atwiki-logo
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このウィキの更新情報RSS
    • このウィキ新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡(不具合、障害など)
ページ検索 メニュー
チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
ページ検索 メニュー
  • 新規作成
  • 編集する
  • 登録/ログイン
  • 管理メニュー
管理メニュー
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • このウィキの全ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ一覧(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このwikiの更新情報RSS
    • このwikiの新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡する(不具合、障害など)
  • atwiki
  • チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
  • Iにさよなら
  • ワタシが■■クで仮■ラ■■ー

チェンジ・ロワイアル@ ウィキ

ワタシが■■クで仮■ラ■■ー

最終更新:2024年02月17日 00:26

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
←

ダグバとエボルト。
両者に共通している点は複数あれど、この状況で最も注視すべきは二つ。

第一に、肉体の持ち主が同じ世界に住まう人間。
イルミネーションスターズの櫻木真乃。
アルストロメリアの桑山千雪。
283プロダクション所属のアイドル達。
満天の星空のように輝くステージで人々を魅了し熱狂させる、命の奪い合いとはかけ離れた彼女達こそグロンギの王と星狩りの怪物に用意された器。

第二に、肉体側の意識が復活している。
一回目の定時放送後、それぞれ別のエリアで起きた戦闘が切っ掛けとなり本来は起こり得ない事態が現実のものになった。
但し、今現在に至るまで彼女達の意識へ主催者が何らかの干渉を試みた形跡は皆無。
竈門炭治郎や関織子のように殺し合いの進行へ支障を来すでも、不確定要素が強い訳でも無い。
その為主催者からも現状は放置しても問題無しと見なされたのだろう。
対処を施された二名と違い、彼女達の意識は未だ健在。

二人の間に違いがあるとすれば、肉体の意識の存在を把握しているか否か。
アーマージャック殺害後、千雪の存在に気付いたエボルトはこれまで幾度も言葉を交わしている。
一方ダグバは時折違和感を感じることはあれど、真乃の存在を明確に認識出来てはいない。
そもそも、自分の体になっている少女の意識が復活した可能性を考えてもいなかった。
ダグバが殺戮を繰り返す度に訴えかけた悲痛な懇願は、全て膨大な悪意に阻まれ届かない。
優勝か脱落か、或いは黒幕である矢に選ばれた一匹のスタンド使いの思惑通りになるか。
結末が如何様であれ、ダグバが真乃の意識に気付く事は終ぞ無かっただろう。

アークワンへの変身が行われなければ。

ハルトマン殺害の時に始まり、アークワンプログライズキーの影響で真乃の精神は悪意に汚染されて来た。
そこへ更なる悪影響を齎したのは、アークワンに搭載されたある一つの機能。
額部分の赤い結晶、アークシグナルワンは一種の制御装置の役割を果たす。
と言ってもゼロワンのように変身者の安全を保障するのとは全く別物。
アークシグナルワンとは、変身者が抱く悪意以外の感情を鎮静化させ、アークワンの能力を最大限に引き出すことを目的に作られた。
つまり善意による悩みや葛藤を不要と見なし排除、常に悪意のみを前面に押し出した状態となる。
復讐に囚われているとはいえ、或人が不破諫達の言葉に耳を貸さず猛威を振るったのもアークシグナルワンの影響を受けた為と推察される。

元々無邪気な悪意を隠す気も無く振舞っていたダグバには無用の機能。
しかし真乃にとっては違う。
放送前に街で蓮達と戦った際、一瞬だけとはいえ千雪の体を持つエボルトを殺すことに暗い喜びを覚えた。
そこから承太郎達相手に三度目の変身、そして今回で四度目の変身を行ったらどうなるか。
アークシグナルワンは真っ当な倫理観や殺人への強い拒否感を削ぎ落とし、アークワンプログライズキーによる汚染は更に進行。

結果どうなったかは、現在のダグバに起きた現象が答えだ。
千雪の肉体を持つエボルトの殺害へ、強く同調してしまった。
ダグバと同じく、楽しそうだと賛同した。

それこそがダグバへ大きな違和感を抱かせるとは知らずに。
エボルト/千雪を殺せば楽しいと感じる心は同じ、けれど理由が異なる。
なまじ同調したことで、真乃の存在へ気付く切っ掛けになったのは皮肉と言う他ないだろう。
ここに来てようやく、己の精神へもたれ掛かるもう一人の存在を知った。

