妙なナニカを繰り出すのだと察知、最適な対処法は実に簡単。
攻撃される前にいろは達をぶつけ、攻撃そのものの発動を止めれば良い。
時を止める能力も、そもそも能力自体を使われなければ脅威にはならない。

多次元プリンターによりアタッシュウェポンを精製。
紫色の可変型武器、アタッシュアローを構える。
滅亡迅雷.netの滅が愛用した弓型の武器は、ソニックアローに使い慣れた今なら手に馴染む。

「っ…!」
「うぅ…!」

各々迎撃に打って出るも、アークワンにはスローモーションにしか見えない。
腕を、膝を、狙った位置を正確にエネルギー矢が貫く。
出血は無く傷口から焼け焦げた臭いが漂う。
アタッシュアローを投げ捨てると、またもや新たな武器を手にした。
但し今度は精製したアタッシュウェポンではない、ダグバが手に入れた支給品である。

(もう一回あれを見たいなぁ)

ミニ八卦炉を片手に思い浮かべるのは、数時間前に撃った砲撃。
スパイトネガをエネルギー源として放ったアレは非常にスカッとする。
今度も蓮とエボルトのように同等の威力で反撃するのか、それとも全員殺されるだけか。
どちらだろうと自分は笑顔になれる、だったら実行に移すのに躊躇はいらない。

『悪意』

『恐怖』

『憤怒』

『憎悪』

『絶望』

ミニ八卦炉にスパイトネガを充填。
邪悪な輝きがより鮮烈な光を発し、生物を本能で恐怖させる威圧感が漂う。
ともすれば八卦炉自体を破壊しかねないエネルギーだ。
これを思いっきり発射した際の快感と来たら癖になる。

「っ、させない…!」

満面の笑みで悪意の砲撃を放たんとするアークワンへ、真っ先に立ち塞がったのは白い魔導師。
レイジングハートを構え先端の宝石を突き付けた。
魔力とも違うおぞましい光が一点に集中する光景、これは確実に大技が放たれる。
手にした武器へ魔力を籠める、魔法少女がマギアを使う予兆にソックリだ。
しかしこれは、いろはの知るどの魔法少女よりも、どの魔女やウワサよりもずっと強大で残酷な力。
こんなものをマトモに受けて無事でいられる筈がない。
だからこっちも持ち得る最大火力の魔法をぶつけるしかないだろう。
ギニュー相手に撃ったディバインバスター。
あれも強力であるのに疑いはないとはいえ、今必要なのは更に上の威力。
なのはが使える魔法に、一つだけあった。
使うのは初めてだがやるしかない。

レイジングハートの先端へ魔力を集中。
生み出すは桜色の翼と魔法陣。
自身がマギアを使う時よりも、もっと多くの魔力を集める。
煌めく星が力を齎す。
邪悪を打ち砕く正義を、仲間を守る意思を。

(結城さん…!)

喪失の痛みをも糧にし、立ち向かう勇気をこの一撃に籠めて。

「スターライト…ブレイカアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

『PERFECT CONCLUSION』

『LEARNING FIVE』

二つの光があった。
秘める性質は真逆、希望と絶望、救いと悪夢、善意と悪意。
たった一つの共通点は、一切合切の抵抗を許しはしない「力」だ。

「う…うううう……!!!」
「あははははははは!!!」

光を放つ少女達が浮かべる顔もまた対照的だ。
片や苦悶に歪み、片や心からの笑いが止まらない。

なのはが持つ最大級の魔法を使って尚、アークワンは拮抗している。
レイジングハートがまだなのはが時空管理局に入る前、魔法少女になりたての頃のタイプなのを考慮しても。
スターライトブレイカーの破壊力は、間違いなく一級品。
引けを取らないばかりか、押し負ける可能性も否定できないスパイトネガには改めて戦慄が隠せない。
アークワンもまた、己の砲撃を押し返さんと輝きを増す魔法に歓喜していた。
楽しい、自分は今心から笑えている。
だからもっともっと、笑顔にしてもらわないと。

