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――― Vs. 【第0調査兵団】 サナトリー ―――
ドプ、ドプッ……ゴプンッ…―――――!(今も尚広がりゆくヘドロのような毒沼。それは住民"だった"死骸をはじめ、海の家やヤシの木などの無機物さえも呑み込み、溶かし尽くしていく。物体が蒸発する事に空中に放出される有害物質が、次第にイースターの澄んだ空気さえも汚そうとしていた――――)
サナトリー「 ゴプ……ドプ…プッ……―――― (自身が一歩踏み出す。それと同時に侵攻領域が広げられていく毒のフィールド。迂闊に近寄ることのできない相手から、レギュレイターの方へと歩み迫っていた―――)」
鬼塚冬毬「……これは…むやみに近づいてはいけません!毒です!」
ネオン「っ――――!(この刺激臭…まさか……――――!)(目には見えないが、毒沼と共に広がる汚染臭に思わず眉を顰めて鼻元を手で覆った)……!まさか…トロクロロエチレンが含まれて………?(そしてある事実に気づいたように零してしまう)」
アルタール「Wh,What…!なんだって…?ト、トロロ……?(
サナトリーを警戒ししながらじりじりと後退する最中、ネオンの発言に振り返る)」
ネオン「…トロクロロエチレン…その昔は、日用品における洗浄液として抜群の効果を発揮した有機塩素化合物の一種です…。ですが、その急性毒性は、皮膚や粘膜に対する刺激作用と麻酔作用であり…曝露濃度が高くなるにつれて,目の刺激や頭痛に倦怠感などが襲い掛かり…認知能力や行動能力の低下が現れる危険物質でもあるんです…!
ネオン「つまり、「先生」が形成している毒のフィールドと一緒に、空気汚染も同時進行しているということです…!液体よりも気体の方が拡散率は圧倒的に高い…このまま退けば、その毒性濃度は向上、致死量に達してしまえば誰も彼女に近づくことはできません!長期戦は不利ですッ!」
アルタール「……I see……つまり、ゲリラライブみたくショートでスマートにクリアしなければならない、ということだね……!」
ヘルトラウダ「………トロクロ………ええと、要するに……塩素ガスですよね……あの毒沼が溶かした場所からガスが発生して、広がり続けて……早く仕留めないとと言えど、接近戦は自殺行為……まあ、やるだけやってはみますけど…『スウォーマーモード』起動(
ヘルトラウダの声と共に、篭手型のガジェットが両腕に展開され……その両肘上までを覆う。その動作を確認し終え、前傾気味に構えを取り)」
ヘルトラウダ「近付く手段を下さい…それまでは、なんとか最前列で抑えてみます……ずぅっっ!!(やや素っ頓狂な掛け声を上げながら、味方の面々の最前列に踏み込み、毒沼からは距離を置きつつ両拳でパンチの連打。それによって生じた衝撃波で
サナトリーを牽制しつつ、あわよくば毒沼と毒性気体を遠ざけ様とする)」
桜小路きな子「ト、トロロクロ…チレン…???(混乱している)し、四季ちゃんが詳しそうっすね……(負傷して入院している彼女を思い浮かべながら)」
鬼塚冬毬「…そういうことになります。(アルタールの言葉を聞き)スピーディーな決着が求められます。しかし…」
スカーレット・デルタ「…このスーツがどこまで毒に耐え切れるか……ですね…!(電気をまとった刀を構え、毒沼に向けて振るう)」
ガダル「止せ!毒沼からトロクロロエチレンが発生しているなら衝撃を与えれば飛沫などで被害がより拡大する!付け加えるが発がん性物質として認定されている以上、仮に撃破できても諸君等は……!」
エデ【執行】「ピーピー騒ぐなガダル(片手を上げガダルを制し、冷淡な眼差しで状況を俯瞰する)――――――まあ偶然というか考えてないんだろうが、そこの武装娘の発想は悪くない。(スカーレットデルタを指さしつつ、背後に構えるマリ
マロン兵へ一瞥を寄越す)」
エデ【執行】「 電圧レベル最大、フィールドフルレンジ! 掛かれッ!!(片手剣を振り下ろし号令。切っ先を
サナトリーの喉笛へ狙いを定める)」
ガダル「 !? (エデの命令にぎょっとし目を丸くするが)―――――――承知。 シールドを連結し陣形を組め、隙間を1ミリも開けるな! アーリマン隊、私に続けッ!!行くぞオ"オ"オ"オ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ォ"オ"!!!!!(盾を砂浜へ深く埋めるように叩き漬けグリップを引く。すると火花が弾け、盾の表面を眼を塞ぎたくなる程の蒼光を放ち高圧の電流を走らせた。)
アーリマン隊「「「「「「「「「うおおおおオオオオオオオオオオォォォォ――――――ッッ!!!!!(ガダルを中心に隊列を組み、前線の兵が盾を連結。ギミックを起動し、高圧の電流を纏う城壁を築き上げる。 そして砂浜を刳りながら果敢に
サナトリーが支配する毒池へ突っ込んでいく)」」」」」」」」」
バチ ッ バチ ッ ・・・…!! バラバラ バラ バ ラ ……(盾の纏う電流に触れた毒液が"固体化"。乾いたばかりのコンクリのように灰色に染まり、ヒビ割れ砕け……そし砂塵として四散し風化する。 あくまで盾に触れた毒液のみ、兵の進行は遅いが鈍足ながら前進しようとする)
エデ【執行】「 電気分解によるトロクロロエチレンの浄化は理論上可能だ。既に諸君らの世界においても『トロクロロカット』という製品が発表されているようだしな。 錬金術における"分解"="再構築"のファクターは電子分解と共有結合を幾つかの障壁を魔術的アプローチで可能にできる。(腕を組み得意げに鼻を鳴らし不敵に笑む。しかし……)」
エデ【執行】「(―――――それだけじゃないだろうな。
サナトリー……人の直し方を知っているということは、壊し方を熟知しているという事。現代医学頂点の一人ともなれば、札は幾つも揃えているはず) 道筋は示した、速攻で息の根を止めろ。ババを引く前にゲームごと破り捨てるしかあるまい」
ネオン「――――!すごい…この一瞬で先生の毒に対する有効打点を見出すとは… 調査報告でしか知り得ていませんでしたが、やはり高水準技術を誇るアトラスの叡智は五大国随一ですね… これならば、接近戦を仕掛けることが比較的容易にはなるはず…―――(ですが……――――)(一喜一憂に表情を歪ませながら事の成り行きを見守る)」
サナトリー「……―――――――― ヒ ュ ボ ォ ッ (毒沼を凝固しながら確実にこちらへの接近を仕掛けるアーリマン隊を前に、進撃の歩みを止める。だが静止したと思えば考える間もなく腰元にぶら下げていたカンテラを手繰り寄せ、点火) ヒ ュ ッ (火を灯したそのカンテラを、灰色に凝固した大地へと投げ入れた―――)」
アルタール「――――!Wait…なんか様子がストレンジだ……一度Uターンしたほうがいい…!!(
サナトリーの一連の動作を怪しんで、侵攻する部隊へ叫ぶも――――)」
―――――― カ ツ ン ッ (投げ入れられたカンテラが灰化した地面に弾けて、中に閉ざされた火が外へ解き放たれる。その、瞬間だった――――――)
ボ ォ オ ォ ン ッ ! ! !
余にも刹那的な出来事であった。
彼らを遮る毒が灰の路となって姿を消したかと思えば、その広大な路が瞬く間に発光。
光は一瞬で夜を丸ごと包み込み、"大炎上"。
それはまるで至近距離で太陽爆発を目撃するような、形容できないほどの大衝撃。
核爆発など生易しいといえるレベルの強大な爆炎が、一瞬で彼らを消し飛ばしたのだった―――――――
ネオン「―――――――……パラ、パラ……ッ……(気が付けば、消し飛ばされた建物の残骸に埋もれていた)…ッ゛……ぅ……!(その右肩は瓦礫によって完全に"潰されて"しまい、右腕はもはや使い物にならなくなってしまった)」
アルタール「……Oh……ァ……ッ゛………(辛うじて維持していた岩盤に叩きつけられていた。だが、その宇宙服のフルフェイスマスクに大きな亀裂が生じ、指一本で突かれてしまえば粉々に砕け散る程であった)……な、なにが……おこ、て………?(状況を確認しようと、めり込んだ全身を抜き出そうと試みる。だが、力は入らない)」
ネオン「ハーッ……ハーッ………うッ゛……( ド ス ッ )(まだ機能する左手でポシェットから即効性のある鎮痛剤、それが仕込まれた注射器を取り出し…自身の右肩へと注射。その後、慎重に瓦礫の間隙を縫いながら埋もれた右腕を引き抜いた)……はぁ……はぁ………トリクロロエチレンは……ッ…炎に触れると、分解して有毒且つ腐食性のヒュームを生成するんです……ッ…」
ネオン「ゼェ…ハァ……そして、ヒュームとは……塩化水素のこと… 塩化水素自体には爆発性はありません…です、が…ッ……!金属を浸して水素を発生させた際、空気と混合して爆発するんです…!あの時、先生が投げ打ったカンテラ…きっと、その爆発を、何十倍以上にも引き出す…特殊な加工が施されて、いたのでしょう……!でなければ…こんな甚大的な被害は、起こるはずがない……!(目の前に広がる惨劇を前に、少女は戦慄を覚える―――)」
イースターだった景色は、先の大炎上を経て作り替えられた。
建物は全焼どころかそもそも初めから存在しないものとして跡形もなく消し飛ばされ、遮蔽物の一切は消し飛んだ。
よく見れば、その隣の海…海面上を、残骸や死骸が満たしている。頭上に広がるは夜空ではなく爆発によって生じた曇天。
黒く焦がされた大地にはまだいくつかの火種がパチパチと音を立てながら揺れている。
なにより、一番目立つは巨大なクレーター。その中心部に、人影が立っていたのだ―――――
サナトリー「―――――――――(――――爆心地にペストマスクの人物。彼女が着込んでいるラバースーツは特殊防火加工が施されているのか、傷どころか溶けている個所も一切存在しない。ただ微かに燃え盛る大地の上に佇んで、この惨状を感受するように両腕を広げるのだった)」
ヘルトラウダ「………ガハッ、ゴボッ………ハァ、ハァ……!!!(ネオンの視線の先、あらゆる物が浮かんだ海から人体と建造物の残骸を押し退け、ずぶ濡れの姿でなんとか陸地へと上がり)」
ヘルトラウダ「ハァーッ……!ゼェ………はぁ、く……そっ……恨みますよ、上司同僚の皆様……(対人戦、爆発物への対応の経験から、ガジェットの"盾"の展開が間に合い、加えて常人より遥かに頑強な身体が故に立つことが出来ているが―――)」
ヘルトラウダ「カフッ……(肺が焼けた、身体も随分焼けて吹っ飛んだ、おまけに……)ああ、アンティーカの……ライブあるのに…(両腕に装着していたガジェットは原型こそ残しているが、一目見て使い物にならない状態と分かる程に熱と爆風で破損しており、全身の彼方此方が焼け爛れている)」
桜小路きな子「…………っ…!!(冬毬を庇うように彼女に覆い被さりつつ、瓦礫に埋もれている。右脚が瓦礫に挟まれており、苦痛に顔を歪める)」
鬼塚冬毬「…き、きな子先輩…わ、私を庇って………!(きな子に庇われたためか、周囲に比べたら負傷は軽い方である)」
ガダル「 ハッ フゥ……ッ ク…… ぐァ!!(建造物の瓦礫を埋没させ大の字になり荒い呼吸を繰り返していた。意識が途絶える寸前の情景が瞼の裏で再生され、その恐怖を反芻し咳込み瞼を開ける。) 何……が…… 状況を……点呼、……点"呼"ォ"……ッ !!」
――――――――――。(沈黙。神曲における地獄を現実に落とし込んだ情景の中、延々と腐臭を撒き散らし、炎が猛るばかり。 喧騒に紛れた沈黙) ……。隊、長……! ご無事、で…… 足が……眼が……ッ (弱々しいが、生存者が彼に応える声が帰ってくる。姿こそ見えないが倒れながらも声を捻り出しているようだった)
ガダル「………!!(生存者……! クソ……気を抜くな……! 陛下に任された兵がこうも容易く……ッ!おのれ……)………! そうだ、陛下……エデ陛下は……―――――――――――(生存した兵に安堵し意識を失いかけるが、剣を杖代わりに立ち上がり周囲を見渡す。 右足の感覚がない、右目は機能していない。他にも体の機能が多く損なわれている。 だがそんなことが些事であると嘲笑うような現実が、彼の目の前にあった)」
エデ【執行】「――――――――――(あの大炎熱の中原型を残した硝子の残骸。それが散乱する抉れた地形の中心。そこで右半身を焼失し、残す左半身も黒く焼け焦げた、機械人形の姿があった。 残る右腕は掌を前へ突き出し、"防御結界" の残滓を散らしていた)」
ガダル「―――――――!! ァ"…… ァ ア"……… 陛下…… 陛 下 ッ !! 」
エデ【執行】「 残存勢力、30%……。 97%全滅と出ていたが…… ハッ あの眼鏡に殴られた影響が私にも及んだか。(口さえ稼働せず、ノイズ混じりの音声を発し、自らを嘲り自虐的に広角を釣り上げ) カ ツ ッッ (残骸が、焦土となった砂浜へ沈む)」
ネオン「…ハァ……ハァ……ッ……――――(毒や炎に対する態勢に加えて、あの核爆発級の衝撃を受けても尚、立っていられるなんて……先生の手術着は、あらゆる障害を撥ね退ける作りになっている…… ……そう、だ……先生は、生まれながらにして"人並み以上の敏感肌の持ち主"…と聞いたことがある…… だから、いつも肌身という肌身を隠し尽くしている……――――!)(だがここである事実に気づく)」
ネオン「………!(そう、か………そうか……!この汚染された大気は、まさしく先生自身にとっては最悪の環境下…!普段の日常生活で必ず肌身を晒している我々とは違って、過剰なまでに大気との接触を拒んでいる先生とのある"差"…!つまり、どこか一か所でもこの汚染された空気に晒されれば…平常心を保てなくなるはず…!)(
サナトリーの全身を舐めるように観察し、どの個所を責めるべきか品定めする。そして一つの答えが出たのか、確信したように頷いた)」
ネオン「――――― 各自へ、通達…!先s……
サナトリー氏の「マスク」を…剝がしてください…ッ!どんな手段を講じてでも、無理矢理にでもあのマスクを分離させてください!そうすれば……スーツ無しでは耐性のないあの人自身の敏感体質によって、平常心が喪失するはずです…!(普段から着脱しているあの「マスク」ならば、比較的剥がしやすいはず…!その上…肌身だけではなく…目、鼻、口、耳…五感のすべてが集約されている頭部が曝け出されれば、効果はきっと現れるはず…!)(ぽたぽたと流血する右腕を垂らしながらゆっくりと起き上がっていく)」
ヘルトラウダ「痛い……痛い…ふっへへ………はは……ひひっ……爆発の割に……私が無事なのは……運じゃなくて女王陛下に庇ってもらった結果って事ですか……あんな……偉い人に守られちゃって、まあ……
マイテイ人も形無しですよ……」
(遅れて来る全身の痛み、そして防御結解を展開していた、無惨に焼けたエデの姿。絶望的な状況と、自らの無力さに思わず自嘲の笑いを浮かべ)
ヘルトラウダ「(味方は殆ど全滅。残存部隊も、私も皆怪我人。相手はピンピンして、ついでに多分……最大の戦力で、殺意はガンギマリ……)へへ、えへっ……こんな事あるんだ……え?マスク?(最早自棄になって、更なる笑いがこみ上げてきていた所でネオンの呼び掛けが聞こえ)」
ヘルトラウダ「………ああ、成程………ダメージは通らなくとも、大気汚染の耐性が無いからそれを利用して自滅させる、と……アレ相手に、ふふっ……良いですね、それしかないなら……やってやりますよ……"推し"の平和は……私が守る…っ スゥーーーーッ……タン……トン トン トン トン(爆発で有毒ガスは薄れたと判断。焼けた肺で、深く長く息を吸い……痛みを堪えて足を前後に開いて両腕を胸の前に突き出し、リズムを取って小さく、軽く跳ね始め……得意とする、"ボクシング"の構えを取る)」
スカーレット・デルタ「っ…っ……!!(壁に叩きつけられたのか、スカーレット・デルタのスーツのところどころにヒビが入っている)…マ、スク……?(ネオンの言葉を聞いて)マスク………を…
ヘルトラウダ…さん…!そんな、一人…で…(フラフラと立ち上がる)」
コハク「……っ…っ……(岩盤がどこかに頭部を強打したのか、流血が垂れている)…ダイヤ………!!(スカーレット・デルタの様子を見て)あれは……!」
桜小路きな子「……!あ、アルタール先輩…!(岩盤にめり込んだアルタールを見て)」
鬼塚冬毬「…それより…きな子先輩…その脚………!!(フラフラと立ち上がり、きな子の足を挟んでいる瓦礫を取り除こうとする)」
鬼塚冬毬「……きな子先輩………私のため…に………!(ググッと震えながら瓦礫を持ち上げようとする)」
桜小路きな子「………きな子も…"先輩"っすから。それに…冬毬ちゃんを守れなかったら……夏美ちゃんに…顔が向けられないっす…!(苦痛に顔を歪めながらも精一杯の笑みを冬毬に向け)」
アルタール「……Okay……きっとこれが、ミーの"ファイナルライブ"になるだろう……それなら…ッ……!(よろめきながらも立ち上がる) 盛大にアげていこうじゃねえかァッ!! FOOOOooooooooooooooooooooo~~~~~~~~~~~~!!!!! (いつもの奇声を発する。だが、そこに込められた情熱と気迫は、本物のバンドマンたる彼なりの覚悟の表れであった)」
サナトリー「カクン、カクン、カクン…――――(満身創痍な彼女たちへ、ペストマスクをかくかくと揺らしながら歩み迫る) ジ ャ キ ィ イ ン … ッ … ! (その両手…指間に鋭利なメスが、両手合わせて計8本の刃が顔を出した)」
ネオン「……決着は一瞬の内に決まる……その最期を迎えるのが先生なのか、それとも私たちか、或いは…――――(立ち上がった直後、息を呑みながらポーチからアンプルを抜き取り、それを拳銃へと装填した)」
アルタール「囮はミーが買おう!なんとか隙を作ってみせる――――さ!!(ギュォンッ―――バシュンバシュンバシュゥンッ!!)(メガホン型の小型支援機「サテライト」を二基起動させ、
サナトリーへと射撃を行う) YEEEEAAAAAAAAh!!!! (支援機による射撃と共に特攻。斬撃形態に切り替えた奏星《 アステロイ》で真っ向から叩き潰す勢いで斬りかかった)」
スカーレット・デルタ「………私も、行きます!(電気をまとった刀を構え、マスクに狙いを定める)たぁっ!!!(アルタールが斬りかかってしばらくして時間差で突撃する)」
コハク「………(ダイヤ…!タイミングを、逃すな…!)」
ヘルトラウダ「(毒の沼の展開は無い、そしてこれ見よがしに見せてきた刃物……メスか……ブラフの可能性もあるけど、少なくとも接近戦を想定しているという事……だったら…)……好都合…!―――トン、トン、トン………ダダッ!!!」
ヘルトラウダ「っしゃあぁぁぁー!!!!(格闘型
マイテイ人が故の身体能力を活かし、高速のステップワークで敢えてアルタールの「サテライト」の射線スレスレを通って前進。身を屈めて被弾面積を狭めつつ、一気に距離を詰め……
サナトリーに向けてボロボロのガジェットを填めた両拳でパンチの連打を放つ!)」
ガダル「(主君の成れの果てにうちひしがれ、力なく膝を突き崩れ落ちていたが……
サナトリーへ果敢に立ち向かっていくレギュレイター達が彼を追い越し)……ギ リィ……ッ(自責の念を握りつぶす拳に、手甲の隙間から溢れた血が滲み身を震わせ)」
――――レギュレイター各位!!この恩は一生涯かけて必ず返させてもらうッ!!我ら母なる大海より生まれ出でし兄弟にして戦士!!いつの日か、共に巨悪へ立ち向かおうぞ!!