「君……誰……?」

王は偶像は初めて言葉を交わす。
決して相容れない笑顔の価値観を持つ両者の邂逅。






――DRAGON!STEAM SHOT!DRAGON!――





それは王を敗北へ誘う破滅の序章。
蛇は獲物を仕留める瞬間を決して見逃さない。
王の意識は偶像に移り変わった。
まるで星々に引き寄せられる、数多の愚衆のように。

輝きに近付き過ぎた者とは、えして己の失敗を悔いる間もなく燃え散る。
此度もそう。
王を喰らうは巨大な赤龍。
突き立てられた牙は悪意の鎧を食い破り、敗残兵の如く膝を付かせた。
アークワンの手を離れ、ミニ八卦炉が彼方へと落下。
使い手を失ったマジックアイテムは脅威にならず、溜め込んだ悪意もあえなく霧散。

「っ゛…!あ……!」

武器を手放したことなど最早アークワンの頭には無い。
不意を打たれたのを考慮して尚も、想定以上のダメージだ。
柔らかな少女の体を激痛が蝕み、仮面の下で血を垂らす。

仮にブラッドスタークがフルボトルのエネルギー弾を撃っていたらこうはならなかった。
多少の衝撃こそあれど、高性能なアークワンの装甲には無意味。
だが今しがたトランスチームライフルに装填されたのはエボルボトル。
葛城忍や桐生戦兎ですら正体を割り出せなかった、未知のエネルギーを内包した星狩りの兵器。
エボルドライバーが地球産のライダーシステムを凌駕するように、エボルボトルもまたフルボトルやロストボトルとは比べ物にならないエネルギーを秘めている。
まして使われたのは、正史において万丈龍我が己の闘志を糧に進化させたグレートドラゴンエボルボトルだ。
よりにもよって宿敵である地球外生命体の助けとなったのは、笑い話にもならない。

攻撃の正体が何であれ、アークワンに大打撃を与えたのは変わらない事実。
勝利への追い風が吹いたのを確信し決着を付けに行く。
ただでさえ体力に余裕が無いのだ、無駄に長引かせる理由はどこにもない。

「っ!!ははは…!」
『チッ…』

発光する照射口が見えボトルの再装填を中断。
スパイトネガが地面に流し込まれ、剥き出しの土としぶとく生き延びた草花が黒く染まる。
黙っていれば自分の足元まで到達されるのは確実。
飛び退き安全圏まで移動、アークワンに与える死が数歩遠ざけられた。

「あはははははは…!!!」

『悪意』

『恐怖』

『憤怒』

『憎悪』

『絶望』

震える両足で立ち上がり、悪意を幾つも並べ立てる。
体が痛い、息が上がる、数時間前の殴り合いの時と良い勝負だ。
その全てが楽しくてたまらない。
痛みに蝕まれ、追い詰められ、死が近付きつつある恐怖。
それらを実感すればする程笑顔が溢れ出す。

『闘争』

『殺意』

『破滅』

『絶滅』

『滅亡』

並び立つ者のいないンの階級。
上り詰めた究極の闇をもたらす者の座に不満は無い。
けれど、きっとどこかで耐え難い渇きを感じていた。
満たされぬ空虚さを秘め続けていたのだと、今になって思う。

『PERFECT CONCLUSION』

なればこそ、今この瞬間は本当に楽しい。
本来の肉体ではないのを加味しても、これ程に命の危機を感じるのが。
干乾びた器を潤す、死闘という名の美酒が注ぎ込まれる。
大人しく倒れてなどいられない。
だって敵はまだ生きている、自分もまだ生きているのだから。
腹を空かせた幼子のように、もっともっとと際限なく己の笑みを求め続ける。

怖気が走る程に醜悪で、息を呑むまでに純粋。
矛盾を孕んだ王の願いをぶつけられ、蛇は手にした銃を下ろす。
諦めからではない、真に闘争へ終止符を打つ者の存在を感じ取ったが故。

「ペルソナ!」


◆


時を少し遡る。
二体の悪がぶつかり合う一方で、怪盗もまた闘争に身を投じた。

視界いっぱいに広がる触手、触手、触手。
獲物を貫き引き摺り込む矛であり、脅威を寄せ付けない盾。
攻防一体の凶悪極まる千の翼こそオリジナル態最大の武器。
一本一本に殺意を宿し、嵐の如く降り注ぐ。