「もっとだよ…もっと僕を笑顔にしてよ…!」

無尽蔵の悪意が垂れ流され、スパイトネガの勢いが増す
悪意が膨大であればある程に使用者をより強化する、正にグロンギの王の為にあるとでも言うような能力。
砲撃の勢いが増し、桜色の閃光を呑み込み全てを無に帰さんとする。

「環…!」

だがこれは、いろはとアークワンだけの戦いでは無い。
いろはにはアークワンの力の源、悪意はない。
しかしアークワンが持たない存在、仲間がいる。
一人で強大な悪に立ち向かい、歯を食い縛って堪えている姿を見せられては大人しくなど出来るものか。
スタープラチナを出現させ、隣ではベルデもカードを選択。
内面はどうあれ、ここはいろはに加勢すべきとの判断を下す。

「負けない…!絶対に…!!」

仲間の存在が、いろはを独りぼっちにしないでくれる人々が諦めない理由となる。
自分を守ってくれた、自分が守れなかった少年。
彼に助けられたこの命で、今度こそ守ってみせる。
優しさを踏み躙り笑う悪意がいるのなら、自分を守ってくれた善意で打ち砕く。

人々の希望となる魔法少女に相応しい勇姿。
きっと善意を抱く誰もが、いろはの勝利を願うだろう光景。










だからこそ、悪意の糧に相応しい。

「あれ?」

パシャンと、何かが顔に当たった。
これは一体何だろう、水ではない。
だって何だかヌルヌルしていて、料理で使うサラダ油みたいだ。
勝つか負けるか一歩も引けない死闘の真っ只中にしては、我ながら随分呑気だなと思う。
だけど本当に分からない、自分の顔に何が当たったのか。
というかそもそも、誰がこんなことを――

「ひゅえ…?」

変だ、声がちゃんと出ない。
口を開けると、頬に当たる空気が普段よりも冷たく感じてヒリヒリする。
何かおかしい、妙に熱くなってきた。
熱くて熱くて熱くて、ビチャリと何かが零れ落ちる。

「えっ、ひゅっ、ひゅいっ、ひぃあああああああああああああああああああああああ!!!??!」

熱い、痛い、熱い、痛い、熱い、痛い、熱い。
二文字が交互に頭を支配し、叫ばずにはいられない。
また地面に落ちたソレが、溶けた自分の頬と気付けたのかどうか。
意味が分からない、痛い事しか分からない。
自分の顔がどうなっているかも考えたくなくて半狂乱となり、





見えた。





見えてしまった。






「ほいひぃんひゃん……?」






吐き気を催す、醜悪な顔で笑う仲間を。

それが終わりの合図だった。

希望の光が悪意に塗り潰される。
ただでさえ勢いを増す砲撃を相手に、致命的という他ない隙。
勝敗は決した。
仲間を守る為の戦いは、その仲間の手で敗北へと誘われる。

「ぁ……」

桜色の光はもう見えない。
不屈の心に亀裂が生まれ、後はもう砕け散るだけ。
絶望が喰らい尽くす。
悪意に蹂躙され、魂の一欠片まで陵辱される。
次第に痛みすらも曖昧になる中で、いろはは己の終わりを理解した。

(結城さん……)

真っ先に思ったのは、自分を守り命を落とした少年。
結局自分がやったのは何だったのだろう。
彼に守られておきながら、その命をこうして失おうとするなんて。
申し訳なさと情けなさで泣きたくなる。

(でも…きっとジューダスさん達が…)

今も戦っているだろう剣士。
彼の言うように殺し合いを無かったことにすれば。
悲劇の始まりを世界から消してしまえば、悲しみは生まれなくなる。
この地での出会い全てが存在しなくなるのは、本当に良いのかと思う気持ちもある。
だけど殺し合いさえ起きなければ、リトは今も家族の下で平穏に生きられた筈。
ホイミンだって望まぬ殺しに手を染める事は無かった。
だから、そっちの方が良いんだ。