ガダル「(そうだ……誓を果たすべきは、今!戦うべきは……今ッ!!)――――――――― オ" オ" オ" オ" ォ" オ" オ" ォ"ォ" オ" オ" ッ 破邪必滅・正義執行ッ!!!!! (傷という傷から血煙が噴き出そうとも、それを自ら衝き動かす炎とし立ち上がる。獅子が如き唸りを上げ、両手持ちにし掲げた大剣を、誓いと共に地へ突きたて……)」
キ ィ ン …… ホ " コ " ォ ッ!!!!!!!
(斬撃の余波が地に剣閃を刻み、レギュレイターを追い抜いて駆け抜ける。それが
サナトリーの足元へ届くと同時に、足場が蜘蛛巣城に砕け、隆起し、噴火の如く直線上に天を穿つ衝撃波で
サナトリーを浮かせようとする)
サナトリー「 ジ ャ ラ ラ ラ ラ ァ … ッ … ――――― ガ ギ ギ ギ ギ ィ ィ ン ッ ! ! ! (だが、メスは8本だけじゃなかった。背面より飛び出した数十以上は及ぶ更なるメスが意思を持ったように動き出して、円を描く様にシールドを形成してアルタールの操る支援機による射撃を防御) ブ シ ィ ァ ァ ア ア ッ ! ! (その直後、数本の刃が飛び出して支援機を刺し貫き、そのままアルタールの胴体をも貫通させた)」
サナトリー「 シ ャ ラ リ ィ … ―――― ヒ ュ バ バ バ バ ァ ッ ! ! !( ブ シ ャ ア ア ァ ッ ! ! )(傀儡師が手繰るマリオネット操演のような動きから、宙に浮いた幾つかのメスが今度はスカーレット・デルタにその切っ先を向ける。突撃を仕掛ける彼女の刀をを真っ向から受け止め、無慈悲にも反撃の一閃で斬り裂いた)」
サナトリー「 バ ッ ――――― (接近から攻撃をしかける
ヘルトラウダへ手をかざし、反撃に出ようとする。だがその時―――)―――― ! ? ( ホ " コ " ォ ッ!!!!!!! )(ガダルの放った斬撃によって地盤が盛り上がり、噴火のように噴き出した衝撃波によって彼の狙い通りに宙へとその身が浮かされる)」
サナトリー「 ボッ ゴッ ドガガガッ バギボギィッ ズドガァンッ ! ! ! (無防備な態勢で
ヘルトラウダの乱打がようやく華奢な身体に次々と直撃していく。だが、断末魔一つ上げないその様子に本当に攻撃が通用しているのかどうか、もはや痛覚など感じていないのか、疑念が生じる――――)」
サナトリー「 ガ ッ (だがここで、
ヘルトラウダの攻撃によってメスを手放した片手が彼女の拳を受け止める。そして――――) ジ ュ ワ ア ア ァ ァ … ッ … … ―――― ! ! (手中に分泌させたあの毒液によって、彼女のその手を溶かしにかかったのだ)」
サナトリー「 フ ォ ン ッ (そんな中でもう片方の手をガダルへと突き出す。その示す先へ鋭利な刃を持つ数本のメスが滑らかな軌道を描くように飛び交い――――― 四方から彼を串し刺す)」
桜小路きな子「あ、アルタール先輩……っ!冬毬ちゃん…!これを持って先輩のところへ…!(救急セットの入ったバッグを冬毬に渡す)」
鬼塚冬毬「…!(きな子からバッグを受け取り、アルタールの方に駆け出す)」
スカーレット・デルタ「なっ…!(
サナトリーの一撃を喰らい、倒れ伏す)こ、こうも簡単に、攻撃が…!?」
ヘルトラウダ「案の定効いてる様子はありませんけど……!!このまま一瞬でもズラせれ、ば゛っ゛………!!!(連打の最中、掴まれた右手が毒液を浴び……激痛から溜まらず右腕を引きながらも、同時にペストマスク目掛けて引っ掛ける様な左フックを放ち……勢い余ってそのまま前方へ倒れ込み)」
ヘルトラウダ「う、うああっ……手が、手が……!ちくしょう………(毒液に依って溶かされ、反射的に逃れたものの……拳の肉が溶かされ、剥がされて骨が露出した右手が思わず目に入り)」
ガダル「 ―――――!!――――――――――――――ッ!!…………(四方から迫るメスによる刺突が的確に臓器を抉り、そして固定することで致命傷を負うと同時に身動きを封じられる。 口橋から赤い筋が垂れ、炎に晒される中体温が急激に低下し氷のように凍てつくのを感じた)」
ガダル「――――――――――(まだ、だ……陛下、
エクレイル殿……私はまだ向こうへ逝くには……まだ……ッ) ふ ンッ!! (メスに固定される右腕を振り下ろす。串刺しにされた状態で無理に動かせば両断されるのは必然、しかしそれを良しと不敵に笑み……) ガ ァ" ア" ッ !!(千切れ飛んだ腕を口に加え、それを
サナトリーへ向け投げ放つ。 切断面からは肉片と血しぶきが舞、
サナトリーの視界を封じにかかった)
アルタール「 グ フ ッ … … ! ! (メスに胴体を貫かれ、致命傷を負う。罅割れたヘルメットの亀裂から鮮血が僅かに噴き出し、内側の視界が真っ赤に染まっていくのを感じた)……い……ケェ……ッ……!(自身を犠牲に
ヘルトラウダにすべてを託すように、その身が崩れ落ちた)」
サナトリー「 ブ シ ィ ッ ――――――( ! ! ?)(アルタールを葬った隙に飛来したガダルの「腕」、そこから噴き出す血飛沫によってペストマスクが血塗れとなり視界が遮られてしまう) ド グ ゥ オ ン ッ ! (過ぎに対処しようとしたのも束の間、そこに
ヘルトラウダの渾身のフックが顔面に炸裂。ペストマスクが一瞬で凹み、ガラス部分が砕け、そして…ついにそのマスクが吹き飛ばされた―――――)」
サナトリー「 ア゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ッ゛ ! ! ! (ようやく曝け出された素顔。麗しの銀髪が潮風に揺られ、曝け出された白い肌。穢れを知らない女性から、俗世を忌み嫌うかのような怨嗟の如き絶叫が空に劈く。自身の敏感な白肌は徐々に空気に混じる毒素によって汚染されていくかのように黒ずんでいき、血管が気味悪く浮き彫りになっていくのだった)」
ネオン「 先 生 ッ ! ! ! (この瞬間を待っていた問わんばりに絶叫する
サナトリーへと飛び込み―――)――――― ド ス ッ ! (彼女の首筋に突きつけた拳銃のトリガーを引いた。発砲音はなく、代わりに何かを撃ち込んだような鈍い音を響かせる)」
サナトリー「 ッ゛ ! ! ? ( ド ッ グ ン ッ ! )(首筋に「何か」を打ち込まれたその直後、すぐに自身の容態に変化が訪れたかのようにその体が大きく跳ねた)
ネオン「ハー…ッ…ハー……ッ…―――――「サクシニルコリン」…!麻酔導入用の筋弛緩剤として使用される薬品… しかしッ…今打ち込んだ量を体内に過剰摂取すれば、それはもはや"猛毒"となる…!そして…その毒はもう既に…目まぐるしい速度で貴女の身体を蝕み…やがて死に至らしめる…ッ……!」
ネオン「……先生……貴女が教えてくれたこと、一度たりとも忘れたことはありません…っ…… 時代が移り変わろうと、医術は世界が求め続ける…!だからこそ…私たちは、倒れてはいけない… そこに助けられる「命」がある限り……!理由はどうであれ…貴女は多くの「命」を殺めた…… この「手術」を成功させる方法はただ一つ…―――――」
ネオン「―――――― 先生、貴女を永眠せることです」
サナトリー「… ァ … … ア゛… … ァ゛ ァ゛ ア゛ … ッ゛… … … ! ! ! 」
今まで本当に、ありがとうございました。そして……おやすみなさい
サナトリー「―――――― ド サ ァ … … ッ … … ! ! 」
「黒衣の医師」が崩れ落ちる。
その最期に何を思ったのか、彼女たちには知る由もない。
少なくとも、教え子や仲間たちが命懸けで取った行動は…
彼女自身が食い止めようとしていた「病」の浸食を、阻止(と)める結果となった―――――
ネオン「――――――――― フ ラ (恩師が倒れた後、力尽きたように横たわる。仲間たちが決死の覚悟で作ったくれた隙を突いて
サナトリーに一矢報いることはできた。だが、それは同時に――――"相打ち"となっていたのだった)… … ジ ワ … … ッ … … (投薬のその瞬間、実際は取り乱していた彼女のメスをその心臓に受けていたのだ。メディックである自身にはその致命的な事態の重みを理解していた)」
ネオン「………………―――――」
先生……貴女の教えで……私たちは……これ以上の被害を抑えることが、できました……
私はもう、"ここ"までです……
"さいご"に……自分の「命」を知りました……
ああ………「命」が……こんなにも…熱くて……重くて……儚くて……
もう少しだけ「生きていたい」と、願って……―――――――――
ネオン「―――――――――――――」
その少女は、憧れの恩師と対となるような態勢で横たわる
二人の遺体は赤い池に満たされ、沈んでいくのだった―――――――
桜小路きな子「あ、アルタール先輩………!(身が崩れ落ちたアルタールの様子を見て)」
鬼塚冬毬「………お、遅かった…ということですか……(バッグを持ったまま膝から崩れ落ちる)」
アルタール「ゼー…ッ……ハー………ッ……――――――(決着が尽いたその時、自身は未だに仰向けに横たわっていた。自分にできる最善の行動はすべてやり尽くした。後悔はもう、ない……そう思い込もうとした時だった―――――)」
―――― 俺とバンドを組まないかって?……ハハッ、おもしれぇ奴だな、お前。 乗った!
アルタール「………―――――――」
ライオット……ユーとの出会いから本当に毎日が刺激的だったよ。
変人だの狂人だの馬鹿にされてきたミーを、それが「ロック」だって蹴飛ばしてくれたのは、ユーが初めてだった…
本当はもう……こんなマスクは必要なかったんだ…恥ずかしさを隠すために覆ったこれを……
アサギ……レヴィ……
ライオット…… ユーたちとちゃんと面向かって笑い合いたかったよ…
アルタール「――――― ビ キ ィ … ッ … ! (宇宙服を彷彿とさせるあの特徴的なマスクの表面が、ついに砕ける。曝け出された素顔は血塗れによって結局覆われたままだったが、なんだかいつもより景色に眩しさを感じる。もっと眩しい思いをしたかった。ステージの上でスポットライトを浴びることこそが、バンドマンが生きている由縁なのだから――――)」
アルタール「……引退ライブ……楽しんで、くれたかな………―――――――」
ゴ ト ッ ―――――― (バンドマンの手から相棒のギターが手放される。「弦」はとっくに切れていた―――――)
ヘルトラウダ「――――倒れ、た…………?いや、でも………ネオンさん、アルタールさん、ちょっと……!
