キリギリス「―――――熾烈な剣戟が鳴り止まぬ【十刀剣舞祭】ッ!! 今宵も刺激的な一時を約束しましょうッ! さぁ、それでは参ります!! 第七試合ッ!!
ルドゥラ vs ユキだああああああぁぁぁぁぁぁっッ!!! 選手はステージへどうぞォッ!!!
ルドゥラ「(刀を左手に、ステージへと歩いてくる)……、……(感情の揺れはなく、終始無言のまま) 」
ユキ「 ~♪ (鞘に納めている刀をくるくると弄びながらステージへ上がる) 見てたわよ、貴方の試合。思いっきりバチバチしましょう?(目を細めて笑み、舌舐めずりをする) 」
キリギリス「両者で揃いましたァ!!それでは、試合――――――――― 開 始 ィ ィ ァ !!! 」
ルドゥラ「……(今までの対戦車とは違い、ユキの仕草や挑発に一切の反応を示さない。ただ、じっと睨みつけるように対峙する) 」
ユキ「 ダ ッ !! (開戦の合図と同時に弾丸のように飛び出す。コンクリートを踏み鳴らす靴音が加速度的に大きなリ、
ルドゥラへと真正面から接近していく) 」
ルドゥラ「(抜刀の構えも、殺気も敵意もみせず、ただ無形にてユキを睨みつける。まるでそこだけポッカリと穴が開いた虚空のような静けさで) 」
如水「ふぅ、間に合ってよかった。この大会は一剣士として是非見たかったからな。(観客席の上にて) 」
大剣使いの男「……(本大会のダークホース(
エルキドラ)を撃ち破ったあの女…序列一位の勢いは止まることを知らず。…対して奴はこの剣戟にどう乗り出す…?)(客席からユキを見つめ、そこから
ルドゥラへと一瞥を与える) 」
槍兵「あ、あいつ確か…あのウサギ(ランドルフ)をむごたらしく殴りまくった奴だよな…?相手がいくら序列一位とはいえ、あんな奴を相手に大丈夫なのか…?(声と身を震わせながら) 」
ユキ「―――――(……? なに? 全く動きがない…前回の
エルキドラと似たタイプ――いいえ、違うわね。とにかく、理解するには斬り合うのが一番手っ取り早い―――先手は頂くッッ!!) チンッ!! ヴ ォ ン ッ ―――――(鯉口を切り、風音と共に開いていた距離を一気に詰め
ルドゥラの眼前へと現れる)―――― 」
アラモス卿「フェッフェッフェッ…笑止。最後に笑うのは剣を極めし最強のつわものだけよ。 」
ユキ「―――― 覚 悟 ォ ッッ ! ! ! ヴ ォ ンッ!!! (目を見開き、無の空間へ突如吹き荒れる突風の如く横一文字の一閃を彼の胴へ見舞う) 」
ルドゥラ「――――ッ!!(カッと眼を見開くや鞘に納めた状態の刀でその一文字を防ぎ、ソレとほぼ同時の動きで腕を振り上げ勢いよく前に突き出す。音速突破の空手の正拳突きが勢いのまま向かってきたユキの顔面へと飛ぶ) 」
ユキ「――――――― っ (見開いた瞳が縮小していく) 」
――― ッッ ドッ ゴ オ オ ォ ン !!! (
ルドゥラの正拳突きとほぼ同時に爆音が響き、
ルドゥラの遥か向かい側にあるフィールドの壁の一部が崩れる)
ルドゥラ「フ ゥ ゥ ゥ ウ ウ …(一呼吸、向かいの壁の惨状を残心を以て見据える。)真正面から居合で斬りかかってきたその度胸は、認めてやろう。 」
ユキ「――――かッ……げっ―――ッほ……ッ…!!(激痛や鼻から伝う血に顔をしかめ、
ルドゥラの向かいにあるフィールドの壁に叩きつけられていた。片膝をついて砂煙にむせながら血唾を吐く)…お手本のようなカウンターね…(口角をつり上げ、痛みを感じながらもくすくすと嗤う) 」
ぼうれい剣士「な、何が起こったんだ…っ!?(瞬く間に吹き飛んだユキに驚愕を露わにする) 」
セイバー「素手です!素手ですよアサシン!あれは剣士同士の斬り合い、誇りをかけた闘いとしてどうなのですかアサシン! 」
ルドゥラ「……フン。(ユキの身体の頑丈さに笑みを浮かべながら、)――――ザクッ!!(なんと、刀を鞘ごと地面に突き刺し、素手となる)―――ギュッギュッ!(両手をもみほぐすように、動かしながらゆっくりと近づいていく)……さて、どうでる序列一位。 」
佐々木小次郎「剣を手に取るは常に『必殺』の証を立てた刹那のみとする剣士もいるさ。結局のところ、勝負を決する一閃を除けばその他一切は術理の一部に含まれるであろうよセイバー(座椅子に正座し茶をすすり)あれは単に手数や旨さで切り結ぶような悦に浸る享楽者でもなかろうて。さて見ものだな、何時抜くか、如何様にして斬るか。 」
ユキ「あら、お褒めに預かり光栄だわ……最初はこれって決めてるの。"逃げも隠れもしない、私はここだ"と目に物見せるために。今回は恰好がつかなったけれどね。(コンクリートの破片や埃を払いながら立ち上がり、再び素手で向かってくる
ルドゥラを見据え、どこから現れたのかも知れぬ光蝶が周囲をふよふよと漂い始める)どう出るかって? 無論―――(――霜晶ノ夢『序』――『破』――)―――斬り伏せるッ!!!(体から蒼白の気を放出し、自己強化を二段階開放) フ ッ !! (瞬間移動と見紛う疾さで
ルドゥラの正面に現れる) 」
ルドゥラ「―――――善(よい)。(両の腕に霊力が集まり、装甲が出来上がる。)――――『ベオウルフ』 (強化されたユキに立ち向かう様に、ジークンドーに近い構えを取る) 」
如水「刀を置き、徒手空拳で相手をするだと? ……わからんな、なぜそんなことをする。奴は、何を企んでいるのだ?(うぅむ、奴の剣、読めぬ……そもそも、ルドゥラ・ヤマトの名は裏では知られるものの、どんな剣を使うかが未だ知られていない) 」
ユキ「―――(剣を抜かずに私を倒そうってつもり? ……上等。 なら、嫌でもその剣、抜かせてあげるッ!!)―――ン゛っッ!!!(
ルドゥラの腹部へ狙いを定め、踏み込みと同時に刺突を繰り出す) 」
ルドゥラ「ヌッ!(繰り出される刺突を躱しては弾く。その度にベオウルフにヒビが入っていく。鋭い刺突にとうとう耐え切れなくなった直後)ウ゛ゥラ゛ァアッ!!(上段中段の二段蹴りをユキに放つ) 」
ラーヴァ「ふむ……単純な魔法とは全く異なるようだな ジジ…(観客席側でタバコをふかし、フィールドの両者を見下ろしている) 」
佐々木小次郎「いやさ読めぬという意味合いにおいてはあの雅な一輪の花もまた同義よな。剣士が立ち会うて抜かぬというのは責められた者でもあるまいが奇怪であろうよ。そのような得体の知れぬものに、己が技一つを惜しげなく晒すとは。余程、信の置ける剣技であると見える。さて、これ如何に 」
ユキ「フッ!(上段の蹴りをダッキングで躱し、)ガギッ―――――(中段の蹴りを刀の"柄"で受ける――)(――重、たッ――)――― メ …ゴッ!!(蹴りの衝撃が伝わり、身体を支える両足がフィールドのコンクリートを引っ掻くように数十センチえぐる)ガギンッ!! シャラ―――(柄で受けた足を突っぱね、ストンと腰を低くして素早く納刀する) 飛ばしてくわよ――――――― 」
――― 柊木流 壱ノ型 ―――
ユキ「――――――ジャギィィィィィィ!!!(刃と鞘の摩擦に寄る火花を散らしながら高速抜刀し、下方から真上へと打ち上げるような、冷気を伴う斬撃を繰り出す) ヴ ォ オ ォ ン ッッ! ! ! ! 」
―――【裂晶】―――
ルドゥラ「―――ッ!!(ユキの剣気が一瞬にして変わったのを目の当たりにする。壱ノ型による先ほどとは違う抜刀一閃。それをベオウルフで防ぐ―――――が)バキキィイイイッ!! (ベオウルフが冷気で一瞬にして凍り付き、続く一刀と衝撃波によりいともたやすく打ち砕かれる。) 」
ズガアァアアアーーーーッ!!!(今度は先ほどとは正反対。
ルドゥラが向かいの壁に叩きつけられる)
ユキ「スゥ… フゥゥゥ―――――(ピンと張り詰めるような神妙な表情を浮かべて向かいの壁に叩きつけられた
ルドゥラを見据え、深呼吸をする) ……お味はいかがかしら? 」
ルドゥラ「……スゥゥウ、ハァ……。(一呼吸置き、垂れ下がった髪を勢いよくかき上げる)……――――、名を、何といった?(突如漏らしたのは意外な言葉)……貴様本人の口から聞こう、名をなんという? 」
メリメリ、と会場が揺れ動く。悪魔のような闘気に吸い寄せられるかのように、
ルドゥラの剣が手元に戻っていく
ユキ「(
ルドゥラの意外な言葉に目を丸くするが、刀を正眼に構え佇まいを直す)―――――柊木雪。いつか、必ず最強の剣豪になる者の名よ。覚えておいて。(冗談を言っている様子は微塵もみられず、凛としたよく通る声を
ルドゥラに届ける)……貴方の名も聞かせて頂戴。貴方自身から聞かないと、意味がない(振動する会場に動ずることなく彼の名を問う) 」
ルドゥラ「…ルドゥラ・ヤマト。流派は、ない。(一瞬にして周りに幻影剣が現れる)……余興とばかりに思っていたが、訂正しよう。ここからは、容赦なく死を……与えてやらんとする。(幻影剣の一斉発射、だが、狙いはユキではなく、会場の壁やステージの壁。ミサイルが撃ち込まれたかのように爆発が起きるや莫大な煙がステージを覆う。その煙に覆われながら一歩また一歩と前に出て、ついには見えなくなる。―――これはまさに、剣術や武術とはかけ離れた、『殺し』の術そのものである。今までの剣士のように誇りや名誉ではなく、己の腕だけを戦場で披露する『戦法』) 」
如水「(なるほど、流派はなし、か。合点が行った。奴の剣は戦場で使われる、手段や手順にとらわれない自由な剣。使えるものは使い、捨てるものは捨てる……ある意味合理的な戦い方だな) 」
ユキ「上等。私も出し惜しみはしないわよ―――――(張り詰めていた表情がようやく崩れ、変わりに現れた表情は―――『笑み』。楽しくて愉しくてたまらないと言わんばかりの笑みをたっぷりと浮かべる) ――――――――(刀を正眼に構えたまま静止。吹く風、漂う塵の一粒までその肌に感じるまでに感覚を研ぎ澄ませる) 」
ヒュンヒュンヒュンッ!!(突如、煙の中からユキの背後目掛けて鋭い凶器と化したパイプラインの破片が2枚。次に右方からは疎らな大きさに尖ったガラス片がいくつも飛び交ってくる
ユキ「――――― ズバン!! ザギンッ―――(振り向きざまに二閃、パイプラインの破片を斬り捨ててその場から駆け出す)―――ヒュン! ヒュンヒュンッ ヒュウッ―― ドスッ! つッ…!!(ガラス片から逃れる最中、太ももの腹にガラス片が鈍い音を立てて突き刺さる) 」
ルドゥラ「(まるでその隙を伺っていたかのように、ヌラリと現れる。それこそ、構えや乳房で見えないくらいに地面スレスレに構え、そこからユキがやったように25kgもの日本刀を抜刀一閃。下方から胸部を斬りあげるように鋭い斬撃を放つ) 」
ユキ「(気配!?どこ――――下ッ!!) ズ バァアッッ!! (気づくも遅く、僅かに身を引いて致命傷は避けるも
ルドゥラの刃はユキの身体に沈み下腹部から胸部へかけて一閃を刻み込まれる) ブシャアッ…!! く…ッ…!(鮮血が噴き出し、顔をしかめる。しかし、彼女の頑強な精神力によってそのまま怯むことなく反撃に出る)―――ヴンッ ヴォオンッ!!(下方へ向け袈裟斬りを繰り出し、そのまま突きの連続攻撃を繰り出す) 」
ルドゥラ「(すぐに状態を戻し、連続突きに対し)―――ガキン、ブォン! キン、キン、ガキィ!(袈裟切りをさばき、抜き身の刀身の長さを活かし防御を行う。)ブォン! ヒュバッ!!(
ロングコートを翻しながら、乱風のような斬撃と足技拳技の牽制を放ちながら、ある一種のヒット&アウェイを確立させていく) 」
ユキ「ガキンッ! キンッ ヴンッ カキャアンッ フォンッヴォンッ! ギンッガン! キンッ ガギィインッ――――!!(息もつけないほどの高速な一進一退の剣戟を繰り広げ、甲高い金属音や地を風を斬る衝撃が会場を揺るがす) ギィィインッ――――(火花を散らし、
ルドゥラの斬撃のひとつを受ける。25kgという日本刀にしては破格の重量である得物、そしてそれを片手で振るう
ルドゥラ自身の膂力を合わさり、刃が交錯する度に尋常では無い衝撃が全身に伝わっていく―――)―――く――ふふ―――あはっ 」
ルドゥラ「まだだ、まだ足りん……。(バックステップで後方へと飛ぶ。同時に無数の幻影剣がユキに射出されていく。どれもが高密度の霊力を有したミサイル以上の威力を持った飛剣)ズドドドドドドドドドドッ!!(流星のように、光線のように、それはいつかみたSF映画のワンシーンのように、美しくも残酷な幻想的風景を見せながら) 」
ユキ「――――(圧倒的窮地にも関わらず、彼女は非常に"生き生きとした"表情を浮かべた)――――あはは!あははははははは!!!もっとよ、もっと!!まだまだバチバチし足りないッ!!!(霜晶ノ夢――――――――――) 」
―――――【糾】―――――
ユキ「――――バリィイインッ!!!(巨大に生えた蝶翼が砕け散り、蒼白の塵となる。蒼白の塵は刀とユキ自身の身体へと吸収され淡く光を発する呪印が体中に刻み込まれていき、紫紺の瞳が蒼の輝きを宿す)―――――――――。(
ルドゥラが放つ飛剣。その軌跡が魅せる幻想的な景色に僅かばかり目を奪われる)―――い――く―――わ――――よ―――――ォォォォォォオオオオッ!!!(刀が白光し、大きく振り被る) 」
ルドゥラ「……ッ!(ユキの姿が変わったのを視認。直後に刀を納刀する。呼吸を整え、適度な脱力を自身にもたらす。そして、ユキの行動をじっと見据える) 」
ユキ「 氷 翼 刃 ・ 雪 華ァ―――(振り被った刃を解き放つ)――― 晶 ッ 閃 ン゛ゥッッ!!!!(ユキを中心に、急激な冷気を伴う巨大な斬撃波が直径100mもの扇状範囲を幻影剣もろとも蹂躙し、
