「ハァ、ハァ…!」
草原地帯。
長髪を揺らし額に汗を浮かべて走る少女がいた。
彼女の名は新田美波。346プロダクション所属の現役アイドルである。
時折背後を振り返りながら、必死にナニカから逃げる美波。
後ろからは緑色の怪物、ゴブリンたちが同じく必死に走っている。
長髪を揺らし額に汗を浮かべて走る少女がいた。
彼女の名は新田美波。346プロダクション所属の現役アイドルである。
時折背後を振り返りながら、必死にナニカから逃げる美波。
後ろからは緑色の怪物、ゴブリンたちが同じく必死に走っている。
彼女はゴブリンから逃げているのか?
確かに‘最初は’そうだった。
抜群の美貌とプロポーションを持つ美波を発見したゴブリンは、下劣な欲望を隠そうともせず襲い掛かり、鬼ごっこが始まった。
とはいえ相手は優れた運動神経を誇るアイドル。
何とか捕まえようとしたが、全速力で走る美波には追い付けず徐々に引き離されていった。
確かに‘最初は’そうだった。
抜群の美貌とプロポーションを持つ美波を発見したゴブリンは、下劣な欲望を隠そうともせず襲い掛かり、鬼ごっこが始まった。
とはいえ相手は優れた運動神経を誇るアイドル。
何とか捕まえようとしたが、全速力で走る美波には追い付けず徐々に引き離されていった。
折角女を見つけたというのに一向に手に入れられない。
捕まえられないのは他の奴らが手を抜いているからだ、と如何にもゴブリンらしい身勝手な考えで仲間を罵倒し出した時、
ソイツは現れた。
捕まえられないのは他の奴らが手を抜いているからだ、と如何にもゴブリンらしい身勝手な考えで仲間を罵倒し出した時、
ソイツは現れた。
「オォ……ァ……」
「っ!?な、なに?」
突如地響きが起こったかと思うと、低く不気味な呻き声が聞こえて来た。
美波は思わず足を止めて声のした方に視線を向ける。
ゴブリンたちも謎の声には困惑しているのか、同じように声の主を探し出す。
彼らの視線の先には巨大なシルエットが浮かび上がっていた。
美波は思わず足を止めて声のした方に視線を向ける。
ゴブリンたちも謎の声には困惑しているのか、同じように声の主を探し出す。
彼らの視線の先には巨大なシルエットが浮かび上がっていた。
月の光がシルエットを照らした瞬間、美波も、ゴブリンたちも凍り付いた。
「オォォォンナァァァ!!!」
そこにいたのはゴブリンが遥かにマシに見える程の怪物。
巨大な裸の女の身体をしており、スラリと伸びた脚やたわわに実った乳房は、ただの人間であったならさぞ魅力的だろう。
だが本来あるべきの両腕と頭部は存在せず、代わりにエビの胴体が生えている。
何よりも目を引いたのは股の部分。
女性器からは巨大な老人の顔が突き出ており、眼下の者たちを見下ろしている。
巨大な裸の女の身体をしており、スラリと伸びた脚やたわわに実った乳房は、ただの人間であったならさぞ魅力的だろう。
だが本来あるべきの両腕と頭部は存在せず、代わりにエビの胴体が生えている。
何よりも目を引いたのは股の部分。
女性器からは巨大な老人の顔が突き出ており、眼下の者たちを見下ろしている。
その醜悪な姿に美波は呆然と立ち尽くしていたが、怪物が血走った目で自分を見ているのに気付いた。
怪物が自分に向ける視線は、美波にとってよく知るものだった。
大学の同級生や一部のファンの男性、更にはついさっき遭遇したゴブリン。
‘そういった’視線を自分に向ける人達がいるのは知っていたが、こんな化物にまで欲望をぶつけられるとは思ってもみなかった。
怪物が自分に向ける視線は、美波にとってよく知るものだった。
大学の同級生や一部のファンの男性、更にはついさっき遭遇したゴブリン。
‘そういった’視線を自分に向ける人達がいるのは知っていたが、こんな化物にまで欲望をぶつけられるとは思ってもみなかった。
「い、いや……」
好色を露わにした目つきに嫌悪感が走る。
後ずさる美波へ化物が一歩近付き、偶然近くに居たゴブリンが踏みつぶされた。
後ずさる美波へ化物が一歩近付き、偶然近くに居たゴブリンが踏みつぶされた。
「オンナァァァァ!!」
化物の絶叫を聞き、弾かれたように美波は再び走り出した。
その後ろからは化物に恐怖したゴブリンが、口汚く喚きながら逃走している。
見つけた獲物を孕み袋にして楽しむ予定が、何故か自分たちよりも醜い化物と鬼ごっこをする羽目になったのだ。