(そうだ…そしたら全部元に――――)

思考の片隅に、小さなノイズが走る。
唐突に浮かんだ、いや、本当は心の奥底で抱き続けた疑問。
確かにジューダスの言う策なら、殺し合いでの死を無かったことに出来る。
しかし必ずしも成功するとは限らない。
ジューダスや殺し合いに反対する者達が志半ばで倒れ、計画そのものが頓挫したら。
もしかすると、ジューダスの推測がまるっきり外れている可能性とて否定できない。
そうなったら殺し合いでの死は覆らない。

(あ……)

つまりリトは結局死んだまま。
彼だけでなく、他の善人も悪人も殺し合いでの死から永久に逃れられない。
当然それは、いろはもだ。

(やだ……)

考えたくはなかった可能性が、心へ最後の傷を刻む。
そんな事にはならないと否定したいのに、どうしたって最悪の結果にばかり行き付く。

(やだ…やだ……)

みかづき荘には二度と戻れない。
灯花とねむとは二度と会えない。
最愛の妹の存在は、永遠に人々の記憶から失われたまま。

環ういは二度と助けられない。

(やだよ…うい…うい……!やだよぉ……!)

零した涙は誰にも見えない。
漏らした嗚咽は誰にも聞こえない。
焼き潰された欠片が一つ。
魔法少女を支えた不屈の魂、その残骸。

それが唯一、少女が生きて抗った証だった。


○


タイミングが悪過ぎたと、そう言う他ないだろう。
承太郎も、いろはも、黎斗も、警戒はした筈。
またもや暴走し仲間を手に掛けるなら、今度は絶対に阻止する。
これ以上手を汚させない為にも、死んではやらない。
自分にまで毒牙を剥くなど誰が許すものか。
仲間の為と自分の為、理由は違えど一定の注意は払うつもりだった。

しかし余りにも、余りにも最悪のタイミングだ。
よりにもよって対峙する真っ最中の相手は、意識全てを掻っ攫う強敵。
他を気にする余裕を見せればロクな反応も許されず、次に発表される死亡者への追加は避けられない。
ダグバという敵は強大過ぎた。
アークワンの驚異的な悪意を前にし、全力でぶつからねば全滅必至の状況。
誰もが注意を外してしまった、それをどうして責められようか。

アークワンの砲撃に真っ向から立ち向かういろはを、ホイミンも己が目でしかと見た。
ピサロのような恐ろしい敵に一歩も引かず、歯を食い縛って戦う勇姿。
悪を倒す為、何より仲間を守るために決して諦めない。
その仲間にはホイミンも入っている。
新八を殺した自分の事まで守ろうとする彼女に、感情を激しく揺さぶられた。
彼女のような強くて優しい人間にこそ憧れ、自分もホイミスライムから人になりたいと願い、

同時に、そんな善の心を持つ少女ならきっと、
守る対象に裏切られ優しさを踏み躙られたら、さぞ絶望した顔になるんだろうなと思った。

思ってしまった時にはもう遅い。
承太郎達に倣いいろはを援護するべく伸ばした腕は、彼女の顔を獲物に選んだ。
溶解液を浴びせられたいろはがどうなったかは言うまでもない。

全てが手遅れになった後、誰もがすぐには動けなかった。
起こった事を説明すれば、ホイミンが裏切りいろはが負けたの短い言葉で済む。
とはいえ、現実の光景を即座に理解し受け入れられるかは違う。

「がぁっ…!?」
「承太郎く――ぐっ!?」

何より、敵は律儀に待ってはくれない。
砲撃が止み視界が晴れ、残った者の始末に掛かる。
拳がスタープラチナの胴体を貫き、血を吐き倒れる本体から視線を外し蹴りを叩き込む。
足底が叩くは緑色の装甲。
スパイトネガで威力は強化済みだ、紙切れのように吹き飛ぶベルデを見送らず後の一人を見下ろした。

