市街地の外れにある寂れた倉庫、そこが鮫島のスタート地点だった。
埃っぽい倉庫内にて‘一仕事’終えた鮫島は、隅に積まれた鉄柱に腰掛けている。
埃っぽい倉庫内にて‘一仕事’終えた鮫島は、隅に積まれた鉄柱に腰掛けている。
「チッ、クソ虫どもめ、気色悪いったらねェな」
悪態を吐く鮫島の視線の先には、倉庫に居た先客の死骸が転がっていた。
それは野良犬程の体躯を持つ数匹のゴキブリ。
倉庫内に散らばるガラクタの陰から飛び出たゴキブリに驚きこそしたものの、吸血鬼に比べれば雑魚も良いところ。
苦戦する事も無く転がっていた角材で全て叩き潰した。
もっとも、それはそれとして巨大化した害虫というビジュアルは気持ちの悪いものであったが。
それは野良犬程の体躯を持つ数匹のゴキブリ。
倉庫内に散らばるガラクタの陰から飛び出たゴキブリに驚きこそしたものの、吸血鬼に比べれば雑魚も良いところ。
苦戦する事も無く転がっていた角材で全て叩き潰した。
もっとも、それはそれとして巨大化した害虫というビジュアルは気持ちの悪いものであったが。
「しっかし凄ェなこのアーマー…。ガキの頃に観たSF映画みてェだぜ」
鮫島は屈強なパワードスーツを装着した己の体を、感心したように見回す。
とある世界でアメリカ軍により開発された兵器、それが鮫島の支給品だった。
デイパックから出て来た時は流石に目を剥いて仰天したが、いざ装着してみると中々どうして悪くないと感じた。
とある世界でアメリカ軍により開発された兵器、それが鮫島の支給品だった。
デイパックから出て来た時は流石に目を剥いて仰天したが、いざ装着してみると中々どうして悪くないと感じた。
「にしても殺し合いだぁ?訳の分からねえもんに巻き込みやがって…。あいつは雅の仲間か?」
現在の荒廃した日本でこんな大それた真似が可能なのは、本土を滅茶苦茶にした張本人である雅くらいのものだ。
大方、この殺し合いも奴にとっては暇つぶしの余興程度の理由で開催したのだろう。
ふざけた奴だと、鮫島は改めて雅に怒りをぶつける。
大方、この殺し合いも奴にとっては暇つぶしの余興程度の理由で開催したのだろう。
ふざけた奴だと、鮫島は改めて雅に怒りをぶつける。
「待てよ?ってことは明たちも連れて来られてるかもしれねェな…」
明、勝次、ユカポン、左吉、ついでにネズミ。
皆心強い仲間だ。もし彼らも殺し合いに巻き込まれているのなら早めに合流しておきたい。
正直ネズミはそこまで大切でも無いが、ここまで一緒に来た縁もあるし最近は少し成長している気がする。
明達のついでに探すくらいはしてやろう。
皆心強い仲間だ。もし彼らも殺し合いに巻き込まれているのなら早めに合流しておきたい。
正直ネズミはそこまで大切でも無いが、ここまで一緒に来た縁もあるし最近は少し成長している気がする。
明達のついでに探すくらいはしてやろう。
一先ずの方針を決めた鮫島は出発しようと立ち上がる。
その時ふと、主催者の「願いを叶える権利」という言葉を思い出した。
もしもその言葉が本当ならば、雅に殺された弟を生き返らせる事も可能なのだろうが…。
その時ふと、主催者の「願いを叶える権利」という言葉を思い出した。
もしもその言葉が本当ならば、雅に殺された弟を生き返らせる事も可能なのだろうが…。
「ハッ…クソッタレ主催者が、誰がテメェの言う事なんざ信じるかよ」
こんな殺し合いを命じる輩の言葉など信じられるはずも無い。
もし願いを叶えるというのが真実だとしても、仲間の命を犠牲に願いを叶えるなどまっぴらごめんだ。
善人を気取るつもりは無いが、そこまで落ちぶれるつもりも鮫島には無かった。
もし願いを叶えるというのが真実だとしても、仲間の命を犠牲に願いを叶えるなどまっぴらごめんだ。
善人を気取るつもりは無いが、そこまで落ちぶれるつもりも鮫島には無かった。
(それに…どの面下げて精二に会えってんだよ……)
自分は雅に怯え、守ると誓った弟を見捨てて逃げ出したのだ。