「マガツイザナギ!」

なれど対する少年もまた、捕食を待つだけの無力な餌に非ず。
内に巣食う弱さの仮面を剥がし、反逆の意思へ覚醒したペルソナ使い。
無限の可能性を秘めた、或いは囚われの象徴たるワイルドの能力は健在。
この地で新たに結んだ絆の一つ、道化師のアルカナが力を示す。

「ペルソナ!」

両手で豪快に長得物を振り回し、片っ端から触手を蹴散らす。
名前の通り木っ端微塵に切り刻まれ、死にかけのミミズのように地面へ落ちて行く。
体液と残骸に彩られた地面を駆け抜け、オリジナル態へと接近。
自らに迫る黒い怪人を確かな脅威と認識、切断を免れた触手で迎撃。

頭上から串刺しにせんと襲い来る二本を銃剣で弾く。
元より使い慣れたリーチの刃物だ、パレス内で培われたナイフ捌きは衰えていない。
次いで二方向から突き出された触手にも銃剣で対処。
だが先程と違い刀身にぶつかる寸前で軌道を変え、銃剣をすり抜けジョーカーへ迫る。

「アルセーヌ!」

最初に手にしたペルソナであり、己の分身たる怪人。
爪が触手を防いだ傍から、今度は六つの腕で殴打を仕掛けて来た。
腕力は見掛け倒しでは無い、人間一人殴り殺すのは余りに容易い。

「ぐっ…!」

両腕を交差し防御の構えを取った直後、鈍い痛みが連続して発生。
装着されたブレスが腕力を強化しているとはいえ、オリジナル態とて人間以上の能力を有する。
何時までも耐え切れるものではなく、ここに触手まで加わればどうなるかは火を見るよりも明らか。

「ケツアルカトル!」

絆を結んだ園児同様、嵐を巻き起こす蛇神を召喚。
ガルダインが叩きつけられ、疾風に切り裂かれながらオリジナル態は後退。
アマゾン故の重量で吹き飛ばされこそしなかったものの、ジョーカーとは距離が開く。
だが多少遠ざけられたとて無問題、触手を伸ばし仕留めれば良いだけだ。

「ペルソナ!」

街でも手を焼かされたオリジナル態の手数の多さはやはり厄介。
ペルソナを変え、ジョーカー自身の能力を駆使しても対処が間に合わない。
共犯者の援護も期待できない状況で、取るべき手を惜しんではいられなかった。
再度マガツイザナギにチェンジ、ヒートライザでステータスを強化。
SPをごっそり消費した甲斐も有り、触手を捌く動きのキレが数段増す。

銃剣で弾き、時には腕で防御。
耐久力も上昇した事で触手が当たってもダメージを抑え、傷付かずに済んでいる。
ヒートライザの効果が発揮される内に手を打たねばなるまい。

「アルセーヌ!」

召喚したペルソナと共に放つ回し蹴り。
ディケイドや斬月・真相手にも使った技は、ステータス強化の恩恵で勢いも上昇。
六腕に防がれ胴体への打撃こそ届かなくとも、後退し隙を作らされた。
狙い所はここしかない。

「奪え!」

頂戴するのは命に非ず、理性を捻じ伏せ暴れ狂う獣の本能。
夢見針が突き刺さりオリジナル態を睡魔が襲う。
途端に動きが鈍り始め、揺蕩う触手の群れも力無くバタバタと落ちて行った。
巨人との戦闘で蓄積された疲労が色濃く残る相手には効果覿面。
かくいうジョーカーも体力は回復し切っていない為、余裕があった訳ではないが。

小さな呻き声すら徐々に聞こえなくなるオリジナル態に、一先ず何とかなったと判断。
一つが片付けばもう一つの方もどうにかしなくては。
猛威を振るい続ける怪人を引き受けた共犯者の元へ、逸る気持ちを隠さずに駆け付ける。


◆◆◆


鞭よりもしなやか、それでいて鋭い蹴り。
アルセーヌが放った一撃はアークワンの隙を突くには至らず、あっさり身を捩って躱される。
お返しとばかりに裏拳が腹部を叩きアルセーヌは消滅。

「がっ…」

ペルソナのダメージはペルソナ使いにもフィードバックし、激痛に呼吸が止まり掛けた。
ヒートライザで耐久力を上げたにも関わらず、単なる打撃でこの威力。
敵の強大さに改めて戦慄が駆け巡るが、今は痛み一つに構っていられる状況ではない。