「え…あ……え……?」

自分が何をしたのか。
目の前の光景が現実を教えるも受け入れたくない。
腕に残る頬を叩いた感触が、犯した罪から目を逸らさせてくれない。

「え、え?え…え?」

恐る恐る自分の顔に手を当てる。
そんな馬鹿なと否定の気持ちを強くし、だけど感じる手触りで理解せざるを得ない。
自分は今どんな顔をしている。
二度も仲間を手に掛け、一体どのような表情を浮かべてるのか。

「な…んで…え、あ、あ…ぼ、ぼく……なん……」

細めた目と、上向きの頬と、
何よりも、裂けたみたいに開かれた口。
最早現実逃避は許されない。
重ねた言い訳には誰も耳を貸さない。

ホイミンはいろはの死に、笑っているのだ。

「あっ、ひっ、な、ぼく、なんで、ぎゅえっ!?」

疑問も衝撃も長くは続かない。
おぞましい笑みを元に戻す必要も無くなった。
顔面を鷲掴みにする、スーツと装甲で爪まで隠した手。
掌に搭載された照射口に睨み付けられ、赤黒い光が瞳を焼く。

恐い筈なのに不思議と綺麗にも見え、それが自分を終わらせる役目を持つのだと分かった。

「あがああああああああああああああああああああああああ!!?!」

悪意の波動に包まれる。
一度食らったスパイトネガの放射を、今度は零距離で味合わされ絶叫が止まらない。
煽情的な衣装が襤褸切れと化し、その下の肌が剥がれ落ちる。
玉のように白い肌も、男を惑わす艶めかしい裸体も消え去った。
あるのは汚らしい色の粘液。
仮の形すら保てなくなり、ソリュシャン本来の姿を暴かれる。

「はは…あははは……」

体が崩壊する悪夢さながらの痛みを受けて、ホイミンはただ笑う。
そうだ、これで良いんだ。
だって自分は仲間を殺した悪い魔物。
人間から忌み嫌われ討伐されて当然の、醜い化け物じゃあないか。
そんな奴が生きているのはおかしいだろう、ここで殺されて当然だ。

「ひひ…ひひひひ……ひあははは……」

何もおかしくはない、何も間違ってはいない。
悪い魔物が罰を受けるように殺される、ただそれだけのこと。
子供達を攫ったピサロの手下がライアンに退治されたのと一緒だ。
きっとここにライアンがいても、自分を斬り殺すに違いない。

「あははははははははははははは…!!ひゃは…はははははははははははは…………」

これで良い。
新八を殺した奴は生きてちゃいけない。
いろはを殺した奴は死ななくちゃ駄目だ。
これが正しい、そうに決まっている。

だから

「ごめんね……」

今更謝ったって、全部遅いんだ。


○


手を離し地面に落ちたものを眺める。
人の形どころか、マトモな生物かも疑わしい塊。
自分達グロンギとも違う種族か何かだろうか。
そういえば、この女は腕をスライムのように変化させ伸ばしていたのを思い出す。
村から移動する途中で走る巨大な虫も見たのだし、案外そういうリントじゃ無い参加者は多いのかもしれない。

と、あれこれ考えても既にホイミンから興味は失せた。
奇妙な生き物だろうと死んだ以上はどうだっていい。
二人死んで残りも二人。
カメレオンみたいな鎧の方はまだ生きてるかもしれないが、もう一人は死んでもおかしくない。
ホイミンには最早目もくれず、目当ての標的へと視線を移す。