ルドゥラへと迫る――――!!) 」
ルドゥラ「……見事、というべきか。この高み。(一掃される幻影剣を見、ついには押し寄せてくる斬撃波。)……よかろう(一言漏らし、抜刀の構え。)柊木雪……貴様には怒りではなく、敬意を評し、オレのこの技を披露しよう。……―――――ッ!!!!(瞬時に抜刀。しかし、タイミングは誰がどう見ても早すぎると言えるほどの抜き際。しかし、そこで不可解なことが起きる) 」
神速の抜刀により、刀身が空間を綺麗に斬り裂いた。斬り裂かれた空間は刹那の間その美しい斬痕を残した後、周りの空間の座標軸及び次元を複雑に歪めながら、爆発的な引力を起こす。それはユキの攻撃に比例した大きさ顕現し、鏡で光が反射し別の方向へ行くように、斬撃波の進行方向を次元の歪みや空間軸の屈曲により、そのまま屈折させ、別の方向へと飛ばしていく。……この間僅か1秒に満ちるか満たぬか。パチンと納刀する
ルドゥラの姿。
如水「まさか……ありえん……。……空間を素早く綺麗に切り取ることによっておこる空間断裂からの急速な空間修復。……―――『空間の戻し切り』だと!? 」
ユキ「―――――――(目の前で起きた現象に自身の目を疑い、愕然とする)―――――――…ば、ッ…… ゴクッ……… 馬鹿な………っ(『未だに信じられない』とでも言いたげに間の抜けた声を漏らし、全身に玉のような汗が浮かび、頬から喉元へと伝い流れていく) 」
如水「居合の極意は「鞘内の勝利」…刀を抜かずして勝利する、それが概念だ。だが、そんなものを実戦で出来る者などいない。……だが、奴はやった……、抜刀こそすれど、相手の攻撃を否した。まさにあれは、敵を斬らずして敵を制す、その体現ともいえる技だろうな……(ごくりと生唾を飲む) 」
ルドゥラ「強いな……、洗練された強さだ。だが、返せる強さだ。……そして(次の瞬間、ユキの後方に瞬間移動)……Die(■)!(真後ろからの神速抜刀。首、腰椎、脚を狙った殺意そのもの) 」
ユキ「さすがに…ここまでの剣士だとは想定外だったわ。或いは、零士に匹敵するほどの―――――くっ!!こ、のッ――――!(即座に振り返り、首、腰椎への斬撃を受け流しバックステップで脚への斬撃を回避)――― ズ キ ッ … … ! (霜晶ノ夢の行使による消耗で身体に激痛が走り視界がぐらりと歪む、鼻血がツゥと垂れ地面を朱で濡らす)(まずい……そろそろ決着をつけないと、身体がもたない…ッ!) 」
ルドゥラ「力……そうだ、まだ足りん。力を……もっと力をッ!(それは虚ろな言葉だった。まるで見えもしないもに憑りつかれているような、小さくも力強い願望)……貴様にとってはそれは多大な負荷が伴う強化なのだろうな。決着をつけたいのならすぐにでもつけてやろう。―――言っておくが、俺は自分自身に2つの封印をかけている。この身にかせた2つの封印、貴様にとけるか? (再び納刀し、ユキにゆっくりと歩み寄らんとする) 」
ユキ「ふっ…冗談。こんなに楽しい斬り合い…終わらせるには惜しいくらいよ…ッ…!(ニィと戦いに飢えた獣のように)――――封印…!?あなた、まだ自分の力に枷をかけているというの…ッ!?(正眼に構え、ジリッと地面を踏み鳴らす) 」
ルドゥラ「枷……か。俺自身は枷とも思ったことはないが……。 ――――戦いの悦はいらない、血に酔う性も必要ない。俺がただ求めるモノは、更に強大な力。今のままではまだ足りん、何もかもが足りん。力なき者は滅びゆく……、俺は滅ばん。その為には、今以上の力を求めるだけだ(まるでうわ言のように呟きながら鯉口を切る。殺気や敵意ではなく、最早暗黒に近い”虚無”をその身にまとわせている)……どうした、斬って来い。斬って、斬って、斬って……俺の力の糧となれッ! 」
ユキ「―――――(
ルドゥラのうわ言を聞き、その一部に共感を覚える)……けど、虚しいわね。貴方は私を見ていない…いえ、見えていないのかしら。……貴方は、その先に何を見ているの――――(柄を握り直す)失礼、柄にもなくちょっとしんみりしちゃったわ。ここらで仕切り直しといきましょうか(―――とはいえ、この消耗…振れて数刀が限度。確実に一刀を叩き込む…!!)―――――ダッ!! はぁぁぁぁぁあああああッッ!!!(勢い良く駆け出し、再び横一文字の斬撃を繰り出す) 」
ルドゥラ「――――――。(瞬時に抜刀の構え、しかしこんどはユキと同じ左抜刀。相半身の状態でユキを待ち構え、ユキが横一文字を繰り出した直後に行動を起こした)―――ブォオン!!(一気に地面に沈み込むように構え、その勢いを利用した神速一閃。だが、狙うのは胴体ではない。狙うはユキの横一文字に使用する"腕"。ユキの腕と刀身を交差させるよう☓状にすべりこませる。そして)ブン、ズガァアア!!(その一閃を振り抜いた後に、器用に左腕を使いユキの腹目掛けて、撫で斬るような斬撃を放つ) 」
ユキ「(速ッ――――――) ズ シュア ッ!!!(腕への神速一閃。切断は免れたが、確実に骨は断たれる深さで決まる)ヅっ――――(目を見開き、強く歯噛みし激痛に耐える。刀を左右で持ち替えて反撃に出ようとした瞬間、芸術的とも呼べる流れるような
ルドゥラの腹部への斬撃を受ける)―――― ズ ッッ バァアンッ!!! ―――――…あ゛…っ…――――かッ…(
ルドゥラとすれ違い、夥しいほどの鮮血を撒き散らしながら数歩そのままよろめく) ハッ……ハッ……ル…ドゥラ……
ルドゥラ………っ(虚ろな目で
ルドゥラを視界に入れ、緩慢な動きで接近する)……ふっ……ふふ… 」
ユキ「ふふ……は……あっははは――――(勝つ…この男を…斬って、斬って勝つ……あたしが、強い。あたしは最強の剣士になるんだ―――――)――――――(クロスレンジに入った瞬間、刀を振り上げ――――)―――――ごぷッ………… ド サ ッ (吐血し、再び
ルドゥラとすれ違うように地面に倒れ伏した) 」
ルドゥラ「―――ビュバッ!!(大きく血振りの動作をし、ゆっくりと納刀する。)まだだ……まだ足りん……力を、もっと力を……ッ! I need more powerrrrrrr!!!(天に向かって怒りとも悲しみとも取れない雄たけびを上げる) 」
キリギリス「き―――ききき、決ィィィィィィまったあぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!! 文字通りに会場を縦へ横へと震撼させるほどの壮絶なる戦いを制したのはァッ!! ルゥ―――ドゥラ選手だぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!! 」
うおあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーッ!!!!!!!(勝者の
ルドゥラへと向けられた観客の大歓声が会場一帯に響き渡った)
ルドゥラ「―――ッ。(
ロングコートを翻し、ステージを後にする。その間、一瞬ユキの方を見たがすぐに視線を戻した) 」
キリギリス「―――――激戦に続く激戦!息をつく遑を許さぬ【十刀剣舞祭】ッ!! さぁ、いざ参りましょう!! 第八試合ッ!!
ルドゥラ vs
オリヴィエだああああああぁァァァッ!!! 選手はステージへどうぞッ!! 」
ルドゥラ「……(いつものように気難しそうな顔で首を鳴らしながらステージへと上がる)次は誰だ……誰も構わん。剣も槍も、矜持も……何もかもを圧し折ってやる 」
オリヴィエ「 カツ ッ (西洋拵えの日本刀を鞘に収め、ブーツを戦場の床に打ち鳴らしステージに佇む)–––––– ス…(伏せて沈黙を守っていた顔を、瞼を上げ眼前に見据える壁<ルドゥラ>を直視した) 」
―――その壁が要塞が如く重厚で、頂が如く高く聳えることは、ユキとの舞を刮目したならば、それが剣士ならば五感で感じられる。だが決してそこに恐怖は伴わない、なぜなら――――
オリヴィエ「(–––––––この景色を眺めるため、一族の誇りも、孤独に震える己も断ち切って、海を渡ったのだから)––––––––キンッ(腰を低く落とし、納刀した刀の肢に手を添え起き、
ルドゥラを、ただ1人の剣士として見据える)–––––始めましょう。いざ、尋常に…… 」
キリギリス「両者で揃いましたァ!!それでは、試合–––––––––…… 開 始 ィ ィ ァ !!! 」
ルドゥラ「(開始の合図とともに、
オリヴィエに向かって歩き出す。珍しく鯉口を少し切り、いついつでも斬撃を放てるように)力を……もっと力を……ッ! 」
オリヴィエ「ト……トト……ト…トッ トン ト ン ッ (一歩、一歩、一つ結びにした髪を揺らして
ルドゥラへ向け歩み出し、徐々に踏み込みを早く、確実に取りに行く速度で飛脚し間合いを詰めに向かい) ト ン ッ (
ルドゥラよりもさらに向こう目掛けて飛び、互いの交差領域<クロスレンジ>へ真っ向から飛び込み、水中を掛けるように時の進が遅く錯覚する刹那に抜刀し)––––––ヒュ オ ォ ッ (すれ違いざま、真一文字の居合を穿とうとする) 」
ルドゥラ「――――ッ!(
オリヴィエの水のようにしなやかで軽い踏み込みに、若干反応が遅れる。それはほんの一瞬彼女の姿が"消えた"と錯覚してしまうほどに)ガ キ ィ ッ! (だが、速さで来るならこちらも速さで応戦。指で鯉口を切りつつ、左手で鞘を握り持ち上げ、鞘を引くと同時に本身を抜き放つ)―――グォォオン!!(鋼鉄は異様な剣気の叫びをあげ
オリヴィエに飛来する) 」
オリヴィエ「 ツ”……ァァッ!! (助走と加速の助け合って圧を増した一閃、だがそれも
ルドゥラが穿つ剣の咆哮に競り負け、衝撃は雷のように全身に巡る) ギィンッッ!!(だがこれを刃の角度を曲げることで刃の上を滑らせ、衝撃を受け流しながら居合を振り抜き、互いに背を向け駆け抜ける)ザザッ ギュ オッゥッ(そして振り抜いた際の勢いを殺さず、追撃を許すまいと牽制するように駒が如く回転斬りをしつつ距離を離す) 」
ルドゥラ「ほぉ、美味いッ!(口角を緩め、
オリヴィエと同じように回転しながらその回転切りをガードするや)ぬんッ!(左手の鞘を勢いのまま
オリヴィエに投擲する。鉄拵えのそれはプロペラ回転を繰り出しながら距離を離す
オリヴィエに迫ってくる) 」
オリヴィエ「ザシャァァ……キィ ン (追撃を免れ壁際まで後退し反撃に出ようと振り向き側刃を水平に構え直そうとするが)ッ–––––––!!(瞬間、既に衝突する皮一枚まで迫っていた鞘に目を奪われ瞳が凝集する) パァ ン ちィ…ッ!(投擲した鞘が刀を握る左手を捕らえ、刀は中空2m程へ投げ出され円を描くように回転し、地上に残された
オリヴィエに隙が生じる) 」
ルドゥラ「キ ィ イ イ イ ッ!(奇声の様な雄たけびを上げながら、右八相の構えで
オリヴィエに疾走する。最早倒れているのではないかともいえるほどに体勢を低くした疾走は、地面を抉りながら狂気を孕んで"死"を運んでくる) 」
オリヴィエ「(やはりこの男は全く”読めない”……! 武士や侍、剣士や戦士、そんな”型”に嵌るような男ではない……けれど–––––) ガ ッ (
ルドゥラの”死”が到達するまでの0.01秒、彼女は咄嗟に残った右手を腰の鞘に添え、握りつぶさんばかりに握りしめ) 破 ァッ!!(”気”を練りこみ桜炎を纏う一振りのヤイバが如く輝くそれを、低姿勢で向かってくる
ルドゥラの顎をめがけ三日月の軌跡を描き振り上げる)(–––––それは、ここに集った全てに言えることだ。ここに集う全てが一振りの斬撃に等しい剣豪!!) 」
ルドゥラ「――ッ!?(
オリヴィエの三日月が迫る。無理矢理に顔を反らし躱すが)ズジャァアーーーッ!!(左の肩が切っ先で抉れる。だがそれに負けじと右八相からの右袈裟を
オリヴィエに繰り出す) 」
ルドゥラ「(この小娘の驚くべきは肉体的な速さもそうだが、実際はその咄嗟の判断だ。窮地においてもそのギリギリまで状況を見極め活路を見出す。……なるほど、根っからの武芸者肌の女だな) 」
オリヴィエ「ズァオ ォ オ (差し迫る右袈裟、下がるべき道は壁に閉ざされ回避する術はない、命中は必須、首筋に迫ったこれを
オリヴィエは) る ゥ ァッ !!!! (振り上げた鞘を、”背車刀”の要領で腕を”「”型に折り込み、鞘を左肩と垂直に立て、さやの先端に左手を添え両の手で抑え、右袈裟にぶつけ防御を試みるが)ギギギギギャリ ズシャァァ!!(勢いを押し殺しきれず鞘は左肩に切れ込みを入れ赤が吹き出る) 」
オリヴィエ「 ヒュォ パシッ(だがその刹那の攻防の合間、先に弾かれた
オリヴィエの刀が彼女の元に降り立ち) パ シ ッ ヒュ ォ (左手から鞘を手放し、素早く刀を掴み取って小振りな横薙ぎで牽制しつつ、ステージの端から端へ瞬間的にスライド移動する) 」
ルドゥラ「フゥ……フゥ……(肩から噴き出る血を忌々しく叩くように抑えながら、
オリヴィエの動向を視認。)すばしっこい奴め……(空間に現れる無数の幻影剣。切っ先は動き回る
オリヴィエを正確にとらえつつ)シュバババババッ!(艦隊からのミサイル攻撃のように飛び交う。ルドゥラも放ちながら
オリヴィエを追いかけんと疾走する) 」
オリヴィエ「スー…… (先に
ルドゥラが刻みつけた一筋の傷から絶えず赤が滴り落ち、床に小さな血だまりを作り出す。肩で呼吸をし、空を埋めつくさんばかりに飛び交う幻影剣、焼け付く一閃の痛み、その一つ一つから目を反らさず) ┣¨ウ ン (大気に風穴を開けるように、円形状のステージの外壁をなぞるようにして駆け出し、ステージを瞬く間に半周し、跡には幻影剣が突き刺さる) 」