(本来、戦闘が行えるような状態とは程遠い身体……最早使い物にならなくなった右手、全身に負った熱傷と裂傷……それらの痛みを堪えながら、ふらふらと立ち上がってネオン、そしてアルタールの許へと歩き)」
ヘルトラウダ「………メディック………は……ネオンさんが担当でしたね……誰か、誰か……手当が出来る人……居ないんですか…(体力の限界か、その場に膝を付いて弱弱しい声で居もしないメディックを呼び続ける。二人が"手遅れ"である事は確信出来ていても尚、そうせずには居られないとばかりに)」
桜小路きな子「め、メディックは………こ、こ…っ、す……!(瓦礫に挟まれていた右脚を引き抜き、這いずりながらアルタールの方へ向かう)」
鬼塚冬毬「……っ!きな子先輩、無理をしてはいけません…!あなたも治療を受けないといけない方のはずです…!」
――― Vs. 【第0調査兵団】 ゼフィリーヌ ―――
―――― メ ギ ャ ア ア ア ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! (轟々と燃え盛る木々を何かが勢いよく貫通し、その後倒壊する―――)
ガレア「―――― ぐァ…ッ……!!( ド シ ャ ア ア ァ ッ … ! ! )(貫通した木から吹き飛び値に転がり倒れる)ゼェ……ゼェ……――――「バケモン」が…ッ……!(既に交戦を開始してから数分が経った。対峙する敵を前に果敢に立ち向かっていたが、その度に返り討ちにされてはこうして何度も立ち上がることを繰り返していた)」
キコ「ガレアちゃん…ッ!!(倒れ伏したガレアへと慌てて駆け寄ると同時にそのわき腹にアンプルを装填した拳銃、その銃口を突き付けて発射…否、"投薬"した)」
五十鈴大智「プラリーニの被害損傷率、45%を越えた!このまま進撃を許せば都市部へ奴を放出することになる…それだけは避けないと…――――イペリ、ノイン!(タブレットを操作しながら王国のデジタル俯瞰図を確認していた)」
イペリ「―――言われんでもやってやらぁ!!(ノインと共にガレアと入れ替わるようにゼフィリーヌへと肉薄) せぇいッ!! ( ズ オ ッ ――― ! )(チャクラム形態を維持したガジェットをフラフープのように回転させながら彼女へと突撃していく)」
ノイン「了解。敵の侵攻ルートの妨害を優先する――― ジ ャ キ ィ ン ッ ! ! (両のかぎ爪を研ぎ直すように交差した直後、イペリと共にゼフィリーヌへと飛びかかり、その頭上から斬撃の爪を振り下ろす)」
ゼフィリーヌ「(……何か、違和感があるな…何か狙いがあるのか、或いは……)―――ふむ、先程から何度も吹き飛ばした、大太刀の青年が前衛。そして……薬剤を射出したのかな?彼女が治療担当で、その後ろの眼鏡の君が指揮、アナリスト……といった所かな?二人が後衛と見て良いかな。匪賊とは言え、良く分担が出来ているね(微かに違和感を感じては居る様子で、微かに髪が汚れ、ガジェットの鎧部分に傷が付いては居るものの……先の打ち合いを経ても尚、一切のダメージの無い様子で悠然と歩きながら、ガレアの面々を次々に指差し)」
ゼフィリーヌ「そしてこの二人が……彼をカバーする別の前衛。中々速い上に、タイミングが良く、動きも悪くない、そして美しい……私程では無いけれどね。故に本当に残念だ(防御や回避の態勢を一切取らず、悠然とハルバードを短く持ち替える。そしてイペリのチャクラムを鎧の"脇腹"で、ノインの鉤爪を"額"で受け止め)」
ゼフィリーヌ「―――賢しらに徒党を組み、私の愛する人達が住まう世界を踏み荒らす"悪党"である事が(————受け止める、というより……"直撃"と呼んでも差し支えない被撃。しかしダメージを受けた様子は愚か、動きを阻害される事すらなく……周囲一帯の空気が揺れる程の、莫大な魔力を一瞬にしてハルバードの刃に込め……二人を纏めて薙ぎ払う様に、反撃の一撃を振るう)」
イペリ「――――!?(こいッつ…かッッッた――――!) どは…ッ……!!? (反撃の一撃の前に紙屑のように吹き飛ばされる)」
ノイン「不覚――――ッ!!( ズ ガ ア ァ ン ッ ! ! )(イペリと同タイミングで薙ぎ払われ、大木へ激突してしまう)」
ガレア「――――― づ ぇ ぇ ぁ ぁ あ あ あ あ あ ッ ! ! ! (その時だった。イペリとノインと入れ替わるように、再び前線へと復帰。大太刀をこれでもかと振りかぶった態勢でゼフィリーヌへと急接近し、その鎧諸共頭蓋をかち割らん勢いで斬撃を振り下ろした)」
――― ガ ッ ギ ィ ィ ィ ィ イ イ イ イ イ ン ッ ! ! ! (ガレアとゼフィリーヌ、互いの武器が衝突し合い、森林地帯に衝撃が迸る。ぶつかり合う鋼は火花と稲妻を散らし、大地を震撼させる――――!)
ガレア「ギリ、ギリギリィ…ッ……!!(空中静止したまま刃を押し込ませ、そのままゼフィリーヌを睨みつけている)今更「テメェら」と敵対することなんかどうでもいい!!機械生命体も、ゼレオロスも…んなことぁ俺の知ったことじゃねェ!!俺はただ…――――」
ガレア「―――――― 俺の"強さ"を見せつけるだけだッ!!もう誰にも舐められやしねェ……絶対的な強さをなァ!!!( ガ ギ ィ ィ イ イ ン ッ ! ! ! )(強い意志のみで拮抗するゼフィリーヌをその刃で殴り抜け、退かせる)」
ゼフィリーヌ「随分丈夫な様だね、いや……上手く"受け"て居るんだろう、武道的な防御のアプローチだね。今の二人も、致命傷では無い、か……思いの他練度が高い様だけど……(振り上げたハルバードの刃と、ガレアの大太刀で押し合う形から……予想を超えたガレアの膂力に腕ごとハルバードを弾かれる形となり、その場から一歩退がり)」
ゼフィリーヌ「……驚いたな……ここに来てまだそこまで力が出せるのか、そうであるならば私も……一段、出力を上げるとしようか(勢い良く軸足を踏み込んだ瞬間、地面の土が一気に弾け飛び、地が揺れる。即ち……先程とは比べ物にならない程の筋出力で踏み込むと共に、滑らせる様にハルバードを長柄に持ち替え)」
ゼフィリーヌ「最も確実な"強さ"とは、"力"だと。可愛い可愛い姪っ子にも、そう教えたからね(先程とは比べ物にならない程の膂力に任せて更に速度を上げ、片手で横薙ぎにハルバードを振り回してガレアへと襲い掛かり……同時にもう片方の手をガレアへと向け、その掌から人間大の魔力の光弾を放つ)」
ガレア「なんッ――――― ガ ッ ギ ィ゛ イ゛ ン゛ ッ゛ ! ! (振り抜かれた横薙ぎを咄嗟的に縦に構え直した大太刀で受け止めにかかる。だが) しまッ―――――!!! (気づいた頃にはすでに遅かった。ゼフィリーヌのもう片方の手から伸び出された光弾が零距離で腹部にめり込む形で撃ち込まれてしまい――――)」
ガレア「―――― づ ぁ゛ あ゛ ぁ゛ ッ゛ ! ! ? ( ズ ガ ン ッ、 ズ ガ ァ ン ッ、 ズ ギ ャ ァ ン ッ ―――― ズ ガ ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! )(撃ち込まれた光弾に押し込まれながら次々と大木を貫きながら吹き飛ばされ、最果てのにて爆発した)」
キコ「ガレアちゃんッ!?」
五十鈴大智「ガレアッ!!」
イペリ&ノイン『――――!?』
吹き飛ばされたガレアを追いかけるように、四人が一度ゼフィリーヌから後退していく―――
ゼフィリーヌ「知性を持つタイプの生物には、こういった手が良く効く……とは言え、仕留め切れてはいないかな。残りの四人も此処で仕留めておきたいし……違和感の正体も気になる所だ(ぐっ、とその場で僅かに屈みこみ―――"強化"された膂力で跳ぶ様に駆け出し、踏み込みの勢いで土塊を飛ばし、進行上の木々を薙ぎ倒しながら四人を追い)」
ゼフィリーヌ「……視界が良くないね、障害物も多い………"追い掛ける"なら、こうしようか(チーム・ガレアの面々との距離が縮まった途端、木々よりも高い高空へと一瞬で跳び上がり、ハルバードの穂先を地面へと向け……)」
ゼフィリーヌ「出し惜しみは辞めておこう。これも彼女に教えたけれど……今頃、出来る様になっているかな……(ガレアに直撃させたものより、更に一回り大きな魔力の光弾をハルバードの穂先に発生させ)」
―――パチン
ゼフィリーヌ「 『ジェブローティン』 (指を鳴らすと同時に、魔力の光弾が『弾け』……さながらクラスター弾での爆撃の様に森へと降り注ぎ、木々も地面も巻き込んでガレアの面々を吹き飛ばしに掛かる)」
チーム・ガレア『 ! ! ! ! ! 』
オ ゥ ッ ! ! !
(煌々たる光が弾けて、爆ぜる。森林地帯はおろか、プラリーニ王国の3分の2は呑み込むであろう光のドームが発生し、瞬く間に範囲内に存在するすべてのものが"無"に消え去った―――――――)
―――――― ギ ュ オ ゥ ン ッ (その直後だった。まだ、辛うじて原形をとどめていた範囲外の大地に、五つの影がその場に転送された)
五十鈴大智「ハァ……ハァ……!間一髪だった……僕が独自に開発していた「転移装置」が間に合った…!(円盤状の装置がその手に握られていた)」
イペリ「ぜーっ…ぜぇ……危うく消し炭になるところだった……あんな風に……――――(地面に大の字で伸びていたが、その中でゼフィリーヌの一撃で滅んだ大地を横目に見つめた)」
ノイン「……敵の戦闘力…未知数…… 戦闘の続行、危険……(すでに崩壊寸前のガジェットに視線を落とす)」
キコ「…っ……もう、常備薬も底を尽きちゃった……私たちのガジェットも、さっきの衝撃で破損寸前……このままじゃ……(伏し目がちに項垂れる)」
ガレア「…ハァ……ハァ……何を、言っている…… まだ……『アレ』が、あるだろう…ッ……?」
五十鈴大智「――――!ガレア……まさか…ッ…!?」
イペリ「アンタ……正気かァ…!?アンタが『アレ』を使うということは、ウチらも必然的に使う、ってことだよねェ!!?」
ノイン「………」
キコ「………ガレアちゃん……お姉ちゃんは、ガレアちゃんの味方よ?ガレアちゃんの言うことなら、何でも聞くわ…だけど……『アレ』は……――――
ガレア「テメェら……これが、「さいご」だ…っ…。ここで部隊を降りるか、俺と共に命を散らせるか…選べ…ッ!」
五十鈴大智&イペリ&ノイン&キコ『………―――――――――――』
「あのA大を首席で卒業?」
「戦闘経験は皆無だが、持ち前の高い知能だけで政府解析班のエリートチームに入ったそうだ」
「お高く留まりやがって…」
「だが結局、誰も彼の高尚な頭脳にはついていけず、チームから追放されたとか…」
五十鈴大智「―――――――――――」
『お前の頭脳、俺が高く買い取ってやる。俺の右腕となれ』
『……「力」のみに頼る単細胞が…… だが、いいだろう。ならばこっちも、その「力」を利用させてもらうよ?
望んでも手に入らなかった、その「力」を――――!』
「5冠を獲得した天才スノーボーダーが、ついに引退か…」
「あんなに情熱的な娘だったのに、何があったんでしょうね…」
「祝勝会にライバルに毒を盛られて、両足が麻痺……?どこのガセネタだ?何かの冗談だろう?」
「それが事実なら……」
イペリ「―――――――――――」
『お前が亡くした情熱は、俺が引き継ぐ。だから俺と来い。お前が挫折した未来へ、連れてってやる』
『はぁ…?意味わかんない…酔ってんの、お兄さん?ちょッ、勝手につれてくなよっ……はぁ……マジかよ……』
「お前は「刃」だ。人を殺めることだけを考えよ」
「そのためにここまで育て上げてきた」
「感情など捨てろ、家族など忘れろ」
「そんなものは、お前には必要ない」
ノイン「―――――――――――」
『自分が解らなくなって逃げだした?己が何者なのかわからねぇのは当然だ。その答えを探しながら俺たちは生きている。探し方がわからねえのなら、俺と来い』
『……………… コ ク リ …』
「あんなに献身的で誰にでも優しかったのに…」
「最愛の弟君を事故で亡くしてから、生き甲斐を失ったって…」
「それからは毎日その弟にそっくりな人形を前に食事するようになったんだって」
「相当病んでいるわね…心配だわ…」
キコ「―――――――――――」
『……俺が?アンタの弟?人違いだろう。似ているからなんだっていうんだ。おい、何処までついてくるんだ。……チッ… 好きにしやがれ……』
『ガレアちゃんって言うんだ…お姉さん、君に一目惚れしちゃった…♪』
「見ろよ、あれが噂の…!」
「ああ、確か「ライン・オーレット」だったか…?あの籠城事件以来、先輩後輩問わず今じゃ学園の人気者だな…!」
「バカっぽいけど、あの気さくな感じ……嫌いになれないよな?」
「ああ、まるで「誰かさん」とは違うな」
ガレア「―――――――――――」
『―――ガレア・ジェラクス、だネ』
『……なんだ、テメェは』
『レギュレイター入団試験に落選した君にチャンスを与える者サ』
『……なに…?』
『武勇も知恵も、その素質がある。だが、組織に属するには統率力が不可欠ダ。「4人」…君が選んだ人物を連れてボクのもとへ来るんだ。そうすれば――――』
『……舐められたもんだ。「あの野郎』にできて、俺にできねえことはない。今に見ていろ…』
五十鈴大智「―――……まったく。いつから僕はこんな大馬鹿者になったんだろうね…」
イペリ「ッ~~~~~……むしゃくしゃするなぁ、もう…っ…… どうしてこうも思い通りにならねえんだ、私の人生」
ノイン「…………… コ ク リ 」
キコ「……わかったわ。『私たち』の意志は、いつだってガレアちゃんと一緒にあるのだから」
ガレア「…………テメェら……」
テメェらの命 ――――――――
ガレア「 俺についてこい 」
――――――― この俺に 預けろ
コ ツ ン … ッ … ――――― (焦土と化した王国の大地。その更地を踏み鳴らす「五つ」の影が、ゼフィリーヌへと近づいていた)
五十鈴大智「 コ ツ ン (その青年は、力を求めた。調べ尽くしても解明することのない未知の領域に達するために――)」
イペリ「 コ ツ ン (その少女は、情熱を求めた。かつてあったもの、だが今は失ったもの。口では平気を装っても、今の自分を形作ったものへの気持ちは偽れなかった)」
ノイン「 コ ツ ン (その少女は、自我を求めた。機械的に生まれ、育てられた自分に目覚めた得体のしれない感情、その正体を知るために――)」
キコ「 コ ツ ン (その女性は、愛を求めた。支えがなければ不安定な心のよりどころとなるものに、縋るために――)」
ガレア「 コ ツ ン (その青年は、高みを求めた。何者に嘲られることも、虐げられることもない唯一人になるために――)」
チーム・ガレア『 ザ ッ ! ! ! ! ! (五つの影が並び立ち、再びゼフィリーヌと対峙する。誰も彼もが、恐怖も焦燥も捨てきった強い眼差しをしていた―――)』
ゼフィリーヌ「………普段使う機会が無いと、加減をするのが下手になっていけないな。現場に出るばかりで、我ながら修行が足りない……彼女を見習って、もっと研鑽を積まないとね(地形を吹き飛ばすと共に、ガレアの面々が跡形も無く消し飛んだと判断してか……何も無くなった大地にふわり、と降り立ち)」
ゼフィリーヌ「愛する人々を守る為と言えど、何も残らないのは虚しいものだ。 …美しい私を飾る物も無ければ、後に続く者が歩く場所だって平らな地平に変わってしまう……何時もの私ならこんな事はしないのに、どうも焦ってしまっているのかな……今日の私は調子が悪いのかもしれないね(まるでミュージカルの様に、踊る様に身振り手振りで感情を表現しながら一人で話し続けていた、が)」
ゼフィリーヌ「……………耐えた?いや、違うな。別の移動手段を持っていたのか。恐らくは……瞬間移動、転移に類する物かな…?変わりはしないか。悪党らしくそのまま尻尾を巻いて逃げず、戦って死を選んだのは褒めなければね(歩いてくる五人が目に入り、踊りを止めてそれぞれに順に視線を向け)」
ゼフィリーヌ「――――いや、違うな。生き恥から逃れたが故の眼ではない……明確な意志を持って立つ者の眼だ。悪党にも五分の魂と言った所か……いや……悪党……?(何故…?今私は何を思った、何を以て思考、判断した…?いや、余計な事を考えるな。恐らくこの違和感の正体は……"敵"の干渉に依る物だ。今は、脅威の排除を優先しなければ)」
ゼフィリーヌ「良いだろう、全力を以て……君達を排除しよう(先程までの余裕と芝居掛かった態度は鳴りを潜め、ただ冷徹な殺意を込めて五人を見据え)」
―――――そう…一人ずつ、確実に殺す
ガレア「 構えろ、お前ら ―――――― ザ ッ (己を筆頭に、チーム全員が何かを取り出すように身構えた。それは―――)」
―――― ジ ャ ラ ァ … ! (―――― 帝国兵が使用していた『 プロトユナイタルウォッチ 』だった)
ガレア「……―――――」
ルクエス「………ご苦労様。ラボの抜け道を推したとはいえ、よく痕跡を残さず回収してくれたネェ。(団長席に両肘を突き、眼下に転がる「5つのプロトユナイタルウォッチ」に不敵な笑みを浮かべている)」