「へぇ…」

意外なことに、死んだものと予想した相手はまだ生きていた。
何時の間に立ち上がったのか、両足をしかと地に着ける少年は惨い有様だ。
腹部から夥しい量の血を垂れ流し、立てるのが不思議なくらい。
痛みに泣き喚く気力すら奪われるだろう重症なのに、アークワンを睨む目は力強いまま。
どれ程体が死に近づこうとも、戦意だけは失わない。

思わず感心を抱くアークワンを前に、己の状態を理解出来ない承太郎ではない。
自分には傷を治す魔法や、ペルソナのスキルといった能力は存在せず。
巨人と戦闘中だろう蓮達が加勢に来る気配も無い。
敵が今になって見逃してくれる、そんな夢物語に逃避するつもりも当然無し。
出血は止まらず立っているだけでも意識が消えそうだ。
率直に言って、現状は詰みとしか言いようがなかった。

「ぐ…承太郎君、その傷では……」

最後まで言えずに言葉を噤む声。
ベルデに言われなくとも分かり切っている。
そもそも、こうして立ち上れただけでも奇跡に近い。
だが刻一刻と近付く最後を実感しても尚、承太郎が選んだのは戦う道。
敵の顔面へスタープラチナの拳を叩き込んでやらねば、死んでも死に切れない。
仲間が殺された、仲間の凶行を止められなかった。
銀時に託されておきながらこの体たらく、あの世で責められても文句は言えまい。
燃堂に体を返してやる事も不可能となり、どれだけ詫びの言葉を口にしたって足りないくらいだ。
それでもまだ終われない。
敵と、自分への怒りをスタンドに宿して最後まで抗う。
こればかりは譲れなかった。

「檀、アンタだけでも雨宮達のとこに行け。それぐらいの隙なら作れる」
「承太郎君、それは……」
「悪いがもうくっちゃべってる余裕もねぇ。俺は野郎と――」

ケリを着ける。
最後まで言い切らず、黎斗の方には見向きもしない。
残された時間は本当に僅か。
なら黎斗には悪いが、口論を続けてはいられなかった。
アークワンは黙って様子を見るだけ。
余裕綽々な顔面に拳を叩き込んで、仮面を割るくらいはしてやる。
最後の戦いに挑むべく、血を垂らした口で己がスタンドの名を呼ぶ。





尤も、それは承太郎の望まぬ形で行われるが。





「そういうことなら精々私の為に役立ってくれ」

『ディケイドォ…』

痛みが来た。
首に何かが当たったと感じ、そこからはまともな思考も許されない。
異物が体内を侵食、肉体が別のモノへと変貌させられる。
スタンド使い同士の戦闘で受けたのとは違う、未知の痛みに目を見開き振り返った。

「テメーは…!?」

苦悶の声を相手は聞き届けたのだろうか。
承太郎が見たのは緑の騎士がガラスの破片の中に消える後ろ姿。
自身のデイパックを引っ手繰られたのすら、もう考える余裕が無い。
肉体の変化も止まらない。
四肢は太く、胴体は分厚い外皮に覆われる。
バーコードに似た不気味な模様が全身に浮かび、その顔は燃堂力のとは似ても似つかない。

「――――ッ!!!!」

散った仲間。
託した男。
残された者達。
倒すべき宿敵。
笑う緑色の騎士。

浮かぶ全てが渦に飲み込まれ消えていく。
怒りも、無念も、抗う精神も。
承太郎という少年に残るそれらもまた泥の底に沈み、二度と浮上する事はない。

たった一つ、何もかもを破壊せんとする衝動だけを残して。

強大な悪を隠れ蓑に、ホイミスライムは二度目の凶行に及んだ。
目を眩ませ、意識を奪う怪物を利用したのはもう一人。
神の頭脳を持つゲームマスターもまた、己の悪意を別の悪意で隠した。
気付いた時にはもう遅い。
悪意の牙は突き立てられた後なのだから。