マズいものが来る。
アークワンから放たれる殺意と、ドライバー部分に収束されるスパイトネガ。
細胞全てが刺激され、呼吸が止まりかねないプレッシャーに取るべき手をすぐさま弾き出す。
生半可な抵抗を重ねた所で無駄、持ち得る全てで対抗せねば終わりは免れない。

「マガツイザナギ!」

長得物を地面に突き刺し力を溜め込む。
ヒートライザを使った時とはまた別の、己の内へ薪をくべ闘志を燃え上がらせる感覚。
チャージ。コンセントレイト同様次に使うスキルの威力を倍以上に引き上げる。
銃に弾丸を装填する、敵を仕留める準備段階と言うべきスキルだ。
アークワンはどれだけ念を押したとて足りないくらいの強敵なのだから。

『LEARNING END』

着火した導火線がやがては爆発するように。
溜め込まれた悪意が解き放たれる。

十段回のアークローダーにて放つ最大威力の蹴り技。
蒼穹を暗黒に染め、黄金の精神を闇に閉ざした支配者(アーク)による処刑。
宿す意思は、かの人工知能やヒューマギアが掲げた人類滅亡とは違う。
されど人間に、生ける全ての命を脅かす悪に変わりは無く。
また一つ、希望が潰える地獄を創り上げるべく王の判決が下された。

忘れるなかれ。
希望は永遠に続かず、希望の後に新たな絶望がやって来る事は誰に否定できない。

「セト!」

だが絶望もまた永遠には続かない。

悪意が闊歩し蹂躙する悪夢を終わらせる、善意の使者が現れないと何故言い切れよう。
復讐者に堕ちた青年が、悪意を振り切り夢を取り戻したように。
2000の技を持つ青年が、命を奪う耐え難い痛みとの戦いの果て、皆の笑顔を守り抜いたように。

「ペルソナァッ!!!」

怪盗の意思に従い、黒龍が主に勝利あれと叫ぶ。
敵が悪意を得物とするなら、こっちはこれまでに得た絆こそが何よりの武器。
たった一人で君臨する王と、仲間と共に勝利を手にする少年。
異なる力による拮抗を制したのは、後者。
暴虐の魔獣を滅ぼす銀の弾丸の如き、悪意に終焉を齎す一撃。
善意が悪意を貫き、撃ち落とした。

何処までも広がる空を追い出され、地虫のように這う様は敗北者の三文字以外に有り得ない。
悪意の鎧は消失し、横たわるは少女の殻に閉じ込められた王。

「っ…!……!!」

言葉らしい言葉も出ず、呼吸すらも猛烈な痛みに変わる。
生きてこそいるがそれだけだ、戦闘が可能だとは誰も口に出来まい。

ワンショットキル。現在の蓮が使える最大威力のスキル。
チャージ使用による強化だけではない。
エボルトに負わされた傷と、これまでの戦闘で蓄積した疲労。
刈り取った命と終わった筈の闘争へ少しずつ足を取られ、此度の敗北へと繋がった。

「……っふぅ!」

勝利を理解したジョーカーもどっと息を吐き膝を付く。
疲労が抜けぬままに戦闘を行い、度重なるスキルの行使。
更には強敵と真っ向からぶつかり合う緊張感。
おまけに打ち勝ったとはいえ、アークワンが放ったのもまた最も強力な蹴り技だ。
直接叩きつけられなくとも、スパイトネガの余波で体中が悲鳴を上げている。
心身共に負担は軽くなく、何も考えず地面へ身を投げ出したい衝動に駆られた。

「――――――ッ!!!!!!!!」

疲れで鈍り出す思考を強制的に引き締めさせる咆哮。
緩め掛けた気は再び警戒を取り戻し、弾かれたように振り返る。
いや、見なくとも分かったはずだ。
臓腑を震わせ戦慄を抱く、同時にどこか物悲しさも感じずにはいられないこの声。
誰が発しているのか、一々考えるまでも無い。

「アルフォンス!?」

名前に反応した訳では無いだろうけれど、叫び声が一層大きくなった。
六つの拳を固く握り、牙を何度も打ち鳴らし、触手が天を高く突き上げる。
意識を眠りに落とされた筈の獣は、完全な覚醒を果たし存在を知らしめた。

