人類を守るか、否か。
その決断を下すため、とりあえずは伊月の護衛を決心したリルルは、伊月と情報交換を行っていた。
その決断を下すため、とりあえずは伊月の護衛を決心したリルルは、伊月と情報交換を行っていた。
「そういえばあなた、支給品の確認はしたの?」
リルルの言葉に、伊月は罰が悪そうに苦笑する。
バトロワという最高のネタになる環境と、宇宙人でアンドロイドなリルルという未知の取材相手に興奮するあまり、肝心の支給品に関してはすっかり頭から抜け落ちていたようだ。
バトロワという最高のネタになる環境と、宇宙人でアンドロイドなリルルという未知の取材相手に興奮するあまり、肝心の支給品に関してはすっかり頭から抜け落ちていたようだ。
「はい!えっと……私の支給品はーー」
慌ててデイパックを確認する伊月。彼女の鞄から転がり落ちるアイテム。
中身は分厚い雑誌、奇妙なDISC一枚、一枚のカードだった。
中身は分厚い雑誌、奇妙なDISC一枚、一枚のカードだった。
「この円盤は……『ヘブンズ・ドアーのDISC』? うわ凄い! 適合する人の頭に指すと超能力?が使えるようになるって書いてます!」
同封されていたメモ書きを読んだ伊月は、超能力というワードに興奮を押さえきれないようだ。
「能力は……『人の記憶や能力を本にして読んだり、書き換えることが出来る』らしいですよ!あ、でも自分で描いた漫画を見せて、かつ波長が合わないと発動できないみたいです……」
「……私には使いこなせないアイテムね。あなたなら使えるんじゃない?」
リルルの言葉に、伊月はおっかなびっくりといった様子でDISCを頭に差し込んでみる。
DISCが伊月に適合するかは賭けだったが、弾かれるような事もなく、問題なく装備できた。
DISCが伊月に適合するかは賭けだったが、弾かれるような事もなく、問題なく装備できた。
「うわぁ! 本当に入った! 凄いですね!」
目を輝かせた伊月は、次はなんだと期待を胸に、もうひとつの支給品であるカードを手に取った。
「このカードは……防御スペルカードっていうらしいですね。一定時間攻撃力を10%あげてくれる、って書いてます!」
「……?まって、おかしくない?防御スペルカードなのよねそれ?」
どこか食い違う説明文にツッコミをいれるリルル。
「? でも説明書にはそう書いてますよ」
まるでファンタジーみたいですね!そう未知のアイテムにはしゃぐ伊月は、矛盾を特に気にしていないようだった。
好奇心の赴くままな伊月に呆れるリリムだったが、本人が気にしていないのなら構わない。
最後に残ったのは一冊の雑誌だったが、リルルは困惑したように伊月に訪ねる。
好奇心の赴くままな伊月に呆れるリリムだったが、本人が気にしていないのなら構わない。
最後に残ったのは一冊の雑誌だったが、リルルは困惑したように伊月に訪ねる。
「この雑誌は……あなたの言っていたジャンプ、よね」
「ええ、ごく普通の週刊少年ジャンプですね! あっホワイトナイトも載ってますよ!」
是非リルルさんも読んでみてください!そう言われ、差し出された雑誌を手に取るリルル。パラパラと読み進めていくと、件の作品のページに到達する。
何かを期待するかのような伊月の視線を感じながら、ページを読み進めていく。
何かを期待するかのような伊月の視線を感じながら、ページを読み進めていく。
ーーー
やがてホワイトナイトを読み終えたリルルは、期待を良い意味で裏切られた。
(これは……)
これは凄い。漫画など殆ど読んだことはないが、『ホワイトナイト』からは、そんなリルルでさえも感じる未知の迫力があった。
「……漫画は良くわからないけど、この作品はかなりの傑作だと思う」
「ーーっ! ええ、ええ! そうでしょう! ホワイトナイトは、私と佐々木先生の目指す作品そのものなんです!」
自身の同類が世に出した作品を誉められ、無邪気に喜ぶ伊月。対するリルルの表情はどこか痛ましげである。