ガレア「……『そんなもん』を俺たちに盗ませて、どうするつもりだ。」
ルクエス「―――― キミたちに使ってもらうためだヨ。」
ガレア「なッ………!?」
ルクエス「既にご存知の通り、、「コイツ」はあの『ユナイタル』に変身するためツールであり、その力は絶大的ダ。
キミたちもマリマロンで経験済みだろうが、純正のユナイタルより性能は劣るものの、そのスペックは既存のガジェットや現代兵器を凌駕すル。「力」を欲するキミなんかにはちょうどいい代物だろウ?」
ルクエス「ただし気を付けてくれてヨ。設計によれバ…プロトユナイタルウォッチを一度でも起動しユナイタルに変身した後、そこから過度なダメージを追えばそれだけ肉体にかかる負荷も尋常ではなイ。現に、アサルトが全員、"ブースト"による攻撃に耐え切れずにユナイタルを強制解除された後…不死身であるはずの奴らの身体が"灰化"しタ。驚異的な防御力を得るものだとしても、過剰損傷は自らを死に追い込むと同義なんダ。そのリスクを、背負う覚悟があるのなら―――」
ガレア「……――――― ガ ッ (目の前に転がる内の一つを手繰り寄せ、懐中時計の盤面を睨みつけるように見つめた)……『アイツ』を越えられるのなら、どんな手段を使ってでも俺は成し遂げる。今更恐れをなすことなどあるか。」
ルクエス「……後悔するヨ。ボクについてきたこト。」
ガレア「かもな。だが、感謝もしている。」
ルクエス「…感謝?キミが?へぇ…珍しい物言いだネ。」
ガレア「正直に言えば、アンタは人の上に立つような人間じゃねえ。だが、「俺たち」のように路頭に迷っていた奴らを導いてくれた。アンタにとってはいつもの"気まぐれ"なんだろうが、少なくとも、俺は変わった。」
ガレア「強さを……「力」を手にすることの充足感を、俺を虐げてきた奴らを出し抜く優越感を知った。そして…更なる高みへ登ろうとする高揚感を。お陰で俺は、もっと強くなれる。」
ルクエス「……いい「眼」になってきたじゃあないカ。やっぱりボクが見込んだだけのことはあるヨ、キミは――――」
ガレア「―――………たとえこの身が朽ち果てることになろうが、それでも俺は"死なねえ"。生きて…この世に俺の強さを知らしめる…!」
五十鈴大智「いよいよこの僕もその「力」を得る時が来た!ああ、興奮してきたよ…!」
イペリ「どいつもこいつもマジでキッショい…私はもうこれ以上"熱く"なりたかねーんだよ…」
ノイン「バイタリティ急上昇。万全な戦闘態勢を維持。「変身」段階へ、移行。」
キコ「私、何処までついていくからね…ガレアちゃん…!」
そして、五人はウォッチを構える
各々に覚悟の火を灯して
そして―――――――
「 「 「 「 「 変 身 」 」 」 」 」
ド オ ゥ ッ ! ! (懐中時計を起動した五人。時計より迸る神々しくも歪な閃光が、彼らの身を包み込む。周囲に散りばめられた星座の空間。各々に異なる点と点の位置が光の一線によって結ばれて、描かれた星座から装甲が現出し、彼らの全身に装着されていく―――)
五十鈴大智【スコーピオン】「 キ ュ ィ ン ッ (蠍座の星座が重なり―――――)」
イペリ【パイシス】「 キ ュ ィ ン ッ (魚座の星座が重なり―――――)」
ノイン【ヴァルゴ】「 キ ュ ィ ン ッ (乙女座の星座が重なり―――――)」
キコ【アリエス】「 キ ュ ィ ン ッ (牡羊座の星座が重なり―――――)」
ガレア【アクエリアス】「 キ ュ ィ ン ッ (水瓶座の星座が重なり―――彼らはかつてアサルトが顕現した『ユナイタル』にへと変身を遂げたのだった)」
ガレア【アクエリアス】「 ここからが俺たちの 爆走時間《 ブレイクタイム 》 だ 」
ゼフィリーヌ「その、光は……装甲は……ユナイタル……? 何故だ…?それは……確か……(まず、変身への驚き。そして自らの記憶、認識……それらから来る違和感と困惑に、思わず顔を顰め)」
ゼフィリーヌ「―――――――いいや、今それを考えるべきではないね。悪党達がどんな手を使おうと、何も変わらない……変えてはならないんだ。君達の様な者の悪意に依って皆が傷付く事など、あってはならない事だから(周囲を呑み込むかのような、莫大な魔力を身に纏う。その魔力は『ユナイタル』と化したガレア達にも劣らない程の輝きを見せ……さながら後光の様に彼女を飾る)」
ゼフィリーヌ「悪党の野望は、この私が打ち砕く。歌われるべきは葬送歌でなければならないよ(右手一本でハルバードを握ったまま魔力を込め、同時に空いた左手に魔力を集中させ……魔力の剣を生成。強大な魔力を持つ二振りの刃を構えながら、五人に向かって悠然と歩を進め……超高速でハルバードを横薙ぎに振る。その斬撃の一瞬、インパクトの瞬間のみ…ハルバードに纏わせた魔力の刃を薄く、長く伸ばしす事で更にリーチと切れ味を増した一閃を放ち、ガレアの面々を切り裂きに掛かる)」
ガレア【アクエリアス】「―――――!(ゼフィリーヌの微弱な指先の動きから、この後に繰り出されるであろう攻撃を察知したように微動し――――)―――――― 散れッ!!包囲して叩くぞッ!!(その合図とともに五人全員が散開。逸早い号令によって五人とも間一髪遠距離に及ぶ凶刃から免れることに成功する)」
ノイン【ヴァルゴ】「 降下―――― 急 襲 ッ ! ! ! ( ザ ッ ギ イ イ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! ! )(上空へと飛び上がるように回避した後、空を旋回しつつその勢いを乗せた急降下落下からゼフィリーヌへ目掛けてあらかじめ握られていた赤いユナイタルソードを振り下ろす)」
イペリ【パイシス】「舐めんなよ…こう見えて水泳にも覚えがあんだよこっちはッ!!( ド ッ パ ア ア ァ ァ ア ン ッ ! ! )(地中へ潜ることで回避に成功した自身は、ゼフィリーヌの足元の真下から勢いよく跳び出して、ノインとタイミングを合わせてその巨大な魚の尾で薙ぐように強く振るった)」
五十鈴大智【スコーピオン】「 ギ ャ ガ ガ ァ … ッ … ―――― いよいよこの僕にも力が…!さあ、見せてもらうよ…『ユナイタル』のパワーを!!( ビ ュ オ ッ ! )(その両手に黒棒を生成し、その先端に黄色のユナイタルソードが合体することで槍へと変形。その長柄を巧みに振り回しながら、三手目としてゼフィリーヌを刺し貫きにかかった)」
キコ【アリエス】「お姉ちゃんが援護するわね…ッ…!( バ シ ュ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ウ ン … ッ ! ! ! )(全身のハッチが一斉展開され、そこから顔を出した赤い球体が発光。蓄えた光は無数のレーザーとして放出され、ノイン、イペリ、大智が近接攻撃を仕掛けた後にゼフィリーヌへ雨の如く降り注ぐ形で解き放った)」
ガレア【アクエリアス】「―――― ブ ゥ オ ン ッ ! (そして、レーザーの雨によって生じた土煙の中で機体の持ち味である"高速移動"で瞬間的にゼフィリーヌの懐へ潜り込むと―――)―――― ぬ お ら ァ゛ ッ゛ ! ! ! ( ド ッ グ ゥ ォ オ ン ッ ! ! ! )(至近距離からその腹部へ目掛けて強力なニーキックをお見舞いする)」
ゼフィリーヌ「(ハッタリでは無い、動きも指揮も、確実に速くなっている……!)散った…?いや、回避と同時に私を包囲した……?狙っていた様だね、数の優位を活かしに来たのだろうが…!(散開した五人の行先を目で追い、その内地中へと潜ったイペリとガレア以外を捉えることに成功。急降下しながら振り下ろされたノインの刃に対して、右手に持ったハルバードの柄の先を横から叩き付ける様にして斬撃を逸らし)」
ゼフィリーヌ「後二人居たはず、どこから………がッ……!?地下…ッ!?(頭上から襲い掛かってくるノインに対応していた事が災いし、地中から飛び出してきたイペリの尾が脇腹に直撃。意識の外からの攻撃であった事もあり、衝撃で鎧が割れ、身体がくの字に折れ曲がり、痛みに顔を歪ませて数歩よろめく。だが……)」
ゼフィリーヌ「―――っ…だが、君と、もう一人は見えていた(三手目。体制を崩しながらも、瞬間的に左手の魔力の剣を伸ばし……視界に捉えていた五十鈴の槍による突きが、鎧を貫通して右胸に突き刺さる。が……その突きとすれ違わせる様に剣を振り上げ、その身体を脚部から縦に両断しに掛かる)」
ゼフィリーヌ「(大胸筋、小胸筋まで抜かれた。肺まで達しているな……ここまで止められなかったか、此処まで鋭い攻撃だとは…!)今度は、光線の掃射か……!遠方からの砲撃でカバーに徹したか、だが…!(キコとは反対側の方向に高く、速く跳び……レーザーの雨からの被弾を減らしつつ、ハルバードを身体の前面に構えて防御態勢を取る。それでも尚、防ぎ切れないレーザーによって鎧と表皮を少しずつ削られるも、間隙を縫ってキコに向かってハルバードを構えて反撃を狙う。その瞬間……)」
ゼフィリーヌ「しま…………っ゛……!!(土煙から一瞬で現れたガレアへの反応が遅れ、ニーキックが腹部に直撃。イペリの打撃による衝撃と合わさり、鎧の腹部パーツが砕けると共に猛烈に吹き飛ばされ――派手に土煙を上げながら、地表へと叩き付けられる)」
五十鈴大智【スコーピオン】「 (決まった…ッ、これは強い手応えだ――――!?)(ゼフィリーヌの胸を深く突き刺したことで勝機を見出すも―――) ザ グ ン ッ ! (右肩から斜めに向けて胴体が真っ二つに両断されてしまい、切断部から火花がまるで血飛沫のように撒き散らされていく)」
五十鈴大智【スコーピオン】「…が…ぁ゛……(…勝利とは……犠牲の上に、なりたつものだと……!だからッ…)―――― 勝負には負けても、この戦争(たたかい)は僕たちが勝つさ…ッ…!!!この計算に…狂いは……ない…ッ―――――― ズ ボ ガ ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! (その最期を華々しく散らせる。弾け飛ぶ装甲の残骸に紛れて、「罅割れた眼鏡」が焼け焦げた大地に転がったのだった――――)」
ガレア【アクエリアス】「―――――――(爆散する大智へ一瞥を与えるが、何かを想うように一度だけ頭を項垂れて、すぐにその顔を上げた)―――― 抜かりのねぇ野郎だ。( ダ ァ ン ッ ! )(それだけを吐き捨てて、再びゼフィリーヌの周囲を旋回。再び致命傷を与えるためにその出方を伺う)
ノイン【ヴァルゴ】「――――っ゛!( ガ ッ ギ ィ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! )(空中からの斬撃を弾かれて吹き飛ばされかけるも――)――― バ シ ュ ゥ ゥ ウ ウ ウ ン ッ ! ! (バーニア噴射でその反動を和らげて緊急停止し、再度上空へと舞い上がる) ガ ギ ョ ン ッ ! (折り畳むような起動音と共に飛行形態へと変形し、鮮やかな空中移動から勢いをつけると―――)」
ノイン【ヴァルゴ】「―――― 特 攻 ッ ! ! ! ( ギ ュ オ ォ ゥ ッ ! ! ! )(地面すれすれのところまで急降下しつつ、低空飛行を維持しながらも"捨て身"を覚悟した急速度の突撃を真正面から繰り出した)」
ゼフィリーヌ「ハァ………グッ…フッ……ハァ………ハァ………!先ずは一人、けれど、まだ一人……斃れる訳には行かないな…!!(血反吐を吐きながらもハルバードを杖にして立ち上がり、五十鈴が沈黙したのを確認。深々と刺さった五十鈴の槍を力任せに引き抜き……飛行するガレア、そしてノインを視認)」
ゼフィリーヌ「…………(他の二人が見えない、まだ恐らくは、息を潜めて機を窺っているか……隙を見せたくない、回避行動を取ればその瞬間を狙われるだろう。ならば……確実に、頭数を減らすべきだ)……良いだろう、君の捨て身の策に乗って見せようじゃあないか…!(ハルバードを手放し……仁王立ちしてその身で正面からノインの突撃を"受ける"。しかし、衝撃で骨が何本も折れ、口から血を吐きながらも……ノインの身体を"抱き締め")」
ゼフィリーヌ「がっ………ふ、ふっ……スモウレスラー達は……こういうのを、"鯖折り"と言うそうだよ……(血反吐を吐き、顔には苦悶が滲んでいながらも笑顔を作り……常軌を逸した膂力でノインの身体を圧し千切る程の勢いで締め上げると共に、直接ノインの身体に魔力を流し込む事で……その身体を内外から破壊し尽くしに掛かると同時に、他者の攻撃からの盾にする事を狙う)」
ノイン【ヴァルゴ】「…ッ゛……ァガ……ッ…!!(ボキ…ッ……ベキィッ…ボギ…ッ……!!)(全身にかかる圧力に骨身が装甲の破裂音と共に悲鳴を上げているのがわかる。生身であればこの時点で既に昇天していてもおかしくはない)」
キコ【アリエス】「……!?ノインちゃん……ッ…!!(締め上げられる彼女を見て閃光による攻撃を中断してしまう)」
イペリ【パイシス】「―――― 躊躇ってんじゃねえッ!!( ザ ッ パ ア ァ ン ッ ! ! )(地中から水を弾くような音共に跳び上がり、真っすぐにゼフィリーヌへと遊泳しながら突撃していく)―――アイツはもう、"そのつもり"なんだよッ…!!」
ノイン【ヴァルゴ】「ッ゛…ァ゛……ゥ゛――――― キ ュ ガ ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア … ッ … … ! (悲痛な怨嗟を押し殺しながら、その体が赤熱を帯びて白く発光していく。それはゼフィリーヌによって注がれた魔力の影響か…否、違う。捨て身で特攻した自身が選んだ、最期の策――――“自爆”機能の起動であった)」
ノイン【ヴァルゴ】「 理解、完了…! 自身の、"存在意義"…ッ……!よって、その"使命"、完遂…果たす…ッ…!!! 」
―――― ボ ッ グ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! ! (破裂寸前であったノインの盛大な自爆。その爆炎はゼフィリーヌをも呑み込だのだった――――)
イペリ【パイシス】「 まだ終わらねえんだろッ!?一緒に楽になろうや…ッ……!! (ノインの自爆によって黒煙に覆われたゼフィリーヌ。彼女がそれで倒れるとは思っていないと理解した上で勢いを殺さず突進し―――)―――― ジ ャ キ ィ ン ッ ! ! (人型形態から全身を銛のような鋭い形状に変形させ、ゼフィリーヌを真っ向から突き刺しにかかった)」
ゼフィリーヌ「(判断を誤った。捨て身の覚悟で向かって来る相手に、ヒューマンシールドが通じる訳も無い……ああ、今日は何度も……この様だ。いつもならば、"こんな日もある"と笑い飛ばしたい所だったが……ここまで来てしまうと、ね……)(―――――イペリ達の推測が当然の様に、爆炎の中で立っている。熱と爆風で使い物にならなくなった鎧を投げ捨て、その眼は未だ彼らを見据えていながらも、全身に火傷と裂傷が見て取れ……既に鎧を失っていた腹部、そしてノインを捕えていた腕は特に酷く焼け爛れ、裂けた肉からは夥しい程の血を流している)」
ゼフィリーヌ「(……まだ足が思う様に動かない。肉体の防御性能も随分落ちている様だ……相手は速いな……この攻撃は避けられない、防御も難しい…やむを得ないか)がッ……!!ふ、ふふっ……――勿論、まだ終わるつもりは無いさ。それに、"楽になる"という言い方は好きじゃあない(イペリの身体に腹部を貫かれるも……彼女の身体を両手で挟み込む様に掴み、突進の勢いを強引に止めつつ、そのまま怪力に任せてその身体を潰しに掛かり……)」
ゼフィリーヌ「誰もが最期まで為すべき何かの為に生き、戦う……"楽になる"だなんて、そうやって生きる事を放棄しているみたいじゃないか(空いたイペリの正中線。突進の勢いが止まったのを見逃さず、右手を一度イペリの身体から離し、直後に彼女の胸の中心目掛けて右手でアッパーカットを放ち……その心臓を貫きに掛かる)」
イペリ【パイシス】「がッ……ふゥ…ッ……!(バキボキメギィ…ッ゛…!)(両サイドから挟まれた尋常ではないかりきに酔って走行はおろか、その内部の骨身まで軋みを上げだす。知花と共に亀裂内部から微かに鮮血が飛び出しているが―――)――――― バ キ ャ ア ァ ン ッ ! ! (そこに、ゼフィリーヌのダメ出しのアッパーカットが胸中を貫き、ついに走行の破片と一緒に肉片までもが飛び上がった)」
イペリ【パイシス】「(……それでも――――)―――― ゼー…ッ……ゼー……ッ……!"楽になること"が…生きることを放棄する…だぁ…ッ……?ハッッッ……!ちげーよ、バーーーカ…ッ…!!私も、あんたらも…みんなァ……!!そうやって"楽になる"ために、こんなクソッタレな今を生きてんだろうがッ!!!( バ ア ァ ン ッ ! ! )(もはや限界を迎えているにもかかわらず、魚の尾で大地をはたくように、その勢いを乗せて跳び上がった)」