アルフォンスがオリジナル態に姿を変えたのはこれが初めてではない。
チェンソーの悪魔とアナザーカブトを相手に繰り広げられた、三つ巴の戦闘。
暴走し巨人と化した康一を止める為の戦い。
それぞれの闘争の場においてダメージを受け、アマゾンの本能が生を強く訴えかけた。
疲労や痛みに慣れていないのもあって抵抗虚しく、二度も暴走を許してしまったのである。

しかし今回起きた暴走と比べるとおかしな話ではないだろうか。
斬月・真との戦闘で、アルフォンスは攻撃を一度も受けていない。
死へ警鐘を鳴らすトリガーとなる事態は起きてないにも関わらず、三度目となる暴走が引き起こされた。

死の回避と生への渇望以外にオリジナル態への変身を促す原因は何か。
答えは簡単、空腹だ。
村付近での戦闘、巨人との命懸けの追いかけっこ、そして街での騒動。
数時間の間に行われたこれらはアルフォンスの体力を奪い取り、空腹をより深刻化させるのに何役も買った。

更に千翼が生まれながらに持つ食人衝動もまた、今回の原因の一つ。
遅かれ早かれ起きただろう事態が、生身の真乃を目にしたタイミングで発生してしまった。
垂れ落ちる血の匂いが空腹を刺激し、アマゾンの本能を呼び覚ましたのだ。
眠り針の効果で夢の世界に閉じ込められた意識も、アークワンの変身が解除され重傷のダグバが生身を晒した事で急激に覚醒。
風に運ばれ鼻孔へ届いた血の匂いが、再び目にした生きたタンパク質が、獣を檻から解き放った。

オリジナル態に悪意はない。
宿るのは生きたいという生物ならばありふれた、ごく当たり前の願い。
生きる為に喰らう。
生きる為に殺す。

ただそれだけのことでしかない。

「アルフォンス…!なっ……」

夢見針は確かに効いた筈なのに、どうして目を覚ましたのか。
疑問への答えを呑気に探す暇はない。
オリジナル態が暴れ出す前にもう一度大人しくさせなくては。
決断は迅速でも、体が動き出すのに若干のタイムラグが生じる。
疲労が足を引っ張り、結果オリジナル態に後れを取った。
触手が両脚に巻き付き拘束、持ち上げられ体が地面から離れて行く。
幸い両手は自由なまま。
銃剣で拘束を脱しようと腕を振るうも、オリジナル態が気付かぬ訳がなかった。

「ぐぅっ!?」

離れた筈の地面が次の瞬間には視界一面に広がる。
頭から叩きつけられ、見える光景が蜃気楼のようにボヤけ出す。
脳を鷲掴みにして揺さぶったのではと思ってしまうくらいに、視界が安定しない。
余計な抵抗を力技で封じ触手を引き戻せば、ジョーカーを待ち受けるのは六腕による手洗い歓迎。

「がっ、ぐぁっ…!」

視界が戻り掛けた直後から襲い来る殴打の嵐。
ペルソナを召喚する余裕も与えられず、宙吊りのままサンドバッグにされた。
今度は拳で地面に叩きつけ、弾みでロストドライバーがメモリ共々外れ生身を晒す。
蓮はぐったりと倒れたまま動かない。

SPや体力の消費が大きいスキルを使い、元々余裕が無かった所へ追い打ちを掛けられたのだ。
限界が来て意識を手放したとて無理もない。
オリジナル態にとっては己の生を脅かす障害が沈黙し、生きる為の栄養源と化した。
空きっ放しの腹の中を満たせる存在を無視する理由がどこにあるのか。
打ち鳴らされた牙の間から涎が滴り落ちる。

――ICE STEAM!――

怪盗団の仲間は不在、だが共犯者はいる。
結んだ関係を断ち切るつもりは今の所無し、ならば蓮の危機を見過ごしはしない。
バルブを回して効果を付与した特殊弾を発射、六腕と蓮に伸ばされた触手が凍り付く。

『ピンチの場面で助け合ってこその相棒、ってな』

邪魔な触手を撃ち落としながら蓮を抱えて後退。
凍結を解かれたオリジナル態が見たのは、己の食事を邪魔する赤い装甲の怪人。
同じく自由を取り戻した触手を向かわせるも、避けられた挙句に銃で狙い撃たれた。
大人一人を抱えたままだというのに、ブラッドスタークの動きは軽快そのもの。
尤も仮面の下では額に汗を浮かべる辺り、疲労による限界はじわじわと近付きつつある。

