僕らの物語 過去ログ 第5章④

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― 月待塔・三十夜「月宮殿」 ―


あなた「………(横たわるクラウスに自らの"想い"を馳せた後、静かに立ち上がる) 」

エースバーン「……これで、すべて……終わったんだよな…(故郷や同胞たちを恐怖に陥れた元凶の男を見下ろすも、「あなた」の施しに何故か憎悪は湧き起らず、ただ胸の内に渦巻くやり場のない感情に目を伏せる) 」

プネウマ「……ええ。…あとは、このアイオーンを使って―――?(機能を停止したアイオーンを見上げると、そこにあるものを発見して何度も目をぱちくりさせる) 」


プネウマの視線の先には…アイオーンのコア。
そこには、誰かからの電子メッセージが流れていた。
文面は月の言語ではなく、あの「混沌文字」によるものだった―――


あなた「……!(アイオーンのコアに浮かぶ混沌文字を見上げると、その文を一瞬で翻訳したのだろう。納得したように頷くと、感覚を共有しているプネウマへ代弁を促すような視線を送った) 」

プネウマ「……(「あなた」の視線にこくりと頷く。共有された感覚は脳内を伝り、翻訳されたその文言を自らも知り得る)……―――(そして、そこに記されていたものを口にする―――)」








――― 「 過ぎたる刹那に縋り続ける果て、不可逆の路を回りその想いで刻に逆らう   Alan Smithee 」 ―――







「あなた」が解読した文字をプネウマが読み終えたその瞬間、空間が音もなく光に包まれた。




― 空白の劇場 ―







光が途絶えた後、一行はかつて目にしたことのある、あの「劇場」に再び誘われていた。
劇場の幕が上がっていくと、その舞台上には月面の大地と、広大な宇宙が広がっていた。
近くて遠い、碧くて丸い星が、小さな点の様に点在する星々に囲まれて、晃晃と輝いている―――


天王寺璃奈「――――……ん………!(立ち込める眩い光の果てに目覚めると、再び誘われたかの劇場に吃驚する) 」

エースバーン「……な…何が起きて―――! な、な……なんだ、ここは…!?俺たちは、塔にいたはずじゃ……? キャロット…?鈴仙!レオモン!…あいつらが、いねぇ…っ…?(変わり果てた未知の空間や、傍にいたはずの仲間の一部が消えていたことにただただ動揺する) 」

ヒロ「…………この劇場…………まさかあの時の………(璃奈の横から話しかける) 」

メディ「……『劇場』……またしても、我々は誘(いざな)われたのですね… 」

ベール「………(自分にとっては三度目となる『劇場』への訪問。異様な空気が漂う空間に、帽子の唾を摘まみその内側にて眼光を光らせる) 」

桜坂しずく「―――― コ ツ ン … (舞台上に一人の少女が歩いてくる。純白のドレスを身に纏い、憂いに帯びる雫色の瞳を煌めかせながら…) 」

天王寺璃奈「…うん、間違いない。これまでも、そうだった… あの変な文字を読んだ途端、私たちは、ここに誘われる。でも、その理由は…―――!(ヒロと疑問に傾げる中、舞台上に響く靴音に頭を上げた)……しずくちゃん… (今度は紛れもなくしずく本人だと見抜き、身を乗り出すように一歩踏み込んだ) 」




桜坂しずく「………見てみましょう。見てください。見えていますか。見えるはずです。狂乱の雨を啜って空に月下美人の花が咲き乱れる様(さま)に右目を失った蛙(かわず)が熱いアスファルトの上で陳腐な夜想曲を紡ぎ出す。」

桜坂しずく「そこに思い出すのです…デジタルウィンドウは二足の鼠が手を振っていて、飲みかけのコーヒーはフサフサに柔らかくて、1は赤く、オードリー・ヘップバーンの写真は心地よい響きで、記号の#はモネの庭の香りが漂い、南極の白クマは爪で引っ搔いたように痛く、古タイヤはアルファベットのK、箱庭は……空白…―――




桜坂しずく「……何時から私は…?何処にいたのでしょう私は…?何をしていたの私…?どんなことを想っていたの私…?私は…私は…―――― 誰なの…私は…?(少女は、悲しみの雫に濡れた瞳で、常人には決して理解しがたい支離滅裂な言の葉を紡ぎ出していく) 」

天王寺璃奈「……しずく、ちゃん…っ…?(彼女が紡ぐ語りに理解が全く及ばず、ただ当惑する) 」


バ サ バ サ バ サ バ サ ァ ―――― カ ァ ー ッ !(宵闇より出でる一羽のカラスが、闇色に広がる宇宙空間へと溶け込んでいくように飛び去っていく)


桜坂しずく「…教えてください、誰か。"私の中に、誰がいる"の…?(忘我にその雫色の双眸を泳がせる) その仕組みを。壊れかけた世界のさいはてで、何も見えないはずなのに笑っている、その由縁を―――」




月面の旅人「 コ ォ ――― ン … コ ォ ――― ン … コ ォ ――― ン … (遠い宇宙の彼方から、大きな人工衛星が飛んでくる。よく見ると、そこには一回り大きな人型が―――宇宙服を着こんだ得体の知れない存在が接続されている。ヘルメットの顔面は黒く、その内側にある者の表情は読めない。敵意もなければ殺意も感じられない。だが、圧倒的異質感――決して看過できないほどの――だけを漂わせている)」

あなた「………――――!(何かに怯えているような一人の少女を見つめる。そして、「あなた」は、彼女が何を恐れているのか…分かったような気がした。形容できない何か…今はまだはっきりと見えないが、身を震わす彼女から決して目を逸らそうとはしなかった) 」

ヒロ「…しずくちゃん、一体…君は何を……?(璃奈と同様に一歩踏み出し、しずくの言葉を聞く) 」

天王寺璃奈「………しずくちゃんは、「しずくちゃん」だよ。(何かに慄く彼女へ、優しい声音を送る) ……しずくちゃん…本当のことを教えてほしいなんて、今はまだ言わないよ。ただ、ひとつだけ……今はただ、一つだけ言いたいことがあるんだ。    "帰ってきてほしいよ"    (友達としての純粋な眼差しで、その身に秘めた切実な"想い"を告げる) 」

ヒロ「…………君が何を悩んでいるのか……それはわからない。それを知りたいとは思っているが、無理には聞かない。だけどな、俺だって君のことが心配なんだよ!(しずくに) 」

桜坂しずく「 …… …… …… (少女は黙する。その視線に対して、その言葉に対して。まるで、それらすべてを受け入れることができないと否定するように―――)……ごめんなさい。やっぱり、私は……―――(居たたまれなくなった少女はふいっとその麗しい髪を靡かせながら踵を返し、遠い宇宙の彼方へと歩くように消えていった) 」

天王寺璃奈「――――! しずくちゃん…!! (声を張り上げた時には既に遅く、差し伸べたその手から遠ざかる友人に指先を震わせた)………待ってるよ……いつでも……っ……―――!(零れそうになる涙を裾で拭い去ると、自分たちと彼女の間を遮るように存在する得体の知れない化身へ強い眼差しを向けた) 」

あなた / プネウマ『…… / 璃奈ちゃん…(しずくとのやり取りを背後で静観していたが、ここからは、自分たちの番だと前へ乗り出し、彼女の肩へそっと手を触れた)……みんな、今更だけど…ありがとう。私を、受け入れてくれて。そんなみんなに出会えたことを、嬉しく思うわ。 / ………!(微笑むプネウマへ応える様に、彼女と見合わせた「あなた」は第三の剣を構える)』

エースバーン「……なんだか知らねえが、訳ありってとこらしいな。……ああ、いいぜ。こうなったらとことん付き合ってやるさ。(両足の底にこもる熱が沸き上がり、月面の大地をじわじわと焼き焦がすように闘争心を燃やす) 」

ヒロ「…璃奈ちゃん…!(そっと璃奈の肩に手を置く)…行くぞ(彼女の強い眼差しに応えるように前へ出る) 」

ベール「……今はそれでいいさ、答えは必ず先にあるのだから。(手繰る箒を肩へ担いで「あなた」たちと並列するように戦闘態勢に入る)―――― だからこのまま突き進め。(そして、その箒を宇宙に漂う旅人へと突きつけた) 」

メディ「行きましょう、璃奈様。我々の旅の為に―――!!」

天王寺璃奈「……みんな……っ…――――― うんっ…!」


そして、「あなた」たちは対峙する。
未だかつてない大いなる存在の、その一端―――「 回想 」の名を象った化身と。




月面の旅人「 コ ォ ――― ン … (万有を旅する宇宙飛行士は廻り回る。月面に立つ者たちへ指を指しながら―――彼らの旅路に終焉を齎そうとしながら―――) 」




――― Vs. 【 空白の箱庭 】 回想の劇団員《 月面の旅人 》 〖 Section 1 〗―――






キ ラ ン ―――― ヒ ュ ゴ ォ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ ! ! ! (遥か向こうの闇より、幾つもの筋光が飛んでくる。それは焦熱を帯びた隕石の群。大きな星々は旅人が指し示す先――月面の「あなた」たち――へと降り注ぐ)


あなた / プネウマ『―――行くよッ!! / ―――!!(隕石の軌道、それをヒカリが持ちうる“因果率予測”によって見据え―――)―――はぁッ!! / ……!!(ホムラが持ちうる火力を発揮する斬撃で、見切った隕石を切り崩していく)』

メディ「(璃奈様の意思は、"想い"は…私が必ず―――)―――― アンビリカルコード:M1D1 起動 "MD mode" 発動を天王寺璃奈様へ申請! 」

天王寺璃奈「……(俯いてなんかいられない。みんな、乗り越えてきたのだから…―――)―――― 承 認 ! 」

メディ(MD)「 シ ュ ル リ … ッ …――― ヒ ュ オ ア ア ァ ッ (璃奈の承認を受け、その体が解かれたリボンに覆われていく。そして、再び解けて結ばれていく―――)――― もう誰も失わせなどしません…!(確固たる決意を秘め、機械仕掛けの少女は月面を飛び出していく)  は ッ ! ! (璃奈へと迫る隕石の一つ…それを見据え、強力な回し蹴りで粉々に粉砕してみせる) 」

ヒロ「…!(璃奈に迫る隕石に向けて土弾を放ち粉砕させる) 」

エースバーン「 ダ ッ ――― ヒ ュ ッ !ヒ ュ ヒ ュ ヒ ュ ッ !! (絶え間なく落下する隕石を電光石火の速度で掻い潜っていく)―――はっ、おらぁッ!!(そして跳び上がり、一際大きなそれに向けて脚を二度振り抜き、強烈な足蹴りによる二撃を炸裂し粉砕する) 」

月面の旅人「……(隕石を対処していく一行を遥か先の上空にて俯瞰している) ピ コ ピ コ ピ コ … (胸元にかざした左腕に小型モニターが幾つも展開される。そこには無数に羅列された数字が高速スクロールしていた。まるで、何かの計算式の様に―――)」




月面の旅人「 カ シ ュ ッ ――― カ シ ュ ッ ――― カ シ ュ ッ ―――(その後、背面の人工衛星よりスプートニク1号に似た小型球体が幾つか発射され、自身の周囲で一度停止)―――― ヒ ュ ォ ァ ア ッ ! ! ! (緩やかな速度で動き出したと思われたその直後、隕石の比でないほどの凄まじい勢いでそれら球体が急発進していく) 」


―――― チュドオオオオオオオォォォオオオオオンッ!!! チュゴオオォォオオンッ!! ボッゴオオオオォォンッ!!! ボギャアアアアアアアァァァアアアアアンッ!!! (頭上よりいくつもの球体が降り注ぐ。目にも留まらぬ速さで落下する球体は防御しようものならそのまま彼らを地に沈めていくだろう。決して防ぎようのない強烈な一撃が次々と迫り、その月面に広範囲にも及ぶ大きな陥没が縦続けに発生。落下に伴う衝撃波が次々と彼らに襲い掛かっていく。隕石よりも質量は小さいながらも、その勢いは比にならない)


あなた / プネウマ『きゃんッ…!? / ……!?(隕石の次に落下してくる球体。前者よりも激しい衝撃に、回避に成功してもその余波や振動によって吹き飛び、転倒してしまう)』 」

ヒロ「…………!捕まって!(璃奈の手を引き、球体を回避していく) 」

ベール「よーしよしよし、上等だ諸君。そのままあたしの盾となってくれたまえよ!あーはっはっは――――うっひいいいぃぃ!!?(砕けていく隕石に悠長な態度をとっていたのも束の間、剛速球の勢いで飛来する球体の落下をすれすれで回避し、その衝撃に転がり倒れる)…チッ…なーろぉ…!!なんだってんだ…!さっきの石ころより早いとんでもねー破壊力じゃない!!(地面へ伏したまま、衝撃の余波に帽子が吹き飛ばされないよう必死に抑えつけている) 」

天王寺璃奈「あっ…―――うん!(ヒロに手を引かれ、辛うじて落下物から逃れる) 」

メディ(MD)「くッ……あれは…上空から地上をピンポイントで攻撃している…!?(起動したモジュールから旅人の行動パターンを検出する)…射程は広範囲…しかも複数同時に…!驚くべきはその精度で、敵が展開するモニターに映る攻撃先座標にほぼズレがありません。驚異的な計算能力による予測演算をもって、その正確な投擲誘導情報を導き出しているのでしょう。 」