○


支配者と破壊者、アークワンとアナザーディケイド。
生み出された経緯は異なる、されど秘める力の強大さは同じ。
偽りの破壊者への変身を終え間髪入れず、アナザーディケイドは衝動のままに走った。
全てを壊す、自身を突き動かす唯一の本能。
善人悪人関係無しだ、目に入る全てが破壊の対象。
グロンギの王であっても、例外ではない。

「ガアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

鼓膜が破れかねない咆哮を上げる様は、どう見ても正気では無い。
クールな態度の裏に熱き正義を秘めたジョースターの血統の面影がどこにあるという。
もし承太郎が自分の意思でアナザーウォッチを使ったら、また別の結果になっただろう。
破壊衝動に抗い、自らの精神で制御する可能性だってあった。
だが彼の意思を無視し強行された変身で、破壊衝動を抑えられる筈がない。
まして態度に出さないだけで、仲間を二人も失ったばかりの少年が動揺しないと何故言い切れようか。
新八の時と違い最初から暴走した破壊者の拳がアークワンを狙い打つ。

「良いよ、面白いね君」

アナザーディケイドの放つプレッシャーに心が滾り、一層の期待を抱く。
これだけの威圧感を放てる相手は初めてだ。
小細工無しに殴り掛かるなら自分もそれに応えてやろう。
突き出された拳同士が激突、同等の威力故か互いに弾かれ合う。
瞬間、仮面の下で浮かべた笑みは深みを増す。
悪意の象徴へと姿を変えた自分相手に戦った者は少なくない。
だが互角に渡り合えた時間は決して多くはなく、大体がスパイトネガで強化した途端に置いて行かれた者ばかり。
もしかすると、自分は今これまで以上に笑顔になれるのかもしれない。

「ガァアアアアアアアアアアッ!!!」

型も何も無い滅茶苦茶な殴打。
スタープラチナが誇る強さと頼もしさは毛先たりとも宿らない、純粋なまでの暴力の嵐。
しかし侮るなかれ、幼児の癇癪と変わらぬならば風都タワーで死闘など起こらなかった。
常磐ソウゴがオーマジオウになる必要もなかった。

「あはははははは!」

拳には拳で返す。
アークワンが打撃を繰り出し敵の一撃一撃を相殺。
無論防ぐだけではつまらない、アナザーディケイドへとこちらからも拳を叩きつけた。

両者の拳同士がぶつかり合い、時に互いへと届かせる。
装甲と外皮、生半可なダメージは通さない絶対防御。
アークワンの拳がアナザーディケイドの胴体にめり込んだ。
悲鳴を漏らしながら反撃すれば、アークワンの装甲越しに衝撃がスーツの下を襲う。

スパイトネガを始めとして、アークワンは攻撃性能が非常に高水準なのは言うまでもない。
同様に防御性能もまた、他の仮面ライダーの追随を許さない。
流体金属で形成されたパワードスーツは勿論、アークワンにはもう一つ防御力を高める機能が搭載されている。
太腿部のエネルギー障壁発生装置により装甲表面にバリアを展開。
物理的な攻撃を反発力により退ける事が可能。
アークワンに変身した或人が滅相手にあえて攻撃を受け反撃する戦法も、この防御性能の高さがあってこそ。

「あははははははははは!!」
「アアアアアアアアアアアアアアッ!!」

それらの機能を以てしても、アナザーディケイドに殴られるたびに痛みが襲い来る。
アークワンですら完全に殺し切れない威力だ、殴打を受け続けた先に待ち受けるのは死。
それこそを望んでいるとばかりに、破壊者の猛攻は止まる気配が無い。

止まる気配が無いのはアークワンも同じだ。
何度殴っても敵は倒れない、スパイトネガで威力を高め打てばめり込みくぐもった声は聞こえる。
だから効いてはいるのだろうけれど、一向に限界を迎える様子は見られなかった。