(さて、どうしたもんかね)

触手へ対処しながら思考を冷静に働かせる。
余裕ぶった態度を取っているが体力的にも戦闘が長引くのは避けたい所。
自分一人ならともかく、今のコンディションで蓮を守りながらは流石に骨が折れる。
せめて後もう一人、使える参加者が欲しかった。
別行動中の協力者達が現れる気配は変わらずなし。
蓮も目を覚まさない。
ああつまり、

非情に都合が良い状況が出来上がってるという訳だ。

跳躍して触手を回避。
トランスチームライフルを分離し、スチームブレードを地面に突き刺して冷気を噴射。
オリジナル態の足元まで伝い、青色の異形を凍り付かせる。
これで僅かながら時間は稼げるだろう。

降り立った先の足元には仰向けに倒れた少女。
苦し気な顔でこちらを見上げ、バイザー越しに視線がかち合う。

(やっぱりそういう奴だよなぁ?)

言葉は無い、傷の痛みに話すのも億劫なのだろう。
しかし少女の目は未だ死んでおらず、貪欲な輝きがあった。
まだだと、まだ戦いたい、殺し合いたい。
もっと笑顔になりたいと、そう告げている。

何ともまぁ底なしの欲の持ち主だ。
野心に憑りつかれた三都の政府関係者や、難波重工とは違う。
人の枠に収めることが間違いの狂気を真っ向から受け止め、微塵の恐怖も抱かず笑う。
戦いたい?暴れ足りない?結構なことだ。

『なら願いを叶えてやるよ』

――DEVIL STEAM!――

スチームブレードから噴射されたガスが少女を包み込む。
願いを叶える、その言葉に嘘はない。
だが男は心優しい魔法使いでも、陽気なランプの魔人でもない。
ほんの僅かに使い道の残ったちっぽけな命へ、最後の役目を与えてやっただけ。

自分の体が変貌していく感覚へ、何かを思うこともできない。
恐怖、怒り、抱いて当然の感情は標的の排除という命令に上書き。
煙が晴れた時、そこにうら若きアイドルの姿はどこにも無かった。

氷山を思わせる肩部に氷柱が生えた胴体。
クラゲのような触手を垂らした異形の名はアイススマッシュ。
人間にネビュラガスを注入する事で生まれる怪人の一種。
本来スマッシュを生み出すには、実験施設でネビュラガスを注入する工程が必要不可欠。
しかしブラッドスタークやナイトローグの装備には共通して、ネビュラガスの散布機能が搭載済み。
これにより実験を経ずスマッシュの量産が可能なのだ。

スマッシュ化した人間は基本的に意思疎通不可能であるも、自身をスマッシュに変えた相手には従う。
ブラッドスタークの命令を受けオリジナル態へ突撃、異様に突出した爪を突き刺す。
アークワン程の高スペックは無くとも、ただの人間では太刀打ち不可能な力だ。

尤もそれはオリジナル態も同じ。
凍結を力任せに抜け出し新たな獲物へ殺意が集中。
難なく爪を掴み肉体への到達を阻み、反対に複数の腕で殴り付ける。
アイススマッシュがもう片方の爪を振るうも効果なし、拳を叩きつけられ怯む。

無意味に時間を掛ける趣味はオリジナル態にない。
触手を操作し紙切れ同然に引き裂こうとし、急に触手のコントロール不能となった。
見れば、アイススマッシュへ向かわせた触手が凍結状態に陥っているではないか。
先程と同じ現象だがブラッドスタークは何もしていない。

スマッシュは人間以上の身体能力と耐久性の他、個体毎に固有の能力を発揮可能。
飛行能力や分身など、フルボトルの成分元となっただけあって種類は多岐に渡る。
アイススマッシュは名前と見た目の通り、氷を操る力の持ち主。
体内器官が氷を生み出し、氷柱状の矢に変え撃ち出した。