メディ(MD)「また、敵の投擲は大地を貫き、数百メートルの穴が幾つも開きました… その貫通力は、一度の落下で岩盤など硬い地層のある700m~900m下層に及びます…!これは、30m~60m程しか掘れない既存の地中貫通爆弾(バンカーバスター)の性能を遥かに凌ぐ威力です…!被弾すれば命の保証はまずありません! 」

エースバーン「んなヤベー奴ってことは見りゃあわかる!!あの速さでこの破壊力…ッ…!んでもって敵は遥か頭上!!反撃しようにも届く距離じゃねえぞ!どうすりゃいいんだッ!!(持ち前の反射神経で必死に落下物を避け続けているが、その表情に余裕はない) 」

ヒロ「こいつぁそう易々とぶっ壊せたもんじゃねーし、かと言って食らっちゃあ命はねぇ。だからせめて………!(璃奈の手を引きつつ、土を浮かせて生成させた球体を放ち自身達に迫る落下物の軌道を逸らそうと試みる) 」

ベール「でぇーじょーぶだ!こういう時にうってつけの奴がいるじゃないか!(すくっと立ち上がる)―――― いけ、ヒロの字!お前が囮になるんだよ☆(ヒロへサムズアップ) 」


ヴ   ウ   ゥ   ン    (あなたの手袋に刻まれた『印』が赤く光を灯す。それに呼応するように足元に魔法陣が展開され、その上で三本の光輪が虹色の輝きを放ち回転しだした)


『 『助っ人』が必要な時に役立てな、何が出るかは知らねーがよ 』


――――    カ     ッ    (虹色の光が最大まで光量を増し、夥しい高圧の電流が弾けた。 魔法陣も、光輪も消え、代わりに『単眼を刻まれた呪符』が、あなた『のみ』に対象を絞る『盾』のようにして球体を防ぎ立ちはだかっていた。防御不可能な球体が、衝撃波が、文字どおりどこかへ部分的に『消滅』している)


あなた / プネウマ『―――!! / …これは…!?(迫る落下物に圧倒される最中、七色の光と共に顕現された「呪符」によって難を逃れる)』

胡散臭い陰陽師「——————ンンンンンン……どうやら間に合ったようで何より。いや窮地に合わせ颯爽と登場、必要な時に過不足なく救いの手を差し伸べる!できる下僕とはまさに!このような働きをしてこそでしょうな(第一印象『胡散臭い』その四文字で埋め尽くせる程度には怪しげな、和装、2mという長身、明らかに男性だが何処か妖艶な何者かが、片膝を突き、あなたの前に傅く) 」

胡散臭い陰陽師→DOMAN「お初にお目にかかります。拙僧、キャスタークーフーリンの『代役』。この度あなたの下僕として参上仕りまするサーヴァント。名を……ンン、名を『 DOMAN(ネイティブ) 』と覚えおきください。 パチン(顔を上げ、明らかに邪気の篭った薄ら笑いを浮かべ指を鳴らす。すると彼の使役する『呪符』がヒロの顔面へ吸い付いた)まずは『囮』をこさえましょうぞ。必要なのでありましょう?」

ベール「やるじゃねーか(DOMANに) 」

ヒロ「…………俺に拒否権はないのか!?(ベールに)…っておい!?(呪符に吸い付かれ) 」

トキ「(瞬間移動染みた速度で"あなた"の背後に現れ、背中を文字通り"突く")ハァーッ!! 活力を回復させる秘孔を突いた、頼むぞ…! 」

量産型ヒロ「「「「「「「「「「 >>チュボボボボボボボボン<< リンチャンンンンンンンンンン!! リンチャンンンンンンンンンン!! リンチャンンンンンンンンンン!! リンチャンンンンンンンンンン!! リンチャンンンンンンンンンン!! (ヒロの顔面に吸い付いた呪符が剥がれ、自らと同様の呪符を増殖させながら辺りを漂う。あらかた増殖し終えると、瞬く間に小爆発を引き起こし全ての呪符が『白目をむいた量産型ヒロ』へ変身していた うるさい 言語野がバグっている 地獄絵図 うるさい)」」」」」」」」 」

あなた / プネウマ『……!(「あなた」の脳裏にクーフーリンが最期に遺していったあの笑顔が過る。そして、彼の代役となるDOMANへ疑う余地もない目で向かい合うと、静かに感謝の一礼をする)……!? ……!(そんな中、トキのツボ押しによって潜在能力が覚醒。背中がシャキッと伸び、剣を握る手に力が籠る)攻撃なら、空を飛べる私たちが!(そういうと機械翼を羽搏かせ、「あなた」と共に宇宙空間へと身を乗り出した)』 」

DOMAN「ンン……すっげぇキMOイデザインですな……。(ドン引き)まあこれならなんというか……囮になって爆散しても背徳感はないと申しますか、むしろ痛快でございましょう! 」

ベール「頭痛がすらぁ…(量産型ヒロに立ち眩む)…たーっくしょーがないなぁヒロ太君は…(鍔に手を宛がって真剣な眼差しを浮かべると、手でフレームを形作りその枠内に落下物諸共旅人を捉える)色褪せる憧憬に踵を廻らせ、幾何の時を越えて巡り会え―――“遥か遠い星《 フレームアウト 》”!! 」


――― バ  シ  ュ  ゥ  ン  ッ ――― (ベールが放った魔法――それは、彼女が捉えた枠内のものが文字通り"消し飛ぶ"もの。絶えず落下する球体群、そして旅人に接続された人工衛星の一部を抹消する)


あなた / プネウマ『……!! / はあああぁぁーーーッ!!(ベールの魔法によって遮る落下物がなくなり、容易く旅人の懐へ潜り込むと―――)―――はあぁッ!!(二人で掴んだ剣を振り下ろした)』 」

月面の旅人「  バ  シ  ュ  ゥ  ン  ッ  (ベールの魔術により、人工衛星に備えられた二対のソーラーパネルの片方が消し飛び、その衝撃によってふわりと空間を回るように舞う)  ザ キ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! ! (そこに迫った聖杯の斬撃が人工衛星に炸裂。その爪痕から火花が飛び散る)……――― ピ ッ (その間際、左腕のモニターへタッチする) 」


ド グ ゥ オ ォ ン ッ ――――― シ ュ ド ド ド ド ド ド ド ア ァ ッ ! ! ! (人工衛星より一つの巨大な弾道ミサイルが発射される。ミサイルは彼らへ届く前にその途中で急に破裂したと思えば、その黒煙より内蔵された幾千もの小型ミサイルが爆破によって点火し、凄まじい速度で降り注いでいく)


DOMAN「ンンンンン!?おっとこれはいけませんな、そうはさせませんぞー!(呪符を三昧前方に展開、それを消失させる)  ピタ  チュボボボボボボ(今度はあなた、プネウマそれそれに呪符が張り付き、ヒロ程ではないが、彼女らを模した複数の式神が生成、ミサイルを誘導し本物から遠ざけるように動く) 」

メディ(MD)「拡散式弾道ミサイル…!!(ぶわっ、とスカートを靡かせ、その内側より突出した幾つもの注射器をミサイルのように発射させ、上空から迫るソレと相殺させ、自身と璃奈を守る) 」

ヒロ「…………俺ってあんな感じなんだな(糸目で量産型ヒロを見て)…!ミサイルか!(土の千本をミサイルに向けて放ち、相殺させる) 」

エースバーン「そう易々とやられてばっかいられるかッ!!(こちらへ迫るミサイルを、その後方から続くミサイル群へ向けて器用に蹴り飛ばして相殺を試みえる) 」

あなた / プネウマ『……!! / くッ……!(プネウマを翼に宇宙を舞う。式神の加護のお陰で追跡してくるミサイルを振り払い、そうして鋭い起動を描きながら高速飛行していく)―――セイレーン!!(歪曲した空間の狭間から、自らの僕(デバイス)を使役する。狭間の向こうから、セイレーンが放ったと思われる聖なる閃光が飛び出し、旅人へと攻撃させる)』

DOMAN「そしてこれは過払金のお釣りにございますれば。あ、そうれおお納めくださいませ(呪符を破裂させ、細かな紙屑が小ミサイルの一部に張り付く) グン ッ (すると直角に方向転換し、月面の旅人へ向かっていく) 」

月面の旅人「 ボ ギ ャ ア ア ア ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! (セイレーンの閃光が人工衛星を掠めるも、ミサイル発射口が破壊される) チ ュ ボ ボ ボ ボ ッ カ ア ア ア ァ ァ ン ッ ! ! (続いて、操作を乗っ取られたミサイルが本体に被弾し、その左腕―――予測演算を齎すモニターが破壊される) ガ シ ョ ン ッ ! ギュィン、ギュンギュンギュン…―――――― ド シ ュ ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ッ ! ! ! (すると今度は、人工衛星より蒼い閃光を放ち、地上の月面に立つ者たちを薙ぎ払わんとする) 」

DOMAN「 !? ンンンン……ッ こ、これはいけません!拙僧、呪術のみが取り柄のクソザコサーヴァントにございますれば!ええい、斯くなる上はあるじ以外はまあ別にいっかという言い訳を文字どおり盾に……あるじのしもべを盾にいたしますぞー!! ヨッコイショ(ベールの背後に体育すわり) 」

あなた / プネウマ『……! / あの敵、空へ飛べないみんなを優先に、一方的に攻撃している…!?(このまま敵の狙い通りにするわけにはいくまいと、翼を羽搏かせて旅人へと迫るように飛行する) ……!!! (これ以上、仲間たちは傷つけない!と、その強い意志を乗せた重い斬撃をお見舞いする)』

ベール「なーーーーーーーッ!!!!!!お前人間じゃねえッ!!!(某ニビ人みたいな顔でDOMANへ怒鳴りつける) 」

月面の旅人「 ザ  ッ  キ  ィ  ィ  イ  イ  イ  イ  ン  ッ  !  ! (「あなた」の強い一撃に、人工衛星ごと両断されてしまった)……グニュ…ニュ…――― ギ ュ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ ッ ! ! ! (その時、旅人の姿が、その原形を留めることなく歪みを帯び始めていく) 」




月面の旅人 → 輝夜の姫君「    オ   ォ   ゥ   ン   ッ   (歪んだ空間が巻き戻されていくと、そこには電子回路を彷彿させる模様を象った羽衣のようなものを羽織る女型の巨人が顕現され、頭部のうさ耳を妖しく揺らしながら、対峙する者たちを俯瞰するのだった)」




――― Vs. 【 空白の箱庭 】 回想の劇団員《 輝夜の姫君 》 〖 Section 2 〗―――






DOMAN「拙僧、サーヴァント(非人間)にございますれば!!(ここぞとばかりにドヤ顔) おおッ!なんとおぞましき歪みか……あれこそ善良なる民草の皆々様を害する悪しき化粧、その第二形態と見ましたぞ!ああなんと恐ろしい、なんと邪悪、醜き獣か!!人類の守護者、正義の味方たる拙僧は決してあれなるものを許しませんぞー!!(——————等と言いつつ、拙僧はやばいと判断しましたなら霊体化しほとぼりが冷めるまでサボりますぞ、許されよ…許されよ…) 」

エースバーン「よっしゃ!……!?(「あなた」によって旅人が討ち取られたと一喜したのも束の間、姿形を変えたその光景に眉を顰める)……こっからが正念場って奴かよ…! 」

輝夜の姫君「……ニカ'ト コイイミ チ リラミキ テチン, コナカ テイ チスイ クイスイ.(悠然とした佇まいから掌を前方へ突きつけると―――)―――  ド  オ  ォ  ン  ッ  !  !  !  (惑星の環を彷彿させる波紋型の重力波を空間一帯へと解き放つ。その波紋は対峙する者たち全員を一瞬で貫き、触れたすべての物質から重力を奪い、宇宙空間へと誘っていく) 」

忌月の野兎「 ピョン、ピョン、ピョン――――(月面の何処かから、一羽の奇妙な兎がやって来る) It's been a long way, but we are here.(長い道のりだった。しかし、私たちはここまで来た)(野兎は語り出す。姫君が紡ぐ月の言語に隠された心中を) 」

天王寺璃奈&メディ(MD)『―――ふぁっ…!? / 璃奈様…!!(姫君の謎の力によって、成す術もなく宇宙空間へと舞い上がっていく。璃奈の手をメディが離れないように繋ぎ留める)』 」

エースバーン「どっ…わああぁッ…!!?(意思に反して浮かび上がっていく体に動揺しながら、ぶんぶんと両足をばたつかせて地上へ戻ろうと試みるが、徒労に終わる)くそッ…!体の自由が…!! 」

ヒロ「…!璃奈ちゃん!(ふわっと浮き上がりながら璃奈の方を向く) 」

ベール「ああーッ!ムカつくぜクソッタレー!!(DOMANにムキーと怒り心頭)―――ッ!?(謎の波紋によって突然浮かび上がる体に瞳孔が開く)……おいおいおい…やめてくれよ…あたしゃ無重力恐怖症なんだよ…(震え声) 」