オリヴィエ「(食らい付け、目の前にある細い道筋へ。しがみつけ、確かにそこにある生へ……!)┣¨ッッッ(丁度半周しきったところで踏みとどまり、
ルドゥラへ直進するよう軌道修正し、矢が如く駆け出す。その際に生じるラグを見逃さず幻影剣は降り注いだ)ギィンッ!! ガ ォンッ!! ギャリィン…ガカァッ!!(それを右への払い、ブロー気味の凪ぎで二本は弾き、一本は頬を抉り、目の前に迫った一本を)ヒュオ…ッ(跳躍して交わし、水平に滑空し
ルドゥラへ迫る) 」
ルドゥラ「(あれを全てやり過ごし、自ら道を切り開いたか……)――――スッ(刀を正眼に構え
オリヴィエを待ち構える。不動にして無我。ただ敵の参るところに刀を振ればそれだけで術理は叶う。ゆえに不要な念は無用)――――――。(殺気も敵意も消え、ただ純粋に漂う風のように
オリヴィエを待ち構えている) 」
オリヴィエ「––––––【絶刀・飛鳥ノ型】(ここに来て初めて、言葉を発する。それは冷ややかで、彼女自身が一振りの刃であるように) 【其ノ一式】 (
ルドゥラへ間合いを詰める0.数秒の間、彼女の周りには無数の桜が浮いては塵を繰り返し、華の色彩のオーラを纏い、平突きの構えを取る) 」
――――― 【渡月桜華】―――――
オリヴィエ「 キュ オ (
ルドゥラとの交差領域に至っていないも関わらず、届かない突きを放とうとする) 」
ルドゥラ「(――――手抜かりか? 愚かな、散れぇい!)(カッと眼を見開き正眼からの唐竹割。美しくも正しい直線を描きながら
オリヴィエの頭蓋目掛け放つ) 」
オリヴィエ「つ……ッ––––––––(頭蓋めがけ放たれる凶暴な一撃、決して小さくない恐怖が彼女を人の未使用と迫るが、彼女はそれごと貫かんとばかりに、届かない突きを、真っ直ぐ腕を伸ばして放ち) ザシッ…(それが頭部に皮一枚触れた刹那、彼女の姿が消失した) 」
パリィンッッ!! (ガラスが砕けるような絶叫が響く。空間が複数の層になって砕け、斬撃を放った
ルドゥラとすれ違うように一筋の斬撃が一筋の閃光となって駆け抜ける。そこには一切の酸素すらない虚無が生じ、それが収縮すると同時に)
オリヴィエ「 ト ン ッ(
オリヴィエが既に、次の突きの構えを取って、
ルドゥラの背を向けるステージの端から駆け出そうと……再び、この『次元跳躍』を伴う突きを穿とうとしていた) 」
佐々木小次郎「–––––– ほう。とどのつまり『空間ごと突き穿つ』と言ったところか。そこに虚を作り、距離、間合い、全てを消し飛ばし、無の間を駆け抜ける一閃を作り出す。私も『人の身のみで織りなす魔法』などと宣われる術技を編み出したものだが……はっはっは(最も、さような大道芸一つで打ち果たせる手合いではなかろうが……) 」
ルドゥラ「ぬ!?(次元跳躍。その物理的速さを超越したであろう彼女の所作に驚愕。だが、次に来る攻撃にすぐさま反応するかのように転じ、体捌きで向きを反転させると同時に向かってくる
オリヴィエに横一閃)」 」
オリヴィエ「(–––––ルドゥラ・ヤマト。天をも穿つ居合を潜り抜け、夏の陽光すらも閉さんばかりの凍てつく閃撃を超え、尚も歩みを止めず)–––––さすが、いい反応ですね。けれど”眼”で、”五感”で追う内はまだまだ……ッ!!(理解を求めず、ただ孤独に歩む求道者。私とて、理解できるとは言い難い、けれど……) 」
ギィィィン ッ !!(互いに一閃を振るって駆け抜る。その際も
オリヴィエは次元を超え、にも関わらず
ルドゥラの一撃は彼女の腹部を掠め赤が噴き出していた)
(その純粋な力に、私は敬意を表する。そして今ならわかる、私はこの男に勝ちたい……!冥府で極めた魔剣(卍解)を、虚空すら超える居合を、あなたと渡り合った最強の一振りを、その全てを”観た”私の、全力でッ!!)
オリヴィエ「ギュオ ッ ズァァア!! (振り向き樣、一切の躊躇なく再び次元跳躍を伴う突きを穿つ、それも今度は––––––彼女自身が光そのもであるかのように、桜色の閃光が尾を引いて曲線を描くようにして順応無人にステージ全体をか巡り、次元跳躍に注ぐ次元跳躍で、四方八方から僅かなタイムラグで連続して突きを
ルドゥラ一点めがけ放っていく) 」
ルドゥラ「……ッ!(この速さ! いや、最早速さなどという言葉では生温い)……見事ッ!(ぐっと歯を食いしばり衝撃に備える。いくつもの閃光が集結するように
ルドゥラを貫いていく。鮮血をまきながらも不動のまま仁王立ちをつづける) 」
オリヴィエ「(–––––まだだ、まだだろうルドゥラ・ヤマト!あなたの死地はここではないだろう!!)オオォォォォォォォオォオォォォオオォォッ!!!(自らが駆け抜けた残光が絡み合い、それすらも自ら目視できるような状況、彼女は真っ向からルドゥラへ直進し–––––)–––––征くぞルドゥラ・ヤマト!!我が絶剣の一ッ!その身に刻むがいいッ!!!!(ステージ端から彼めがけての刺突を伴う駆け出し、その際に弾かれた空間は衝撃波となって会場全体に広がり、雷が如き一閃が彼へ飛来した) 」
ルドゥラ「(
オリヴィエの渾身の刺突。避ける術なく真正面からその腹部に受け、衝撃でステージの端へと叩きつけられる。凄まじい轟音と共に砂埃が舞う)――――(ゆらりとその中から立ち上がり、血塗られたまま向けるは)――――ニ ィ ィ ィ ィ ィ イ (それはなんとも不気味な笑み。今までの戦いでは見せなかったであろう貌である) 」
オリヴィエ「–––––ビッ(刀にこびりつく血潮を軽く払い、その一部始終、砕いても尚存在するような壁を目の前ににして彼女は)––––– フ (恐怖と歓喜を迎えるようにして、冷や汗を首筋に滴らせ微笑する)(確かに入った。確実に、屠るつもりでいた……けれどこの男……事実上、最大の壁たる存在かもしれない、ともすれば……)チャキッ (鍔鳴りを冷たい沈黙に響かせ、刃を水平に構える。再び、いつでも次元跳躍が行えるように) 」
ルドゥラの纏う黒い鎧にヒビが入りボロボロと崩れ落ちていく。その裏側にはびっしりと白い文字が描かれていた。それもかなり古い年代の文字だ。なにかの呪文にすら見える。
ルドゥラ「……よもやこの段階でこの姿をさらすことになるとはな。(鎧が完全に砕け地面に舞い落ちる、そして)――――褒めてやろう小娘。その例として、俺の辿り着いた境地にして封印指定……今こそ破らせてもらう!(そういうや蒼いコートをバッと脱ぎ捨てる。コートの裏側にも魔力で編まれた文字がびっしりと薄っすらと描かれていた。) 」
鎧とコートの裏にあった呪文、それは自らの力を極限まで抑え込む封印の呪文に他ならない。封印が解かれた今、現実となって起こったもの。 ―――空が軋み、大地が唸り、揺れ、大嵐と化した剣気が闘技場の周りの家や木々、車、橋、高層建築物。それら全てを巻き込みながら天高くあふれ出てくる。その猛威はまさに"龍"。 ……彼の背中に、血濡れながらも堂々とした形相の青竜が描かれていた。
ルドゥラ「さて、封印していた分どれだけ力を蓄えられたか……。(鞘を霊力で引き戻し、ゆっくり納刀。いつもの無行に戻る)だが、足りん。……まだ足りんッ! 力を、もっと力をッ!! 」
オリヴィエ「(––––––それは、まさに彼とだけ共有できる一つの世界。その他一切が滅び、投げ出されたかのような虚無感の真ん中に取り残される感覚。天変地異の領域まで至った彼、いや一つの災厄を前に少女は––––) ザッ ええ、より強く、より鋭く……究極の閃撃を。参りましょう、我らが試合舞台へ(息を飲み、剣を構える。それ以外に、彼女は恐怖を表す術すら知らないのだから) 」
剣気は地上の全てを押しのけんばかりにあふれ出て、尚且つ天をも揺るがさんばかりの咆哮を見せる。無形の剣気は"破壊"を象り、力への渇望を世界に刻み付けていく。
ルドゥラ「次元跳躍……練り上げしその武、大したものだ。……来い、俺の"力"を見事超えて見せろ!(しかし尚も力への意志は止まることはない。境地に至るもそれを断固として拒絶する。更なる高みへ! と) 」
オリヴィエ「(冴え渡る剣気、深海に包まれたようなこの戦場の風景。立ちはだかるのは1人の剣豪、少女は独り、彼と向かい合いながらにしてそこよりもさらに手前を見据えていた)––––––(きっと、あなたの眼に映るのは私の技でもない、私の技でもない。それはきっと、私と同じ敵に違いない)––––––キィンッ(剣を鞘に収め、”居合”の形を取り、腹の底から気合を吐き出すように答える) 応!オリヴィエ・リンドヴルム、推して参るッ!!(地を蹴り、大気を裂き、ルドゥラ・ヤマトという存在に見出した”己”という壁に、彼女は脇目も振らず、一歩の踏み込みで血を削るように滑空し飛び込んだ) 」
ルドゥラ「フ ゥ ゥ ウ ウ ウ ……(深呼吸。脳内に意識が集中し、視野がはっきりととれる。彼が象るのは斬撃への型ではない)―――ヌ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!!(雄叫びと共に踏み出す震脚。無論の事それは大地を揺るがすが……)――――ボゴォッ! ガガガガガガッ(隆起した地面と共に、時間と空間といった次元に存在する要素に大幅な"亀裂"と"揺らぎ"が生じていく。海神ポセイドンの怒りが海に嵐を巻き起こすように、山の神の怒りが雪崩と噴火を起こさせるように。次元跳躍において、それは裸足で熱した針のムシロを駆け抜けさせるのと同義であろう次元変革をもたらした) 」
オリヴィエ「–––––––––ギュォォォ(次元を駆け抜けることは叶わない、かといって空間に生じた歪みを物理的に貫通することも困難を極める。これを踏まえ
オリヴィエは納刀していた刀を抜きはなち)–––––(元よりこの剣は人を斬るために有らず、開けぬ夜に、止まぬ雨に、立ちふさがる全てを断たんがための己が架け橋!いざ、押し通れ!!万象の理を切り開いてでもッ!!)【絶刀・羅生門ノ型】(一歩、空間の層の壁を前に踏み止まり、”左足”で大きく前へ踏み出し) 」
オヴィエ「万花……–––––登楼ッ!!!!(上体を大きく右へ傾け、腹部をねじるようにして縦一文字に軌跡を入れ、居合を抜き放つ) ギュ オ (目の前の次元には、次元ごと消失させた際に生じる小さな球体状の”虚無”が生じ、それすらも、真っ二つに両断され) キ ィィィ ィ ン (空間の消失と同時に
オリヴィエはそれを埋め合わせるように吸い寄せられ、ルドゥラと
オリヴィエの間に、互いの剣が届くであろう間合いが生じた) 」
ルドゥラ「(空間の戻し切り……と似て非なる、か。その覚悟やよしッ!!)ギギギギギギッ!(天と地とを脅かしていた膨大な剣気が
ルドゥラという一点に集結、そして)――――Dieッ!!(抜き際の一閃、刹那、周囲は無音と化し、剣の煌めきのみが空間を支配する。そして)―――――――ッ!!!(形容しがたい轟音と共に剣気をまとった神速抜刀が
オリヴィエに向かう) 」
オリヴィエ「ッ–––––– (防げない、交わすこともできない……ならッ!) ギュ オッ!!(単純な打ち合いにおいて、ルドゥラの剣には威力、速度共に及ばない。それを踏まえて防御も回避も不可能と断じた
オリヴィエはそれが”来る”と察知すると一歩前へ、さらに踏み出し)ン ア ァ ァ !! (
ルドゥラの居合の要である、右手へ向かって片腕の袈裟斬りを振りかぶって)ギッ…… ゾ プッ (生半可に引けば確実に胴体を両断されていたところを、前へ強引に突っ込み間合いをずらすことによって腹部への深い切れ込みのみに抑え、赤絵の具の塊を零すように溢れる流血を無視し
ルドゥラへ切り込む)あ"あぁぁァァッ!!!! 」
ルドゥラ「小娘がぁああああッ!!!(無茶をしてまで、自分の命のギリギリのラインまで突っ込んでくる
オリヴィエにこれまでの対戦者以上の何かを感じ、思わず激昂)ヌァアアアアッ!!(体を強引に捻り左手に持つ鞘を鈍器代わりに
オリヴィエに渾身の力で振り抜こうとする) 」
オリヴィエ「–––––– 私は。 ガ ァ ンッ (袈裟斬りが到達するよりも早く、鈍器よりも鋭く重厚な鞘が頭部に直撃すると踏み、振り上げた腕を
ルドゥラ自身から鞘を握る腕へ変更し、腕を振り下ろし、殴りつけるようにして柄頭と鞘をぶつけ合って鍔競合いになる)イヅキさんと切り結んで目覚め、ギコ侍さんと戦い思い至り、あなたと向かい合って確信した(ギリギリギリ)最たる力を有する敵は、最強の敵は、吠え哮り、求めるまでもなくそこにいた……!この世に生を受けて、ずっとそこにいたんだッ!! ギギ…ギギギ……ッ 」
ルドゥラ「――――ッ!?(
オリヴィエの見事ともとれる神速的な判断に目を見開く。この少女は剣以前に必要なものを多く持ち合わせている。今この瞬間そう確信したのだ)……ほう、して、その最強の敵に……お前はなにを望む? (ギリギリギリギリギリッ!!)何者をも斬り裂く最強の力か? 何人をも寄せ付けぬ無敵の力か? ―――貴様は剣の何に道を聞くというのか! 」
オリヴィエ「––––––私がッ!!(一歩、防御も必殺も捨て前へ身を乗り出し小さな獅子は吠え猛る)私が!己であり続ける事、生涯立ち向かうであろう最強の敵、オリヴィエ・リンドヴルムであり続けることだッッッッ!!ただ抱かれるだけに幸福を覚える1人の女でもない、ただ一族に繁栄をもたらす武士でもない!!己であり続け、己と戦い続けるために私は––––– (これまで、彼女の代名詞であった可憐さをかなぐり捨てるように彼女は–––––) 」