拳が互いの胸を叩き、揃って後退る。
装甲を突き破って生身の体諸共貫く勢い。
外皮は意味を為さずに、心臓まで届かされそうなパワー。
殴られた箇所から訴える痛みは軽くない、だが退きはしない。
これ程までに楽しい殺し合いを止める理由がアークワンには無く。
破壊衝動が消えない以上は、アナザーディケイドが止まる事は絶対にない。
再び拳が互いに傷を付け、血を吐き出させる。
歓喜の笑顔とそうではない感情。
正史において、五代雄介と繰り広げた最終決戦とはまた違う凄惨な拳の応酬がそこにはあった。

「アアアアアアアアッ!!!」

アナザーディケイドが右頬を叩けば、アークワンは左頬を打つ。
視界は絶叫マシーンを降りた後よりも酷くぐらつき、吐き気が込み上げる。
脳を鷲掴みにされ揺さぶられた気分だ。
よろめきながら再度後退り、同時に片手を翳す。

ドライバー部分から腕へとエネルギーを流し込む。
善意の力で無ければ、民を守護する正しき王の力でもない。
滅びを与える悪意と破壊の波動を発射、負のエネルギーが拮抗を見せる。
核が輝きを増した分だけ威力も増し、打ち消せない余波が両者を痛め付けた。

「っ…!!」
「ガァッ…!!」

揃って吹き飛ばされ距離が開く。
濡れた地面へ背を付け、天を睨みその身に祝福の雨を受ける。
火照る身体を冷やし一息つくにはまだ早い。
敵はまだ生きている。
まだまだ遊べて笑顔になれる。
生きているのは許せない、破壊しなくてはならない。

「グゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ…!!!」

アナザーディケイドの腰部分、世界の破壊者のドライバーに似た装飾が発光。
溢れ出たエネルギーは今しがたのように直接ぶつけるのではない。
より強力な一撃で破壊を完了させるのだ。
カード型のエネルギー体が作り出され、決着へ導く道となる。

『PERFECT CONCLUSION』

『LEARNING END』

アークワンが放つのもまた最大の一撃。
指輪の魔法使いを仕留め、絶対的な絶望を見せ付けた力を今一度叩き込む。
アークローダーを押し込む回数は10。
人類が犯した大罪を並べ立てる。
悪意こそがアークワンの力の源、滅ぶべき人類の存在がアークワンを強くするのだ。
睨み合うのは一瞬、跳躍し跳び蹴りを放つ。
威力は共に最上級、どちらが滅んでもおかしくはない。
足底同士が激突、互いに今の位置からは押し込ませないし押し込めず拮抗。
されど、長くは続かなかった。

「グ…オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」

火花が散り勢いが弱まる。
破壊者の肉体が崩壊を始める様は、死が彼を引き摺り落とさんとするかの地獄。

変身後の力がどれだけ高くとも、変身前はそうもいかない。
アナザーウォッチを埋め込まれた時点で既に、承太郎は満身創痍の状態。
殺し合いから退場するのも時間の問題だった。
消える寸前の灯をアナザーウォッチの力でほんの少しだけ、先延ばしたに過ぎず。
疲弊と傷を負いながらも、未だ死には程遠いダグバを相手に勝てるか否か。
口に出すまでもない答えが現実のものとして、二人だけの戦場に広がっている。
此処に正義はない。
最後の時まで抗う誇りの意思は穢され、暴力に支配された殺し合いが行われただけ。
承太郎の魂はきっと、アナザーウォッチを埋め込まれた瞬間もうこの世にはなかったのだろう。

「ッ!!!!!!!!!!!!」
「楽しかったよ、バイバイ」

破壊者の見る景色は黒に染まる。
悪意に彩られた光景に、ほんの少し付け足すとすれば。
破壊の衝動が仲間に向けられる事無く、滅びを与えられた。
それが唯一の救いなのかもしれない。


こうして悪意に蹂躙された者達の舞台は幕を閉じた。
されど物語はまだ終わらない。
憎悪の巨人と抗う戦士達、その続きを見るとしよう。


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