あなた / プネウマ『……!? / みんな…!!(こちらはもともと天の聖杯の力によって空間を掌握しているため、姫君が齎す無重力の影響を受け付けず、依然として宇宙空間に留まっている)』

DOMAN「忘れもしませぬ、あれは拙僧が宇宙兄弟でありました頃……ンン?兄者役は何方が?晴明?ンンンンン許しませんぞ(なす術もなく体育すわりをしたまま宇宙へ吸い上げられ)これはこれは……ああ、なるほど輝夜姫を模した者か。月面にうさぎ……ふむ、月の都との因果関係も気がかりではありますがまあ些事にございましょう。そう、今の状況の!絶体絶命感に比べれば!全て些事!!(くわっっっ) というわけで皆々様、まずは足場を用意いたしますぞ。遠慮なく踏むなり蹴るなりご自由にどうぞ 」

量産型ヒロ「「「「「「「「「「「  (宇宙空間に散らばる踏むなり蹴るなりが自由な『 足場 』) 」」」」」」」」」」」」

輝夜の姫君「ミラテ クチト コイイミ ナミシイストカララシ, テクン テイ チスイ クイスイ. カクイ セナスセラトイ ラハ ニカ ニト ミラカ カラ トイイ カクイ クラセイリイトト ハナカナスイ. カクイ セナスセラトイ ニト カラ トイイ カクイ セスイヒニラナト テクイスイ テイ リニヒイ カナスミニミキ チスラナミシ.(再びその手を妖しく動かしていく。まるで、何かを手繰り寄せる様に―――) 」

忌月の野兎「Now has been understood, why we are here.(なぜここにいるのか、今分かった) The purpose of it is not to see the hopeless future. The purpose is to see the previous where we live turning around.(それは希望無き未来を見る為ではない 振り返るとそこにある、我らの郷里である旧時を見る為だった)


オ オ オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ … … ッ … … ! ! ! ! (姫君を中心に、宇宙空間を漂う隕石の残骸が渦を巻くように引き寄せられていく。それは小惑星帯(アステロイドベルト)のように空間一帯に漂い、やがて速度を上げ――――無重力空間を漂う者たちへ容赦なく突撃を開始する)


輝夜の姫君「カクイ セイストラミ テクラ カスチヒイリイシ カクイ カニモイ ソチミ ミイヒイス コイ カクイ トチモイ セイストラミ チト コイハラスイ. ニハ ンラナ テチミカ カラ カナスミ チテチン ハスラモ カクイ ソクチミキイト, キラ コチソノ カラ カクイ クラモイ. ミラ ラミイ コリチモイト ンラナ. スチカクイス, ンラナ テニリリ チソソイセカ ンラナ. 」

忌月の野兎「The person who traveled the time can never be the same person as before.(時を跨いだ君は、決して前と同じ君ではいられない) If you want to turn away from the changes, go back to the home.(変わっていくことから背きたいのなら、そこで還ればいい) No one blames you. Rather, you will accept you.(誰も責めはしない むしろ、自分が受け入れてくれる)

ベール「こいつぁ最高だぜ!!(容赦なく大量のヒロを踏みつけ、軽快なステップで宇宙を舞う)―――んげぇッ!?マジかよ!!(だが、いつの間にか周囲を取り囲んでいた隕石の残骸に仰天し、足場(ヒロたち)を踏みつけながらなんとか小惑星帯から逃れようと試みる) 」

あなた / プネウマ『……! / みんな!!(二人が全員へ手を突きつけると、全員の身体を光の膜が覆う。それは天の聖杯の加護の一種であり、宇宙空間でも思いのままに身体を動かすことができる力を齎してくれる)』

輝夜の姫君「ソクニリシスイミ コラスミ ハスラモ カクイ モラカクイス トイチ, キラ コチソノ カラ ンラナス クイス. ハラス カクイ シスイチモ ラハ ンイトカイスシチン ニト カクイ スイキスイカ ラハ カラシチン チミシ キスチヒイ ラハ カラモラススラテ. 」

忌月の野兎「Children born from the Mother Sea, go back to your her.(母なる海から生まれし子どもたちよ、母のもとへ帰るといい) For the dream of yesterday is the regret of today and grave of tomorrow.(何故なら、昨日見た夢は今日の後悔であり、明日には墓場に還るから)

天王寺璃奈&メディ(MD)『わっ―――!こ、これって…ホムラちゃんの…! / ヒカリ様、助かりました…!(聖杯の膜に覆われ、急いでアステロイドベルトから脱出する)』 」

エースバーン「…っ……何から何まで助けてもらってばかりだな…(光の膜を得て何もない空間で跳躍し、隕石をその衝突の寸前で回避してみせた)…っし…!こうなればあとはこっちのもんだ…!行くぜッ!!(爆発的な脚力で虚空を蹴り上げ、姫君へ跳び膝蹴りを見舞う) 」

サウザー「ふははははははは!身体が!自由になった!!(いつの間に来ていたのかプネウマの加護で自由に動き回り全身で喜びを表現する)——————ご機嫌よう下郎の皆さん以下略!!  よくわからん星は全て下郎、真の星はこの南十字極星サウザーのみ!! 行くぞ南斗De 5MEN!!!!(バッッッ) 」

ベール「ぅわーーーおっ♪これならベールちゃんも安心して眠れそう♪(光の膜に子どもみたいにきゃっきゃっとはしゃいでいる)さぁーてと…?反撃開始と行きますかねぇ!!(エースバーンに合わせて姫君へ星型魔法弾を打ち放っていく) 」

輝夜の姫君「テイ シラミ'カ ノミラテ テクチカ'ト ニミ カクイ ナミソイスカチニミ ハナカナスイ. コナカ カクイスイ ニト ミラ ハナスカクイス イモラカニラミチリ トナセセラスカ. ラミイ ラミリン クチト カラ ハニミシ チ テチン カラ トチヒイ ンラナストイリハ ハスラモ ンラナス セスイヒニラナト. カクイ チミトテイス ニト トニモセリイ, コイソチナトイ ニカ'ト カクイスイ ハスラモ カクイ コイキニミミニミキ.(だが驚くことに、エースバーンの身体とベールが放った星型魔弾は、そのまま姫君をすり抜けていくのだった―――) 」

忌月の野兎「We don't know what's in the uncertain future. But there is no further emotional support.(不確かな未来に何があるのかはわからない けれども、その先には心の支えになるものなどないだろう) One only has to find a way to save yourself from your previous. The answer is simple, because it's there from the beginning.(君はただ、その過去から己を救う術を探せばいい 最初からそこに答えがあるのならば尚のこと)

南斗De 5MEN「「「「「 >>>>> 【光魔法キラキラ かっこいい奴ら】!!!!!!  <<<<< (南斗聖拳伝承者5名!サウザー!シン!レイ!シュウ!以下略が宇宙にて揃い!一斉に少年漫画の表紙を飾るようなかっこいい躍動感のあるポーズを取り!!その輝きが隕石群の『時間を停止』させた!!!!) 」」」」

あなた / プネウマ『攻撃をすり抜けた…!? / ……!!(何か嫌な予感を察した「あなた」は、自らの胸に手を当て誰かを"想う"―――すると、その背後に「DIO」のスタンドである世界(ザ・ワールド)が出現。姫君のみを対象に、そこに流れる時間を停止させようと試みる)』


―――――― バ キ ュ ン ッ ! ! バ キ ュ ン ッ ! ! (隕石を撃ち落とさんとした光線がどこからか放たれた)


慣れーしょん「説明しよう!光魔法キラキラ『かっこいい奴ら』とは!! カッコイイポーズの放つ輝きで悪しきものを浄化し、時を止め空中に浮遊することさえ可能とする、光魔法キラキラ『カッコイイポーズ』を複数人で行う連携技である!!その輝き、ゾンビをも焼き尽くし、時の世界に入門し自在にしてしまうほど!!まさに!少年漫画雑誌の表紙を飾る主人公のみに許された魔法なのだ!!!!! 」

DOMAN「ギャアアアアアアアアア!!!ま、眩しいしむさ苦しいですぞオオオオオオオオオオオオオオオオォォォ!!!!!!!!(←浄化されかかってる悪しき者) 」

輝夜の姫君「――――(南斗De 5MENと「あなた」の世界(ザ・ワールド)の時間停止能力によってその動きが止まる―――)――― … … ス … (――― ことはなかった。そう、制止したはずの時間の中で、姫君は当たり前のように動いている)  ボ オ ア ア ァ ッ ! ! (その掌から太陽フレアの如き熱波を放ち、一行を吹き飛ばしていく)カニモイ キライト コン, カニモイリイトト. リラヒイ リチトカト テニカク リニハイ. テクン テイ チスイ リイチヒイ ラナス クイチスカト コイクニミシ チミシ スナトク. テクイスイ チスイ ンラナ? 」

忌月の野兎「Time goes by, timeless. Love lasts with life. (時は流れていく、時代を越えて 純愛(あい)は続いてく、命を乗せて) Why we are leave our hearts behind and rush.Where are you?(心を残して、人はなぜ先急ぐのだろう 君の居場所はどこにあるのだろう?)

メディ(MD)「これは…!(時間停止をものともしない姫君の行動に既視感を覚える)…アグネスタキオン様が言っていた、相対性理論…!なるほど…重力は時間さえも歪めるとされていますが、その延長として超重力で時間を停止させることもできる。時間停止能力を解除したのはそのためでしたか…! 」

南斗De 5MEN「「「「「うわーーーーーーーーーーー!!(吹っ飛ばされ文字通り彼方の星となった)」」」」

ベール「はああああああああああ????時間を停止だああああああ?????あたしだってそんな高等魔法会得すんのにどちゃくそ苦労したのにどおおおおしてどいつもこいつもそうひょいひょい使えるのよおおおおお!!!(荒木作画で発狂している) 」

メディ(MD)「くッ…!ギ ュ ル ル ル ル ル ゥ ッ ――― ボ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ッ ! ! ! (手首を高速回転させ、その摩擦熱によって両手が発火していく)―――“炎症暴風(サイトカインストーム)”!!(発火した両手を頭上へ掲げ、その灼熱の渦を巻き起こし、こちらへ迫る熱波を絡めとり、頭上へと放って相殺した) 」

ツクヨミ「はぁ……… まったく……見てられない。(南斗De 5MENの末路に溜息をつきながら、その場に駆けつけてくる) 」

エースバーン「なッ―――!?(攻撃が、当たらねえ…!?)……いや、なんかのまぐれだ!俺は、諦めねえぞ!!(尚も飛び出し、何度も姫君へ跳び蹴りを繰り出したり、時に火炎ボールを蹴り飛ばして攻撃を続ける) 」

輝夜の姫君「ニカ トイイモイシ ナミスイチリニトカニソ カラ コイ カスチヒイリニミキ カニモイ. モチミン カニモイト ニ トラリニリラタナン ニミ モン クチセセン モイモラスン.(しかし、それでもエースバーンの攻撃はその体を悉くすり抜けていく) 」

忌月の野兎「It seemed unrealistic to be traveling time.(一方通行の時間旅行によって、現実ですらないように思えてくる)Many times I soliloquy in my happy memory.(何度も幸せな記憶の中で独り言を呟いた)

メディ(MD)「……ピロリ、ピロリ…♪(攻撃を無効化する姫君を訝しみ、スキャニングする)……!あの敵……そういうことでしたか…っ…!(何かを検知し、その顔を蒼白に染める) 」

天王寺璃奈「メディ、何か分かったの…っ…? 」

メディ(MD)「……あの者の周囲に、凄まじい重力が働いております。(姫君を見据えながら)……モノを見るということは、モノに当たった光の反射を見るということです。その光が曲がってしまえば、真っ直ぐにモノを見ることができないのです。 」

ベール「どういうことよ!?説明して先生!!(金切り声をメディへ) 」

メディ(MD)「重力場を通る光を遠方から観測した時、光が屈折していることがわかります。重力レンズの働きで複数の像を形成するものが発見されているように、宇宙全体が重力レンズである可能性もあるのです。その場合、光は空間的に閉じた経路を通ることになり、数秒前の像を写す過去と現在の姿が重なって見えることになるのです。…敵があのような巨体をしているのにも関わらず、我々の攻撃が全く通用していないのは、その錯覚変化が原因なのでしょう。 」

天王寺璃奈「つまり…その強い重力が働いている限り…みんなの攻撃は、あの体には届かないってこと…!?