イペリ【パイシス】「 ここまで生き抜いたんだッ…!"さいご"くらいこんな自分を労わせろよッ!!! (天で折り返り、再びゼフィリーヌへとその脳天目掛けて頭部の銛で突き刺しにかかる) ザ グ ゥ ン ッ ! (だが致命傷を受けていたこともあり狙いは定まらず、彼女の目の前の地面に突き刺さる形で最後の攻撃が失敗に終わ―――――)」
イペリ【パイシス】「――――――――――― お先に、ってな 」
チ ュ ボ ガ ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ン ン ッ ! ! ! ! (―――らなかった。突き刺さっていたイペリの全身が瞬く間に赤熱を帯びて発光し…その最期を、魚雷の如く華々しく散らせたのだった)
ガレア【アクエリアス】「――――――(各々に自爆を選んだノインとイペリの最期を見届けるように戦況を見据えていた)―――― テメェらの生きた"証"、確かに見届けたぞ。 キコッ!! ( ギ ュ オ ン ッ ! )(二人によって大きな致命傷を負ったゼフィリーヌへと高速接近していく)」
キコ【アリエス】「―――― 任せて、ガレアちゃん!( ダ ァ ン ッ ―――― シ ュ ビ ビ ビ ビ ビ ィ ッ ! ! ! )(ガレアに応答すると跳躍し、滞空状態から全身より無数の赤い閃光弾を広範囲に拡散し、ゼフィリーヌを牽制していく)」
ゼフィリーヌ「ガフッ……ふ、ふふっ…私は………そうは思わないよ。例外なく、生存には痛苦を伴うものだ。だからこそ、苦しんで、戦って……それでも美しく在りたい、愛する誰かの為に生きたい。だから、ここで……君が言う様に楽になる訳には行かないな…!(イペリを打ち貫いた右手で、彼女が自爆する直前に再び掌底打ちを放ち、彼女の身体を吹き飛ばす事で、微かにでも爆心地から距離を取り)」
ゼフィリーヌ「――ハァ……ハァ……ガッ……ははっ、まだ守るべき物がある、戦う理由がある……!君達を此処で斃し、まだ戦い続けてやろうとも…!(結果的に右手を捨てる形で自爆の直撃を受け、右肘の先が吹き飛ぶ。それを一瞥もせず、爆風に乗る形で後方へと敢えて吹き飛ぶが……)」
ゼフィリーヌ「(全員が捨て身で攻撃を仕掛けてきている、恐らく此方に突っ込んで来る黒の個体の援護に、あの緑色の砲撃担当が就いている……もし逃走を企てられれば、今の私が追い掛けるのは難しい、か……)………私の一族の頑丈さを、もう少し信じてみようかな(短くなった右手を捨てる様に、ガレアに対して右肩を突き出す様に身体の向きを変え、空いた左手をキコに向け)」
ゼフィリーヌ「今の私でも、狙えば仕留められるだろう……『ペネタジオ』(被弾し、身体を文字通り削られながらも…それを意に介さず、キコに人差し指を向け、その指先からレーザー状の魔力弾を放つ。そのまま指先でレーザーの軌道を動かし、その身体を切り裂きに掛かる)」
キコ【アリエス】「 っ゛ ―――――― ズ ッ バ ン ッ ! ! ! (閃光弾を射出仕切ったその直後、ゼフィリーヌより放たれた鞭の如き機動力を持つレーザーによって胴体を切断され、真っ逆さまに墜落してしまう―――)」
キコ【アリエス】「(ごめんね…ガレアちゃん……お姉ちゃんにしてあげられるのは、もう"ここ"まで――――――)キ ュ オ ン ッ ――――― ビ ィ ヨ ォ ン ッ ! ! ! (最後の力を振り絞るかのように腕を交差し、振り抜くと同時に解き放たれた蒼い閃光。それはゼフィリーヌではなく、ガレアの機体に向けて高速度で追跡し、自身に残された残存エネルギーとして彼に注ぎ込んだのだった)」
キコ【アリエス】「……私は……いつでも……いつまで、も……ガレアちゃんの味方、だから、ね……―――――― ズ ッ ガ ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! ! (そして、胴体が地面に墜落するよりも前に機体は爆散し、その残骸が花火のように儚げに散っていくのだった――――)」
ガレア【アクエリアス】「 キ ュ オ ン ッ ! ! ! (キコの残存エネルギーを注がれたことで機体の輪郭が蒼く発光。機体内部で起動音が激しく鳴り響き、全機能が最大出力に到達したことを示していた―――)―――― あとは俺に委ねろ。テメェらの命も、奴の命も…すべて…俺が貰い受ける…ッ!!!( ズ ド ガ ァ ン ッ ! ! )(踵部バーニアが盛大に火を噴き、人型でありながら最高速度を達するバイク形態に比肩する高速移動を獲得し、刹那の内にゼフィリーヌへと肉薄する)」
ガレア【アクエリアス】「 ギ ュ ル ル ル ル ギ ャ リ リ ィ ィ ッ ! ! ! (高速移動の最中に両腕に顕現した斬撃性を伴う
リングエネルギー。それは回転式チェーンソーの如き苛烈さを帯び始め――――)―――― ウ オ オ ラ ァ ァ ァ ア ア ア ッ ! ! ! ! ( ズ ギ ャ ギ ャ ギ ャ ギ ャ ァ ァ ア ア ッ ! ! ! )(ゼフィリーヌの周囲を高速旋回しつつ、彼女の屈強な肉体を四方八方から斬りつけていく)」
ゼフィリーヌ「—————仕留めた……いや、これは………っ!もう一人の強化…!そういう事も出来るのか…っ!!(また、読み違えた……私が、彼らを…っ!)(————完全なる、誤算。キコの最期の一撃を予測していたが故に、ガレアへの対応が遅れ……容易に彼の接近を許す形となり)」
ゼフィリーヌ「ぐあ……っ―!!が―――あっ―――――ッ!!!(常軌を逸した防御力、そしてまともな人間であれば疾うに事切れている筈の負傷……其れでも尚飄々とした表情で立って居たが……既に限界に近付いているのか、ガレアの斬撃を受ける度に鮮血を噴き出し、苦悶の叫びを上げ)」
ゼフィリーヌ「(思考が纏まらない、集中する事が出来ない、身体の強化も、治療も、纏まらない……!だが、斃れる訳には行かない、私には、まだ……っ!)まだ……ァ…!(まさに、苦し紛れ。しかし、確かに、正確にガレアの両腕に向かって、自らの両腕を突き出し……ズタズタの右手、そして肘から先が消し飛んだ左手を"縦"に深々と切り裂かれながらも、彼の
リングエネルギーの回転を強引に止め、更にはその動きすらも抑え)」
ゼフィリーヌ「ガ……ア…ぐ、うっ………はは、ふふっ………君は、"SUMOU"は、好きかな……?(相撲で言う、"手四つ"の様にガレアの右腕を自らの右腕に、逆の左腕もまた自らの左腕に、深々と食い込ませて押し合う様な体制となり)(既に死に体の身体。絶対の自信を誇っていたその顔は血反吐と負傷、そして泥で汚れ、苦痛を滲ませながらも、無理矢理に笑みを浮かべ)」
ガレア【アクエリアス】「 なんだと…ッ゛…!?(勢いを乗せた怒涛の進撃を、"受け止められた"。だが、ここで退くわけにはいくまいとバーニアの噴射の勢いを殺さず、尚も点火状態を維持して圧倒せんとするが―――)―――知らねえな、これから散りゆく野郎に戯言などッ!!!(ゼフィリーヌの笑みとは対照的に憤るような叫びをあげる。たとえ両腕が抑えられていようが、一歩、また一歩と動かせる足を踏み鳴らしていく)」
ゼフィリーヌ「(彼も恐らくは、自爆で私と刺し違えようとするだろう。だが、逃走の可能性も捨て切れない……今の私に、彼を追うことは出来ないだろうから)(踏み込んで来るガレアにも文字通り"動じる事は無く"至極単純な力勝負でその身体の動きを止め続け)」
ゼフィリーヌ「(ならば、どうするか?生半な攻撃では、仕留めることは難しいが……私の身体も限界が近い。故に困難であっても尚、確実に彼に致命傷を与えた上で何らかの形で離脱する必要がある。ならばどうするか……)いいや、戯言ではないさ。SUMOUというのは神に捧ぐ神事であり、同時に誇りと礼節を以て立ち合うものだ。私は愛する人のため、彼女にまた会う為……全力を以て君を倒すことを、神の前で改めて示すまでだよ(深く息を吸い込んだ直後、さらに鮮血を撒き散らしながら両腕だったものを引き抜き、一瞬で姿勢を低く――――地面に頭が付く程まで屈み込み、ガレアの両足の間に頭を入れ、両腕だったものでその両足を抱える様に持ち)」
ゼフィリーヌ「一瞬で、君の半身を砕く……残骸は、捨て去ってしまえば良い……!!(ガレアの身体を持ち上げ、"居反り"……プロレスにおけるバックドロップの様に自らの身体を跳ね上げると共に後方へ反らす。その身体能力が故に、まともに動作が完了すれば稲妻の様な速度でガレアの身体は頭部から地面に叩き付けられ、更にゼフィリーヌの放つ魔力が追い打ちの形で襲い掛かるであろう事は、容易に悟ることが出来るだろう)」
ガレア【アクエリアス】「んなァ―――――!?(咄嗟の挙動から一瞬で持ち上げられた一連の行動を瞬時に把握できず呆気にとられたところに―――)―――― ガ ァ フ ゥ ァ゛ … ッ゛ … … ! ! ( ブ パ ァ゛ … ッ゛ … ! ! )(脳天から大地へ真っ逆さまに叩きつけられ、激しく吐血する。頭蓋が半壊する程に大きな軋みを上げた。脳みそはもはや潰れてもおかしくはないその一撃を受けて一瞬だが意識が飛びかけた)」
ああ……クソ……こんな時に……―――――――
「学業も経験も頗る高い。だが、それに見合うだけの実績が乏しい。本番に弱いタイプなのだろうか。」
「……ッ………」
「件のテロ事件に挑んだというあの青年…だったか…。成績としてはあまり芳しいものではないが、あれだけの行動力は現代社会においては求められるものだ。君も精進したまえ、ガレア。」
「…………」
「な、なんだよお前…っ……?」
「俺はお前を認めない…!ライン・オーレット…!」
「いつかテメェを越えてやる。俺の前を行くというのなら、俺はその二歩先に君臨してやる…!」
「底辺野郎に出し抜かれるほど、俺は落ちぶれていねえからな…ッ!!」
――――― そのムカつくツラ引っぺがすまで、俺ァ…諦めねえからな……
ガレア【アクエリアス】「―――――― ン な ァ ッ ! ! ! (激昂の如き叫びを張り上げて、失意の果てに覚醒を迎える。相対するゼフィリーヌがそうであるように、装甲を纏う自身もまた人としての肉体意地に限界点を達していた。それでも己が矜持のために確固たる信念を駆り立てる。何物をも凌駕するための、圧倒的な地震の存在意義の鼓舞を――――)」
ガレア【アクエリアス】「 ヌ゛ ギ ェ゛ ァ゛ ァ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ッ゛ ! ! ! ! (逆さまにめり込んだ状態から繰り出す不意の肘打ちをゼフィリーヌの首筋に炸裂させ、拘束を無理矢理解いた)ズ ザ ザ ァ … ッ … … ―――― テメェ゛も゛ッ゛…あの野郎も゛…ッ゛……!!越えね゛えと……越えて…越えて……ェ゛……!!」
ガレア【アクエリアス】「
俺 の 強 さ を 示 す ん だ ァ゛ ァ゛ ア゛ ッ゛ ! ! ! ! ( ギ ュ ル ル ル ル ル ゥ ッ ! ! ! ! )(跳ね上がるように態勢を整え直すと、激転する両足のエネルギー
リングが地盤を抉り削り、猛速で彼女へ肉薄する。そして―――――)―――― ド ッ゛ グ ゥ゛ ォ゛ オ゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! ! ! (勢い殺さぬ助走をつけた、全身全霊のストレートを、ゼフィリーヌの顔面へと――その拳をめり込ませる程に――叩き込むのだった)」
ゼフィリーヌ「(肉が潰れる音と、空気が吐き出される音……だけではない。確かに声帯から発された"声"が聞こえた。つまり……まだ、生きて……っ!!)――――ッ!やはりか、こいつ…まだ………!!(現在の身体の状態でも、頭部を砕く事は……最低でも、完全に意識を奪い去る事は出来ると想定していた。しかし、想定を超えたガレアの"意地"による肘打ちでの反撃が首へと炸裂し、衝撃で大きくよろめき、体勢が崩れる)」
ゼフィリーヌ「――――カ……ッ……!?(完全に想定外の一撃で体が麻痺し、薄れゆく意識の中……それでもガレアの姿を認め、防御態勢を取ろうとする、が……)」
ゼフィリーヌ「……しまっ……はは、っ……ガ、バッ……!――――ゴ ッ シ ャ ア ァ ァ ! !(反射的に振り上げた左手は、とうに肘から先が失われている。故に、ガレアの一撃を防ぐ事は当然叶わずに拳が顔面の中心部へと突き刺さり、その勢いで後頭部から派手に後方へと吹き飛ばされ)(踏ん張る事も、受け身を取る事も出来ず……仰向けに倒れた)」
ガレア【アクエリアス】「…ハーッ……ハー…ッ゛……ァ……――――――(打破すべき相手が完全にノックアウトされていく様を眼に捉え、それが彼女の最後だと悟ると―――――)」
ガレア「 パ キ ャ ァ ア ア ン … ッ … ! (罅だらけの装甲がついに限界を迎え、盛大に破裂。その内側より、傷だらけ、血だらけの満身創痍な姿が曝け出される。赤熱を帯びたかのように血の匂いが混じった湯気が噴き出される中、激しい痙攣を帯びる全身を前のめりにがくん、と傾かせる。その最中で、青年は――――)」
ガレア「………もう…誰にも笑わせはしねぇ…… これが、俺の……生き様だ…ァ………――――――――(―――――不敵に口角を上げていた)」
ガレア「 ド シ ャ ア ァ ア … ッ … … ! ! (ゼフィリーヌとは対を成すように、前のめりだった態勢からうつ伏せに倒れ込む。浅い呼吸はやがて虫の息のようにか細くなり、やがて―――――――)」
ガレア「――――――――――――――――」
これで俺は…またひとつ、"高み"へと登り詰めた
どうだ……今なら、お前を見下してやれるぞ…ライン・オーレット……
……だから…テメェはまだ"こっち"へ来るんじゃねェぞ……
テメェと同じステージに立つのは……死んでも御免だからな……―――――
カ ラ ン … ―――― パ キ ャ ァ ン ッ (青年の手から転がり落ちた懐中時計… それが、大地の上で粉々に砕け散ったのだった――――)
ゼフィリーヌ「――――――――…………」
ゼフィリーヌ「―――――」
身体が動かない。視界が歪む。耳鳴りが酷くて、外の音が何も聞こえない。
感覚だけは、微かに残っている。
だがそれも、血液が、魔力が、生命が……私の身体から流れ落ち、喪われて行く事を知らせているだけだろう。
考える。何をするべきか、何が出来るか。
眼前の敵は、まだ生きているかもしれない。斃さなくてはならないのに。
新世界から久しぶりに帰ってきたのだ、皆に会わないと行けないのに。
母様の容体は悪くなっていないだろうか。
いつも忙しい兄様と義姉様は、調子を崩してはいないだろうか。
ジャクリーヌは、今日も元気だろうか。以前教えた事は、今は出来るようになっているだろうか。
兵頭とは仲良くやっているだろうか。兄様とは、義姉様とは。
友人が出来たと言っていた。どんな人たちなんだろう、悪い人達で無いだろうか。
話を聞きたいのに、色々な事を教えなくてはならないのに。
そうだ、動かなくては。立たなくては。
母様と父様から貰った、丈夫な体と沢山の魔力が私にはある。
そう、もう一度身体を起こして、足を動かして、まずは立ち上がらなくては。
そうして………………
ゼフィリーヌの身体が僅かに震え、ほんの少しだけ左足が上がる。
それが、最後の動作だった。
左足はそのまま動力を喪って地面へと落下し、割れた顔面から微かに放たれていた空気の入出音が消える。
傷だらけの抜け殻と静寂だけが、そこには残っていた。
――― Vs. 【第0護衛兵】 ナガタ・イトウ&兵団員 ―――
ナガタ「――――――臆するな!!俺に続けッ!!!!(ティネルと第6が交戦しているエリアから倒壊した本部を挟んで反対側。"地下室"で防衛線を繰り広げる
ヨールダンや、本部から脱出し戦線に復帰した団員達を目視で補足。 周囲の遮蔽物へワイヤーガンを放ち、アラタの背面に仕込まれたジェットパック駆使し、護衛兵団員を引き連れ空を自在に舞う)」
ナガタ「 要警戒対象・ヨールダン・マッケイン!他にも精鋭に匹敵する団員が潜んでいる可能性がある!!空中から戦況を適時確認!情報を更新しつつ"指揮系統成り得る"団員から優先して排除! 負傷兵を匿っているであろう地下室の入り口を発見次第狙撃!開いた穴へありったけの火薬をぶちこめッ!! よし、動け!!!!(空中から拳銃型の射出装置を二丁取り出し、装填された"ミサイル"を地上へ向け放つ)」
ナガタ「 心 臓 を 捧 げ よ ォ ォ ォ ォ !!!!! 」
第0護衛兵「「「「「う"お"お"お"オ"オ"オ"オ"オ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!!!(ナガタの合図に従い先まで空中で編隊を組んでいたが、蜘蛛の子を散らすように散開。そしてそれぞれが地上へ向け無差別に装備したミサイルを射出し、倒壊した本部周辺を火の海にしようとする)」」」」」
――――――― 迫撃砲「デカメロン」、照準ヨシ!(何処からともなく聞こえる少女の張り上げる声が、そこに轟く――――!)