命中した対象を凍結させる矢。
厄介ではある、しかし対処不可能かと言えばそれは否。
オリジナル態を殺すにはまだ足りない、凍結を免れた触手が無数に動き出す。

そちらも同じく凍らせるだけと氷柱を発射。
片っ端から凍らせようと連射するが当たらない。
触手は全てオリジナル態の意のままに動き、対象を確実に殲滅する役目を持つ。
目を見張る軌道を描きながら氷柱を躱し、アイススマッシュへ突き刺さる。
既存の生物には当てはまらない奇怪な叫び声にも心動かされず、自らの元へ触手を引き寄せた。
六腕が顔面や四肢を万力のように締め付け、触手と共に全身を引き裂くべく力を籠める。

『お勤めご苦労さん。初仕事にしちゃあ悪く無かったぜ』

理性無きオリジナル態の背を駆け巡る悪寒。
野生動物に近い本能が警鐘を鳴らし、死が近付きつつあると急かす。
強き者が弱き者を食らう、されど食らった者が食われる者へとなる事も多々あるのが戦場。
いつだって蛇は毒牙を研ぎ、機会の訪れを待ち続けているのだから。

『CIAO♪』

気付いた時には手遅れ。
視界が赤く染め上げられる。
血をぶち撒けたかの真紅が異形達を閉じ込める。
神経を逆撫でする声も彼らの元には届かず、鮮血の渦へ溶けて消えた。

→

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
タグの更新に失敗しました
エラーが発生しました。ページを更新してください。
ページを更新
「ワタシが■■クで仮■ラ■■ー」をウィキ内検索
LINE
シェア
Tweet
チェンジ・ロワイアル@ ウィキ
記事メニュー

メニュー

  • トップページ
  • プラグイン紹介
  • メニュー
  • 右メニュー


SS

本編

  • OP
  • 投下順
 ・【0~50】
 ・【51~100】
 ・【101~150】
 ・【151~200】
  • 時系列順
 ・【第一回放送までのSS】
 ・【第二回放送までのSS】
 ・【第三回放送までのSS】
 ・【第四回放送までのSS】
  • 追跡表
  • 書き手紹介

登場話

  • 【登場話候補作】
  • 【登場話候補作】(採用)

番外編

  • 没SSまとめ

資料

  • ルール
  • 地図
  • 現在位置
 ・定期放送時の参加者現在地図(身体)
  • 参加者名簿
 ・参加者名簿(組み合わせ)
 ・参加者名簿(参加者向け)
 ・参加者名簿(ネタバレ)
  • 死亡者情報
 ・第一回放送までの死亡者
 ・第二回放送までの死亡者
 ・第三回放送までの死亡者
 ・第四回放送までの死亡者
  • 死亡者名鑑
  • 支給品情報
 ・支給品一覧
 ・支給品解説
 ・支給品経過
  • タイトル元ネタ
 ・タイトル元ネタ【0~50】
 ・タイトル元ネタ【51~100】
 ・タイトル元ネタ【101~150】
 ・タイトル元ネタ(候補作)


関連リンク

  • 俺ロワ・トキワ荘:http://jbbs.shitaraba.net/otaku/12648/
  • 本スレ①:http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1615384066/
  • 本スレ②:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1633849195/l30
  • 本スレ③:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1664632643/l30
  • 本スレ④:https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/12648/1706338338/l30
  • したらば掲示板:https://jbbs.shitaraba.net/otaku/18420/
  • 2chパロロワ事典@wiki:https://w.atwiki.jp/wiki11_row/


リンク

  • @wiki
  • @wikiご利用ガイド




ここを編集
記事メニュー2

更新履歴

取得中です。


ここを編集
人気記事ランキング
  1. 第三回放送までの死亡者名鑑
  2. 死亡者名鑑
  3. 残された傷跡は(前編)
  4. 残された傷跡は(後編)
  5. 第一回放送までの死亡者名鑑
  6. エボルトのパーフェクトえいゆう教室
  7. 涙の果ては此処ではない
  8. 参加者名簿
  9. こち亀の載ってないジャンプなんて玉子丼から卵を抜いたみたいなもん
  10. 【クレヨンしんちゃん】【ゴールデンカムイ】【斉木楠雄のΨ難】の追跡表
もっと見る
最近更新されたページ
  • 33日前