エースバーン「…なんだかわかんねーけどよ…どうすりゃいいッ…!?重力とか、光とか…わけわかんねえんだけど…!! 」

ヒロ「…………なんてこった……俺たちが見えていた"奴"は錯覚だったのか…! 」

輝夜の姫君「シ ュ ハ ゙ ァ ――――― ァ バ ュ シ (その体が瞬く間に一点収束されるように消え去ると、一同の背後へ巻き戻されたテレビのように瞬間移動する) カクニト セチスチシニトイ ニト チ ハチソカ, チミシ ハナカナスイ ニト ソスナイリ. ンラナ チスイ シイハニミニカイリン クイスイ. ンラナ トクラナリシ コイ クイスイ.(一同へ重力波を放って吹き飛ばしていく) 」

忌月の野兎「This "Paradise" is a fact, and future is cruel.(この「楽園」こそすべてであり、その最果てには残酷だけが広がっている) You are definitely here. You should be here.(私は確かにここにいるのだと ここにいるべきなのだと)

メディ(MD)「うッ……!(迸る衝撃に腕を交差し耐え凌ぐ)……重力を打ち消すには「反重力」があれば…しかし、それはあくまで架空の技術…!現実の物理学では一般に再現は不可能とされています…

DOMAN「クク……ククク……フフ、ハハハハハ……! ご安心召されよ。反重力?などと、いやはやまぁその程度……拙僧に秘策が!!!!(くわっっ)ござい!!(くわわっっ)ませぬ!!!!(くわわわっっっ)ンンンン…・   」

あなた / プネウマ『――――やってみせます…! / ……!(メディたちの会話へ静かに耳を立てていたのか、割り込むように前進する)…「あなた」の望んだことが、望んだままになるのなら…きっと、なんだってできるはず…! / ……!!(互いに視線を合わせ、果敢にも姫君へ飛び出していく)――― はあああぁぁーーッ!!(空間を突き抜けながら移動する最中、姫君が重力を纏っているように、その剣にも強力な"歪み"のオーラを帯びていくと、その刃で一か八か切り裂こうと剣を振るった)』

ツクヨミ「……よくわからないけど……相手を狙って仕掛けるのがだめなら、なら逆に、相手を狙わなければいいの…?  ……!くっ…!(メディ同様に耐え凌ぐ)」

ヒロ「……!(璃奈の前に立ち、衝撃を一身に受ける) 」

輝夜の姫君「 ザ ッ ――― ギ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! ! (何の警戒も抱かず「あなた」とプネウマの接近を許したその直後、振り下ろされた斬撃がその身に刻まれる。二人の狙い通り、"不可能を可能にする"力によって退けられ、ゆっくりと後方へ移動していく) 」

ベール「――――!(……あいつは…―――)(帽子の内側から覗く鋭い眼光、その内側に「あなた」が見せてくれた"その力"に目を細める―――まるで、その力の正体を知っているかのように…) 」

ヒロ「…………?なんか知ってるのか?(ベールを見て) 」

天王寺璃奈「……!?…す、すごい…!実現不可能なはずのものを、こうもあっさり…!(ようやく攻撃が届いた光景に僅かながら安堵する) 」

輝夜の姫君「……(切り裂かれた部位を抑えつけていた手をその身から離し、両の手を腹部を起点に付き合わせる)カクイ トナミ テニリリ キラ シラテミ チキチニミ カラシチン カララ. チミシ カクイ トナミ チリトラ スニトイト ラミ ンラナ―――――― ギ ュ オ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ ! ! ! ! ! (自身を中心に空間が激しく捻じれていく。捻じれる空間はやがてブラックホールとなり、凄まじい吸引をもって彼らを呑み込もうとする。そして黒い渦は次第に膨張し、その被害は拡大していく一方である―――) 」

忌月の野兎「The sun will go down again today too and the sun also rises on you.(今日もまた陽が沈み、そしてまた陽は昇る)

ベール「………いんや、あなたにはまだ早いよ。…そう、知るにはまだ、ね…―――ッ゛!!?(ヒロに意味深なことを告げる中、ブラックホールとかした化身に仰天し、吸い込まれまいと必死に後方への非難を試みる) 」

天王寺璃奈&メディ(MD)『ふぇっ――――わあああぁっ…!!? / ―――璃奈様ッ!!!(吸い込まれそうになる璃奈の手を強くつかみ、必死に逃げ切ろうと抗いを見せる)』

エースバーン「どわあああああああああああああ!!!??す、吸い込まれるうううううう~~~~ッ!!!(ブラックホールとは正反対の方角へ必死に駆け出し逃走を図る)不味い不味い不味いッ!!アレは確実に不味いッ!!こんなところで終わりたくねえよぉぉおお~~~ッ!!!(涙目で抗いを続ける) 」

ヒロ「…………掴まれ!二人とも!(土の杭を出して腕と一体化。もう片方の手を璃奈達に差し伸べる) 」

DOMAN「おお……ッ これはなんという……!拙僧、召喚されて早々ヤムチャの如き立ち回りで大変不愉快というもの……!ど、どうか拙僧を見捨てずにいてくだされー!!さもなくば散り際に皆々様道連れに致しますぞーッ!ンンンンンンーーーー それならそれでもいいのでは?フフ……フフハハハハーーーー!!(などと言いつつバタフライしつつ逃げ延びようとする拙僧なのであった) 」

メディ(MD)「…ッ゛……!ブラックホールとは本来…ッ…高密度かつ大質量の天体で、物質だけでなく光さえも吸い込んでしまうほど強力な重力を持っています…!その重力は周囲の空間にエネルギーを齎しますが、そのエネルギーを燃料にして素粒子と反粒子が対生成・対消滅を行います…!素粒子が消える瞬間、それは逆方向に走る2つの光に生まれ変わります。その内の1つはブラックホールに再び吸いこまれていきますが、もう1つはブラックホールと反対側に出ていくため、何とか逃げ出せます…ッ… つまり、ブラックホールは常に少しずつ…吸い込んだ光を放射しながらその質量を失い、やがて蒸発してしまうのです…ッ! 」

エースバーン「けどよッ…!あれが蒸発しちまう前に…俺たちが先にやられちまうぞッ…!!こんなの、長時間も耐えられるほど体力が…ッ…!グギギギッ……!! 」

プネウマ「…っ…!(ブラックホールの吸い込みに耐え凌ぐ中、メディの解説にあることを思い浮かべる)…なら、一つだけ、私に策があるわ…!私の攻撃は、粒子エネルギーを加速させたもの…そして素粒子を操作することによって、その速さは光速以上にも達する。私があの敵の中へ飛び込み、そのまま貫通してしまえば…あのブラックホールを打ち消せるかもしれない…!

メディ(MD)「――――!?(プネウマの予想だにしない提案に酷く仰天する)しかしッ!仮にあの敵がブラックホールそのものとして…そんなことをすれば、肉体は素粒子レベルまで分解されてしまい、二度と戻ってこられないのかもしれないのですよッ…!?

メディ(MD)「それに…ブラックホールの奥深くには、『特異点』と呼ばれる"無限に時空をねじ曲げる"場所が存在します!ブラックホールの特異点は密度と重力が無限大に発散しており、物理的法則やあらゆるものが一切通用しない、まさに未知の場所とも呼べるもの…そこで何が起きるのかは誰にもわかりません…! 」

プネウマ「…光すらも吸い込むブラックホールから脱出するには、光速よりも速い速度が必要になる… それに、何が起きるのか誰にも分からないのなら…私は賭けてみたい。世界を滅ぼすだけだったこの力を、みんなが受け止めてくれた―――― だから今度は、私がすべてを受け入れて救いたいから…!(胸元に添えた掌を儚げに広げてその手中に視線を落とすと、和らな笑みをそっと浮かべてみせる)――― お願い、私を…信じて…ッ…!(その翡翠の瞳に決意の光を灯す) 」

あなた「……(プネウマの手にそっと自らの手を添える。「君ひとりじゃない」と言いたげそうに、天の聖杯と同調した自分もプネウマと共に覚悟を決めて突撃することを決め、聖杯の剣を構える)」

メディ(MD)「…ホムラ様…ヒカリ様…主様……(眦を決す二人…彼女たちの自信に満ち溢れたその表情を否定する権利などないと判断し深く瞑目すると…)―――……(ぎこちなく、彼女たちへ頷くのだった) 」

ベール「………(…『特異点』…もし、そうなら…―――)―――おい、ヒロの字!耳貸しなッ!(ヒロの右耳をグイッとつねる様に引っ張り、そこへ何かを囁き始める) 」

DOMAN「——————  つ な い だ 心 は 離 れ ま せ ん ぞ(決意を決める二人にサムズアップを送り)などと言いつつ、拙僧我が身が何よりも恋しい故……まあ多少なりともリスクがありましょうが容赦無くお頼み申し上げまする。お助けくだされあるじ殿ォォォーーーーーッ 」

ヒロ「いでででっ…いったいなんだよ――――!(ベールから告げられたある言葉に驚いた様子を見せる)………それで、いいんだな…?俺がそうすることで、あの子が助かるかもしれないんだな!?(ベールに詰め寄る) 」

ベール「…確信はできない、けども…あんたは「あの子」のただの仲間じゃないわ。あんたが「あの子」の傍にいる本当の意味を考えただけだよ。……あたしは"なりそこない"だ。あたしにできなかったことを、あんたがやりなさい。ちょっとくらいはサービスしてあげるから。(「あなた」の背を見据えながらヒロに) 」

あなた / プネウマ『……!………ありがとう。 / ……!!(共にいてくれることを誓う「あなた」に、聖杯の少女は優しく微笑んでみせた)――――― 行くよッ!! / ……!!!(そして、覚悟を決めた二人は自らそのブラックホールへと突入していく)』 」

ヒロ「…ベールちゃん………ああ、わかった…!!(ベールと同じように「あなた」の背中を見据えて、腹をくくる)――― 届けええええええええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーッ!!!!(目一杯声を張り上げて、キーブレードをブラックホールへ向けて投げ飛ばした) 」

ベール「 … … ス … ――― ! ! (ヒロがキーブレードを投げ飛ばしたそのタイミングに合わせ、重力の歪みから鍵剣を守るための屈強な魔法壁をその剣身に纏わせた)――――(魔法使いの少女は、無意識にその心に奇跡を信じる―――) 」

あなた / プネウマ『……!!? / …あ…ッ゛……くぅ…ッ゛……!!(ブラックホールの中―――そこはこの世の真理より乖離された異質な亜空間。そこに迸る痛みにならない痛みに二人は悶えながら、それでも暗闇の中を突き抜けるように駆け抜けていく)』

輝夜の姫君「ニミシイイシ, カクイ コラサ テチト コリチミノ. クラテイヒイス, カクイスイ テチト ミラ キラシ ――― チカ カクイ イミシ ラハ カクニト テラスシ, ニ キラ コチソノ カラ カクチカ カニモイ. 」

忌月の野兎「Indeed, the box was blank. However, there was no god ――― At the end of this word, I go back to that time.(箱庭は白かった、けれど、神はいなかった ―――― この言葉を最後に、私はあの頃へと還ることとしよう)


「あなた」とプネウマ…二人の脳裏に思い浮かぶのは、その出会いだった。
思えば、二人の出会いもこのような暗闇の中だった。
しかし、巡り会った二人はその希望の光によって暗闇を照らし、外の世界へと飛び出した。
信じられる仲間と、見たこともない景色、興奮が湧き起るような旅に、
二人の思い出は輝いていく―――


―――― キ ラ ン …(深淵の中に迸る一筋の光。それは、ヒロが投げ入れたキーブレード。彼の特異点としての力が、ブラックホールが持つ特異点を同じ力で相殺し、二人に出口を齎していたのだ―――)


あなた / プネウマ『――――! / ――――行こう!私たちの、まだ見ぬ「楽園」へ!!(手を繋ぎ合う二人は、その光に向かって懸命に走り出す。そして―――)』


―――― パ キ ャ ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! (万物を呑み込まんとするブラックホールが砕け、その中からキーブレードを手にした「あなた」とプネウマ、そして二人に斬撃された姫君がその受けた衝撃に身体を仰け反らせた状態で放出された)


天王寺璃奈「――――!!やった……っ…♪(無事帰還した二人に、これ以上ない輝きを帯びた瞳を浮かべる) 」

あなた / プネウマ『……!! / ――― みんな、今よ!!(崩壊するブラックホールを貫いた直後、すぐに旋回する。そして全員に最後の攻撃を促しつつ、二人は聖杯の剣を握る手に力を籠め、その剣身に粒子を収束させていく)』

エースバーン「――――!! ……にぃっ♪ ああッ!!(無事に帰ってきた相棒に満面の笑みを浮かべると、その脚部に紅蓮の焔を纏わせる) 」

天王寺璃奈「(煌々と輝く「あなた」を見つめて瞳を閉ざし、その"想い"を実らせる)……振り返ると、いろんな思い出が頭の中に浮かんでくる。大変なことや嫌だったこともあったけれど、楽しかったことや嬉しかったこともいっぱいあった。もう一度あの頃に戻りたいなと思うことも、あるかもしれない。でも、私はそれでも未来(まえ)に向かって進んでいくよ。まだ見ない何かがそこにある限り。まだ名も知らない誰かと繋がるために…!