やがてリルルは、伊月の見落としていた情報を開示する。
やがてリルルは、伊月の見落としていた情報を開示する。
「でもこの雑誌、日付がおかしいわよ?」
「え?」
戸惑う伊月に対し、リルルが指差すのは雑誌の年号であった。
慌てて確認すると、確かに日付がおかしい。リルルが伊月から聞いていた年代と10年ほどずれている。
それ自体は普通だ。宇宙人でアンドロイドのリルルを参加者として招くような存在なら、未来のアイテムを支給品として配るくらいはするかもしれない。
慌てて確認すると、確かに日付がおかしい。リルルが伊月から聞いていた年代と10年ほどずれている。
それ自体は普通だ。宇宙人でアンドロイドのリルルを参加者として招くような存在なら、未来のアイテムを支給品として配るくらいはするかもしれない。
問題なのは、10年後の雑誌にホワイトナイトの一話が掲載されている点だ。
少なくとも、ホワイトナイトが世に出たのはこの日付の10年前だ。
困惑する伊月に、リルルは無自覚ながらもさらなる追い討ちをかけた。
少なくとも、ホワイトナイトが世に出たのはこの日付の10年前だ。
困惑する伊月に、リルルは無自覚ながらもさらなる追い討ちをかけた。
「それに…作者も佐々木という男ではなく、貴女の名前なのだけれど…」
週刊少年ジャンプに掲載されているホワイトナイト、その作者は『佐々木哲平』ではなく『アイノイツキ』だった。
ハッキリと印刷された文字に、伊月は盛大に動揺する。
ハッキリと印刷された文字に、伊月は盛大に動揺する。
「え?え?あれ?……」
困惑する伊月を他所に、リリムはとある仮説を思い付いた。
恐らく、佐々木哲平は何らかの手段で時を遡る手段を得たのだ。そして、この未来のジャンプからホワイトナイトを盗作し、掲載した。
しかも本来の作者の伊月をアシスタントとして雇用するとは、どれだけ性格が捻じ曲がっているのか、リルルには想像もつかない。
恐らく、佐々木哲平は何らかの手段で時を遡る手段を得たのだ。そして、この未来のジャンプからホワイトナイトを盗作し、掲載した。
しかも本来の作者の伊月をアシスタントとして雇用するとは、どれだけ性格が捻じ曲がっているのか、リルルには想像もつかない。
(……酷いわね)
悪意ある手法で歴史を歪めた男、佐々木。リリムの心にはっきりと嫌悪感が芽生えた。
【2-H/市街地 未明】
【藍野伊月@タイムパラドックスゴーストライター】
[状態]健康 好奇心 混乱(大)
[装備]ヘブンズ・ドアーのスタンドDISC
[道具]基本支給品、防御スペルカード@ファイナルソード、10年後の週刊少年ジャンプ@タイムパラドックスゴーストライター
[思考・状況]
基本行動方針:リルルと共に、この世界で漫画の題材になりそうなものを探す
1:リルルさんってすごい人?ですね
2:え?え?え?
3:スタンド! すっごくネタになります!
[備考]6話終了後。
ヘブンズ・ドアーのスタンドDISCを装備しています。
【藍野伊月@タイムパラドックスゴーストライター】
[状態]健康 好奇心 混乱(大)
[装備]ヘブンズ・ドアーのスタンドDISC
[道具]基本支給品、防御スペルカード@ファイナルソード、10年後の週刊少年ジャンプ@タイムパラドックスゴーストライター
[思考・状況]
基本行動方針:リルルと共に、この世界で漫画の題材になりそうなものを探す
1:リルルさんってすごい人?ですね
2:え?え?え?
3:スタンド! すっごくネタになります!
[備考]6話終了後。
ヘブンズ・ドアーのスタンドDISCを装備しています。
【リルル@ドラえもん のび太と鉄人兵団】
[状態]健康 佐々木哲平への嫌悪感(大)
[装備]なし
[道具]基本支給品 ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本行動方針:藍野伊月を守りながら、人間を守るべきか否か決める。もし守るべきでないなら……?