オリヴィエ「 前 へ 進 む ッ !! (全身をこれ一振りの刀のように頭を振り上げ、
ルドゥラの頭部へ頭突きを繰り出そうとした) 」
ルドゥラ「……―――――(
オリヴィエの叫び、その姿に今の自分、かつての自分を重ねた。それは、まぎれもなく……)―――― や っ て 見 せ ろ ォ !!(同じく頭突き。龍のような厳つい形相で
オリヴィエとカチ合わせる) 」
――――― ルドゥラ・ヤマトと相対した刹那、彼女の脳裏に最初に浮かんだ二文字は『勝利』であった。それはきっと、己の慢心ではない、きっと己を打ち負かすであろう、己よりも遥かに強い剣豪であろうルドゥラ・ヤマトへ送る賛辞であった。
だが同時に、それを受け入れる自分に対して明確な疑問だけが残った。その疑問は鏡のように鮮明に己の心を映し出していた。
『もう傷つかなくていい、もう無理をしなくていい。野に咲く花でいいではないか、護られるか弱くも美しい何者かでいいではないか』
それは政略結婚の割には、ひどく情熱的な男だったことは覚えている。誠実で、生真面目で……けれど、そんな彼が煩わしくて仕方がなかった。ただ ――――
オリヴィエ「おおオオォォォォオォォオォォォォォ オ オ––––––––– ッッッッ!!!! 」
私が男に生まれたとしても関係ない、ただそこにそのように生まれたからそうあれと、己のあり方を定義されるのが許せなかった、曲げられなかった、だから憧れた。憧れたんだ、一本の刀のように真っ直ぐな、あなた達に――――
オリヴィエ「(川の奔流を眺めるかのように、彼女の頭上で空が、雲が凄まじい勢いで駆け抜けていくのが見える。そこには真紅の花びらが舞っていた) 」
――――― それが強さなのか栄光なのか、動機付けはどうあれ、『理想の己』であり続けようとするあなた達を、心の底から理解したかった。そして打ち勝ちたかった、己に、貴族の娘でしかないか弱いだけの自分に。
オリヴィエ「 ト ッ ガ ッ!! ドッ ゴッ…… ズシャァァ(
ルドゥラとの巣付きの打ち合い、彼女は刀を握りしめたままその衝撃に争うも地に溝を刻みつけながらも吹き飛び、視界を流血で赤く染めながら吹き飛ばされ、ステージの端に叩きつけられていた) 」
ルドゥラ「―――――……。(衝撃により額からは煙のような闘気が。そしてなにより、
オリヴィエと同じように噴き出るおびただしい血流。ステージの端に叩きつけられた
オリヴィエを一瞥するや、まるで演武のように、賛辞を贈るように大仰な血振りの後、――――……納刀)……見事ッ。 」
キリギリス「き、きき……決まったァ!! 見事、初出場でありながらにしてこの舞台に躍り出、誉ある決勝への道筋を切り開いたのは!!!! ル–––––––– 」
オリヴィエ「 ガッ ッ (その勝ち名乗りを遮るように刃を地に突き立て、湧き上がりそうな会場を熱気を断ち)–––––待"っ……て………くだ、さい……(最早意志だけが彼女を突き動かしているかのように、刀を杖にして身を起こす。そして満ち足りた清々しさと、至らなかった己への悔恨の入り混じった、濡れた瞳と笑みを湛えて
ルドゥラを真っ直ぐに見据え)これだけは、譲れません、譲るわけにはいきません。 送らねばならないの……です……。 ––––––– "勝負有り。" 勝者、【ルドゥラ・ヤマト】 」
―――― この先、もしかしたらあなたは誰かに打ち果たされるかもしれない。けれども、この場において剣を交えた私は知っている……その歩みは孤独で、どんなに答えを問いかけても、それは己に帰るだけの小玉との対話かもしれない。けれど––––––あなたの魂は、決して敗北しない。決して……決して………。
ルドゥラ「……――――フンッ。(コートを手に取り、肩にかける)最後の最後まで律儀な小娘だ。……賜ろう。(相変わらずの仏頂面、しかして
オリヴィエのその言葉を胸に刻まんと、軽く会釈をした) 」
そして男は踵を返す。たった一つの称賛とただ一人の理解を得て。……天下無双も最強も必要ない。ただ力があるという事。ただ強くなるという事。それのみを証として建てステージを後にする、名を――――『ルドゥラ・ヤマト』。
― 十刀剣武祭会場 ―
キリギリス「… ス ゥ … ―――――――― さぁぁああッ!!!みなさま、お待たせいたしましたァッ!!!いよいよクライマックス!!世界一の剣豪を決める十刀剣武祭・決勝戦ッ!!!開幕だああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!! 」
観客者「「「「「「オワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」
ぴかちう「オ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ゛!!!!!!!(観客席でデデンネを椅子にしている) 」
剣士「……とうとう、この時が来たか……!(観客席で待ち望んでいた瞬間を前に目を輝かせる) 」
キリギリス「 今回の十刀剣武祭は歴代史上、最も波乱を生んだ壮絶な試合の連続でした! そんな数々の激闘を潜り抜け、勝ち抜いてきたファイナリストの雄姿をご覧に入れましょう!!!両選手、舞台へどうぞおおおおおおおおおおぉぉぉーーーーッ!!!! 」
プ シ ュ ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア … ッ … ! ! ! (選手登場口より、勢いよくスモークが噴出される)
氷冬「 タ ン ――― タ ン ――― タン ――――――― ザ ッ … … ! (喝采と白煙、そして会場に迸る熱気を纏い、ついに舞台へと上がった)……………!(……ついに、"ここ"まで……っ……)(かつて感じ得たことのない大きな高揚感に、胸の鼓動は激しく鳴り渡る) 」
フーナ「いよいよここまできたんだね…氷冬……!(客席から見える親友の背に感極まっている) 」
スカーフィ「いえーーーーーーいっ♪ ラストバトル、ファイトー!氷冬ー!!(高らかに腕を上げて激励) 」
ルドゥラ「(そんな氷冬とは対照的に、少し遅れて登場する彼の表情は険しくも冷徹で、静かで、そして瞳は澱んでいるようにも感じた。自然と鞘を握る手が強まり、対戦者である彼女の姿を睨むように見据える)……ザッ、……ザッ、……フゥゥゥウウウウ。 」
AS「(腕を組み、客席の後ろ辺りから氷冬を見ている)……行け、お前の全てをぶつけてやるがいい。 」
メタナイト「……(度重なる試合、そして此度の騒動を超え…更なる飛躍を遂げたか。)……これも宿命か。(仮面の内側でフッと笑う) 」
雛菊「……氷冬さん……(全身に包帯を巻いた姿で客席よりこれからの決戦を見守っている) 」
キリギリス「この最後の決戦…優勝し、勝利の栄光を収めるのはどちらなのか!!?それでは、始めましょうかああああああァッ!!!決勝試合!!!「氷冬」 vs 「
ルドゥラ」ッ!!!! 試合 ――――――― 」
氷冬「… … チ ャ キ ッ … … ! ! (対峙する最後の相手、
ルドゥラを静かに見据えたまま親指で鍔を押し鯉口を切る態勢へ、そして―――――) 」
キリギリス「―――――― 開 始 ィ ィ ァ ア ア ッ ! ! ! ―――――― 」
氷冬「――――― ダ ァ ン ッ ! ! ! (先攻―――― 突発と共に振り抜いた一刀で虚空を斬り払い、
ルドゥラへと急激に迫る) 」
ルドゥラ「どうやら俺と対峙する者は……(そう言って柄に手をかけ)随分と真っ向からの挑みたがりらしいッ!(左の親指で鯉口を切るやすかさず抜刀。氷冬の来るタイミングと剣の速さに合わせるよう、25kgという破格の重さを誇る刀を幾重にも振るう) 」
ヒロ「………さーて、どっちが勝つのやら(観戦している) 」
氷冬「――――― ズ ァ ン ッ ! ! ! (
ルドゥラが振るう強大な刃に、自らの刃をぶつける) 」
――――― ザ ギ イ゛ ィ゛ ィ゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! ! (双刃の衝突に耳を劈くような鋭い残響、衝撃が大気中へ迸った)
氷冬「ガリッ、ガチガチィッ……――――― "ここ"まで来たらお互い小細工無し!ただ向き合い、「剣」で語らう!……行くわよッ!!(双眸に灯す闘志の炎が
ルドゥラを捉える。鍔迫り合いを振り払い、二段斬りを繰り出す) 」
大剣使いの男「あの娘は今回の大会の中で劇的な成長を遂げた…しかし、
ルドゥラと呼ぶあの男もまた力を温存してきた猛者。そこの知れない者同士のぶつかり合い、まさに最後の決戦に相応しい…! 」
シグマ「…………(厳かな顔を崩さず、ただ黙してその終わりを見届けようとしている) 」
イーリア「……ああ、やっぱこうでなくちゃ。剣士たる者獰猛に飢えてなくちゃ、あのちびっ子もあの剣士も……良い。(目を見開き、その戦いを己の糧とせんが為に見つめる) 」
ルドゥラ「フン――――ガキィ、ガンッ!(二段斬りをガードするや、すかさず納刀。常人では考えられないほどの集中と完璧な間合いの取り方で)―――ぬぅぅん!!(閃光すら残さぬ抜きの一刀、重圧な剣風をまとい氷冬に) 」
門矢士「…ここが『
閃劇のリベリオン』の世界か……俺の手を下すまでもなく、世界の破壊は阻止されたようだな。…せっかくの機会だ、見届けてやるぜ。この物語の「結末」をな。 」
白鷺「(全身に包帯を巻き、点滴台を傍らに試合を見ている)うーん、やっぱり物が違いますねえ…… 」
氷冬「くぅ…ッ…!!(重い剣圧を一身に受け吹き飛ばされるが―――) ガ ッ ―――― ズ ザ ザ ザ ザ ザ ァ ー ッ … ! ! ! (逆手に持ち替えた一刀を地面へ突き刺し反動を和らげることで舞台端で勢いを耐え忍んだ) ブ ォ ン ッ ――― はああぁぁッ!!(虚空を撫でるように斬り払い、踏み込みと共に凍結した地面を滑るように移動しながら再び
ルドゥラへと迫る) 」
ルドゥラ「―――Don't move(そこを動くな)。―――シュパ(突如姿が消える。否、瞬間移動を繰り返しながら氷冬の周囲を飛ぶように駆けまわり、隙を見出しては)―――ん゛んんらぁあああッ!!(鋭い居合斬りとそこから派生する幾重の斬撃を) 」
氷冬「――――――!(消えた――――いえ――――)―――― そ こ ッ ! ! (常人ならばこの時点で彼の斬撃に切り伏せられていたであろう。しかし、大気を振動させる微弱な剣気を決して見逃さず、その気配が実態として認識された瞬間、居合切りを全身を捻り受け流す。そして――)グルングルングルンッ…ギャギィィインッ ! ! !(回転跳躍と共に幾重の斬撃をかわし、いなし、着地する) 」
アイク「――――!あの光速の剣を見切ったのか……!? 」
碧の海賊龍・キャプテンキッド「たくましくなったもんだな。あの男(
ルドゥラ)は、観客席であるこの場にまで、切れ味を残す剣技を見せた。それをあの華奢な身体で受けきるとはなぁ……女ってこえー。どいつもこいつも強スンギ! 」
ルドゥラ「(刀身を納めつつ)流石はここまで昇りつめた剣士というだけはある。そう易々とはその首は落とせんな……(ある種の感嘆を覚えているようだった。
ルドゥラからすれば、いや、きっと氷冬から見ても、この決勝戦はこれまでの剣士達との戦いの集大成とも言えるもの。一線を画した相手に、
ルドゥラの剣の冴えも熱も更に上がっていくのを自ら自身感じる) 」
氷冬「フゥゥー……(深呼吸と共に口元から零れる白い冷気が空気を凍てつかせ、消える)…刀を交わせば、相手の実力が、感情が、信念が、だいたい分かってくる。あなたのことはまだまだ知らない…けれど、だからこそ…!真っ向からぶつかって知りたい。『ルドゥラ・ヤマト』――― あなたを!!(もう一刀を振り抜き、二刀流へ)(そして感じる…自分も、"自分でさえ理解できないくらいに"、心が…強く……――――)(二刀を水平に構えたまま、ルドゥラの行動を窺う) 」
ルドゥラ「フン、では、少しテンポを上げるぞ。―――――見切れるかッ!!(またしても姿が消える。先ほどとは比べ物にならないほどに速く、さっきの瞬間移動よりも数テンポ速く彼女の背後に辿り着き)――――シュパパアアアアアアッ!(抜刀からの連撃。たとい一撃が躱され受け止められようとも、永遠とも言える渇望より得た圧倒的な力で押し通そうとする) 」
氷冬「ッ――――!?(より鋭さを増した俊足に遅れて反応し瞬間的に踵を返す)っ……!!くッ、あ……ァッ……!!(至近距離から放たれる高速の連撃に全身の至る部位を斬り裂かれながら退けられていく)―――― “羽休”!!(動揺すれば視野は狭まる。ASとの修行で受けた言葉が脳裏を過り、すぐさま二刀を逆さに持ち替え、迫る連撃を防ぐ戦法で冷静に対処していく)ザザァッ…――――! 」
氷冬「―――“川翡翠”ッ!(ある程度距離を置いたのち、一刀を振り抜くと凍結した斬撃が飛び出し、舞台を凍てつかせながら前進―――)“山翡翠”ッ!!(もう一刀を強く振り抜くと、今度は燃え盛る斬撃がそれを追いかけるように飛び出す。冬と夏、雪と炎、決して相交わらぬ二つの斬撃が織りなす奇跡の剣技が
ルドゥラへと迫る) 」
キリギリス「こッ、これは早い斬撃ッ!!!