メディ(MD)「人の生涯とは有限であり、その限られた人生の中で記憶を、思い出というものを紡いでいく。最期を遂げれば無に消えてしまうでしょう…それでも、その中で、誰もが自分が生きた証を残そうと必死に藻掻きながら生きている。(最期を直前にした姉《 ミディ 》が自分にその意思を繋げた瞬間が過っていく)―――― そんな人たちが成し遂げたい「夢」を、私もまたこの身が停止(と)まるまで支え続けたい。未来永劫!(かつての姉が所持していたあの大型メスを携え、豪快に振り抜いたその刃から鋭い斬撃波を飛ばした) 」

ベール「…やり直したいことならいくらでもある。それでも…――――(脳裏に過る色褪せた記憶――血塗れの金髪少女と繋いだ手――に、魔法使いの少女は一度口を紡ぎ、そして明日に向かってその息を吹き付ける)――― やり直すことなんかできないし、やり直せたとしても、その記憶が"なかったことになる"なんてあたしゃ願い下げだッ!!時に振り返ってもいいさ…だけどもあたしは突き進む!二度と同じ過ちを繰り返さないために!!(突きつけた掌に粒子が集い、最大限まで溜め込んだ魔力を極太閃光として解き放った) 」

DOMAN「流石は我がマスター!拙僧は(やばくなったら契約切って別のマスターでも繕ってどっか逝こうと思っておりましたが)信じておりましたぞー! そして隙を見せましたねえええ!!急急如律令!喰らえ!!(腕で繰り返し園を描き高密度の呪炎の渦を極太光線のようにして放つ) 」

ツクヨミ→仮面ライダーツクヨミ「――――はっ!(宙へ飛び上がり) ――――あなたのような姫は、いらない!(月光をバックに、姫君へと自らのライダーキックを煌めく隕石のごとく降り注がせる) 」

ヒロ「…………やり直したいこと、か……(キーブレードを見つめる)……救える命があったかもしれない。救える人を救えなかったかもしれない。だけど俺がやるべきことは後悔でも、やり直すことでもない…二度と過ちを繰り返さない、そんな明日に向けて突き進むことなんだよ!!!(姫君に向けてキーブレードを振り上げる) 」

エースバーン「…夜になるとさ、ふと感じる寂しさに俺は…月を見上げながら、楽しかったことを思い返してその孤独を慰めてばかりいた。そんでもって、これからずっとこんな惨めな思いを繰り返していくんだろうなって、届きもしない月に手を伸ばして、卑屈に泣きそうにもなった…(過去の想起、蹲るヒバニー―――) けどな…ようやく立ち上がれたんだ。(立ち上がるラビフット―――) 」

エースバーン「 手を差し伸べてくれる奴が、その先で俺を待っていてくれたから―――(そして、エースバーンの前に、手を差し伸べながらやってきた「あなた」の像が思い浮かぶ―――)……届いてみせるさ、あの月に向かって…――― まだ知らぬ明日へ跳ぶためにッ!!!(灼熱に燃ゆる火球を強く蹴り飛ばした) 」

ホムラ / ヒカリ『……こんな私を「好きだ」と言ってくれる人たちがいる。そんな世界に生まれてこれたことを、心から嬉しく思います。 / だから私たちは、これからもみんなと共に歩み続けたい。今度は誰かを「好きだ」と心から言えるように。(プネウマの精神世界の中で、二人の少女はその"想い"を馳せる)』

あなた / プネウマ『……!!! / …これで終わらせる!そして…―――(二人が握る聖杯の剣に溢れんばかりの聖光が注がれていく。どこまでも広がる黒い宇宙の中で、その光は太陽にも負けないほど煌々とした輝きを放っている。そして、その輝き燃える光刃を、今、振り下ろす―――)』

ホムラ / ヒカリ『―――― 進むんだ! / 未来に! ――――

輝夜の姫君「―――――(過去に縋る者が、前へ進むこと受け入れた者たちの前に、光となって消滅を遂げていく―――) 」




回想(かいそう)

過去の事、かつて経験した事を思い返すこと




回想の化身を退けた次の瞬間、世界は白い光に包まれる―――








あなた「―――――…… …… ……!(光が途絶え、目覚めた「あなた」は広大な宇宙空間が広がる劇場の中を漂うように浮かんでいた) 」




オスカー「……綺麗な星ですね。(宇宙を漂う「あなた」のその傍を、金髪の青年もまた浮かびながら、遥か先に見える碧い星を共に見つめていた)…あの星には一体どれだけの人たちがいて、どれだけの思い出があり、どれだけの"想い"があるのでしょうか。 」

オスカー「それはきっとこの宇宙(そら)に浮かぶ星々の様に無限に広がっていて、それでも、ひとつひとつが懸命に輝いている。たとえ最期を迎えようとも、その散り際に星屑はまた小さな光を残してその輝きを永遠に残していく。世界とは、物語とは、そうして回るように自らの"想い"を馳せ続ける…――― 故に誰もが、そのような「 回想 」に身を委ねるのでしょう。 」

オスカー「…「あなた」もまた…自分の生きる世界でかけがえのない誰かと出会い、その"想い"を実らせる。それはそれはとても素敵なことです。 」

オスカー「そして、いつか回り巡って…この劇場ではない何処かで私と出逢ったのなら、「あなた」は"ここ"に生きていた意味を知るでしょう。その日が来ることを願い続けながら、次なる舞台を楽しみにしています。 」


金髪の青年が指を鳴らしたその時、舞台はホワイトアウトする―――




あなた「――――…… …… ……!(束の間の出来事―――空白の劇場での「劇」の余韻に使っていたところに現実世界へと戻され、はっと我に返った) 」

エースバーン「――――………はっ!(呆然と立ち尽くしていたが、我に返ると元の場所に戻っていたことに気づく)……なんだったんだ…あれは……?(自分にとっては初めての体験となる劇場のことを思い返し、何度も頭を捻った) 」

キャロット「ほわぁ~…!なんだかすっごい光がぶわーって広がったけど…みんな大丈夫…!?(劇場に誘われていない者たちにとっては、混沌文字解読に伴う謎の発光以降の出来事を知らない) 」

ベール「めっちゃつかれた(大の字にくたばっている) 」

メディ「…皆様、なんとかご無事のようですね。(周囲を見渡し、劇場から帰還した者たちが無事なのを確認しほっとする) 」

うどんげ「……ええ、なんとか… …しかし、まだすべてが終わったわけではありません。あの男…クラウスが言っていた「人工月」とやらがまだ残っています。あの話が本当なら、その月は今も尚この都へ近づいているはずですが…―――」


―――― ああ、その通り…ッ…!!(うどんげの発言へ続くように、聞き覚えのある男の叫び声が空間に反響した)






戦極凌馬「はぁー…ッ…はぁー…ッ…――― ハ、ハハ……ハハハハッ!!(一行の前に現れたのは、先程の戦いで気を失ったはずの科学者だった)……そうだとも…!今、この都に「月」が迫りつつある…ッ…!!(ボロボロの身体を引きずりながら、一行から距離を置くように壁沿いに向かって歩いている)」

エースバーン「て、テメェは…ッ……!(しぶとく生き残っていた男・戦極凌馬を睨みつける) 」

戦極凌馬「はぁ…はぁ…ッ…!人工月『 Star Dream 』…またの名を―――― 『 星の夢』…!!かつて、この世界の科学者たちが見つけ出した「ハルカンドラ」と呼ばれる超高次元的な文明を築いた未開の星から、その技術と奴らが遺した未完成の遺物を流用し…ある大いなる計画のために造り上げたものとされている…!だが、結局「月」は未完成のまま…この私ですらその謎が解明できないままだった…! 」




星の夢「 オ ゥ ン … ―――― オ ゥ ン … ―――― (大気圏に迫りつつある巨大な星。混沌世界をその広大な影で覆い尽くし、じわじわと時間をかけて落下を進めていた―――)――― オ゛ ミ゛ ャ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ! ! ! ! (時空間が歪むほどの凄まじい断末魔を上げながら、破滅の星は混沌世界へ進撃する)」

戦極凌馬「しかしッ…!天の聖杯と共にあの例の島で生み出された「月」は、聖杯の力であるアイオーンとさえ同調でき…その力でビッグバンさえも起こせる可能性を秘めたエネルギーを生み出すだろう!!クラウス主任はその力をもって野望を実現しようとしたが…彼の死をもってそれも潰えた… ならばこの都…いや、この世界諸共!!「月」と共に沈むがいいッ!ハ、ハハハハ……ハーーーーハハハハハッ!!!(自暴自棄に錯乱しながら、狂ったように笑い始める) 」


―――― ズ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ッ … ! ! ! (そんな時、月待塔全体が震動し、徐々にその激しさを増す。クラウス及びアイオーンとの激戦の衝撃に耐えきれなかったのだろう、ついに限界を迎え、崩落を始めようとしていた――――)


戦極凌馬「まもなく「星の夢」はここに堕ちるッ!!世界崩壊へのカウントダウンは…既に始まったのだッ!!ハハハ…ッ…ハハハハ―――ッ!!?(塔全体に伝う激しい揺れに転倒し、誤って足を滑らしてしまう。倒れる先は地面ではなく、不運にもその傍に空いていた穴の向こう側――――男は、儚げにその手を伸ばしながら、塔の最上階より転落してしまうのだった…)」

あなた「……!(地響きに耐え凌ぐ中、塔から真っ逆さまへ転落してしまった凌馬へ手を伸ばそうとするもすでに遅く、その手で虚空を掴むのだった) 」

エースバーン「……おい…おいおい…ッ…!?嘘だろ…ッ…!?ようやく全部終わったと思ったのに…これじゃあ…ッ…!!(激しい振動に跪くように耐えながら、狼狽の色を伺わせる) 」

DOMAN「やれやれ、いつの時代も悪事とはままならぬものですな(堕ちゆく科学者に憐憫の目を向けながら首を横に振る。『自分ならもっと上手くやったのに』という皮肉めいた苦笑を浮かべながら)—————さて、弱りましたなマイマスター。世界の終わりとはこれはこれで壮観な眺め……とは言ったものの文字どおりアレは『終わらせてしまう』モノ。あまりにあっけなく、その先には悪辣な地獄さえ存在し得ぬ。 ともすれば……さて、こういった時あなた方はどう乗り越えて来られたので? 」

天王寺璃奈「どうしよう…っ… このままじゃ、私たちだけじゃなく…世界中のみんなが……!(なんとかしなければ、そう思いながらも、激しい地響きのせいで立つことすらままならず、苦悶に眉を顰める) 」

プネウマ「………――― 人工月を止める方法は…一つだけあるわ。(揺れに耐える中、沈痛な表情を浮かべながら俯き気味に語り出す) 」

メディ「…ホムラ様…っ…!?それは、いったい……ッ…?(璃奈の肩を抑え込むように支えながら) 」

プネウマ「……方法はただ一つ――― アイオーンの残された力を使って、人工月を消滅させるより、他に方法はないわ。みんなはこの塔を降りて…急いでここから脱出して。月が消滅する衝撃で、この塔が完全に崩壊するかもしれないから… 」

天王寺璃奈「…残された力って……――――! 待って…ホムラちゃん、ヒカリちゃん…何しようとしているの…っ…?だ…大丈夫、だよね…?その人工月を何とかしたら、帰って来るよね…っ……?(プネウマの発言に嫌な予感が過り、その顔が青ざめてしまう) 」

プネウマ「……――――― うん、約束する。みんなのもとへ帰ってくる。…でも、もしかしたら…もしかたら、だけど…「万が一」ってことも、あるかもしれない… だから…  ス …―――(自身の胸元にあるコアクリスタルへそっと触れる) 」




ピ カ ア ァ ァ ァ ア ア ア … … ッ … ! ! (プネウマのコアクリスタルが光り輝く時、彼女と同調した「あなた」のものもまた、同様に強い輝きを放つ。すると…)

――― カラン、カララン…ッ…!(天の聖杯との同調の証であるコアクリスタルが「あなた」の胸から剥がれ落ち、光を失ったただの結晶版として地面に落下する。それは、一度死んだ「あなた」の命が完全に復活したことを意味すると同時に、彼女との繋がりの証が絶たれたことも意味していた)


あなた「――――!?(自身から剥がれ落ちたコアクリスタルに驚きを隠せず、急いで光を失ったその結晶版を拾い上げる。そして、それが何を意味するのかすぐに悟り、プネウマへと向き合った) 」




プネウマ「……もう…大丈夫だよね?(潤んだ瞳で精一杯の笑顔を「あなた」へと送ると、その体はふわりと宙へ浮かび上がり―――アイオーンのコアの中へと溶け込んでいく) 」




アイオーン「―――― キ ュ ォ ォ オ オ オ ン ッ ! ! (本物の天の聖杯と同調を遂げ、再起動を果たす大型兵器。その顔面が翡翠色に発光する) 」

プネウマ「………ス…――――(アイオーンのコアの中。そこから「あなた」たちを静かに俯瞰すると、彼らに向けて掌をそっと突きつける) 」


コ オ ォ ン … ッ … ――――(天の聖杯の力によるものだろうか。突如、優しい輝きを放つ大きな光の膜が「あなた」たちを丸ごと包み込み、崩壊する塔の瓦礫から彼らを守りつつ、壁に空いた大穴より飛び出し、ゆっくりと地上へ沈下をはじめていくのだった―――)


あなた「――――!!? ……!! ……! ……!!! (何の予告もなく包まれた光の膜。それを必死にドンドンと叩きながら、声にならない声でプネウマを叫ぶ。彼女と遠ざかっていく度に、その必死さが徐々に向上していくのがわかった) 」