1:佐々木哲平……相当な悪人ね
2:スタンド……ひみつ道具かしら?
[備考]
アイノイツキとの会話で、彼女の過去、現在を知りました。
処刑されそうになっていた所を、ドラえもん達に助けられた直後からの参戦です。
原作版、羽ばたけ天使たち版どちらを参考にしても問題ありません。
佐々木哲平をタイムマシンを悪用した犯罪者だと認識しました。ホワイトナイトを盗作したと判断しています。
[状態]健康 佐々木哲平への嫌悪感(大)
[装備]なし
[道具]基本支給品 ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本行動方針:藍野伊月を守りながら、人間を守るべきか否か決める。もし守るべきでないなら……?
1:佐々木哲平……相当な悪人ね
2:スタンド……ひみつ道具かしら?
[備考]
アイノイツキとの会話で、彼女の過去、現在を知りました。
処刑されそうになっていた所を、ドラえもん達に助けられた直後からの参戦です。
原作版、羽ばたけ天使たち版どちらを参考にしても問題ありません。
佐々木哲平をタイムマシンを悪用した犯罪者だと認識しました。ホワイトナイトを盗作したと判断しています。
【防御スペルカード@ファイナルソード】
ファイナルソードのアイテムの一つ。
説明文には『攻撃力を一時的に10%上げる』とある。
同種のアイテムとして「攻撃スペルカード」があり、そちらの説明文も『攻撃力を一時的に10%上げる』となっている。どういうこっちゃ。
あくまでテキストのミスのようで、使用するとちゃんと防御力が10%アップする。
ファイナルソードのアイテムの一つ。
説明文には『攻撃力を一時的に10%上げる』とある。
同種のアイテムとして「攻撃スペルカード」があり、そちらの説明文も『攻撃力を一時的に10%上げる』となっている。どういうこっちゃ。
あくまでテキストのミスのようで、使用するとちゃんと防御力が10%アップする。
【ヘブンズ・ドアーのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険】
【破壊力 - D / スピード - B / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A 】
第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する漫画家、岸辺露伴のスタンド。
人の記憶や能力を本(辞書)にして読んだり、書き換えることが出来る。
対象の身体のどこかの部位が薄く剥がれるような形で「本」のページになる。
「本」には対象の肉体や精神が記憶している「人生の体験」が記されており、記述を読むことで相手や相手の知っている情報を知ったり、ページに書き込むことで相手の行動・記憶を本体の思うとおりに制御することも可能となる。
初期状態では自分で描いた漫画を相手に見せ、なおかつ相手と波長が合わないと発動できないが、成長すればその限りではない。
【破壊力 - D / スピード - B / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A 】
第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する漫画家、岸辺露伴のスタンド。
人の記憶や能力を本(辞書)にして読んだり、書き換えることが出来る。
対象の身体のどこかの部位が薄く剥がれるような形で「本」のページになる。
「本」には対象の肉体や精神が記憶している「人生の体験」が記されており、記述を読むことで相手や相手の知っている情報を知ったり、ページに書き込むことで相手の行動・記憶を本体の思うとおりに制御することも可能となる。
初期状態では自分で描いた漫画を相手に見せ、なおかつ相手と波長が合わないと発動できないが、成長すればその限りではない。
【10年後の週刊少年ジャンプ@タイムパラドックスゴーストライター】
佐々木哲平の家に落ちた雷によって、タイムマシンと化した電子レンジから出現した10年後の週刊少年ジャンプ。
新連載・アイノイツキ作ホワイトナイトが掲載されている。
佐々木哲平の家に落ちた雷によって、タイムマシンと化した電子レンジから出現した10年後の週刊少年ジャンプ。
新連載・アイノイツキ作ホワイトナイトが掲載されている。
006:キャベツはどうしたァァァッ!?!? | 投下順 | 008:雪の女王の微笑み |
アンドロイドは人気漫画家の夢を見るか? | 藍野伊月 | 020:心に生まれた破れ目(前編) |
アンドロイドは人気漫画家の夢を見るか? | リルル | 020:心に生まれた破れ目(前編) |