ルドゥラ選手の重く素早い剣技が氷冬選手を圧倒していくゥーッ!!これにたいし氷冬選手は―――な、なんとォッ!!これはすごい!!氷と炎を纏った美しい剣技で反撃に出たァーーーーッ!!! 」
ルドゥラ「(見事な色彩を持つ剣技に一瞬目を見開くが)……ならばっ!!(これまでとは違い瞳を更に大きく開き)―――力でねじ伏せるのみ!(最早芸術ともとれる氷冬の斬撃。それらに対し無骨にして合理的)ぬぅおおおおああああッ!! ズガガガッ!!(それはただひたすらにシンプル。刀身を巧みに色鮮やかな斬撃をかき消すように振るっていく)まだまだぁああっ!(次に召喚したるは幻影剣の束。彼を守るように高速回転しながらも、一刀一刀が弾丸のように氷冬に飛んでいく) 」
ヒロ「………氷冬ちゃんも強いが…相手もすごいな、これは………厳しいかもしれねえな(見守りながら) 」
AS「―――そうだ、それでいい。剣に雑念は要らない、ただ己を乗せ、ゆっくりと……己の在るが儘を貫け。(繰り出される冷静な剣戟に、口元を緩める) 」
氷冬「――――!(ニィッ…!!)(「そう来なくちゃ」――まるでそう言いたげそうに心の底から嬉々たる笑みを浮かべた時、散弾の如く飛ばされた無数の幻影剣が氷冬の立つ地面ごと突き刺していき、辺り地面に硝煙が舞う…) 」
白鷺「パクれそうな技はきちんと覚えておかないといけませんね……見るからにお互い洗練されてきましたね、あれが強さだなあ(二人の剣戟を眺めながら) 」
氷冬「―――――― ボ フ ン ッ ! ! ! ! (舞台に漂う硝煙から飛び出すように上空へと舞い上がる、その手に握られていたのは「 四刀 」――――)―――ぃゃぁぁああああああッ!!!(尚も攻め続ける幻影剣を弾き返しながら空中より
ルドゥラへと接近し―――)――――“滅終”ッ!!(彼の頭上より×状に四刀を強く振り抜いた) 」
モララー「絶対に譲れない覚悟がある…それが熱く滾る試合を生み出す、ってな。 」
ルドゥラ「(舞台を覆う煙から飛び出す氷冬を見上げながら、次の攻撃に移行しようとするが)――――ぬッ!? 四刀……!(その戦闘スタイルの強さはこれまでの戦いで知っていた。だがこうして対峙するとまた印象は変わってくる)フンッッッッ!!!!(刀を空中にいる氷冬に向かって振るい彼女の剣を受け止める。しかし)……ぬぅううう!(この力は……ッ!)(相手は空中と言う不安定極まりない体勢。だが
ルドゥラは地面にクレーターを作りながらも、踏ん張ることを余儀なくされていた) 」
氷冬「 ッ゛ … ! ! ! (四本の刀に乗せた思いが、そのまま"力"となる。歯を食いしばり、腕力に力を籠めて
ルドゥラを圧倒する) バ ッ ――――― タ ン ッ … ! (そして押し付けた反動を利用し、身を翻し舞台へ華麗に着地する) ジ ャ キ ィ ッ … ! ! ! ! (四刀流の構えを改めて彼に見せつけるように構え直し、次の攻撃に備え警戒する) 」
フーナ「氷冬がついに四本の刀を…っ……あの一撃を受け止めた相手の人も、強い…! 」
俊「俺が……あの刀に込めた信念……それだけは、絶対に折れるまいと込めて打った刀……頼む、応えてやってくれ……(氷冬の振るう四つの内の一刀を見つめ、願う) 」
ルドゥラ「―――フゥウウウッ…………(氷冬の四刀流。これを目の当たりにしては、
ルドゥラもまた力を示したくなるというもの。相手はまごうことなき英雄である。数多の狂敵に対し振るってきた剣は間違いなく本物だ。――――だが、それを言うのなら、己の剣もまた本物であると、
ルドゥラは断じて憚らず)フゥゥゥ……―――(これまでとは一変変わって落ち着いた呼吸。居合の構えをとるもそこから殺気などは一切ない。しかしてここからが、彼の剣の本領だ)―――――シュパアアアアアアアアアッ!!(ほんの一瞬の剣閃、――――しかし妙なことにそれだけだった。別に居ながら氷冬を斬ったわけでもなし、客の誰かを切ったわけでもない。ここまでの彼の行動からして極めて不気味極まりない剣閃である)」
オリヴィエ「(眼前で激戦を繰り広げている男と一戦交えてから日も浅いというにけろっとした様子で三色団子を頬張り)あー……なんかしましたね。"上"かなー(ふと、空を仰ぎ見上空を指差す) 」
氷冬「――――――!!!( "呼吸"が…変わった…!? )(この試合の中、自身は
ルドゥラの独特の呼吸を決して見逃さなかった。それ故に、今の呼吸に対し妙な違和感を覚え目を細めた)………っ……??(見切れなかった…?いえ、これは……)(人間の認識レベルすら超える圧倒的な速度を誇る剣技か…そう悟るも、斬られた感覚すらなく、さらに警戒の色を強めるように眦が揺らぐ)―――――(少女は動かず、黙して座すようにその場にとどまり続ける…) 」
キリギリス「両者実力伯仲ッ!!一体どうなるこの試合…おおおっと!?ここで
ルドゥラ選手の剣技が発動かあああ!? 」
スカーフィ「………ピク…(何かに反応したかのように、突然耳がピクリと動いだ)……かぅ……?(そしてある方角を見つめる) 」
1人、また1人と空を見上げ始める。そして誰もがこの世の終わりを見たかのように驚愕する。――――"空が割れていた"。地平線からそのまた向こう側の地平線まで一直線にぱっくりと綺麗に開いた空からは宇宙空間のような暗黒と輝きが見て取れる。そしてなにより驚くべきはそれが少しずつ戻っていっているのだ。さながら達人が『戻し切り』でもしたかのように、ゆっくりと空は元の姿へと戻っていく。―――――だが、これが惨劇の予兆と気付くのにそこまで時間は掛からなかった。なあぜなら…………。
それは轟音を上げて降り注ぐ宇宙からの火の雨。絶望を奏でながらこの闘技場に迫ってくるのは、なんと凄まじい数の『隕石群』だった。かつて柊木雪との戦いで行った空間の戻し斬り、その応用編。空を戻し切りし、その際に生じる吸引の力で隕石群を呼び寄せたのだ。
本来ならばそれは魔法の領域である。あるいは神の裁きか。――――だが、この悪霊の身である剣士は、『たった一振りの刀』でそれを実現させてしまった。
ヒロ「……??(何を斬った?)……………はぁ?えっ?空を?斬った?(ポカーンとした顔で) 」
キリギリス「……ん……?いったいなにが―――――――がッ゛……あが……あががが…ッ………!!?(夜の到来のように暗くなっていく舞台に気が付き空を見上げる。そして、割れた空、そこから降り注ぐ岩雨…流星群に、絶句の余り顎が外れかけた) 」
ドガガガガガガガガガガガガ!!!(闘技場は勿論、広範囲にわたって隕石は降り注ぎとんでもない被害を出していく)
モララー「……おいおい、こいつぁ……ッ……!!(流石に動揺を隠しきれず、組んでいた腕を崩しかける) 」
たしぎ「……!!ま、待ってください…!?嘘ですねよね…!?あれっ、ひょっとして…いえ、ひょっとしなくても、隕石―――――きゃああああああぁ!!(隕石の墜落の衝撃に思わず目を伏せる) 」
観客者「ウウオォァアアアア!!」「やめてくれぇェェェエエエ!」「あ、ふなっしーだ」「グオァアアアアア!!! 」 」
フーナ「い、隕石…ッ……!?どうしてあんなものが突然……!…ま、まさか、これって…――――ひゃあぁっ!!?(墜落に伴う衝撃に、両手を頭に耐え凌ぐ) 」
ヒロ「………こ、これで凌げるか(土の傘をさす。ダイヤモンド並みの硬度) 」
メタナイト「…むっ……そうか、これは……あの時の…!(
ルドゥラとユキの試合に見た、彼独自の高等剣技を思い出す)…自らの剣術で、宇宙空間より隕石を引き寄せたのか…!! 」
門矢士「そんなもんで凌げるわけねえだろ。(ヒロの土の傘を破壊する)…さて、どうする……?(このような最悪の状況の中、舞台上にいる二人…特に氷冬の方へ視線を向け続けている) 」
氷冬「 ッ゛ ! ! ? (眼を黒く覆い尽くす程の巨大な影を前に、言葉と思考を失う) 」
大剣使いの男「ぐッ…不味い、不味いぞ…!!もはや試合どころではあるまい…!(これも、あの男の仕業によるものか…ッ…?!得体の知れない男だとは思っていたが、よもやこのような奇怪な術まで……!) 」
鳴滝「世界の終わりだ…やがてこの世界も滅びゆく定めなのだ…これもディケイドの仕業に違いない。おのれディケイドォーーーッ!!!!(客席で慌てふためく観客たちの波にのまれ、容赦なく踏まれ続けている) 」
クラウド「き、きききっききょきょきょききききょきききょきょきょうみなななないね(※めっちゃ怖がってる) 」
ルドゥラ「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――――(黒煙と大炎が全てを覆いつくしているかのようなこの場で、彼はコートをはためかせながら、歯を食いしばるようにして佇む)――――まだだ、まだ足りん(ひとり呟いた。これだけの被害を与える技を持ってしてもまだ渇望していた)――――力を、もっと力をッ!! こんなものでは足りん!(氷冬に向かって拳を握りしめる彼の表情は、これまでにないほど鬼のように歪んでいた) 」
ヒロ「こ、壊すなぁあー!!!!(隕石を大量に喰らいながら) 」
スカーフィ「ぴええええええええええん!!!!どうしよどうしよっ!?どうしよふうううなあああああ(流星群を目前に号泣している) 」
AS「試合どころではない?何を言っている……ここから、全てはここからだ。(このような事態にあれど、平然と戦いを見据える)互いに手札を見せ、切った。ならば……どのように斬り伏せるのか、この程度で終わりなどするまい。(降り注ぐ流星を斬り捨てる) 」
オリヴィエ「わー、やんちゃしますね~~。人間力を備えてから童心に戻るとなんだって出来るって聞いたことありますけどここまでやります?妬いちゃうなぁ~~(混乱の渦にある会場内で座布団を敷き直し正座。のほほんと団子を頬張り、目を細め地獄絵図の中心にある二人の猛者を見据える) 」
白鷺「空間を斬った……此処までの精度で…(落ちてくる隕石にも動じず、楽し気に試合を見ている)凄い、凄い!こんな事が出来るんですね! 」
ヒロ「あ、慌てるな!こういう時は落ち着くのが一番だ…!(流星群を喰らってふらふらの状態でスカーフィに) 」
氷冬「………――――――(降り注ぐ隕石の雨を前に、ただ呆然と立ち尽くす。今までは人と斬り合ってきたが、今回は、違う。規格外の対象を前に、剣士は絶望に染ま―――― 」
氷冬「―――――― ニ ッ ――――――(――― らなかった。未だかつて斬ったことのない未知なる獲物を前に、徐々に口の端が吊り上がっていく。降り注ぐ隕石の一つ一つに投影したこれまでの戦いの記憶、刃を交えた者たちの顔…その軌跡を閉じた瞳の内に秘め、深く、深く―――――― 息を吸った) 」
今日のボス:隕石を見たショックで死亡
フーナ「おちついてスカーフィ!大丈夫……こんな時だって―――――(……あ、"やっぱり"……――――)(絶望の淵に立たされる中でも親友の横顔を見つめる。そして、不敵に笑んだ彼女の真意を汲み取り、安堵する)……そうだよ。だって、氷冬はいつも、こういう時……"あんな顔"するんだもん。(参ったな苦笑しながらも、何度も安心させられたその笑顔に目が潤む) 」
黒ウォズ「――――――――――――これは……今こそ、私の力の見せどころ……! 」
黒ウォズ→仮面ライダーウォズ(ギンガ)「――――――――――――\ ギンガ!! ファイナリー!!!!! /(観客席にて、変身)…緊急時につき、ベルトくんも短縮版である。(キリッ) 」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ッ ! ! ! ! ! (焼き焦がすような熱を帯びた無数の隕石が、ついに氷冬にも迫っていく)
氷冬「……一因、二言、三革、四虚、五罪、六禁、七癖、八災…… 」
ピキッ……パキパキ…ッ……パキャァ…ッ…… ! ! ! (刹那、舞台の盤上が、白く凍てつき始める――――)
氷冬「――― 天下の万象混(まろか)す危懼浄めし剣舞、四荒八極を渉(わた)り皎皎軌跡を刻む ――――(その爪先が、髪先が、肌身が、白く染まる様に凍り付いていく――――) 」
――――――――― ≪ 八 舞 ≫ ―――――――――
――――――― キ ィ ィ ィ ン ッ ! ! ! ! ―――――――(刹那、地獄のように真っ赤に染まる風景が白く染まった)
怨嗟が眠った、慟哭が鎮まった、風が凪いだ、時が…"凍った"――――― 空を埋め尽くした隕石は消え、その青かった空が白く染まった。
たしぎ「………………ん………っ……?(突然、何も聞こえなくなった世界を開いた目で確認する)――――!!こ、これは……ッ……!(目の前に広がる白銀世界を前に驚嘆。世界を震撼させた隕石は影も形も消え、晴れ渡る白い空を仰ぎ、ただただ唖然としていた) 」
ルドゥラ「……出たかッ!(八舞の姿を見るや、待っていたと言わんばかりに身構える) 」
門矢士「…………フッ…―――― カ シ ャ ッ ( その幻想的な雪景色を、カメラに納めた) 」
仮面ライダーウォズ(ギンガ)「 \ 水金地火木土天海エクスプロージョン!! / (エナジープラネットを大量に降らせる) 」
白鷺「支配力、とでも言うべきなんでしょうかね、”一段上”の剣術って奴……?まさにそういう物を見せられてますねえ(鞘に納めた刀に手を掛けながらも、抱きかかえる様な体制で白く染まった空を見上げ) 」
キリギリス「………?(おそるおそる目を開ける)い、いったい……何が起こったのでしょう……??と、突如巨大隕石が落ちたかと思えば…忽然と消えてしまいました…!おまけに、この寒さ……!何もかもが凍ってしまうかのような大気が…ッ…!!!い、いま!!この試合の中で…驚天動地の瞬間がああああああああああ!!!!!!! 」
ヒロ「……………マジかよ(隕石が消え去ったのをみて)ば、ばけもんか… 」
AS「見せてやれ、お前の力を。さあ、語り合え剣士……お前たちの世界を、みせてくれ!(開放された八舞の力に、ニッと笑う) 」
氷冬(八舞)「 コ ツ …( パ キ … ) コ ツ … ( ピ キ キ ッ … )(一歩、一歩と踏みしめる度に地面に浮かぶ結晶模様の足跡が広がっていく。
ルドゥラが目にしているのはただの少女でも、剣士でも、ない。究極なまでに麗しく洗練された氷像。その全身は切っ先部分が白く凍結していた)……… ヒ ュ ゥ ゥ ゥ …(凍てつく風に吹かれ、滑らかな白銀の光沢を放つ黒髪を靡かせる) 」
ルドゥラ「……フン!(コートと鎧を脱ぎ捨てる。かつての
オリヴィエ戦のように、それを脱いだ瞬間には大気と大地が震えるほどの気が満ちる。―――――そして背中には堂々とした形相の青竜が描かれていた)まだ、終わっていない。力を……もっと力を……ッ!!(八舞を見せる氷冬を越えたその先の虚空。限りない力への渇望を胸に、居合の構えをとる) 」