ズ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ボ ッ ギ ャ ア ア ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! (横凪に放たれた翡翠色のレーザーが、夜空を埋め尽くすミサイル群を一掃。そこに花火を描くのだった)
メトロ【装甲車】「 キ ャ リ キ ャ リ キ ャ リ ィ … ッ … ! ! (「第10」の装飾が施された重厚感のある装甲車を走らせ、永田たちの前に立ち塞がるようにドリフト停車した。その天辺に備え付けられた大型経口砲台「デカメロン」の銃砲から、硝煙が沸き起こっていた)……ナガタさん……どうして…っ……!(車内からスピーカーを通じて彼との対話を図るが、彼の裏切りに動揺して声が震えていた)」
ナガタ「 !! 散開ッ 落ち着いて"砲塔最大可動域"から推測される射程範囲から外れろッ!!(奇襲に失敗したと判断、加えて武装の正体を即座に見抜きハンドサインを味方へ送りつつ、残った建造物の煙突へワイヤーガンで移動。それを足場に
メトロの駆る装甲車を視認すると……)」
ナガタ「 敵影補足ッ!!B班は4時の方向へ急行!!懐から叩けッ!!近接戦なら戦車よりアラタの方が上だッ!!!! 駆"逐"せ"よ"ーーーーーッッッ!!!!!!(対話を試みる
メトロの音声から場所を特定。それをかき消すように金切り声を上げ、装甲車を指さす)」
第0護衛兵A「ッ……(
メトロの震える声に一瞬、長い一瞬の間息を呑み眼球を震わすが、ナガタの号令で"狂気を取り戻し……")行け、行け!!GOGOGO!!!!(他の団員へハンドサインを送り、建物の隙間を垂直落下。路地の影から5名が飛び出し装甲者へ接近。戦闘を突っ切っていた兵が低空飛行しつつ蹴りを繰り出し……)」
第0護衛兵A「喰らえェェェーーーーーッッ!!!!(アラタに電流を纏いながら装甲者へライダーキックをめり込ませる) ボ ゴ ン ッ (埋没。並の弾丸なら何発でも弾く装甲車が凹み、
メトロの操縦席の側面が大きく盛り上がる)続け!俺に続け!!殴れ、潰せェェェー!!!!(陶酔、正義感を作り出し溺れ、虚栄心を満たすその水を唾液と吐き散らしながら後続へ叫ぶ)」
メトロ【装甲車】「 ッ ゥ ―――― ッ゛ … ! ! ( ガ ゴ ォ ン ッ !)(装甲車へと蹴り踏まれた衝撃が社内にも伝わり、思わず身が硬直するが―――)……退けない…ッ…!!ロナちゃんも頑張っているのに、私だけ逃げるわけには――――いかないッ!!!( ギ ュ ル ル ル ゥ ッ ! ! ! )(バックペダルを強く踏み込み、装甲車を緊急後退してて兵団の進撃から距離を置き始める)」
メトロ【装甲車】「硝煙点火!!(ボシュン、ボシュン、ボシュゥンッ!!)(側面のハッチより次々とスモークグレネードが撒き散らされ、その白煙に装甲車ごと紛れると――――)―――― 3連弾ミサイル砲、二門解放!発射!!(ガチョコンッ―――バシュバシュバシュゥンッ!!!)(同様の箇所から続けて三束に並んだミサイル兵装…それが二台、即ち6機の弾道ミサイルが一斉に放たれ、次々と兵団たちを返り討ちにしていく。爆撃の衝撃で発生した土煙も相まって、ナガタたちにとっては視界が最低レベルにまで遮られてしまう)」
ヨールダン「増援か、正直……助かったよ。俺の今の装備じゃあ、あのミサイルは"身を守る分しか処理できなかった"(機械生命体の群れ、離反したレギュレイター、編隊から外れた第0護衛兵……それらを"単騎"で狩り続けていたが故か、血と機械油、そして機械の破片に塗れた身体で建物の陰から
メトロたちの装甲車の許へ飛び出し――――)」
ヨールダン「俺は原隊じゃあ、戦闘はドベなんだ。あんまり無茶をさせないでくれ バガン!! (心底怠そうに呟きながら、煙に紛れた敵の位置を正確に捉え……左手に持った散弾銃で"対機械兵"を想定した、高質量の徹甲スラッグ弾をまず一人の頭に放ち)
(続いて装甲車に向かって跳び、取り付いた護衛兵達を、次々に手斧型のガジェットで"アラタ"ごと"両断"して行く)」
第0護衛兵B「 ! ヨールダ / ン ………… カ……ッ(視界の半分がブラックアウト。頭部が半壊し脳髄をネギトロめいてぶちまけ彼の姿を目に焼き付けたまま崩れる)
第0護衛兵A~C「 ぐァ!! がァ" ア" ァ"……ッ!!(ミサイルが"直撃"した団員の断末魔が爆炎に紛れ響き渡る。露出した頭部から、焼け爛れ頭蓋そ晒しながら崩れる兵達の姿が炎の
ベールの中揺らめいた)」
第0護衛兵「煙幕か……ッ!小癪なマネを"ッ」「ぎ ッ 」「う ァ ガ」(短く、潰れる羽虫に声帯を与えたかのような嬌声が鳴っては途絶える。煙の中間うち飛沫、血風の中無双する
ヨールダンに手も足も出ず近接に望んだ兵達が蹂躙されていく)」
ナガタ「――――――――!!(高台にワイヤーガンを固定し、煙の中で僅かに見え隠れする装甲車、
ヨールダンの姿、少ない情報で戦況を予測し息を呑んだ)(強い……戦う姿を見るのは初めてだが、アラタでも防げない斬撃をあの装備で…… だが!!)」
ナガタ「"地下室"の位置を絞り込んだ!座標を共有する! 市街地戦攻略案8に従い動けッ!!(通信端末へ呼びかけ、高台から垂直落下。
メトロの砲撃で煙が燻る中、後方の味方へハンドサインを送る)20人俺に残せ…… 後は各班の班長の誘導に従い奴等の間合いに通じる東西南北のルート入り口で待機。動け。(指示を終えると、木箱や残骸へ部下と共に身を潜めつつ) ヒュッ (自らは動かず"球体"を投擲。それは煙の中独りでに転がっていく)」
第0護衛兵「D班、ポジション確保」「E班、同じく」「F班、ポジション確保。始めろ」
―――――建造物に囲われ田の字状に別れた道の中央に
ヨールダン達は位置する。
ナガタを第0語彙兵は四方の侵入経路入り口に陣取り、勝手に転がる球体を複数、中央へ向かって投げ入れていた。
トロイ「 - 命令権限5位より攻撃要請 目標識別了 開始 - (ヨール団達の陣取るエリアへ四方から球体が忍び寄り電子音声を発する。ハロ型機械生命体"トロイ"が口を開閉し、"対戦車"を想定したミニガンを掃射しにかかった)」
メトロ【装甲車】「 ―――――!(あれが…報告にあった例のハロ…いや、「トロイ」…!) くっ……! ( ギ ュ ル ル ル ル ゥ ッ ! ! )(今度はアクセル全開。ミニガンの嵐の中を一直線に駆け抜けてトロイの包囲網を抜け出そうと疾走する)」
―――地下壕への出入り口を見下ろせる、本部付近の高層ビルの残骸……
その頂上から幾つもの"閃光"が奔り、トロイ達を、そしてその近くに居た護衛兵達の"手足"を、次々に貫く
フロール「そう、魔力はこうして身体に走らせる。敵はこう捉える……ありがとう、きょうだいの皆。こうして思い出せたお陰で、僕はこうして戦える(閃光の根元。以前よりも明らかに強大な魔力を身に纏って、弓型のガジェットを構えている。弦に添えた手には魔力の矢が幾つも握られており……それは即ち、閃光がこの弓から放たれた事を意味していた)」
フロール「離反者とはいえ、出来れば命は取りたく無いけれど……今のを警告と受け取ってくれないなら、望み薄かな……怪我人とヨールダンさん、それにあの装甲車を守るには、これ以上甘い事は言えないか。弾道が分かり易い様に撃ったし、せめて僕に気が向いてくれれば…」
ヨールダン「折角の新しい玩具が勿体ないな、新兵共。全部あんなになって千切れちまって……俺は"ガジェット"なんて玩具を人に向けられて、楽しくやれてるから良いんだが……」
ヨールダン「聞こえるか、ヒヨッコ!こいつは硬くて速くて俺も好きな良い車だが、囲まれてリンチされる状況は不味い!とにかく動き回れ、的を絞らせるな!(さらに返り血を浴びた姿で
メトロの【装甲車】の上に登り、天板を軽く叩きながら中の少女達に向かって叫び、直後にトロイへと気付き)」
ヨールダン「例のハロ型の……中身は大口径の機関砲か!味方だったら褒めてやりたいアイデアだ!(盾の強度なら防げるが、長くは持たない…!それにこの装甲車も、掃射を受ければ内部に貫通し兼ねない、何とか…!)(即座にガジェットを盾形に変形。装甲車後部の縁に立ち、トロイの掃射から自分と装甲車を守ろうと展開するが、確実に盾を削られ続け……自分だけでも逃げる事が脳裏に過った、その時……眼前のハロイへと閃光が奔ったのが目に入り)」
メトロ【装甲車】「うひゃぁっ!?(車上の着地音、そこから聞こえてくる
ヨールダンの声に驚いた声を上げる)わ、わかりましたッ!少し荒運転になりますが、しっかりお掴まりください!( ギ ュ ル ル ル ゥ ッ ! ! )(指示通りに従いただひたすらに装甲車を走らせる)」
トロイ「 後退、攻撃継続 (掃射しつつ背後へ移動。装甲車と一定の距離を取りつつ攻撃を持続しようとするが……) ヒュ…… ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ガ ッッ (降り注ぐ閃光が瞬く間にトロイ包囲網を一網打尽にし蛻の殻となった球体が装甲車によって蹴散らされる)」
第0護衛兵B「 フレーム2開放許可!押し留めろッ!! 」「おおッ!!」(進行方向に隊列を組み8人の団員が待機。前方の2名が拳をかち合わせ電流が迸る。蒼いそれを纏った二人が大の字に立ちふさがり……)
.
第0護衛兵C~D「 コ " ッッッ シャァ ッッ ……!!(装甲車を正面から受け止める。アラタの補助により怪力を得た二人が腰を低くし進行を食い止めようとする)」
第0護衛兵E~H「 タ ァ ン……(C.Dの背後に陣取っていた隊員が同じく電流を纏い跳躍。難なく二人を飛び越え、上空から装甲車に乗り"制式銃型ガジェット"を起動)」
第0護衛兵E~G「「「 シィ……し、ねッ!!(装甲車の上に乗る
ヨールダンを囲うように着地していた三名がガジェットをブレード形態へ変形、アラタの補助で身体能力を底上げし"速度だけは一流の剣士"に匹敵する斬撃を見舞おうとする) 」」」
第0護衛兵H「 ガコ ンッ (装甲車の蓋を蹴りで"破壊し吹っ飛ばす"。散弾銃へ変形させたガジェットの銃口を操縦席の
メトロへ向け引き金に指をかけるが)ッ……!!!!(女性団員の表情は苦悶、恐怖で歪み引き金を引くまでの動作が"1秒"遅れる)」
ナガタ「(閃光が降り注いだのを視認し、背後の部下へハンドサインを送る。自身はワイヤーガンを後方に立つ背の高いアパートへ突き刺し、バルコニーの手すりに足場をかけ戦況を見渡す)
フロール・アオイ・メイエルもか……ッ!(櫓に陣取られた……腐っても団長と副団長!アラタを装備してもその差は埋められない……だが……!) "箱"だ! 総団長の援護に回していた奴を全てこっちへ!有効射程範囲に入ったら合図を遅れ!(無線機へ平静を崩さず指示を送ると、自身はアパートの中へドアを蹴破り進んでいく)」
第0護衛兵「 弓だ!!陣取らせるな、追い詰めろッ!! (装甲車に対し背後に列を組んでいた兵士数名が一斉にワイヤーガンをビルへ飛ばす。壁へ張り付くと壁へ足を付け……)ダッダッダッダッダッダッダッ(足に電流を纏い、ビルの壁を"駆け上がって"いく) 死 ね……ゼレオロスの手駒がァ"ァ"――――――ッ!!(ビルの最上階を飛び越え、四方から
フロールを囲い使い捨てミサイルの引き金に指をかける) 」
ド ル ン ッ !! (獣が唸りを上げるようなエンジン音が轟く。
フロールが足場にしているビル対局のバルコニーからサメを彷彿とさせる車体が特徴の大型バイクが飛翔し……)
ヴェスパー「ピザ屋が初めてくれたのはピッツァ・カプリチョーザ。その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいピッツァを貰える私は特別な存在なのだと感じました!!(派手なライダースーツに身を包み、左目を眼帯で隠した彼女が、銀の髪をなびかせ"束なったピザの箱"を両手に馳せ参じる)」
ヴェスパー「今では私がピザ屋、客にあげるのは勿論エルボゥ(裏声)!!!!!職業ピザ!趣味はピザ!好きなタイプはサクサク生地!!!!!ピザ屋の大群です!!!デリシャス!!ご注文のマルゲリータ!!!行けピザ!!!!!!!!ボンジョルノ(デスボ)!!! (前輪を団員一名の後頭部にぶつけ、ビルの屋上へ派手に着地。風切り音を鳴らし腕を交差させ手元からピザ箱が焼失)ギュルルルウルルルルル!!!!!!(ピザ箱の中身である"灼熱で発光する電ノコ"がフリスビーの如く宙を自在に舞い、第0護衛兵を次々と切り裂いて蚊取り線香の如く地上へ落としていく……!)
ヴェスパー「―――――――――――――ご利用、ありがとうございました。」
ヴェスパー「―――――――やべーぞフロロっちゃん!エフィリア王国の第2と先行したうちの団員から応援要請! 特にうちの子は指揮系統が乱れて足並みが揃わないって!! 屋上イこうぜ……久々に……うずいちまったよ(低温イケボ)ってここ屋上だった!たはーっ!(眼帯以外にも要所に包帯を巻き付けているが、それを悟られまいと陽気に、弾けるような微笑みを向ける) あいつから預かった団……だからねっ 」
フロール「ハロ型兵器は無力化。とはいえ、この程度で止まってくれる様なら、ここまでやっていないか……
ヨールダン副団長も遠慮がありませんしね(複数生成した魔力の矢を纏めて番え、再び発射。尚も
メトロ達への攻撃を止めない護衛兵達に向けて再び"閃光"の如き矢を連射)」
フロール「良し……こっちに注意が向いた。距離を詰めてくれているなら、狙い通り……(ナガタの指示で向かって来る護衛兵達には接近を許しながらも、依然として矢の発射は続け―――護衛兵達がビルの最上階を飛び越えた瞬間、瞬時にガジェットを"弓型"から"曲刀型"に変形させる。)(即座に兵士達のうち一人を斬り付け、すれ違う様に背後に回り込んで包囲から逃れようとした、その矢先———電ノコが兵士達を切り裂き、現れた人物に目を見開き)」
フロール「………っ!