そんな最低の屑が今更兄貴らしいことなどできるかと、鮫島は自嘲する。
そんな最低の屑が今更兄貴らしいことなどできるかと、鮫島は自嘲する。
「まぁ、こんな凄ェアーマーを作れる奴もいるんだ。なら、首輪だって案外簡単に外せる奴がいるかもな」
それは確信があっての言葉ではない。
ただ一々主催者に恐れ戦くよりは鼻で笑い飛ばしてやる方が性に合ってると思いながら、鮫島は倉庫を後にした。
ただ一々主催者に恐れ戦くよりは鼻で笑い飛ばしてやる方が性に合ってると思いながら、鮫島は倉庫を後にした。
【鮫島@彼岸島】
[状態]:健康、パワーアーマーを装備中
[装備]:T-60型パワーアーマー(フュージョン・コア残量96%、各パーツへのダメージ無し)@Fallout4、角材
[道具]:基本支給品、フュージョン・コア×2@Fallout4
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:明たちを探す
2:首輪を外せる奴も探す
[備考]
参戦時期はI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)を訪れた後。
[状態]:健康、パワーアーマーを装備中
[装備]:T-60型パワーアーマー(フュージョン・コア残量96%、各パーツへのダメージ無し)@Fallout4、角材
[道具]:基本支給品、フュージョン・コア×2@Fallout4
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:明たちを探す
2:首輪を外せる奴も探す
[備考]
参戦時期はI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)を訪れた後。
【T-60型パワーアーマー@Fallout4】
米軍が開発したパワードスーツ。戦前に投入された中では最新のタイプ。
フレームに対してそれぞれ頭部・胴体・両腕・両脚のパーツを装備し、動力源としてフュージョン・コアを装填する。
生身の時よりも格段に防御力と格闘能力が上昇し、高所からの落下ダメージを完全に防ぐという恩恵も得られる。
パーツを装備してい無いフレームのみの状態でも落下ダメージを無効化し、そこそこの耐久性がある。
米軍が開発したパワードスーツ。戦前に投入された中では最新のタイプ。
フレームに対してそれぞれ頭部・胴体・両腕・両脚のパーツを装備し、動力源としてフュージョン・コアを装填する。
生身の時よりも格段に防御力と格闘能力が上昇し、高所からの落下ダメージを完全に防ぐという恩恵も得られる。
パーツを装備してい無いフレームのみの状態でも落下ダメージを無効化し、そこそこの耐久性がある。
【フュージョン・コア@Fallout4】
パワーアーマーの動力源となる核電池。
アーマーの背中の部分に装填する事で起動するが、もしもアーマー起動中にコアを攻撃されれば大爆発を起こし、自分は勿論周りにも大きな被害が及ぶ。
パワーアーマーの動力源となる核電池。
アーマーの背中の部分に装填する事で起動するが、もしもアーマー起動中にコアを攻撃されれば大爆発を起こし、自分は勿論周りにも大きな被害が及ぶ。
【ラッドローチ@Fallout4】
NPC。放射能により巨大化したゴキブリ。
主に廃墟や下水道に住み着き、死体の下から這い出る事もある。
体力・攻撃力共にかなり低く大した脅威では無いが、噛みつかれると微量だが放射能ダメージを受けてしまう。
NPC。放射能により巨大化したゴキブリ。
主に廃墟や下水道に住み着き、死体の下から這い出る事もある。
体力・攻撃力共にかなり低く大した脅威では無いが、噛みつかれると微量だが放射能ダメージを受けてしまう。
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