ちなみにウォズの大量に降らせたエナジープラネットは、なぜかすべてヒロにばかり落下していった模様。
氷冬(八舞)「 ス ゥ ゥ ゥ ―――― ハ ァ ァ ァ … … (深い呼吸、凍てつく吐息を零す。無我の境地へと自らを落とし込んだ氷冬が手にする四本の刀もまた、彼女に意志に呼応するように変幻していく。刹春は「春颯」、夏鬼は「夏椿」、陰秋は「秋霞」、そして凍滝は「冬芽」へと――――) 」
ヒロ「あれ~?おかしいぞ~……(バタッ(隕石の集中砲火を受け倒れる) 」
氷冬(八舞)「…八色之姓(やくさのかばね)・一ノ段 ――――――――― “真壱”(まひと) 」
キ ィ ン ッ ―――――――――― ボ ッ ゴ オ ォ ン ッ ! ! ! ! (一瞬にして舞台に視えざる斬撃がいくつも迸る。その瞬間、盤上がサイコロ目に断裂されて宙へ幾つもの四角形の瓦礫が空へ吸い込まれるように一斉に跳び上がっていく)
キリギリス「こッッッッ……これはあああああああああああああああああああ!?!?!?!?!?(一瞬にして斬り裂かれ、崩壊する舞台に激しく仰天した) 」
モララー「――――― 来たッ……!! 来た来た来たァッ!!! 」
黒ウォズ「(変身解除)ああっと……これは失礼。せっかくの私の見せ場を阻んだ者がいる。…よって、本来討つべき対象を失ったこの力は時に、予測不可能な動きをしてしまう。(ヒロに) 」
大剣使いの男「―――――!!?(これは…あの時の…!!!)(氷冬と雛菊の試合が想起される) 」
氷冬(八舞)「 チ ャ キ ン ッ …――――――― ス ン ッ (宙へ残骸が浮かび上がっていく中、忽然と
ルドゥラの目前に現れ―――) 」
氷冬(八舞)「 二ノ段…――― “遊味”(あそみ)。( ギュラアアァ――― ザ ギ ャ ギ ャ ギ ャ ギ ャ グ ァ ン ッ ! ! ! ! )(身体を捻りながら宙へと翻し、空中にて目視できぬほどの刹那に四刀を振う。刀それぞれの軌道が二重となって瓦礫を斬り崩しながら
ルドゥラへ迫るが、その斬撃はまさに、四方八方より牙を向き襲い掛かる) 」
ルドゥラ「―――ッ!!(八舞、それは悟りの境地ともいえる領域。そこから放たれる不可視の斬撃の渦は恐らくコートや鎧をまとった封印状態であるならきっと何をされたかもわからずに切り刻まれていただろう。だが――――)ぬぅぅううああああああッ!!(一歩の踏み込みで地面が隆起する。そこからの抜刀はこれまでとは一線を画し――――)ドガガガガガガガガガガガガ!!!(見えざる斬撃には見えざる斬撃を。四方八方からくる斬撃を刀身にて弾き、捌いていく――――――が)……ッ!?(脇と足に二手入った。別の角度から見た剣と実際に対峙してみての剣に大きな誤差があった。彼自身そこまでの誤差をするとは思わず、一瞬顔を歪めたが)―――――。(ほんの一瞬の内に元の表情へ。誤差が出たのなら修正すればいい。神速とも言える切り替えの早さで、
ルドゥラは氷冬への攻撃に移る)ぬん!(一度納刀してからの神速移動、からの連続切り。それこそ疑似的な時間停止を招くほどにまで速い速度での神速斬撃だ) 」
氷冬(八舞)「…四刀流 “金閣寺”から“回十哭”まで、斬撃技混成接続 ―――― ギッ、ガギィンッ、ギャギィンッ、ギャキンッ、キィンキィンキンッ、ギィンッ、ギャインッ、キンキンキィンッ ! ! ! ! (本領を発揮し、ついに神速剣技に身を乗り出した彼に対し、こちらも尋常ではない速度…それも、"秒速に五つの剣技"を繰り出すほどの神業に等しい剣術で対抗し、拮抗する) 」
キリギリス「すごい…すごいすぎるゥッ!!!!!目にも留まらぬ神速剣!!!誰が予想したか、この激戦ッッ!!!!どちらが勝っても決して可笑しくはない!そう!!これはまさしくシーソーゲェェェエエエエエエエエエエエエイムッ!!!!!!!(マイクを片手に高らかに実況) 」
シグマ「よもや… どちらも人の成せる技はあるまい。(厳かな表情の目に、驚愕の色が滲み出る) 」
スカーフィ「………!!(ただ、氷冬に対し両手を結んで祈り続ける) 」
ルドゥラ「ガキィン、ガッ、ズガガガ、キィンキィン、ズバババッ!! …ズズ、…ズズズ(文字通りの神業を披露する氷冬に対し、力と速度で挑む
ルドゥラ。だが徐々に氷冬に圧されている為か少しずつ後ろへと)ぐぬぅううう!!(これが、この娘の実力……。境地へと至り、解放した剣士の実力かッ!) 」
氷冬(八舞)「 ズ ザ ザ ァ ァ … ッ … ! ! ! (斬撃の応酬の反動で退く最中、頭上で四刀を構え、あたかも咲き誇る花のように四方へと伸ばしていく) 円楽饗庭、酔狂は名残雪に眠る ――――“千斬”『 冠雪 』(せんきる・かんせつ) フ ァ ル ル ル ル ッ ―――― ビ ュ オ ワ ァ ッ ! ! ! (頭上で四刀をプロペラのように振り回すと、吹雪の如き凍てつく斬撃の礫が無数に散乱していく) 」
ルドゥラ「――――!!!(凍てつく斬撃、その無数のそれを防ごうと、こちらもまた神速にて弾いていく。だが、無数に散らばるそれを刀で全て弾ける道理はなく)――――ズババババババァァアッ!!(とうとう斬撃が入ることを許し、身体中から噴血する) 」
メタナイト「……ッ……!(ただ一身に、一筋に力のみで押しのける圧倒的な剣…敵を着ることだけに特化した、まったく無駄のない剣技!その力で彼はあらゆる剣豪をいともたやすく退けてきた…!それは氷冬にとっても最悪の相手だったかもしれない……だが、今の彼女は違う…!"武"の力に対抗できる、"舞"の力を身に着け、あの男の最強剣技を前にしても退くことなく、刃を交えている…!まさに竜と虎の如く、相容れぬ存在……しかし!それでこそあの二人の真の実力が極限まで引き出される、ということだ…!!) 」
氷冬(八舞)「 ス ァ ン ッ … ――――― …すぅぅ……はぁ……すぅ……はぁ………(乱れる呼吸を整え直すように、再び息を深く吸い合いあげて白い息を吐き出す) 」
ルドゥラ「ぐふっ! ……ぜい、ぜい……ふぅ、ぜぃ……(刀を支柱に片膝をつき、片息切らす)……これが、お前の"力"か?(こうして対戦相手に質問をしたりするのは初めてかもしれない。
ルドゥラは舞うようにして君臨する氷冬にそう呟くように問うた) 」
氷冬(八舞)「すぅ……はぁ……――――― それはこっちの台詞よ。私も、あなたも、まだ、出し切っていない…そうでしょう?(深い呼吸を繰り返す中で不敵に口角を上げる) 」
ワドルディ「(心の声……長いなぁ。) 」
ペニーワイズ「(ワドルディを見て襲撃しようとするも第四の壁に阻まれる) 」
ヒロ「(へんじがない、ただのしかばねのようだ) 」
ピピ美「(第四の壁を物理的に退かしGOサインを出す) 」
ルドゥラ「―――――(天女のような姿で夜叉のような強さをもつ氷冬を睨むように見据えながら立ち上がり、刀を地面から抜き取る。――――次の瞬間)……………名はなんといった?(髪の毛を手でかき上げ、先ほどの傷を物ともしないような表情を作りながら一呼吸、そして能面のような虚無さをもった表情で名を尋ねた) 」
ワドルディ「(ヒロのただのしかばねを盾にする) 」
氷冬(八舞)「……―――――― 『雪桜氷冬』。いつか世界一の剣豪になる者よ。(ほの白い頬から滴る赤い鮮血が結晶の光に反射して輝きを帯びる。凍てつく波動を帯びる少女、しかしその目は以前にも増して闘志の炎が激しく揺らめいているかのように、凛としていた) 」
AS「剣の始点は殺しの業、それはどう取り繕うが変わりはしない。……だが、終点においては違う。方や剛、方や柔の剣……互いにその終点を見た者の剣だ。(刮目、一秒すらも見逃すまいと目を見開く)最早それは奪うだけではない……こうして、見るものに感嘆を与えてくれる。 」
神父「
ペニーワイズは死んだ。リベリオンには出ていないという弱点に負けたのだ。 」
ルドゥラ「…………(その台詞はどこかで聞いたな、とでも言いたそうな表情を一瞬。だが、それだけで十分だ。目の前の女剣士にこのまま挑んでもけして刃は届くことはないだろう)……そうか、氷冬、か。……覚えておこう。『お前がこうして生きている間はな』(一瞬声が二重に重なったようにブレて、発言内容とも合わさって不気味に響き渡る。そして)―――――越えなばと 思いし峰に きてみれば なお行く先は 山路なりけり(まるでそれは呪文のよう、――――そう、氷冬が八舞になる前に唱えた口上のように。だが、それにあるのは華やかさではない。強いて言うならば、氷冬の友にしてライバル、雛菊のような……) 」
氷冬(八舞)「―――――!(口上を零す剣士に身構える) 」
次の瞬間、白い靄のような柔らかくも優し気な白色に周囲が包まれる。先ほど氷冬がそうしたように、彼もまたそうした。
キリギリス「おおっと、これはぁ…!!と、突然舞台に靄が立ち込めていくぅーー!!! 」
それは無限にだだっ広い、水墨画で描かれたようなモノクロの世界。空には水墨画で描かれたような鳥や龍が飛んでいる。こちらに実害を見せる様子はないようだが、まるで絵の中の世界というようでかなり不気味だ。
氷冬(八舞)「………!(白黒に塗り替えられていく世界に一瞬目を丸くする) 」
ルドゥラ「――――――――(そしてその中央で佇む彼にも大きな変化が見られた。コートや鎧をまとった元の状態だが、色合いはなく、彼自身もまた水墨画で描かれたような輪郭をしたモノクロの人物と化していた)……刀剣覚醒、と言ったな? 生憎俺はそういったものは知らん。だが、これだけはわかる。(彼はその場で正座していた。薄く目を開くとゆっくりと立ちあがり氷冬を静かに見据える)悟りも、地獄も、貢献も、責め苦も、全ては力への一里塚に過ぎぬ。(この世界こそ、彼にとっての『極地』…なのかもしれない。永遠とも言える力への渇望。彼にとって一縷の天啓や地獄の責め苦ですらも通過点でしかない。悟りを開いてもまた悟り得ぬ、地獄を越えても、また次の地獄がある。どれほど力を得ても次の力を、難関を超えども超えども先の見えない、まるで輪廻を繰り返すように果てしなく続くこの道に、
ルドゥラは苦しみ、怒り、眩暈を起こし、進み続けた結果、やがて彼は虚無を身にまとった)……永遠にたどり着けぬ先、―――是即虚無。悟りも地獄も、無の前では点に等しい力に過ぎん。――――さぁ、『無の剣』を、知るがいい 」
ペニーワイズ「あっ!第四の壁がなくなってる!(蘇生)行くぞおお!!!(ヒロごとワドルディを吹っ飛ばす) 」
ワドルディ「ぴえん 」
ヒロ「(しかばねのまま吹っ飛ばされる) 」
ビリー「しかばないね♂ 」
氷冬(八舞)「スゥ……ハァ……――――― ……そうね。(
ルドゥラの境地を前に目を閉じ、何かを悟ったように白い吐息を零す) 見せてもらうわよ…「あなたの力」。チ ャ キ … ッ …(そして四刀を構え直す) 」
ルドゥラ(虚無)「まだ……足りん。更なる、力を(無を宿しながらも力への意志は途絶えず。それゆえか水墨画のような輪郭が炎のように揺らめいている)……ザッ、ザッ、ザッ…(神速とは程遠い、ゆっくりと散歩をするが如き歩行で氷冬に近づいていく) 」
氷冬(八舞)「…「私たち」は迷わず駆け抜けてきた。その先に"力"があることを、視えているから。私たちが今まで相対してきた彼らも、みんな、同じ…――――(雛菊、AS、ユキ、
オリヴィエ、銀閣、そして…「 」。 この大会、そしてそれ以前から、自分の人生の中で出会い、そして刃を交えてきた者たちの顔が走馬灯のように過っていく中、
ルドゥラの歩みに合わせるように、緩慢な歩みで迫る) 」
ルドゥラ(虚無「(まだ歩く、歩く、歩く、歩く。尚も歩く。だが、攻撃の気配は一切ないどころか、ただぼんやりと歩いているようにしか見えない。いつしか間合いに入り、完全に彼女を見下ろせる位置に来ても尚、そのままに歩いている) 」
氷冬(八舞)「……ただ――――(ついには
ルドゥラと擦れ違い、お互いに背を向き合う)―――― 歩んできた道や通過点…その「軌跡」が違うだけ。…だけど、刃を交わして気が付いたことがある。私たちが目指していた"力"って、きっとその軌跡の果てにあるんじゃない。(振り返らず、ただまっすぐに何かを見据えたまま、背後の
ルドゥラへ語り掛ける) 」
ルドゥラ(虚無)「……(氷冬の語りに、彼は答えず。軌跡の果てとは?目指していた力とは? ここが決定的なまでに価値観が違いすぎた。彼にとっての力とはそういった理想的なものではなかった。情勢や状況に左右されず、他人の善悪にも染まらず、世界の理すらも握りつぶすもの、――――それが力だ。
ルドゥラの求める力は自他共に一切の感傷が入る余地がない。世界最強になる等といった夢や人を助けるため等と言った考えは一切持ち込まない。ほんの一握りでも『弱み』のある力に価値を感じていなかった。――――友がなければ戦えぬ、愛がなければ戦えぬ。そういったものはすべて『不純』として斬り捨ててきた。ゆえに今彼にあるのは……) どいつもこいつも、お前等の語る剣は御伽噺か夢物語のようなことばかりだ。俺が『力を欲する』のは『俺自身が力を欲している』からだ。愛だの友情だの正義だのメンツだの最強だの、そんな理由がなければ戦えないのなら、そもそも戦わなければいい(そう言って彼はまだ歩き、剣を抜く。だが、すぐにまた『納めてしまった』まるでそれこそが攻撃の一連の動作のように)」
氷冬(八舞)「 ……ふっ…(
ルドゥラの言葉を背に、思わず優しく噴き出した)…そんなんじゃないよ。 だって、あなたも、わたしも、みんなも…―――――― 「まったく同じ力」なんて持っていないじゃない。 (その言葉は、彼の思想に対する肯定でも、否定でも、そのどちらでもない。純粋に力を追い求める者への、
ルドゥラ自身への、ある種の称えだった) 」
フーナ「……?二人とも、何か話をしている……?(舞台上の二人の会話が聞こえていないのか、首を傾げる) 」
ルドゥラ(虚無)「……そうか(そんな優し気な彼女に対し、彼は短く答える。この戦いの中で一番声色が優しそうな返事だった)……―――――ならば、これで終わりだ(突如彼の肉体は墨汁のようになって地面にバシャリと零れて消えた) 」
彼が消えた瞬間、ゴゴゴと唸りながら地面が揺れる。
AS「剣を持つ者が話しているのだとすれば、それは一つしかあるまい。……語り合いさ、己の力の源流、起源、思うこと……それは己自身の剣を語るのと同じだ。鏡のように、剣は己を映す。 」
氷冬(八舞)「―――――――(…『
ルドゥラ』…… そう、あなたは…―――――)(背後から聞こえた墨汁の水滴音に、目を瞑る。)スゥ……ハァ………(瞑目する中で尚も深く研ぎ澄まされる呼吸。舞の剣術の、その奥深くに眠る更なる力を、目覚めさせるかのように、呼吸はどんどん深くなっていく――――) 」
キリギリス「ッ…と…!?