ヴェスパー!?無事だったのか!! ………よかった………(落下する護衛兵を蹴って屋上に再び着地し、
ヴェスパーの両肩を掴んで心底安堵した様に大きく吐息を洩らして顔を下げ)」
フロール「そうか、僕が倒れている間に皆はエフィリアに先行していた……連絡手段を随分失った弊害か……分かった。直ぐに向かおう。現地では僕が前衛になるから、後ろを頼みます。ここも気になるけど……数は減らせた以上、ここの皆に任せる他ない…(バイクの後部に跨るのではなく、座席を足場に器用に二本脚でしゃがみ込んで再び弓型に変形させたガジェットを構え、攻撃態勢を維持)」
フロールに続きもう一機の大型バイクの音色が戦場を貫く
薬師寺九龍「いくぜ馬鹿野郎ども……(サングラスをかけ、手には大型ショットガン。爆速を維持したままショットガンをかまえる)ズドン、ズドン、ズドン、ズドン、ズドン、ズドン、ズドン!!!(護衛兵の装甲なぞ知ったことかと言わんばかりに連射。しかも器用に騎乗状態で弾を装填)天下の往来でなにやってんだガキどもがぁああ!!だぁれの許可でたらふくテロッてんだぁあああ!!(怒り狂う龍が如き咆哮とともにまた連射しながら突っ込んでくる)
ヨールダン「ハロは片付いたが、まだ来るか……ざっと1分隊。即席にしては連携が出来てる、先ずは乗って来た連中だな…!(護衛兵E~Gの配置の死角を狙い、即座に斜め後方へとバックステップしながら右手の盾を構え、逸らし切れなかった刃で額を斬撃を避け…わずかながら硬直していた護衛兵Hの首に左腕を巻き付ける様に、強引に脇に抱え込み)」
ヨールダン「痛いじゃないか……お友達と仲良くしてれば、良かったのになァ!!(斧でアラタを切り裂く程の、常人を遥かに超える膂力に任せ……護衛兵Hの身体を振り回し、護衛兵E~Gにぶつけ、果ては投げ飛ばす)」
メトロ【装甲車】「 ひ ッ (蹴り飛ばされた天井、そこから顔を出した衛兵Hを前に恐怖で瞳孔が縮小し、表情が一気に青褪めた。突きつけられた銃口に自らの死を悟るが――――)」
メトロ【装甲車】「 ! ! ? (―――― その未来が、駆けつけてくれた仲間たちによって幸いにも覆された。
ヴェスパーと
フロール…第7調査兵団からの緊急援護を受けたことを一瞬で把握し、目元が潤みだす) う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!も゛、もう゛…ダメかとおもいまぢたああああああああぁぁぁぁ~~~~~!!( இωஇ )(ぐちゃぐちゃに泣きじゃくりながらハンドルを回して走行し続ける)」
第0護衛兵I「なッ……(隊列を組んで移動中、曲がり角から薬師寺が現れ絶句し足を止める。)……!(第4の……まだ動ける団員がラステルムn) ドッッ ゴ ォ ン!!(散弾を正面から胴体に喰らい後方へ吹っ飛ぶ。隊列を組んでいた後衛も巻き込まれ倒れ)」
第0護衛兵J-K「おのれ……ッ フレーム2解j がフッ」「 あg ビシャァッッ」(一人は前輪が顔面に命中し首がひしゃげ、もう一人は去り際に散弾によって頭部の内包物をぶちまけ両膝を突き動かなくなる)
ヴェスパー「…………。なんだか男前、いやいい女?わかんないけど……大人になっちゃったね(少しだけ名残惜しそうに、寂しそうに背合わせの
フロールへ一瞥をやる。すぐに首を横に振り、頬を両手で叩き一喝を入れた) フルスロットルで愛の国へ……あーなんかいつもの調子に戻りそ……閉まらないなぁ。ああもうっ、振り落とされても置いてくかんねーッ!(そう行き込み、倒壊しかけ急斜面となったビルの壁を滑り降りる)」
ヴェスパー「見えた……!こっから最短でエフィリアに行けるVS<バーチャルスキャナー> (髪が全て翻り尾を引く速度で飛ばし続ける。数秒もあれば飛び込めそうな転送ゲート、VSを発見しアクセルを踏もうとしたその刹那だった……)」
ナガタ「 撃 ェ ッ !! 」
―――――――ヒュルルル ル ル ル ル ル ル ノ レ
┣¨ ォ ウ ッッ !!!! (遠方からの風切り音、遅れて訪れる炸裂音、衝撃波、炎熱。 遠距離からの"砲撃"がエフィリアへ向かうVSの一つを木っ端微塵にふっ飛ばしていた)
ヨール団達が交戦する本部跡地から110m程離れた距離
周辺の倒壊した建物の残骸を轢き潰し"
政府軍の刻印"が刻まれた自走砲が5台、軒を連ねている
内1台の車上では、ナガタがスコープを片手に指揮を取っていた
第0護衛兵砲撃手「――――――ラステルム=エフィリア間VS・本部拠点2 への命中を確認!(操縦席の蓋を開けナガタへ僅かな高揚感に染まった声で報告をする)」
ナガタ「よし……あそこは第0の団員が配置れていない区画だ。だがまだ"1がある"。引き続き、第2、第7を分離するぞ。 他の五大国行きVSも順次破壊する。ラステルムの残存戦力はティネル総団長と我々で処理する!!」
ナガタ「P1~3はここから残存勢力へ砲撃!P4~5は本部区画内を巡回しVSを片っ端から破壊しろ! 我々アラタ装備兵は俺と共に白兵戦ヘ復帰!P1~3の砲撃なら生身と違って耐えられるッ!!フレーム2を解放し、活動限界よりも早く決着を着けるッ!!(手早く指揮を終えると、"トンファー型"のガジェットを装備、後衛の兵と共にワイヤーガンを駆使しながら、建物の隙間を掻い潜りつつ
ヨールダン達へ迫る)」
第0護衛兵「行くぞォォォォォ!!!!(バックルのダイヤルを捻り蒼い電流を全身に纏う。そしてワイヤーガンを後方へ投げつけ、飛躍的に向上した身体能力のみで建物から建物へ飛び交い、
ヨールダン、メトロ、フロール、
ヴェスパー、薬師寺へ一斉に襲いかかる)
フロール「あれは……第四兵団の薬師寺団員…?無事だったんですね!敵の鎧も貫けている様ですね…これなら戦況もより有利に…!(爆走しながらマッドマックスばりにショットガンを撃ちまくる薬師寺の姿が目に入り、思わず安堵の表情が漏れる)」
フロール「んん……そうですか?髪が伸びた以外も変わりましたかね……戸籍上はもう大人なんですが……ああ、いや……そういう問題じゃあないか。……少しだけ居眠りをしたお陰で、元気になれたみたいです。ちゃんと跨って座りたい所ですが、攻撃出来る体制を維持しておきたい。落ちはしないので、このまま全開でお願いします!(猛スピードで奔るバイクの後部で、リアフェンダーに足を引っ掛けて直立。弓を構えて周囲を警戒していたが……砲撃による風切り音、そして爆風に反応して振り返り)」
フロール「
ヴェスパー!砲撃だ!!VSを優先して潰しに来た!しかもあれは……政府軍の自走砲だ……!
ヴェスパー!!アレを放っては置けない、制圧を優先する!!後ろの僕の事は考えなくて良い、回避を優先して走行を続けて!!(振動しながら高速で走るバイクの後部、加えて不安定な足場……複数の悪条件が重なって居ながらも、毅然として弓型のガジェットに魔力の矢を数本纏めて番え)」
フロール「(この体勢で正確に操縦手や砲塔を狙撃するのは難しい、加えて別動隊が白兵戦に展開してくる……時間を掛けて一射ずつ照準は合わせられない。ならば……装甲の薄い上面を狙って、素早く"数"を撃つ!)これ以上好き放題させてたまるか…! バ ヒ ュ ウ !! (弓を上に向け、山なりの軌道で複数本の魔力の矢を纏めて発射。直後に空いた手でナイフを抜き、迫る護衛兵の攻撃を迎撃。同時に、発射された矢が自走砲の上空で"炸裂"し、無数の小さな矢となって自走砲の上部へと降り注ぐ)」
ヨールダン「素敵な砲撃音が聞こえたが、アレは……装甲車両、自走砲か?態々引っ張り出してきたか………うちの隊で機械兵相手に運用したかったのに、まさか俺達に向けられる事になるとはな。実に残念だ……ヒヨッコ、聞こえるか!?砲撃だ。良い具合に回避運動を頼む!これから当てられる前に潰すつもりだが……面倒だな、接近戦の部隊も用意してるか……多少は用兵を理解してるらしい、が…(独り言ちながら、ガジェットをバズーカ砲の形態に変形。素早く懐から大砲用の榴弾を取り出して装填し、遠方の自走砲の車列へと発射)」
ヨールダン「装甲車両なんて目視で簡単に狙える、こんな距離で……これ見よがしに見せびらかす為の物じゃあねえだろう! ……(砲撃は良いとして、直接突っ込んで来たか。電流を纏っているのは、フレーム2とか言ってたのと関連しているな。恐らくは身体能力の底上げか…アレだけ叩き切っても尚、接近戦を挑みに来る訳だな)その装備もだ!見せ過ぎだ、ガキ共!!(経験を積んだメカニックでもあるが故の洞察力で、襲い来るナガタ達の装備と戦法を推察。視線は彼らに向け、ガジェットを盾型に変形させて構えつつ、懐からスタングレネードを足元に落とし……それを器用にナガタ達に向けて蹴り飛ばし、迎撃を狙う)」
メトロ【装甲車】「……!了解です!!( ギ ャ ル ギ ャ ル ギ ャ ル ゥ ッ ! )(よーる団の指示を受けてハンドルを切り、こちらでも目撃した自走砲の一基に狙いを定めつつ、一斉に飛びかかってくる第0護衛兵の応酬を掻い潜るようにスピードを上げた)標的を確認―――撃ちますッ!!( ズ ッ ド オ ン ッ ! ! ! )(装甲車の天辺に備わる迫撃砲「デカメロン」が火を噴き、自走砲のひとつを真横から砲撃する)」
ヴェスパー「ねえチャイナサーカスみたいな事してるけど大丈夫!?マジギュッてしがみついていいんだからねここ空いてますよ!お金取らないから一回やってみてくんない怖いから!!(本部を囲っていた円形状の城壁に車輪を付け、床に接触する寸前まで傾きながらも走行。 隊列を組んで進む自走砲三台と並走し……) っし、今ッ!!(バイク形態へ移行したガジェットのマフラーを抜き取りそれを火炎放射へ変形。並走する自走砲を追い抜きつつ容赦なく炎熱を浴びせる)
自走砲P1~P3「 ガ ガ ガ ガ ガ ンッッッッ (
フロールの放った矢の雨が分厚い鋼の壁を貫通し自走砲に風穴を開ける。 中からくぐもった断末魔が響くとガソリンと流血が溢れ……) ┣¨ グ オッッ (
ヴェスパーの放つ火炎放射が風穴から侵入し弾薬庫へ引火。派手な火葬を終え一網打尽にされる)」
第0護衛兵L「ナガタ!P3までやられたッ!!早くVSを潰さないと合流されるッ……!」
ナガタ「いや、第7の主力を分担させる事はできた……!この隙に
ヨールダンを突破!!残存兵が潜伏しているモグラの穴を叩くぞッ!第0といえど各国制圧後は疲弊している筈だ……少しでも御方々の負担を減らるよう勤めろッ!!(後衛に続く兵士を鼓舞しつつも、冷静に正面方向、遠くに見える
ヨールダンやデカメロンを注視し"出方"を予測) ザ シャ ァッ(先まで先陣を切っていたが急に足を止め、後衛に続いていた自走砲を前に出させる)」
自走砲P4~5「 ? どうしたナガt ―――――――――――――― ┣¨ グ ォ ッ (デカメロンの砲撃が真横から貫通。並走していたP4~P5が纏めて大破し、その周辺が爆炎に包まれ……)」
ナガタ「 ―――――――見せびらかすぐらいでいいんだよ、"的"はな(トンファー型のガジェットを立て一文字に振り下ろし爆炎を縦に両断、後衛のアラタ装備兵と共にデカメロンの砲撃をやり過ごす)」
ナガタ「(爆炎を切り抜けるのも束の間、眼前に
ヨールダンが蹴り飛ばしたスタングレネートが迫る。瞳孔が収縮し、その閃光に飲まれるかと思われたが……) 舐める……なァ ッ!! (トンファーを横へ振り抜きスタングレネードを後方へ跳ね除ける。既に炸裂寸前だったそれを遠くへ跳ね返す事はできず、後続の兵士の何人かが視界を奪われるが構わず前進)」
ナガタ「……!(見えた、地下壕の入口!あそこを潰せば……!)そこを退け!! アルガントーラを護るのは……俺だァ"ァ"ア"ァ"了"ァ"ァ"ア"ァ"ァ"ッ!!!! (左腕に装備するトンファーをミサイルモードへ以降、
メトロの駆るデカメロンへノールックで射出しつつ
ヨールダンへ一気に間合いを詰める。 既に"レギュレイターが遭遇した戦線の数を超える死線"を潜り抜けた兵士に等しい、凄まじい圧を以てトンファーを振り下ろし
ヨールダンへ襲いかかる)
コロ……
瞬間、静かに球が一つ戦場に零れ落ちる
見覚えのある形状だ。耳らしきものと足らしきものを持つ、顔が刻まれた球
ハロ。
それは静かに目を点滅させ、周りの様子を確認する
既に偽装されたトロイが投入されている以上、それがここにあってもなんら違和感はない
……それが、本来の色から赤に変色を始めたことを除けば
変形。瞬時にハロが変形し、人間大の戦闘機械へと変貌する。
AEGIS《神楯》「非常事態用緊急プロトコルを発動。全《神楯》、起動開始(光剣を振り回し、周囲の「敵」を焼き溶かす。その後、脚を踏み込むとナガタたちの背後へ瞬時に迫り、「本体」の挙動を完全に再現した太刀筋を四肢を全て活用し暴力的なまでの密度で振るう)」
第0護衛兵M~O「 !? トロイが……いや、こいつは―――――――――――――(二の句を終えるよりも前に頭部、胴体にニ閃、灼光に染まる線が走る。 火花をちらしながらそれがスレ……ゴトリと音を立て崩れ堕ちる) 」
第0護衛兵P「!! アレックス・ディノの……ッ ッ (太刀打ちできない。アラタで身体能力を上げようとも、目で追えないその太刀筋を相手に戦意は喪失し、立ち尽くしたまま死を待つのみ……その筈だった)」
ゴ ン ッ
第0護衛兵?「(前進に赤い電流を纏う兵士が割り込み、空中へ浮遊してから"適切に"上体を撚るだけで剣閃を潜り抜け、重金属音を立てAEGIS《神楯》の頭部に蹴りを入れる。 その瞳孔からは光が消えており、口橋から唾液を流している。)」
第0護衛兵?a~d「 ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ ……ヴヴヴヴヴ(無数の残像を残す速度で首を左右に振りつつ、本隊の行動パワターンを模倣したAEGIS《神楯》を……否、"本体を模倣しているが故"に的確に僅かな"隙間"を見出し、その"情報処理"に付いてこれる身のこなしで攻撃を回避。そして)」
第0護衛兵?a~d「 ゴッッッ ギャ ゴ ン ッ!!!!!(一個生命体であるかのように統率された動きを見せ、蹴り飛ばす→飛ばした先で別の兵が包囲し、攻撃をやり過ごしつつジャブやフックといった小技で憲政。 ナガタ達と離れた場所でAEGIS《神楯》達と交戦を開始した)」
第0護衛兵P「 !? な、なんだ……お前らどうした……!?(バイタルがおかしい……心拍数が異常過ぎる、あの戦闘力の向上に関係があるのか……!?)」
AEGIS《神楯》「「「!!!(各個体が様子のおかしい護衛兵の面々と接敵して数秒のタイムラグの後、一律的に「本体」を模倣していた彼らがそれぞれ様子を変えて、蒼い炎をスラスターから吐き出しながら散る)」」」
AEGIS《神楯》A「様子がおかしい。こいつら機械的に統率でもされているのカ?(目を点滅させながら後転、素早く態勢を立て直しビームサーベルを構え直す)」
AEGIS《神楯》B「問題ないデース。それならお互いやりようがあるデース(まるで一つの生き物であるように動く護衛兵たちに対し、急激にパターンがばらけ、連携するように散りながら光を散らす)」
AEGIS《神楯》A「よし、245番は現地隊員の援護に行ケ(AEGIS《神楯》Bと連携しながら隙間を埋めるように斬り込み、敵集団を分断)」
AEGIS《神楯》C「了解ヤンケー(回転しながら変形、その場に衝撃波と蒼炎の余韻を残し離陸。空中を経由して援護へと向かう)」
ヨールダン「(自走砲は囮だったか……滅茶苦茶やりやがって、これが覚悟とやらか…!?)こいつ゛っ゛………!!(盾でトンファーの打撃を受けるが、一気に成長を見せたナガタの"圧"に押されて思わず後退り)」
ヨールダン「一皮剝けたらしいな、経験よりも戦術よりも狂気で伸びるタイプだったか……面倒な事、に……(体制を立て直そうとした矢先、投入された"ハロ"……否、AEGISが目に入り)どっちだ………?いや、護衛兵とやり合ってやがる……アレックス・ディノ……やってくれるじゃないか…!」
フロール「よし、自走砲の処理は上手く行った……!正直な所ぶっつけ本番ですが、きっと大丈夫だと思いま……っすぅ!!(護衛兵の迎撃、そして自走砲には成功した物の、爆風と