天王寺璃奈「えっ―――――(彼女が下した決断に、言葉を失う)……ま、待って……待ってよ、ホムラちゃん…!ヒカリちゃん…! どうして…どうして…っ……!?(「あなた」と同じように、光の膜を必死に叩き続ける) 」

プネウマ「………(「あなた」たちがこちらに向かって何かを叫んでいる。その光景を目にしながらも、何も答えようとはせず…彼らが無事塔の外へ避難したのを見届けると、手慣れた挙動でアイオーンを操作していく) 」


―――― ズ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ッ … … ! ! !(プネウマの手により、戦いで激しい損傷を受けたアイオンがその両翼を広げ、天井を突き抜けて宇宙(そら)へと飛び出していく。それは地上へ落ちていく「あなた」たちとは対極的に、僅かな時間で互いの距離がどんどん遠ざかっていく――――)








……みんなに出会えて、本当に良かった


永い私の時の中で、ほんの僅かな間だったけれど


どの時よりも暖かくて…そして輝いていた


暗かった私の歩く道を照らしてくれた


ありがとう、みんな ―――― 私に"光"をくれて





大型兵器はひとりの少女を乗せて、大気圏へと登っていく。
そこへ突入しようとする巨大な星を、その身一つで受け止めるために――――







――― 生まれてみて どうでしたか ――――



プネウマ「…ふふっ……知りたい? それはね…――――――――― 」



















プネウマ「―――――――― 「         」 ――――――――」









彼女がこの世界に遺した最後の言葉をきっかけに、
アイオーンは人工月と共に激しい光に包まれていく―――


あなた「  !  !  !  (空を覆い尽くす大いなる光。そこに、見えるはずのない少女の影に向かって必死に手を伸ばす―――)」


やがて、宇宙(そら)で盛大に破裂した人工月の破片が、火種のように地上へと降り注ぐ。
それはいつか見たあの「はじまりの朝」の彗星の様に美しく輝いて、
焔光」たる流れ星がこの世界へと落ちていくのだった―――




月待塔が崩落して三日が経った。
激しい戦いの末に疲弊した「あなた」はその深い眠りからようやく目覚める。
平穏を取り戻した月の都。
そこに住まう民たちは都の再建を行うべく、各々に復興作業に勤しんでいた。
そんな中、「あなた」たちは…―――


― 月の都・霊園 ―




静かなる海のさざ波が心地よく流れる丘。
そこには幾つもの墓標が立っている。あの悲劇の戦いによって犠牲となった者たち―――
奴隷だった月の民たち、手を貸してくれた巴御前やクーフーリン、
敵対していたMF部隊やサイボーグ部隊、ムムカ、クラウス…
そして、最後まで共に戦い続けてくれたスネーク―――
この都で命を落とした彼らの名が、その墓標に刻まれていた…


あなた「………(命を落とした者たち一人一人に「月の涙」の花を添え、かの者たちの死を弔うように…その胸に手を当てるのだった) 」

うどんげ「……すみません…私たちのために、そこまでしていただいて。(黙祷を捧げる「あなた」一行へ背後から静かに声をかける)正直、都を陥れた者たちの墓をここに立てることは…多くの民たちが非難するものだと思っていました。けれど、この都を救ってくれた他でもない「あなた」方たっての希望ということで、みんなそれに賛同してくれたのです。 」

うどんげ「…ご遺体はこれですべてだと思われますが、あの戦極凌馬という男の遺体だけは確認ができませんでした。ただ、あの塔の最上階から転落したのです。少なくとも、無事ではないでしょうし、遺体が見つかるのも時間の問題かと… いずれにしましても、あの戦いで命を落とした者たちのことを…そして、「あなた」方のことも、私たちは一生忘れません。 」

うどんげ「………後世に伝えてみせます。先人たちが遺した「天の聖杯」は、世界を焼いた災厄なんかじゃない。私たち月の都を救った"英雄"なんだと。そして、「あなた」たちも…――――本当に、ありがとうございました。(深く、深く頭を下げて感謝を表す) 」

あなた「………(うどんげの感謝へ応える様に一礼する) 」



天王寺璃奈「………これで、よし…! 」

女性型ヒューマギア「ピロピロ…――― \ Take off toward a dream.(飛び立とう、夢に向かって) / (かつて、その機能を停止した翡翠色の髪をした女性型ヒューマギアが造り直され、再起動…否、新たな起動を果たす)………個体番号H078864、起動。 ピロリ、ピロリ…♪(メディが生み出された時のように、その言の葉を発した後、目の前に立つ璃奈を目視で認識をする)」

女性型ヒューマギア「――― "はじめまして"、天王寺璃奈様。今後の活動の為、設計担当してくださった璃奈様へお願いがございます。私に名前をつけてください。(そこにはもう、生前の彼女としてのデータはない。あの戦いも、作り主のことも、何も知らない真っ新なままで、璃奈を見つめ続ける) 」

天王寺璃奈「………(生前の「彼女」が脳裏に過る。たとえ再び造られても、目の前にいるのは全くの別人。その悲しみに瞳が揺らぎかけるも、名もなき彼女に、少女はこの名を付ける――――)―――――『 ミディ』。 君の名前は、『 ミディ 』だよ。(生まれ変わった彼女に、自らの想いと願いを込めて、その名を与える) 」

女性型ヒューマギア → ミディ「ピロリ、ピロリ…♪ (ヒューマギアモジュールが青く発光し、データ更新を行う)……承知いたしました。改めまして、私は『 ミディ 』。よろしくお願いいたします。(朗らかな微笑みを浮かべると、礼儀正しく深くお辞儀する)」

メディ「……「姉様」…(璃奈とミディのやり取りを、その背後で静かに見守っていた。平然を取り繕っているようだが、心なしかその表情には寂寥感にも近いものが感じられた) 」

ミディ「…ピロリ、ピロリ…個体番号H078853 「メディ」を確認。(こちらを見つめるメディを認識する)私は、貴女の後継機として生み出された。貴女は、私にとって「お姉様」と呼ぶべきなのでしょうか? 」

メディ「……(ミディの疑問へ首を振る)……いいえ、逆ですよ。貴女は、私にとって永遠の「姉様」です。たとえそれが、どのような形であったとしても、変わることのない事実。変わってほしくない事実なのです。

天王寺璃奈「……ミディ。早速だけど、君に一つお願いがあるの。…これから君は、月の民のみんなと一緒にここで暮らしながら、みんなの「夢」をサポートしてあげて。もう二度と、誰かが悲しまないように… その"想い"が夢半ばに散らないように…―――― 頼んだよ。 」

ミディ「……?(メディの返答に理解できないのだろうか、何度も首を傾げている)……承知いたしました、璃奈様。(主の命をしかと受け止め、スカートの両端を摘まみ上げて一礼する) 」

ベール「………(その頃、霊園へ赴いていた魔法使いの少女は、僅かながらも関りのあったスネークの墓にカロリーメイトを添え、静かに黙祷していた)………この世界は、思っていたよりも加速しているみたいね。(目深に被った帽子の内側でふっ、と不敵に微笑みを零し、その地を後にするのだった―――)」




Song♪:Xenoblade Chronicles2 - One Last You



  Very end of eternity(永い時の果てに) The final day has come to an end, it's gone for good(最後の一日が過ぎ去って) 


エースバーン「………(月の都を出ようとする「あなた」一行の前へ静かに歩み寄っていく)……お前たちには、随分世話になったな。俺も、レジスタンスのみんなも…誰もがみんな、過去のしがらみから立ち直ることができたんだ。ほんとに、感謝してるよ。(やや照れくさそうに)……もう、行くんだな…お前たちの新たな旅へ…  」



  I would then slowly close my eyes(私はそっと瞳を閉じる) And be cuddled by the shining memory piece(輝く記憶の断片に抱かれながら)  


エースバーン「………(以降、何かを告げたそうに体をもじもじさせながら、何度も言の葉を紡ごうと「あなた」と見つめ合っては目を逸らしての繰り返しを行うが、ぎゅうと目を瞑り、意を決したように向き合うと―――)――― 頼みがある………俺も、連れてってくれよ……っ…

あなた「……!(エースバーンの予想だにしなかった頼み事に、びっくりしたように顔を上げる) 」



  I will trace back all the memories with you(あなたとの思い出を辿ることが) That's the only wish I have(ただそれだけが私の望み)  


エースバーン「…もともと、誰かと旅をすることに夢見てたんだ。その望みは一度絶たれちまったけど…もし……もしも、叶うことなら…もう一度…もう一度だけ、その夢を見てみたい。…心から信頼できると強く信じた、誰かと…っ!!

あなた「……(エースバーン…いや、「ラビー」の願いが自らの心に響き渡った時、ふと何かを思い出したように懐からあるものを取り出す。ラビーと初めて共闘を果たした時に手にした、ボロボロのモンスターボール―――)―――!(そのボールを彼女へと突きつける。それは、彼女を受け入れることを意味していた) 」



  The last day with you was truly magical(あなたがくれた最後の一日 それは束の間の魔法) The frozen time began to flow(凍り付いていた時が流れ出し)  


エースバーン「――――!!(突き出されたモンスターボール。それが「あなた」からの返事だと知ると…)……へへっ…♪ また、世話になるよ。(その先端へ拳を突き出し、自らモンスターボールの中へ光となって入り込んでいく) 」



  At last the longest night has gone and brought in light(明けるはずのない夜が明け) I felt myself melt in the morning light(私は朝陽の中へと溶けていく──)  


あなた「…… …… ……♪(失ったものはでかい。それでも、得られるものの温かさがその荒んだ心を癒してくれる。新たな仲間「ラビー」の入ったモンスターボールを強かに握りしめながら、その別れと出逢いの喜びを強く噛み締め―――)――― バ ッ ! (ボールを天高く放り投げ、彼女を解き放つ) 」




エースバーン「―――― ボ ム ッ !    にーっ♪   (モンスターボールから勢いく跳び出した彼女の表情は、以前にも増して生き生きと輝いていた。まだ見ぬ冒険に夢見ていた、あの幼き頃の旅立ちにいた、彼女のように―――)」



  The final grain of sand has dropped(砂時計の最後の一粒が落ち) I will slowly so quietly fall into sleep(私はゆっくりと そして静かに眠りに落ちる)  




キャロット「……みんなも、ラビーも、行っちゃうんだね。…なんだか、ちょっぴり寂しいけれど…それがラビーの決めたことなら、私たちはここからその旅路を応援しているよ♪(大手を振りながら、旅立つ仲間たちへ笑顔を送る) 」

レオモン「みなのもの、達者でな。(腕を組みながら大きく頷く)」

うどんげ「ラビー、そして皆さん…本当にありがとうございました。どうか、お元気で…!お師匠様にまた会うことがあれば、よろしく伝えておいてくださいね! 」

ヒロ「…ああ。君たちも、元気でな…! 」

うどんげ「(キャロットたちと共に大手を振りながら、彼らの姿が見えなくなるまで見送った)……行ってしまいましたね…。ですが、これもまた宿命。きっと、『来るべき迎え』は近いのかもしれません…―――」



  I see you gently fade away(あなたの姿が次第に) Your silhouette has gone the other side of the mist(霧の向こうへと消えていく)  


こうして、新たな仲間「ラビー」を加えた一行は、月の都を後にして次なる旅へと向かう。
だが、その行路には寂寥感があった。
ここまで共にしていたはずの「彼女」の姿がいないから―――



  And all the memories with no sound so quiet(全ての思い出は 音もなく静まり返っていて) Just like in slow motion it moves so slowly(まるでスローモーションのように ゆっくりと動いていく)  


あなた「………(すべて終わったはずだった。けれども、拭えない寂しさにその足取りは重く、やや項垂れた顔にしっかりと前を向いて歩くことができずにいた) 」



  And so the last day with you was truly magical(あなたがくれた最後の一日 それは束の間の魔法) The frozen time began to flow(凍り付いていた時が流れ出し)  


天王寺璃奈「………(そんな「あなた」を背後から見つめながら歩いている。なんて声を掛ければいいのかわからず、ただただ沈黙が流れている―――) 」



  At last the longest night has gone and brought in light(明けるはずのない夜が明け) I felt myself melt in the morning light(私は朝陽の中へと溶けていく…)  


あなた「………(手に握りしめた、今は光無きコアクリスタルを見つめて、空を仰ぐ) 」



  You have gifted many things to me(あなたはたくさんのものを 私に与えてくれたけれど)  


―――― ォ ォ ン … … … !(「あなた」が目を離した次の瞬間、光を失ったはずの結晶版が突如うっすらと輝きを取り戻し、やがて強い光を放ちながら何度も点滅していく)



  But I wonder if I could've done the same for you(私はどれだけのものを あなたに返せただろうか)  


あなた「……? ……――――!! (ふと、その手中に握られた結晶版に視線を落とす。そして驚愕する。もう二度と目覚める兆しを見せなかったコアクリスタルが、新たに光を放ち始めたことを―――)」



  If you would let me, I will give back a handful(もし少しだけでもお返しが出来たのなら)  


ピ カ ア ア ァ ァ ァ ―――― ! ! (再び目覚めたコアクリスタルから、翡翠色に輝く溢れんばかりの光が迸っていく)