ルドゥラ選手の姿が消えた瞬間、今度は激しい揺れがあぁ…ッ!? 試合開始より現在に至るまで、何度も目を見張る剣技を披露してきた
ルドゥラ選手!!彼が次に繰り出すは一体いいいいいいいぃっ!!!??(興奮のあまり実況席から身を乗り出しかける) 」
たけし「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ 」
気が付けば、氷冬の眼前の空には巨大な目が、否、人の顔が。―――いつの間にやら彼女は無の化身と化した
ルドゥラの掌の上にいた。最早物理法則は機能していない。あるのは自在に肥大化する『無』である。
雛菊「 言葉では伝わらないものが、この世にはたくさん存在する。己の身の内に秘めた想いを相手に理解してもらうことは、とても難しいこと。…それでも、伝え方によって…その想いが届くことだってあるんです。 」
氷冬(八舞)「…すぅぅぅ………はぁぁ……(無我の境地によるものか、あるいは氷冬自身の屈強な精神によるものか、定かではない。この空間を支配する、人の形をした巨大な「無」を前に、臆さず、怯まず、ただ一定の深呼吸を行い続けている) 」
ルドゥラ(虚無)「――――You shall die(そう短く告げると一瞬の内に消えた。巨大化したからにはかなり鈍足したかと思うだろうが、実際は違った。大きくなれば大きくなるほど……)シュバァァァッ!!(破壊力だけでなく、総合的な速度、精密性、瞬発的な反応等が比例して大きくなるのだ。これまでの斬撃とは比較にならないほどの速さと破壊力と精密性を孕んだ抜刀斬りが氷冬を襲う) 」
氷冬(八舞)「スゥゥゥ…… コ ク ン … ――――― ダ ン ッ ! ! (吸い込んだ息を飲み込み、壮大な斬撃を跳躍と共に紙一重で潜り抜け、
ルドゥラの顔面へと跳び抜けていく) 」
ズシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァッ ! ! ! ! ! ! ! (空ぶった
ルドゥラの一撃が舞台諸共大地に炸裂し、地上より火柱の如き砂塵が舞い上がった)
アーロン「だとすれば………想いなど、ないほうがいいのかもな。(いつの間にか観客席に存在していた) 」
ルドゥラ(虚無)「Huh…(小さいのをいいことにすばしっこい動きで翻弄するというのを念頭にはいれていたが、それほどではない。まるで通常通りの動きのように瞬間的に動き、背後数十m先までいどうした後、これまで以上の速さで連続斬撃を放った。その一撃一撃はまさに国を一発で破壊し得るほどの威力) 」
雛菊「そんなことはありませんよ?想いがあるからこそ、救われるものだってたくさんあるのですから。…私も、彼女との剣劇の中で、それを確かに感じ取った。そして、救われた。(和らな笑みを浮かべながら、宙へ飛んだ氷冬に光を見出す) 」
氷冬(八舞)「三ノ段……いえ ―――― 五ノ段 “ 満 視 ”(みちのし) ッ!!! ギ ッ ガ ァ ア ン ッ ! ! ! (ついに解放された新たなる舞の剣。巨人が振るう怒涛の連続斬りをかわすでも受け止めるでもなく、"同等の威力"で真っ向から相殺にかかった) スタン…―――― タ タ タ ッ … ! ! ! (その後
ルドゥラの右腕へと降り立ち、肩へ向かって全速力で駆けあがる) 」
アーロン「……奴の意思が、俺達に牙を向いたとしてもか。(隕石の騒動を示唆するように) 」
ルドゥラ(虚無)「(真正面から挑んだ後に腕に乗っかるか! なるほど、考えたな。どれほど速くなれても、お前ほどの手練れでは躱せん)……ならばここからだ!(突如として巨人化を解除し)ぬぅぅううああああああッ!!!(空中戦へと持ち込む。抜いたかもわからないほどに速い鞘走りが生む神速の連撃を氷冬に) 」
雛菊「ふふっ…あの人と実際に想いを交わせてみればわかりますよ。きっと、
ルドゥラさんも…―――――(交わる双刃の激突に思わず圧巻する) 」
氷冬(八舞)「 “啾愁禾”(なすか)―――『 四面反歌 』(しめんそか)ッ!! ギ ュ オ ン ッ ! ! ! (宙を爆発的脚力で蹴り上げ、高速移動し
ルドゥラへ迫る。そこから生まれ出る幻影の如き四つの残像がそれぞれに宙を駆け抜け、四方から
ルドゥラへ斬りかかり、神速連撃と拮抗し合う) 」
AS「信念なき剣は、脆く弱い。想いがあれば衝突があるのは避けられぬ事だ……だが、想いなき空洞、芯なき鋼は強くもなれまい。(果てしない剣の応酬に、笑う)これは想い―――我のぶつけ合いさ、至高のな。 」
キリギリス「くあああああああああああぁぁぁぁぁああああ!!!!すごい!!!すごすぎる!!!!!もはや彼らは止まることを知らず!!!地上を空中を駆け抜ける!!! 」
フーナ「この感じ…!(氷冬と雛菊の空中を思い出す)でも、足場のない中でもあの速度で…すごい…っ…! 」
ルドゥラ(虚無)「無の剣に残像だと? 児戯なッ!!(これまでの剣の冴えが遅れて見えるかの如き動きで氷冬の攻撃を裁いていく。そして地上へと舞い降りるや戦法を変えて更に猛攻をかける)……これが刀剣覚醒、いや、奴の精神の力、か? 悟りを以て無を制すなど……釈迦でもあるまいに。(氷冬と距離を大きくとり、ぱちんと指を鳴らす)ズラァァァアアアアッ……!(それは水墨画で描かれたような幻影剣。それも無限と見まがうほどの量だ)無の力の前に悟りも思いの力も、所詮は塵芥に等しい。光照らされ輝く埃と変わりはないッ!!(次々と弾丸のように掃射されていく幻影剣。まるで一流のスナイパーのように狙いが正確で、その一撃はミサイル以上の威力を孕む。そんな遠距離攻撃が氷冬へと飛んでくる)」
氷冬(八舞)「 ス タ ン ッ ――――!!(
ルドゥラと共に降り立った次の瞬間、眼前より迫る幾つもの幻影剣が視界を覆い尽くし、目を丸くするが…)――― ッ ッ ッ゛ ッ゛ ッ゛ ! ! ! ! (崩れたア地面を勢い良く蹴り上げ、瞬間的に空間を貫くように駆け抜ける。幻影剣を縦横無尽に潜り抜ける最中、避け切れないその刃に全身を斬り裂かれながらも、その瞳はただ、まっすぐに彼だけを見据えていた。そして…) 」
氷冬(八舞)「――――― ぃ ぃ ぃ い い え え え あ あ あ あ あ あ ッ ! ! ! ! (世界が一瞬緩慢となり、全身から汗と鮮血が鮮やかな軌跡を描きながら飛び散っていく。だがその表情に痛みも苦しむもない。依然として凛とした、頑なな意思を持ち――――)―――― 四ノ段 “ 忌 軌 ”(いみき) ッ!!! ズ ッ バ ア ァ ン ッ ! ! ! ! (凄まじく強烈な反撃斬りを炸裂させる) 」
ルドゥラ(虚無)「――――ッ!!(これだけの剣を前に、この女は一体何と言って死ぬのか。それだけを思い全力で攻撃をした。だが、それ等全てをかいくぐり、またしても眼前に現れ、反撃を繰り出してくる氷冬に思わず絶句し、動作が遅れ防御しか出来なかった)……ば、バカな……、あれだけの幻影剣を避け切れなかったにもかかわらず、どうやってここまで……ッ!(さすがの
ルドゥラも間合いを再度開けながらも困惑の表情を浮かべ氷冬に) 」
氷冬(八舞)「――――― " 死 ぬ 気 で 来 た " ッ ! ! ! ! (冗談でも戯言でもない、彼女の目が、それを強く物語っている) ザ グ ン ッ ! ! ! ! う あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ ッ゛ ! ! ! ! (四刀を地面へ突き刺し、振り抜いた拳で
ルドゥラの顔面を強く"殴り飛ばし"、空中へと吹き飛ばした。彼女が剣ではなく、拳を出したのはこの戦いが初めだった――――) 」
氷冬(八舞)「 チ ャ キ ン ッ ――――――― スゥゥゥゥウウウウ……ッ… ! ! ! (そして、すぐさま四刀を両手に握り、最後の一撃に備えた深呼吸を行う) 」
ルドゥラ(虚無)「――――ッ!(突然の徒手攻撃。虚を突かれて思わず喰らってしまう・・・・・が)……死ぬ気で来た、だと?(着地と同時に彼女の言葉を復唱した。まるで子供の戯言のようにも聞こえるそれは、この戦場に置いて、あまりにも、それはあまりにも力強い言葉、否、"真理"に近い物を感じた)……なんなんだ、コイツは?(普段の彼からはまったく想像できない、いや、自分自身、戦いの最中でこんな言葉が出るナゾ思ってもいなかっただろう。だが――――)まだだ……まだ、力……いや、――――――――『まだ終わってなどいない』!!!(凄まじい踏み込みのあと、氷冬に斬りかかる) 」
氷冬(八舞)「 ギ ィ ン ッ ―――― ガ ギ ィ ィ イ イ ン ッ ! ! ! ! (
ルドゥラの斬撃を、鋭く、強く振り抜いた四刀で弾き返した衝撃で背後へと吹き飛ばされる)はぁ…ふぅ……はぁ…ふぅ………――――― 行 く ぞ ぁ ッ ! ! (まるで獣如き咆哮を上げ、
ルドゥラへと真っすぐに駆け抜ける) 」
ルドゥラ(虚無)「ぬぅぅううああああああッ!!!(龍が如く咆哮の下、積み上げてきた剛刀からの超至近距離での連撃が氷冬へと) 」
ド グ ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! ! (氷冬と
ルドゥラ、両者が激しく衝突し合い、瓦礫が消し飛ばされていく――――)
氷冬(八舞)「 七ノ段――――“ 群 雨 ”(むらじ)ッ!!! ザギィンッ、ギィンッ、ギンキィンッ、ギャギィンッ、ギィンッ、ギャンッ、ギィンギンギンキィンッ ! ! ! ! ! (
ルドゥラと等速の連撃が炸裂し合う。あり余った斬撃が大地を穿ち、崩れた地面を鮮血が紅く染め上げていく。) はあああああああぁぁぁぁああああッ!!!! (そんな中でも、二人の攻撃は緩むどころか、更に早く、練度を増して勢いづけていく) 」
キリギリス「真っ向からのぶつかり合い!!いや!!これは斬り合いだッ!!!!いよいよここで決着付けるのかあああああああああああああああぁーーーッ!!!!??? 」
フーナ&スカーフィ『 氷 冬 ッ … ! ! ! 』
ルドゥラ(虚無)「ヌゥゥウウッ!(たび重なる斬撃の応酬の中、長きにわたって純粋な力を求めてきた彼は彼女の剣の法則性を密かに読み解いていく。そして――――)せぁああああ!!(雄叫びと共にどうしても型の死角になるであろう部位へと正確な斬撃を放った)(これでーーーーーー!) 」
氷冬(八舞)「 ド ッ グ ン ッ ! ! ! ! ( ! ! ? ) ッ か は … … ! ! ! (死角から迫る凶刃に脇腹が抉られるように斬り裂かれ、悍ましいほどの流血が飛び散っていく)――――――――――(苛烈な一撃に身体が仰向きに反り上がり、真白の身体が瞬く間に赤く染まり、意識が遠のいていく――――) 」
――――― リ ィ ン … … ♪ リ ィ ン … … ♪ ―――――(氷冬の脳裏に響く鈴の音。残響と共に、漆黒の空に白い波紋がぽつりぽつりと広がっていく)
ルドゥラ(虚無)「これで……(鞘を放し、両手で柄を握りしめて振り上げる)終わりだぁぁああああ!!(そして、それは氷冬へと振り下ろされる) 」
――――― " これでやっと、ぐっすり寝られる " ―――――(誰かの声が彼女の記憶に木霊した)
氷冬(八舞)「 ――――!!!!(鈴の音、聞き覚えのある声に、閉じかけた瞳が強く開眼する) ―――― ぃ ぃ ぃ い゛ い゛ い゛ い゛ あ゛ あ゛ ッ゛ ! ! !(倒れかけた体を無理やり叩き起こすように捻り起こし、それと同時に
ルドゥラが攻撃を繰り出す前に頭突きして怯ませる。そして…) 」
氷冬(八舞)「砂上潤す零雨を枕に転寝る宇下の孤狼、手練齎す銀鈴の音(ね)に鈍の眸(ひとみ)を開かす…ッ…!!! ダ ァ ン ッ ! ! ! ! (大地を穿つほどの強い踏み込みと共に、頭突きで吹き飛ばした
ルドゥラへと迫る―――)―――― 四 刀 流 奥 義 ッ ! ! ! ! 」
氷冬(八舞)「―――――――― 閃 劇 “ 銀 閣 慈 照 寺 ” ――――――― 」
音も、光も、際限ない"無"さえも遥かに超えるような速度の居合斬り。彼女が繰り出した至高の一閃が、
ルドゥラが抱える闇さえも、そのずべてを斬り払った―――――
ルドゥラ「――――――ッ!!(フッ飛ばされた直後に受けた至高の一閃。無の状態が強制的に解き放たれ、元に戻った)―――――ぐ、がふぅぁあああッ!(吐血をしゆっくり剣を手放すように仰向けに倒れた)……が……ぁ……ぐ……(それでも、尚も立とうとする。本当に立つのではないかと思えるくらいに鬼気迫る表情で身体に力を入れようとするが……)…………く、ぁ…。(次第に身体は動かなくなり、観念したように目を閉じて動きを止めた) 」
キリギリス「………………ぁ………ぁぁ…ッ……こ、これは……ッ……!!?…
ルドゥラ選手が倒れた……っ…!?勝ち残ったのは……氷冬選手だああああああぁぁぁぁぁ!!!!!! 」
スカーフィ「かぅっ……!?……ひょ、ひょっとして、これは―――――― 」
キリギリス「――――― き、決まったあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!2017年度十刀剣武祭ッ!!!優勝は『 氷冬 』選手だあああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!!!!! 」
ウオワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(会場一帯からかつてない喝采が鳴り響く。それは、優勝た彼女だけではなく、最後まで戦い抜いた
ルドゥラ、そして、これまで踏ん張ってきた選手たちすべてにおくる、激励の喝采だった)
氷冬「はぁ………っ…はぁ……っ……(振り抜いた状態からふっと力を抜けて盤上に跪く。凍結部位は湧き起る蒸発の熱によって溶け、元の姿へと戻る)はぁ……はぁ………んッ…く……―――――――― かっ…た……? 」
AS「見事だ。(ただ、一言)……良い剣だ、強くなったな。 」
アーロン「………ふ……。(試合を見届けた彼は、鳴り響く喝采の中、観客席から姿を消した…) 」
フーナ&スカーフィ『うわああああああぁぁぁぁ~~~~~!!!!!やったああああああぁぁぁ~~~~!!!!(号泣しながらお互いに抱き着く)』
門矢士「 カ シ ャ ッ (喝采の渦に立つ氷冬をカメラに納める)…フッ……どうやらここは俺が通りすがるべき世界ではないようだ。(不敵に笑い、拍手を送りながらオーロラカーテンの中へと消えていった) 」
雛菊「ふふふっ、流石です、氷冬さん。あなたにあえて、本当に、本当に良かった……あなたのような方と刀で語り合ったこと、生涯忘れられない思い出になりますね。(嬉しさのあまり、ほろりと小粒の涙が浮かび上がる) 」
モララー「にっししし…!!な~~~んも言うこたぁねえ!!あっぱれだ!!! 」
氷冬「……わたし、ほんとに……(血だらけの掌を見つめ、噛み締めるように強く握り目を閉ざす。そして、大胆不敵な笑みをその顔に浮かべ――――)――――― ガ ッ ! (その拳を、高らかに突き上げた) 」
メタナイト「………(喝采が湧き起る中、強かに何度も頷き、彼女の勝利を静かに祝う) 」
大剣使いの男「……言葉にならないな…だが………実に、見事だった……!(激励の拍手を送る) 」
はらぺこあおむし「(ハロウィンのアルバイトをすっぽかして拍手している) 」
ルドゥラ「……(歓声を煩わしそうにしながら身体を起こす。あれだけの剣を浴びておきながらその回復力は凄まじく、自力で立って転げた鞘と刀を拾い納刀。その間、氷冬に背を向けたままで表情を伺うことは出来ない) 」
氷冬「………!…
ルドゥラ…………(ゆっくりと起き上がり、彼の背を見つめる)……あなたはこれからも先の見えない果てを目指し、"力"を手にしようとするの…?(彼の背に語り掛ける) 」
ルドゥラ「……言われるまでもない。それ以外になにがある?(振り向こうとはしないが、歓声の中でもしっかりと聞き取れるような声で氷冬に告げる。それはきっと理解しがたい孤独の道だ。誰にも求められず、果ては世界から拒絶されるかもしれない。それでも尚求め続ける意志。ただひたすら、弱さを払拭した純粋な力を求める旅。それは想像に尽くしがたい地獄の日々。それを大悪霊になる遥か昔以前からやってきたのだ) 」
――――戦いには負けてしまった。だが立ち止まることは出来ない。次はどこだろう? と。
氷冬「……そう…(彼の言葉を受け止めるかのように深く頷く)…私はさっき、追い求める果てに"力"はないと言った… 軌跡の中で"力"は人知れず宿るものなのかもしれない。そして目には映らなかった、まるで透明みたいな"力"は…その人の色に染まって、ようやく目にできる。 」
氷冬「"遠すぎて見えなかったんじゃない、近すぎて見えなかった"――― 自分が求めているものは、本当は初めから…ずっと傍にある。(自らの胸に手を添える)……って、「私は」そう思うけどね。(んべと子供っぽい舌を出しながら) 」
氷冬(八舞)「…歩み続けること、戦い続けることに、足掻き続けることに…無意味なことなんてないよ。あなたが、あなたの意思を貫き通すなら…私はただ、ここからその旅路を見送るよ。道は違っても…生という輪廻を受けた瞬間から、私たちは終わりのない人生《 みち 》を、これからも歩き続けるんだからね。 」
ルドゥラ「……―――――灯台下暗し、か。……、…………。(なにかを言おうとしているようだが、なにも言わなかった。そういう考えもありかと納得してしまい、負けた上に更に追撃をかまされたようでバツが悪そうだった)――――覚えておこう(それ以上の言葉は不粋と言わんばかりに、彼はそのまま舞台を後にしていく。結果は準優勝であったが、賞金にも名誉にも興味はなかった。求めるのは純粋な力。見果てぬ先、否、終わりのない先の先へ、また進み続けていった) 」
氷冬「……―――――― グ ッ (ルドゥラ・ヤマト。この十刀剣武祭で最後に刃を交わした男の剣を、心を、生き様を、そしてこれから彼が歩むであろう未来を、そのすべてを称えるように、舞台を降りる彼の背に拳を突き出した) 」
キリギリス「なんという大激戦!!なんという死闘!!!なんという大波乱!!!!皆様!!盛大に戦った両者に…惜しみない拍手をこの勝者に贈ろうではありませんかあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!!!!! 」
晴れ渡る空に響き渡る喝采と鳴りやまぬ拍手。刀剣者たちの激闘の物語は、これにて閉幕。そして彼・彼女らはこれからも己が刃を振るい続けるだろう。各々が求める「夢」のために――――――
― 十刀剣武祭会場 ―
キリギリス「……え~~~…準優勝者の
ルドゥラ選手が忽然と姿を消してしまいましたが…コホンッ、気を取り直して!!ただいまより、2017年度十刀剣武祭表彰式を行います!本体の代表取締役会長・厳島漸切より、優勝者の氷冬選手へ優勝トロフィーが授与されまぁあす!! 」
ゼンサイ「……おめでとう…!!(純金のトロフィーをしっかりと手渡すと共に、激励の笑みを浮かべた)此度の騒動の件、そして優勝を果たしてくれたこと……心より、大いに感謝する! 」
氷冬「…っとと……!(全身に包帯がまかれたまま、ずっしりと重量感のあるトロフィーを両手で受け取ると思わず前のめりにこけかける)……ありがとうございます……!(人前で称えられる、創意打った経験は初めて故、いつもの冷静な表情が若干崩れたように恥ずかしくなる) 」
フーナ「うぅっ……ずっと応援してたけど、いざこうして優勝した氷冬をこの目で見られるなんて…(´;ω;`) 」
スカーフィ「ぢゅだだぁ~~~!!!。゚(゚ノД`゚)゚。 」
ポルナレフ「ブラボー!おお・・・ブラボー!!(客席より拍手) 」
たしぎ「本当に素晴らしい戦いでした…!刀剣覚醒を遂げた強者(つわもの)たちの激突…それは刀剣を愛するが故に生まれた奇跡の力…!この目に焼き付けることができて光栄です…! 」
エゴ猫「ちきしょう…羨ましいなんて思ってねえぞ…来年はこの俺が……グフッ… 」
プルスト「コッ コッ コッ……(フーナとスカーフィの側に来て)………お2人のお友達、とても格好良かったですよ………流石に憧れちゃいますね。 」
剣四郎「きれいな戦闘です。ただwanimuだけがとこの毎回の戦闘にあって、剣の実現していない事に入り混じって残念に思って、でも、wanimuの時代とと一緒にreタコを保存して誇りに思います 」
観客者「「「「「氷冬ァァァァァアアアアアアアアア!!!!おめでとおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
フーナ「…はっ…!
プルストさん…!…はい、私たちにとって…ほんとにかけがえのない親友(ともだち)です…!(嬉し涙が止まらない) 」
ミレアドネ「うふふふ…まさか私と相まみえたあの娘が優勝するなんてねぇ…素敵だわぁ~♪ 」
モララー「かつての戦友の晴れ舞台になったわけだ。めでてえなあ。 」
佐々木小次郎(Fate)「げに美しきかな、雪中に在って尚咲き誇る一輪の花。善き世界、善き時代に招かれたものだ。何かの間違いで手会う事があれば良いが……いやさ、所詮亡霊は死に体。ただ去る者か 」
クレイジーハンド「 バ ン バ ン バ ン バ ン バ ン ッ !(拍手している)」 マスターハンド「 バ ン バ ン バ ン バ ン バ ン ッ !(拍手している) 」
風鳴&海音「いいわねぇ…」 「ええ、いいものね…」 「きっと、ここからこの刀剣武祭に新たな風が吹く」 「新時代の件と相見える日が…待ち遠しいわね。」 」
シグマ「…………(無言で拍手を送り) 」
メタナイト「見事だった。彼女に今回の件を持ち掛けてよかったと、今ならそう感じる。 」
ヒロ「………はっ!(しかばねからよみがえる)いつのまに、勝っていたんだ!? 」
カイ「お?……遂にお前も、人間の力を認めたって事かな?(シグマを見て) 」
シグマ「………(拍手を止めて)………否定はしない………それだけの物を、あの者は見せてくれた………。 」
ゼンサイ「…刀剣武祭に集まりしすべての剣士たちへ!そなたたちの誉れある刃には心の底より感服したッ!!各々の剣、各々の心、各々の意思がぶつかり合い、今――――…各々に新たなる未来が切り拓かれた!!(それは、この大会に集ったすべての者たちへ送る激励の言葉) 」
ゼンサイ「その輝かしい未来を称えるため、刀剣武祭はこれからも存在し続けることを強く誓おう!!いつかまた、ここに集いし者たちや、新たに名を上げる者たちが!よりよき未来を掴める日が到来することを!!!(強く握った拳を天高く突き上げ、雄叫びを上げた) 」
キリギリス「以上を持ちまして、2017年度十刀剣武祭表彰式…並びに!本大会を閉幕いたします!!!出場してくれた選手の皆様!ご来場いただいた観客の皆様!!ありがとうございましたあああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!!! 」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――――――――
氷冬「――――……ふぅ……(フーナとスカーフィの三人と並んで人気が少なった会場から出てくる) 」
フーナ「やったね、氷冬ー♪ 本当におめでとう!(両手を牛らに組みながらにこやかな笑みを浮かべる) 」
スカーフィ「かぅっ、かぅっ♪ ボクたちも、とっても嬉しいね♪ 」
氷冬「…ふふっ…二人こそ、ずっと応援してくれたんでしょ…?……ありがとう。(和らな笑みを見せる)………(抱えているトロフィーではなく、歩く地面に視線を落としながら俯きかける) 」
フーナ「……?どうしたの、浮かない顔して…?(横から顔を覗き込む) 」
氷冬「……いや…今回の大会を通じて、いろんな剣を見てきた。「世界」が、私が想像していた以上に広いことも知った。…そして…誰もが違うものを持っていて、でも…みんな同じものを持っていた。 」
氷冬「……――――( 「悟りも、地獄も、貢献も、責め苦も、全ては力への一里塚に過ぎぬ。」――――対峙していた
ルドゥラの言葉が脳裏に過る)――― 私たちはみんな、まだ長い旅の途中なんだ。強くなるための野望も、叶えるべき夢も、そのすべてが通過点に過ぎない。 」
氷冬「…きっと「世界」に果てはない。だから私は、これからも自分の剣を振り続ける。そして、今日よりももっと、ずっと強くなってみせる…!まだ見ぬ明日が…「私たち」に"力"を与えてくれる限りね。(傷らだけの顔から零れた強かな笑みを赤く染まる夕空へ浮かべた時、烏色の髪が風に靡く) 」
フーナ「……氷冬らしいね。(ふっと噴き出す) 」
メタナイト「……(去りゆく氷冬の背をよそ目に、ある人物と向き合う)……今回の件、協力してくれたことを感謝する。(深く頭を下げた先に、カイとシグマの姿があった) 」
ヒロ「………(会場のロビーのソファに座っている)……やっぱ、レベルが高いな… 」
カイ「いやいや、良いって事よ……こっちも、いろいろ世話になってんだからさ。 」
シグマ「………我はただ、与えられた使命を遂行したまで……… しかし、今回は我も色々と学ばせてもらった………(去りゆく氷冬の方に目を向け)………このような機会に出会わせてもらったことに、我も感謝している。 」
メタナイト「よもや、罪剣が我々の想像以上の強さを持っていたとは…あれは人の手に余る代物だった。…だが、彼女たちのおかげで、罪剣も深い眠りについた。力だけでねじ伏せても解決するものではない。想いと想いのぶつかり合い…それが、罪に囚われたあの剣を救ったのかもしれないな… 」
カイ「かもね……(帽子を深くかぶって)あの嬢ちゃん、本当に見どころのある剣士だったぜ……うちのシグマにここまで言わせやがった人間は、他にはいねぇ………今日は良いモン見せてもらった、ありがとな。(
メタナイトに) 」
メタナイト「うむ。またいずれ機会あれば、どこかで会おう。…さらばだ!(マントを翻し、沈みゆく夕日に向かって歩いていった) 」
カイ「おう、さらば!……さて、俺らも行くか……政府に報告しないと。(歩いて行く) 」
シグマ「…………承知。(カイについて行く) 」
夕焼け空を背に、人々は帰路に就く。長くもあっという間だった閃劇が終わった――――
そして……
― 某日・某所 ―
氷冬「――――――――( "雪中四友"――― あの大会の後、世間からそう呼ばれるようになった剣士は、約束されしかの地へと向かう) 」
――― 閃 劇 の リ ベ リ オ ン 次 回 最 終 回 ―――
最終更新:2020年08月23日 19:45