    Eにさよなら/流れ星が消えるまでのジャーニー
  • 33日前

    閑話:サバイバー
  • 33日前

    Awake
  • 33日前

    早すぎるΨ会?
  • 33日前

    【クレヨンしんちゃん】【ゴールデンカムイ】【斉木楠雄のΨ難】の追跡表
  • 33日前

    【鬼滅の刃】の追跡表
  • 33日前

    【鋼の錬金術師】【ポケットモンスターシリーズ】【無能なナナ】の追跡表
  • 33日前

    ◆5IjCIYVjCc
  • 33日前

    書き手紹介
  • 33日前

    【第四回放送までのSS】
もっと見る
人気記事ランキング
  1. 第三回放送までの死亡者名鑑
  2. 死亡者名鑑
  3. 残された傷跡は(前編)
  4. 残された傷跡は(後編)
  5. 第一回放送までの死亡者名鑑
  6. エボルトのパーフェクトえいゆう教室
  7. 涙の果ては此処ではない
  8. 参加者名簿
  9. こち亀の載ってないジャンプなんて玉子丼から卵を抜いたみたいなもん
  10. 【クレヨンしんちゃん】【ゴールデンカムイ】【斉木楠雄のΨ難】の追跡表
もっと見る
最近更新されたページ
  • 33日前

    Eにさよなら/流れ星が消えるまでのジャーニー
  • 33日前

    閑話:サバイバー
  • 33日前

    Awake
  • 33日前

    早すぎるΨ会?
  • 33日前

    【クレヨンしんちゃん】【ゴールデンカムイ】【斉木楠雄のΨ難】の追跡表
  • 33日前

    【鬼滅の刃】の追跡表
  • 33日前

    【鋼の錬金術師】【ポケットモンスターシリーズ】【無能なナナ】の追跡表
  • 33日前

    ◆5IjCIYVjCc
  • 33日前

    書き手紹介
  • 33日前

    【第四回放送までのSS】
もっと見る
ウィキ募集バナー
急上昇Wikiランキング

急上昇中のWikiランキングです。今注目を集めている話題をチェックしてみよう!

  1. Dance Dance Revolution SP総合wiki
  2. 世界樹の迷宮X wiki
  3. 本好きの下剋上 有志まとめwiki@5ch
  4. トリコ総合データベース
  5. ダイナマイト野球3D
  6. EDF5:地球防衛軍5@Wiki
  7. 検索してはいけない言葉 @ ウィキ
  8. アサルトリリィ wiki
  9. 固めまとめWiki
  10. Fate/Grand Order @wiki 【FGO】
もっと見る
人気Wikiランキング

atwikiでよく見られているWikiのランキングです。新しい情報を発見してみよう!

  1. アニヲタWiki(仮)
  2. ストグラ まとめ @ウィキ
  3. ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~
  4. 初音ミク Wiki
  5. 発車メロディーwiki
  6. 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  7. 検索してはいけない言葉 @ ウィキ
  8. 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
  9. Grand Theft Auto V(グランドセフトオート5)GTA5 & GTAオンライン 情報・攻略wiki
  10. オレカバトル アプリ版 @ ウィキ
もっと見る
新規Wikiランキング

最近作成されたWikiのアクセスランキングです。見るだけでなく加筆してみよう!

  1. まどドラ攻略wiki
  2. MadTown GTA (Beta) まとめウィキ
  3. シュガードール情報まとめウィキ
  4. R.E.P.O. 日本語解説Wiki
  5. SurrounDead 攻略 (非公式wiki)
  6. Dark War Survival攻略
  7. シミュグラ2Wiki(Simulation Of Grand2)GTARP
  8. カツドンチャンネル @ Wiki
  9. Wplace Wiki
  10. AviUtl2のWiki
もっと見る
全体ページランキング

最近アクセスの多かったページランキングです。話題のページを見に行こう!

  1. 参加者一覧 - ストグラ まとめ @ウィキ
  2. 我孫子 清十郎 - ストグラ まとめ @ウィキ
  3. 魔獣トゲイラ - バトルロイヤルR+α ファンフィクション(二次創作など)総合wiki
  4. ウイングガンダムゼロ【EW】 - 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  5. 稼ぎ - 地球防衛軍6 @ ウィキ
  6. ミッション攻略 - 地球防衛軍6 @ ウィキ
  7. ウイングガンダムゼロ【EW】/ログ1 - 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  8. 不幸な少女03 - 検索してはいけない言葉 @ ウィキ
  9. サーヴァント/一覧/クラス別 - Fate/Grand Order @wiki 【FGO】
  10. MOZU - ストグラ まとめ @ウィキ
もっと見る

  • このWikiのTOPへ
  • 全ページ一覧
  • アットウィキTOP
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

2019 AtWiki, Inc.