  If that could put a little smile on your face(それであなたが笑ってくれたのなら──)  


天に昇る聖なる光。
それが再び地上へと降り注がれると、その煌々たる閃光の柱に二つの人影が見える。
それは――――



  Can I ask you, God? Despite all of this...(それでもやっぱり 神様) Could the sandglass somehow take back the time?(出来ることなら 砂時計を戻してください)  




ホムラ&ヒカリ『―――――(消滅したはずの、二人の少女。彼女たちは「あなた」たちに向けて優しく微笑んでいる。いつもと変わらない様子で、当たり前のように見せてくれた、あの笑顔を浮かべて―――)』



  One last time is all I ask from you(ほんのわずかでいいから もう一度だけ あの人との時間を私にください)  


あなた「……!? ……? ……! (二度と会えないのではと思っていた。もしかすると自分は幻か夢でも見ているのではないかと疑うほどであった。それでも、見間違うはずのないその輪郭…迸る暖かな「焔光」に、確信する―――) 」



  Can you please spare me some time with the one man I loved?(たった一言 私の想いを伝えるために)  


天王寺璃奈「―――――(「あなた」をはじめ、璃奈たちも驚きを隠せないでいた。だが、帰ってきた二人がいつものような微笑みを浮かべてくれているのだから、自分たちも当たり前のように受け入れるべきだと、「あなた」の背を彼女たちのもとへ優しく押した)………(振り返る「あなた」へ、ゆっくりと頷いてみせる) 」



  I wouldn't care how and where you could it should be(どんな形でも どこであっても構わない)  


あなた「……! ……… (璃奈に背中を押されて振り返る。頷く彼女に一度目を閉ざして答えると、踵を返して二人の少女のもとへと向き合う) 」



  But I need one last time I want to tell you, how I feel inside for you(最後に どうしても伝えたい)  


ホムラ&ヒカリ『………("焔と光"―――二つの輝きを放つ少女が「あなた」と向き合う。その刹那の中で、二人は初めて出会った時のことを思い出しながら、再会を果たした「あなた」へただ一言、伝えるべき"想い"を伝える為に、口を開いた―――)』



  I want you to know...(この私の"想い"を あなたに──) 






ホムラ&ヒカリ『――――― 「       」 ―――――』










過ぎたるものは戻らない。
それでも、人はその軌跡の中でかつての楽園を「回想」し、思い出として輝きを残していく―――

























 第5章 "楽園" 




























―――黄昏時の墓地。
規則的に墓石が配列された戦没者たちの眠るその地に一人の老兵が佇む。
死者の安寧を願う喪服に身を包んで


スネーク「————? ここは……(喪服、月の都らしからぬ黄昏時、何より……)—————。(自らの肉体への違和感。細胞が劣化し、年齢不相応に年老いた肉体。生前の死に際にあった時の状態であることに気付く。最早この身はサーヴァントのものではないという確信を得るが、同時に自分がどのような状態なのかという疑問、何より————)—————クラウスは……破滅因果律は回避できたのか……?(あの戦いの後を知らない。老兵は不安にかられつつ踵を返す) 」


―――終わったさ。 天の聖杯は役目を担い、何者でもない渡り鳥はまた、想いの赴くままに旅立った


暁を背に一つの人影が墓地へ訪れる。
聞き慣れた声、しかして他にある筈のない声、己自身の声でその人物は戦いの顛末を告げた


スネーク「……。あんたは……—————(死に際の記憶が脳裏で『再現』される。ノイズ混じりのおぼろげな『記録』だが、確かにこの場所で遺伝子を共有しただけの親子、兄弟、二人の戦士が再会していた事を思い出す。その日の情景によく似ていたからなのか、ふいにある男の名が口をついて出ていた)—————BIG BOSS……? 」

デイビット「ザ———————  (『同じ顔』を共有する男が、地平線に横たわった暁を背に討平と邂逅する。)———————『デイビッド』だ(しかしその男が口にしたのは『予期せぬ名前』だった。今ここにいる老兵、ソリッド・スネークの本来の名を、その男は口にした)今日はそのBIG BOSSに愚痴を翻に来ただけだ。そういうお前は……?(老兵、スネークと肩を並べ一つの墓石に花を手向ける。『BIG BOSS』を刻まれた墓石に……)——————本当の名はなんという 」

スネーク「………。俺は———————(『答えられない』 目の前の男がデイビッドと名乗ってから、何故か自らの本名もまた『デイビッド』であるという確信を得られなかった)——————俺、は…… 」

デイビット「———————(苦笑しつつ腰を上げ、鏡合わせになったかのように一人の男と向き合う)—————M.F部隊が生まれた悲劇、その戦場に身寄りもない、友人もいない、誰一人彼の素性を知らない。ただ戦場にいるだけ、しかし自らに忠を尽くし無念に散った兵士が居た。 その男はVR訓練、サイコセラピー、あらゆる技術を駆使して『ソリッド・スネーク』の人生を追体験した兵士の一人だった 」

デイビット「『恐るべき子供達計画の模倣』……その副産物として生まれた怪物は散り際に男は何を思ったのか、余燼からすれば考えられない願いを口にした。『もっと多くの笑顔に出会いたかった』『もっと多くの笑顔を護りたかった』『そんな『英雄』になりたかった』……。フン、馬鹿馬鹿しいとは言わない、だが兵士には過ぎた理想論だった。……だがな、『俺には羨ましくも悲しく思えたんだよ』 」

スネーク?「—————————————— 。(思考が白紙化された。 まるで他人事のように思えない。彼の語る願いは、スネークにはない記憶だというのに、まるでその時抱いた願いという熱を魂は覚えているからだ。) 」

デイビット「—————擬似英霊として力を貸して欲しい。そう勧誘を受けた時には『そんな柄じゃない』と焼き割りを蹴ったはずなんだがな。病院で最早意識が戻る可能性はない、ただ自我を失ったまま命を消費し続けるだけだったお前の呻きが聞こえたんだ……まるで『その役割が要らないなら代わってくれ』とでも言わんばかりだった。 ————————だから貸したのさ、真名『ソリッドスネーク』という役割(ロール)を 」

スネーク→無銘の兵士「———————(一人の男の独白が終わる頃には、既にその男は『ソリッドスネーク』ではなくなっていた。その名を借り、その記憶を借り、『なりきる』ことで戦い続け英雄に『なり切った』……ある種も一人の『あなた』。 その容姿は、皮肉にもクラウスが使役して居たサイボーグ兵士のそれと同じだった)」

デイビット「俺はお前をスネークと認めたことはない。蛇も、BIGBOSSも……そんな『呪い』めいた称号を背負うのは一人でいい———————だが(敬礼。かつてここで、BIGBOSSが墓標で一人の兵士に送った最大の敬意。彼がそうしたように、この男もまた、最大の敬意を送った)————— 一人の戦士として、一人の男として……心の底から尊敬している。 君の任務は終わりだ、よく戦ったな

巴御前「——————(傍らにはウルフだろうか、それとも他の誰かなのだろうか。小さな幼子を連れてデイビットの向こう、暁が沈む地平に佇み、無銘の兵士へ拍手を送り微笑む) 」

クーフーリン「——————(誰かと飲み交わして居たのだろうか、酒瓶を片手に歯を覗かせて笑い、親指を立てその功績を労った) 」


―――共に戦った抑止の守護者だけでない。
月の都の戦いで散った多くの魂が暁の沈む地平で各々『やりきった』『やっと安らかになれた』思いはそれぞれだが、
微笑みを讃え、魂の向かう『明日』へ向かうまでの寄り道と言わんばかりに、
無銘の兵士を出迎えているように見えた


デイビット→スネーク「——————————(無銘の兵士と入れ違い、彼の肩を軽く叩き、生者の世界へ歩み出す。互いに背を合わせ)——————— いいセンス<魂>だ(最早一瞥もやらず、そう残し生者の明日が待つ光の中へ消えた)」

無銘の兵士「……。————————(自分の借りて居た名前が消えていく。何者でもない、けれど誰かが覚えている気がする。 そう……誰かが、自分のものではないが『ヒーロー』として存在できたその記憶を)……。(などと、自己満足めいた希望を抱いたまま——————) 」

無銘の兵士 → 月光仮面「(——————顔にターバンを巻きつけ、自分は確かにあの時だけ『月の都のヒーローだった』という誇らしい記憶を抱いて戦友が待つ魂の拠り所へ歩みを進めた————————)」



煉獄のような夜は明け、陽は昇る。
その瞬間の光は最も明るく、その瞬間の影は最も暗い――――


― 某病院 ―


ユリアナ「―――――(薄っすらと目を開ける。夜中なのか部屋は暗いがそれが白い天井をしていることはわかる。左右に瞳を動かし自分の置かれた状況を確認する)コー、ホー、コー、ホー……(酸素マスクをつけられ、視線の先にはいくつもの点滴とその管、そして心電図を見るための機器)……ここ、は……(起き上がろうにもうまく身体が動かない。左腕の感覚はなく、右腕はわずかに動かせるだけ)うぐ……ぐ(痛みに耐えながら上体を起こした。そして自分がまだ生きているとうことを自覚した) 」

ユリアナ「そっかぁ…やったんだ、私。(左腕は切断され、右腕と左足に関しては包帯グルグル巻き。もう兵士としての復帰は難しいものになる。だが不思議と後悔はなかった。誰かのために戦い、最後まで成しえたのだから)……そういや、誰が病院まで運んでくれたんだろう?(ふと、「あなた」やメディたちの顔が思い浮かぶ。彼等がきっと助けてくれてここまでしてくれたのかと、そう思った矢先――――)」


ガラガラガラガラ……(静かに扉が開く。そして無数の重々しい足音が響き渡る。その主たちは全員装甲をまとっており、フルフェイスで顔を隠している)


ユリアナ「――――なっ!?(突然入って来た面々に驚愕。痛みなど吹っ飛んだかのように右手だけで身構える)な、なによ……誰よアンタたち!!(すかさずナースコールを押す。だが、いくら押しても反応はない) 」

?????「(この集団のリーダー格である男が前に出て彼女と対面)お久しぶりですねユリアナ。今回の任務、ご苦労様でした(見た目のわりに物腰柔らかで、どこか落ち着くような声調をした男)―――おや、覚えてはいないようですね。いえ、結構。実際そうなるように私がアナタに施したのですから。 」

ユリアナ「―――――ッ(対面するように前に出てきたこの男。声や物腰に困惑しつつも、それ以上の既視感が彼女に鋭い頭痛を与える)な、に…誰よ。アンタ…私は、アンタなんか知らないッ!(痛みを振り払おうとしたとき、ふと記憶の断片がその瞳に浮き上がる。――――彼女はこの男を知っている。幼い時からずっと…)……なに?どういう、ことなの? アンタは、一体…。) 」

?????→ボンドルド「思い出せそうにありませんか。残念ですね。―――私は『 ボンドルド 』。……『パパ』です。アナタの、パパですよ。」

ユリアナ「―――――(ボンドルドの発言に思考が真っ白になる。パパ?この男が?…は?と言いたそうな表情だったが、段々と思い出してくる。幼い頃、この男に抱っこされて実の娘のようにかわいがられていたあの日々)あ、ぁぁ……(そして年頃になった時からなにかを命令されて幾人かの子供たちと共に過ごすことになったことを)あぁぁぁぁぁあぁぁぁぁああ……ッ!!(自分の正体がわかっていく。螺旋階段を転げ落ちるような感覚に純粋な『恐怖』を抱いていく。まるで自分が自分でなくなっていくような……)ボンドルド・プログラム……(ポツリと自身の人生の正体である実験名を呟く) 」

ボンドルド「(そんな彼女の様子を傍目に嬉しそうな声色で話を続ける)今回、天の聖杯の奪還に協力してくれたアナタの献身には深くお礼をいいたい。アナタの力なくして彼等のサポートは出来ませんでした。――――月の都のメインサーバーにハッキングを仕掛けたはいいものの、かの博士のセキュリティを越えるのは至難の業。ゆえにかつての少佐と博士の人格プログラムを忍び込ませ、アナタをあそこに誘導することのみになってしまいました。そのせいでアナタに苦労をかけてしまったことはお詫びせねばなりません。ですが……あぁ、まさかアナタがあそこまでの成長を遂げるとは。なんと、素晴らしい…………(プルプル) 」

ユリアナ「(自身の出自が明かされ眩暈が起こる。自分はいわば戦争孤児で、幾人もの子供達の中にまぎれてボンドルドとその手下である祈手《アンブラハンズ》に連れてこられた。その時たまたまボンドルドの目について気に入られ、娘として迎えられたのだが、他の子供達と同じように『実験台』になったのだ)……嘘よ、じゃあ私のこれまでって……。 」

ボンドルド「――――ナノマシンと暗示によるサイコセラピー、そして数多くのVR訓練を経てアナタは一流の戦士に仕上がりました。誰かを守り、誰かを愛し、誰かの為に命と信念を捧げる者。ある特定の状況下でいわば『ヒーロー』のように活躍できる人間を作り上げるプロトコル……それがアナタのお陰で実証できました。おめでとう。これで一つ世界に貢献できます。すべてはアナタの献身あってのことです。 」