ヴェスパーのバンク走行で危うくバランスを崩し掛け、リアフェンダーに足を引っ掛けたままブリッジする様な体制で、半ば抱き着くような形で
ヴェスパーの腰元を掴んで何とか転倒を回避)」
フロール「あっぶっ………!!ヴぇ、
ヴェスパー!?少し落ち着いたら体制は立て直します!とりあえず自走砲は片付きましたが……っ」
メトロ【装甲車】「きゃあぁっ!?( ズ ガ ァ ン ッ ! ! )(ナガタより射出されたミサイルが車体側面に直撃。幸い反対側だったため直撃こそは免れたものの、車体への損傷率は次第に上がっていった―――)――――!(ついに走行を停止させもうダメかと思われたところに、AEGISの加勢にあっと声を上げた)」
ヴェスパー「 フッ ぐぁっはやっべ今意識飛んでたッ!!(予想以上の接触で宇宙猫のような顔を浮かべ沈黙、浮遊感の伴う絶頂の後意識を取り戻しハンドルの握力を強める) ええと……そう、そう自走砲は無事処理ね!で、次は……――――――」
第0護衛兵?d~i「 ヴ ヴ ヴ ク ン (首を目覚まし時計のハンマーのように痙攣させ、"超人"級に身体能力を増強させたアラタ装備兵が一斉に、
フロール達の上空を飛び交って包囲し、装備したライフルによる"オールレンジ攻撃"を仕掛けようとしていた)」
ヴェスパー「しまッ……――――――――――――― 」
ナガタ「……ッ!(
ヨールダンを振り払った際に生じる反動がアラタを貫通し腕を一時的に麻痺させる。苦悶に顔を歪めバランスを崩すが) 目の前だ……!勝利は眼の前……ッ!(ローリングをし
ヨールダンの脇を潜り抜けワイヤーガンを地下壕付近の建物へ突き刺す。 着地を一切考慮せず最高速度で前進、
メトロの駆るデカメロンを飛び越え、ついに……)」
ナガタ「俺は……俺は――――――」
セイン、
エクレイル、散っていった団員達……"殉職者"となれた者達の面影が脳裏を駆け抜けていく
それらを"超えた"先、凱旋パレードを走行するオープンカーのシートに片足をかけ、歓声を送る人々に手を振り応える
ナガタ「俺はッ!!英"雄"に"な"った"ん"だァ"ァ"ア"ァ"ア"ァ"ァ"ァ"――――――ッッッ!!!!(地下壕入口の直上へ到達。トンファー型ガジェットを再装備し、棍をミサイルへ移行。自身が爆発の余波に巻き込まれるであろう距離でも構わず、引き金に指をかけ――――――)
そんな夢を見た
寒い寒い雪の日でした
吐息は瞬く間に白く黒に紛れ消えゆく零度の中、私が地面に手をかざすとそこにお花が咲きました
蔦も葉も根もなく、ただ積もった白を染めゆく花弁が開いて広がるだけのお花です
こんなに寒いのに、こんなに凍えて寂しいのに、花は暖かく滴って――――――
ロナ「おかあさん」
見上げれば月夜、視線を落とせば茂みと砂利、目の前には熱を放ち揺らめき続ける焚き火
巻を入れなくても、私が丸太に腰を下ろせば灯る不思議な焚き火
おかあさんは火を挟んで向かい側の丸太に腰を下ろし、物言わず暖を取っていた
「さむいのか」と聞いたけれど、おかあさんは何も言わず首を横に振るだけだった
おかあさん「選んだか」
ロナ「何を?」
おかあさん「…………」
霧ノ原は広い広い茂みとどこまでも広がる霧、見上げれば星空、進めば"焚き火"か"狩りをする為の森"
望めば"家"がある ご飯と寝る場所には困らない
それだけの……暖かくて満たされる場所だった
焚き火の前の丸太に腰を掛けるとおかあさんは現れる
正確には、見えなかったのが見えるようになるだけ
話しかけない限りは何も言わない。他の子供は"教えを乞えば"彼女は何でも教えてくれる
でも、私だけは話しかけると決まって「選んだか」と問いかけるだけだった
私は何を選ばないといけないんだろう? おかあさんは絶対に何も答えてくれなかった
でもそれはきっと必要なこと 私はきっと、自分で見つけて選ばないといけない
ロナ「大丈夫だよおかあさん、きっと私選べるようになるから」
おかあさん「…………。それまでは見守る」
ロナ「うん」
他愛のないやり取り それが焚き火の前で出会うおかあさんとのやりとり
焚き火の前以外で出会うおかあさんは別人のようだった
"家"では薪の取り方、獲物の捕まえ方、作物の育て方……生きる術を教えてくれる
そんな快活なおかあさんに『何を選べばいいのか』聞いた事がある
おかあさんはまるで、その質問事態に意味がないような言葉を返し首を傾げた
ある日私はクリームシチューが食べたいと思った
右も左もわからない霧の中、ふらりと家から出て歩けば森の中
何処を向いても自分より小さな、ふと拳を握れば壊れる命がひしめきあっている
私は選べなかった
実のところ"肉"だけはおかあさんが用意してくれる食事には存在しない
食べたかった、満たしたかった、手を汚したくなかった
――――――選べなかった
――――――手を汚すか、心情に従うか。選べるのは二択、けれど私はどちらも選べなかった
半年ぶりに丸太に腰掛けて前を向いた
ゆらゆら、ゆらゆらはためく火のカーテンの向こう
おかあさんは向かい側の丸太に腰掛けて、膝に肘を乗せ長い白い髪を垂らし腰掛けていた
ロナ「おかあさん、私選べないよ」
それが私の"選んだ"本音
叱られると思った、がっかりされると思った、きっと追い出されると思った
でもやっぱり、私は怖かった
ガスマスクの大人が"お父さん" "お母さん"を撃ったあの夜
ガスマスクの大人が真っ赤に染まって、おかあさんと出会ったあの夜
私は今でもあの日の全てが恐ろしい
おかあさん「 君は選んだ その全てを肯定する 」
ロナ「え?」
けれど返ってきた答えは不思議なほど"何もなかった"
怒りも、失望も、そしてそれ以外の一切でさえも、何もなかった
おかあさんは顔を上げ、灰色に赤の十字架が刻まれた瞳を真っ直ぐ向け初めて"対話"をした
おかあさん「少し前、全ての暴力を否定しここを旅立った子供がいた
彼は暴漢から見ず知らずの親子を庇い、そして反撃を選ばず殺された
だが私はそれでもいいと考えた。いや……考えてはいないか
彼は選んだ、ただそれだけだ」
おかあさん「その後、全ての暴力を肯定し旅立った子供がいた
護るものもない、目指すものはない、あるのは渇望だけ
乾きは潤ったか? それは彼にしかわからないが……
彼の最後を見るに、あの笑い方は全てを肯定していた
悪逆の限りを尽くし、その報いを受け惨めに晒し者にされ死ぬにしても、
やはり彼は『しかたないことだ』と笑いながら逝った」
おかあさん「たった今だ。彼は正義を全うする為悪に堕ちると言ってここを出た
正しいと信じたことを死ぬまで成し遂げたなら、私が彼という悪を裁く。そう盟約を結んだ上で力を得てから
私は彼の行く末を知ってる、何度も"繰り返している"。きっとすぐ、私は彼に引導を渡す
それでもいいと、私は彼の在り方を肯定する」
おかあさん「ロナ、選ばないというならそれでいい。魂の在り方を強制することはない。 けれど"選ばない為"に"選ぶべき時"がきっとくる。それはすぐそこだ」
おかあさん「私はお前の魂の在り方、全てを肯定する」
おかあさん「――――――――――選択しないという事は、望む全て以外の一切を切り捨て前に進むということだ」
おかあさん「 何度でも前に勧め、十、百、千、お前が選ばず進んだ数だけ理の屍が道標となる 」
おかあさん「 それが戦士というものだ。命でも、国でもない、お前を拒む世界を殺してでも歩み続けろ。お前の魂という炎が尽きるまで 」
そう囁くように告げると、いつもは私が立ち上がるまで見えていたおかあさんが先に腰を上げた。
焚き火と私を置き去りに、コートを翻して霧の向こうへ、暗闇の向こうへ消えてしまった
以降、私はおかあさんに会っていない
だから今日まで"選ばない"事を選んできた
それはきっと欲張りな事
"二択"を迫られた時、私は選ぶか捨てるかを決めないといけない
捨てる事を決めたらきっと引き返せない
でも、それがなに?
引き換えした事なんて今の今まで一度でもあったのかな
ああ、そっか。もう大丈夫だよお母さん だって私―――――――
┣¨ グ オ ッ
――――――本部に隣接する高層建造物が"内部"から爆ぜ、烈火の塔が暗夜を引き裂く。
絶えず火花を散らし鉛の人骨が植物のように足から頭蓋まで成長し、それを白く血の通わない肉が、鉄の表皮が生成され覆う。
炎で照らされた表皮の色が定着し、紅蓮に染め上げられた「火の巨人」が顕現す。
アリエルΔ「 ■■■■■■■■--0-01----01010■■■■0101-----!!!
眼に翡翠の炎を揺らめかせ、大気中の塵が発火しては散る程の蒸気を吐き空へ咆哮する。
その荒ぶる巨人は、骨格こそ人のそれだが、レギュレイターが知る"鉄機兵アリエル"とは似ても似つかない異形へ変貌していた。
龍の如き頭部、肋が筋肉を貫通し外部から形を成したような胴体、以前はなかった蛇腹式に連なる尾。
その有り様は―――――
ナガタ「 ぐァ" ……ッ ……!!??(熱風に煽られ木の葉のように飛ばされる。地下への攻撃は当然失敗。咄嗟にワイヤーガンを倒壊した建造物の鉄筋に巻き付け、突然出現した異形から遠ざかろうとする)――――!? なん、だ……帝国の新兵器……ゼレオロイド、か……!?
第0護衛兵「ァ……ァ ぅ、ァ うァ ァ ……!(ナガタと轡を並べていた「今も尚正気」の兵の眼から光が奪われる。 狼狽し、蜘蛛の子を散らすようにして撤退を初めた彼らの眼からすれば、町内に潜伏していたゼレオロイドが出現し明確に"敵"として出現したようにしか見えない。それだけで戦意を失うには充分だった)
第0護衛兵(フレーム2)「 ――ヴ― ヴ ヴヴヴ…… (AGESと交戦していた複数人が一斉にAGESから間合いを離す。 優先順位が変わったのか、或いは彼らを統率するプログラムに"何か"が介入したのか、踵を返し一斉にアリエルへ向かっていく。さながら、光に吸い寄せられる蝿のように)
ロナ『 ………。(――――地平が見えない空、反射する水面の鏡面世界。アリエルのコックピットに居るはずの少女は、閉鎖空間と対局の場所に佇んでいた。) ………。………(両腕を広げ、さざ波を立てて吹きすさぶ風を胸いっぱいに浴び心地よさそうに目を閉じる。 雑音は聞こえない、どこまでも意識は清く澄み渡っていて、思考は鮮明だった。)』
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ロナ『(目を開く。風に流されてきたのか、灰色に濁っていて、それでいて鉄のような質感の花の蕾が水面を漂ってくる。初めは一つ、しかしそれを認識した途端、自分を囲うようにして幾つもの蕾が存在する。それはどんなに灰色で、くすんでいて、焼け焦げていても"命"なのだと実感できた。)―――― うん、もう大丈夫。 』
ロナ『 ぐッ (水面へ向かって屈んで腕を伸ばす。蕾を、詰み……) 』
アリエルΔ「 しゃ っ (……取る。 周囲を飛び交う第0護衛兵を、飛び交う羽虫を掴むようにして。 初めは包むように、そして指の感触でそれが"対象"と認識するや……) ブ ――――
ロナ『 ――――― ち ッ (手に取った蕾は赤く花開いてどこまでも澄み渡る地上の青空に赤い色彩を滲ませる。蜜が跳ねて頬を掠めた。それを指で拭うと、ふと向こうを見る)
レイカさん、みんな。今助けに行くからねっ! (手を振る。相手もまた笑顔で手を振り返した。そこに至るまでの灰色の蕾には棘が生えていて、とても邪魔だった)』
ロナ『 バシャッ (今度は手繰り寄せるようにして水面を動かし、浮いた蕾が自分の腕の中に集まってくる。それを抱き寄せると) ――』
灰色の蕾『 グババババ バベデグベ ダグ ――――――
第0護衛兵「 ―――――すけてッ!!助けてッ!!ゆる、許してくれッ!!嫌だ!嫌だ!!死にたくない!!!!父さん!!!!か"あ " ギ ギ (巨人の手の中で自らの頭蓋が軋む音を聞いた。思考に異物が混ざる感触が恐怖を駆り立てる、それが脳髄に破片が混ざる感触とは幸い知ることなく、潰れ――― ― ― ・ ・ ・ )
第0護衛兵「退けば殺れる…… 退けば――――くそッ!!(犠牲、死、名誉。恐怖が狂気に置き換わり、危機感は自らを奮い立たせる生存本能となって死地へ飛び込む。彼らには生存のために戦うという連帯感があった。 巨人を全方位から蜂の巣にできるよう、ワイヤーガンを駆使し、一斉攻撃のタイミングを見計らうが……)
アリエルΔ「 キ ン (右ブロウを振り、立体移動に用いるワイヤーガンを腕に絡め取って芋づる式に第0護衛兵を捕まえる。左ブロウも同様に振るい、瞬く間に自分を方位していた"羽虫"を二手で捉え)
アエリエルΔ「 ヒュ オ フォ ン フォ ン ガッ フォ ン ゴ ッ フォ ン (複数の人形が塊になって出来上がった水ヨーヨーを、完全な円を描いて振り回す。道中、それが周囲の建造物やら何やらにぶつかり、中の液体が散らかった気がしたが"お祭り"ではよくあることだ。気に留める必要はない) パッ (手を離し投げ捨てればいいだけ)
ただの にく かい「 ゴンッ ビ チッ (
メトロの駆るデカメロンのメインカメラが赤一色で染まる。 名窯しがたい形状のそれらは眼球が"複数"あり、歯があり、腕が五本ある。それだけの物体だった)
―――――――第10のみんなか、
レイカさんか。 勝つか、逃げるか。 生きるか、死ぬか。
私に突きつけられた選択は、一つ守り、一つ取りこぼすものばかりだった。
でもそれは、世界という現実が突きつける残酷でリアリティがあるだけの嘘だ。
"全部選べばいい"、何も失わない。その代わり、選んだもの以外を捨てればいいだけなんだ。
赤が咲く。
赤が咲く。
触れた場所が咲いて、赤が咲く
花火みたいに散っては染め上げていく、とてもきれい
ロナ『 大丈夫だよおかあさん。 もう私、ちゃんと選べるよ 』
アリエルΔ「111000111000001110101100111000111000001010100100111000111000001010101011111000111000000110010101111000111000001010010011111000111000000010000010111001001011101110001010111001011000101010101001111000111000000110010001111000111000000110101011111010001010000110001100111000111000000110001111111000111000000110101101
アエリエルΔ「 ガ ォ ン ッッ (突然自らを抱きしめるように腕を交差させ蹲る。 背のスラスターが一斉に展開し、露出した水晶が緑白色の
光を灯したかと思えば……) キュ オ ッ (立ち上る黒煙を空間ごと無数に両断しきる光線を放つ)
第0護衛兵(フレーム2)「 ? (上空から弾幕を張り"焦土作戦"を以てアリエルを殲滅しようとしていた兵士達のバイタルが途絶える。最後に残っていた人としての意識の欠片が、無意識に自らを確かめるようにして手を見る。 最初は指、そして腕と"ズレ"が生じ……)
第 /0 /護衛 /兵 「 (血と肉の雨が降り注いだ)
ヨールダン「な………っ…………?(ゼレオロイド……いや、違う………?)目標が護衛兵のバカ共を狙ってくれてるが……ヒヨッコ!!一旦離れろ!味方かもしれんが……動きが滅茶苦茶だ!危険すぎる…!」
(護衛兵達の肉片を浴びながらもそれ自体は意に介さずその場で立ち上がり、
メトロの装甲車の方向へと駆け寄りながら声を掛け)
ヨールダン「地下壕への攻撃は……止められた形になるのか……?
ヨールダンは、連中が……無事だと良いが……」
メトロ「 ヒ ッ゛ ッ゛ ッ゛ (状況把握する間もなく装甲車の窓を塗りたくるように覆った衛兵たちの血肉。そのグロテスクな光景を前に一気に血の気が引き―――)―――――― ァ (絶命するかのように首が項垂れ、気絶してしまった――――)」
最終更新:2025年03月04日 00:05