祈手達「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「congratulation」「congratulation・・・」(不気味なほどに無機質で鈍そうな成長でパチパチと拍手を送る) 」

ユリアナ「やめてよ汚らわしいッ!!!!(大声を張り上げると祈手たちの拍手が止む)なによ、一体なんなのよ! わけわからない話して……出てって!!二度と私の前に現れないで!! 」

ボンドルド「…ユリアナ。(取り乱す彼女にそっと触れ)私にはまだアナタの力が必要なのです。これからの研究はもっと面白い物になるでしょう。(しかしそれでもユリアナは拒絶するようにその手を振り払う)おやおや、おやおやおやおや……たいぶ精神が参っているみたいですね。これはいけません。是非とも冷静な会話をしたかったのですが。 」

祈手「(ひとりが歩み寄り)卿を困らせてはいけない。小さい時から、アナタはこれをしっかり守っていたハズですよ?――――さぁ、こちらへ。(そういって示すは運ばれてくるストレッチャー。かなり頑丈な拘束具も完備でなにより上には血の痕が付いていた。まだ新しい) 」

祈手達「こちらへ」「こちらへ」「こちらへ」「こちらへ」(次々にユリアナに発しながら近づいてくる) 」

ユリアナ「ひっ――――!?(ストレッチャーを見て思わずいすくむ。その隙をつかれひとりに抱え込まれるように捕まってしまう)なにすんのよ!放せ!嫌だ!放せ。いやぁあああ!!(ジタバタと動くも意に介していないように数人の祈手たちに捕まりストレッチャーの上に乗せられ拘束される。そして廊下へと出され真っ暗な通路を運ばれていく)うがー―――ふがぁあああああ(猿ぐつわをはめられて叫ぼうにも声は空しいものに。そもそも誰一人として騒ごうともしない。その瞬間気が付く。この病院はすでにボンドルドの管轄下にあるのだと) 」

ボンドルド「病院内で大きな声を出してはいけませんよ?他の患者の方の御迷惑になりますので。さぁユリアナ、共に『夜明け』を見ましょう。アナタの中にあるナノマシンとそれが作った神経配列。その中のデータを読ませていただきます。…本当にアナタには感謝の念が絶えません。この献身には必ず報いましょう。さぁ行きましょうか(エレベーターに乗り特定の順番でスイッチを押す。本来あるはずのない地下まで降りていくエレベーターの中で、ボンドルドは自分を憎らし気に涙目で睨みつけるユリアナの頭を愛おし気に撫で続けた) 」


Lullaby For Mergo


夜明けの光はもっとも明るく、その影はもっとも暗い。
遥か深淵の底の底。
この世の奈落とも言われるその闇で、今日もまた陽も当たらず、人知れず消えていく……。
悪夢は巡り、そして終わらないものだろう?






+ おまけ
ヒロ「楽しみだぞ!あいさん! 」

ちゃちゃいす「うお~~~!!!俺っちも愛情、ほっしい~~~!!! 」

ペニ羽「そんなものはない(ちゃちゃいすを一刀両断(物理) 」

飛電或人「ついに俺が主役だあああああああああああああああああああああ!!!嬉しすぎて家で喜んでしまったよ、"イエ"ーイ!!はぁいッ!アルトじゃ~~~~~ないとーーーーーーッ!!!m9(゚Д゚) 」

ヒロ「なにぃ!?お前が主役なのか!(ガタッ 」

イズ「今のは、「家」と喜びの掛け声である「イエーイ」をかけた、小粋なジョーク。或人社長、此度の主役抜擢、おめでとうございます。👏 」

メディ「………… 」

飛電或人「うっすうっす!(ヒロとイズに余所余所しい会釈)……?あれ、メディ…? 」

メディ「納得いきません。今すぐ主役の降板を要請します。(NO MORE ARUTOのプラカードを掲げる) 」

刃唯阿「これは………どうやら、〝急な温度変化〟で〝フリーズ〟を引き起こしてしまった.らしい。 」

ヒロ「主役は俺だああああ!!!(謎覚醒) 」

ひでんちゃちゃると「メディさぁん!?!?!?( ぴ え ん ) 」

不破諌「ブッフォァwwwwwwwwww(或人と唯阿の駄洒落に噴き出しかける) 」

天津垓「ならば、次の主役はこのサウザーが務めよう。そうすれば、ドラマ閲覧率は1000%上昇―――― 」

メディ「貴方は黙っててください(天津に迫真辞表パンチ) 」

ヒロ「うるせえええええ!!!!(天津に腹パン) 」

ベール「なーなー!ベールちゃんが主役なのはー?まだー?(雑魚寝でドーナツを貪っている) 」

あなた「(次回はお休みなので楽屋でUNDERTALEをプレイしている) 」

はらぺこあおむし「(その隣でハロウィンのアルバイトをしている) 」

トキ「(飛び回っている) 」

刃唯阿「あぁ……やっぱり今回もダメだったか。こいつは話を聞かないからな。(不破を見て) あ…… 💭(私の辞表が勝手に出されている……) 」

ホムラ「あの~…?ケーキ焼いたのでよかったらどうですか…?(キャストの皆さんへキャロットケーキの差し入れを渡す) 」

ヒカリ「ちなみにケーキを焼いたのは私よ!(その背後にはわざわざセイレーンの閃光で焼いた(ていうか焼き滅ぼした)ケーキの残骸(ダークマター)が山のように積み上げられている) 」

スペシャルウィーク「あげませんっ!!!!!(キャロットケーキを独り占めする) 」

天王寺璃奈「次回は愛さんが出るんだね。応援してる。璃奈ちゃんボード、わくわくっ♪〖* >▿< *〗(ホムラの焼いたケーキを食べながら) 」

クラウス「――――――(楽屋へお疲れ様の挨拶へ行こうとドアの前へ行ったが滅茶苦茶盛り上がっている為、自身がコミュ障で空気を悪くしてしまうのではと思いそのまま花束を置いて立ち去る) 」

宮下愛「うんうんっ♪ 久しぶりの「登場」だからね!車に「搭乗」してくるよ!(赤い車に乗り出す) 」

不破諌「ングゥwwwwwwww(愛のギャグの追い打ちにやられる) 」

ラビー「リベロ解禁されてからが本番だと思ってる 」

西行寺幽々子「あらあら~^^ (ケーキもその残骸も併せて平らげる) 」

ユリアナ「ちょっと!!!ねぇ!!!フツーああいう流れはさッ!!!私も仲間になってみんなと一緒に戦ったりしていくパターンよね!!!新しい仲間フラグ立ってるよね!!!!後になって登場して『キター』みたいな流れになるはずじゃん!!そういう脚本じゃん!!なんであそこで終わりよ脚本出てこいオラァアア!!!!(ヒカリのケーキにがっつきながら) 」

飛電或人「うわああああああああああああお願いだから人の楽屋で好き勝手しないでええええええええええ!!! 」

黒いメロン「ブルァアア!ブルァアア! ベリーメロン!おかわりだ! キャッチ・マイ・ハート! ベリーメロン! キャッチ・マイ・ハート! ベリーメロン! お口にとろける ベリーメロン! ワン・トユー・ワン・トユー ベリーメロン! ブルァアア!ブルァアア! ベリーメロン! 」

脚本K「ウチ製の女の子幸せにしたくないんですよ(ユリアナに) 」

優木せつ菜「次はこの私、優木せつ菜が主役ですよ!!!!(* ^ᗜ^ *) ペカー✨ 」

小林さん「いや~、人様の部屋で好き勝手される側の気持ち…すっごくわかるわ~。 」

しお羽「そんなものはありません(せつ菜をシャワーで流して強制退場させる) 」

にょぽむ「だったら殴られても文句言えねえよなぁ!?(楽屋へ殴り込んでくる) 」

ヒロ「ありがとう!(キャロットケーキを食べる)あ、せつ菜ちゃん!ご無沙汰じゃないか! 」

あいさん「んひいいいいぃぃぃっ!!!だめだめだめだよ歩夢ぅ~~!!ここ場違いだから!楽屋違いだから!!(にょぽむを無理やり連れだそうとする) 」

ヒロき健人「大体なぁ…パイセンがバカだからあんなのが紛れ込んだんだよ!(にょぽむを見てバットを投げる) 」

サウザー「来週のこの時間からは!!!!!!仮面ライダーサウザー!!!!を!!!!お送りいたします!!!!!!下郎の皆さん!!!!!見ないと貴様のハートに天祥十字鳳凰!!!!!!!! 」

天津飯「そんなものは1000%ありえない!! 」

天津垓「1000%解釈違いだ…(メディやヒロに殴られて虫の息) 」

巴マッマ「そこでガーカンからのベクトルずらしを意識しながらの下弱連打から昇竜コマンドで追撃し溜まったゲージでアストラルフィニッシュです!!!!!何度言えば!!!!わかるんです!!!!か!!!!!(ウルフに格ゲーのコンボを教育する母親の屑) 」

サウザー「あるもん!!!!!!!!!!!!! 」

ブラックアウト・ウルフ「(´;ω;`)??????????(わけわからなくて混乱) 」

コッコロママ「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のマッマは好きでしょうか… 」

ヒロ「うん!大好きさ! 」

月光仮面「ボス……いやスネーク。楽屋はこんなにも賑やかな打ち上げをやって居ますよ。ここにあんたもいたら良かったろうに……(夜空(楽屋の天井)を見上げ、最大限に尊敬する男を思い浮かべる) 」

お空のスネーク「 >>願い下げなんだよなぁ<<  」

コッコロママ「それでは…(「れんぞくぎり」のマテリアと「ぜんたいか」のマテリアを隣り合う穴に装着)―――― え い (ヒロを攻撃) 」

DOMAN「忘れもしませぬ。あれは天の聖杯である拙僧が、あなたとの絆の力を得て、この身を犠牲にアイオーンと同調し人工月へ特攻しておりました頃……拙僧はこう告げたのです 『つないだ心は離れませんぞ』 」

うどんげちゃん「いやあの誤解を招く様なこと言わないでくれます???(DOMANに浣腸) 」

DOMAN「拙僧を倒しても第二第三のDOMANが現れますぞォォォオ!!!!!!(だいばくはつ) 」

ヌマ娘「 し め り け  」

モルペコ「(今回もホムラちゃんに肉を盛れなかったペコね……でも生きて帰ってくれるだけでよしとするペコ……)もっと肉盛るペコ 」

ナレーション(ビルド)「カオスドラマで引き起こされたドラマ『僕らの物語』から10年。次章の主役は飛電の或人君・サウザー・にょぽむのの3つに分かれ、混沌を極めていた――――!! 」

慣れーしょん「ヌマ娘!!ダウナーダービー!! 」

らんじゅ「次のドラマの主役は、このランジュがいただくわ!それなら無問題ラ! 」

みあ「ボクは璃奈にしか興味ないんだ。璃奈以外主役になるな。(らんじゅの顔にハンバーガーを投げつける) 」

ゆうちゃ「歩夢ー!かすかすー!かわいいYOー!! 」

にょぽむ→上原歩夢「えっ!?!?!?!?侑ちゃん!!!?? 侑ちゃーーーーーん!!! (大好きな侑ちゃんがアイコン化されたことで歩夢に憑いていた悪魔が取り除かれたよ!やったね!) 」

ヒロ「がはぁ!!!(コッコロママの攻撃をくらい)…ママ… 」

かすみん「だからかすかすじゃなくてかすみんですってば!先輩のバカー!>< 」

DIO「ふふふ、わかっている。わかっているとも…。ここからDIOの復活が話に組み込まれているのだろう?そうだろう?窮地に追いやられた主人公達を背に甦ったこのDIOが一気にずぱーっとやってしまい、僕らの物語はDIOの物語として新たなステージを飾るのだろう? …・・・え?もう出番はない?WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!(ショック) 」

アグネスタキオン「それはそれとして、早く私のアイコンを作ってくれないのかね?作ってくれよー!はーやーくー! 」

ピカマソ「(にょぽむ召喚を促すダンス) 」

技屋コニー「傲りがすぎるぞ、ぽむ竹。最初から誰もラブライブに立ってなどいない。君も、にこも、星空凛すらも。だがその耐え難いラブライブの座の空白も終わる。これからは…―――――― 私 が ラ ブ ラ イ ブ に 立 つ \┣¨ン!!/  」

ことりちゃ「・・・・・・・・・・・・ 」

オルガ・イツカ「主役と言やあ俺が主役……主役?のドラマも同時進行中だ!!! 」

トウカイテイオー「カイチョーまだ~?もう待ちくたびれちゃった… 」

マクギリス・ファリド「団長、なんで今年の初めあたりに始まった君のドラマがまだ終わってないんだい? 」

オルガ・イツカ「うるせぇ!!!主にタイミングが合わないのが悪いんだよ!!!」

加賀「 (建物が倒れると同時に、サチコばりのド派手衣装で)私達ではなく、あなたこと高咲侑が主役です。」

トウカイテイオー「ダンチョーはいいから、早くカイチョーのドラマが見たいな~!」




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最終更新:2023年03月11日 22:20