ゴブリンとて喚き散らしたくもなるだろう。
だがそれも長くは続かない。
一匹、また一匹と化物に踏みつぶされゴブリンは瞬く間に数を減らしていった。
実際のところ現在の化物の標的は美波だけで、ゴブリンは単に進行方向にいるから踏まれているだけなのだが、逃げるのに必死でそこまで頭が回っていなかった。
その後ろからは化物に恐怖したゴブリンが、口汚く喚きながら逃走している。
見つけた獲物を孕み袋にして楽しむ予定が、何故か自分たちよりも醜い化物と鬼ごっこをする羽目になったのだ。
ゴブリンとて喚き散らしたくもなるだろう。
だがそれも長くは続かない。
一匹、また一匹と化物に踏みつぶされゴブリンは瞬く間に数を減らしていった。
実際のところ現在の化物の標的は美波だけで、ゴブリンは単に進行方向にいるから踏まれているだけなのだが、逃げるのに必死でそこまで頭が回っていなかった。
ゴブリンに追われていた時以上に死に物狂いで走る美波だが、徐々に疲れが見え始め息が上がっていく。
どこまで逃げればこの化物は諦めるのか、もしも捕まってしまったら何をされてしまうのか。
そんな焦りと恐怖が精神を蝕み、脚が震え走る速度に悪影響を及ぼす。
どこまで逃げればこの化物は諦めるのか、もしも捕まってしまったら何をされてしまうのか。
そんな焦りと恐怖が精神を蝕み、脚が震え走る速度に悪影響を及ぼす。
「オォォォンナァァァァァ!!」
とうとう残りのゴブリンも踏みつぶされ、化物と美波の距離が近づいていく。
この化物からは逃げ切れないのかと、諦めの感情が浮かび上がる。
この化物からは逃げ切れないのかと、諦めの感情が浮かび上がる。
その時、猛スピードで何かが向かってくるのが見えた。
それは黒塗りの自動車だ。
エンジンを唸らせながら美波の傍まで寄って来る。
エンジンを唸らせながら美波の傍まで寄って来る。
「ちょっと新八!もうちょっとスピード出せないの!?」
「とっくに出してますよぉぉぉぉ!!っていうか何あの爺さん!?何であんなとこに顔生やしてんの!?何で頭にエビの尻尾生やしてんの!?」
「オ〇〇コォォォォォォ!!!」
「なに他人様の企画でとんでもねえこと叫んでんだこのジジイィィィィ!!二次創作だからって何言っても許される訳じゃねえからな!?」
「あークソッ!あとちょっと…!」
「とっくに出してますよぉぉぉぉ!!っていうか何あの爺さん!?何であんなとこに顔生やしてんの!?何で頭にエビの尻尾生やしてんの!?」
「オ〇〇コォォォォォォ!!!」
「なに他人様の企画でとんでもねえこと叫んでんだこのジジイィィィィ!!二次創作だからって何言っても許される訳じゃねえからな!?」
「あークソッ!あとちょっと…!」
運転席では眼鏡を掛けた少年がよく分からない事を言いながら、ハンドルを操作している。
困惑する美波に向けて、後部座席のドアを開けた女がこちらに何かを叫んでいるのが見えた。
困惑する美波に向けて、後部座席のドアを開けた女がこちらに何かを叫んでいるのが見えた。
「手を伸ばして!早く!」
女の言葉に咄嗟に手を伸ばす美波。
次の瞬間、女の右腕が複数の糸のように変化し、美波の腕に巻き付いた。
次の瞬間、女の右腕が複数の糸のように変化し、美波の腕に巻き付いた。
「え?えぇっ!?」
余りの出来事に混乱する美波を、女は腕を引っ張り回収した。
「よっ、と。何とか助かったみたいね」
「あ、あの、あなたたちは…」
「徐倫さんまだ助かってないですよ!あの爺さんまだ追いかけてきます!」
「あ、あの、あなたたちは…」
「徐倫さんまだ助かってないですよ!あの爺さんまだ追いかけてきます!」
少年の言葉通り、化物に諦めた様子は無い。
相も変わらず絶叫しながら車を追いかけて来ている。
徐倫と呼ばれた女は暫し化物を睨みつけた後、自身のデイパックからあるものを取り出した。
それは大きな壺だった。
相も変わらず絶叫しながら車を追いかけて来ている。
徐倫と呼ばれた女は暫し化物を睨みつけた後、自身のデイパックからあるものを取り出した。
それは大きな壺だった。
「新八、一旦車止めて」
「ど、どうするんですか?」
「んー、ちょっとした思い付きってやつよ」
「ど、どうするんですか?」
「んー、ちょっとした思い付きってやつよ」
疑問を感じつつも眼鏡の少年、新八は速度を徐々に落とす。
このままではあの化物に捕まってしまうと不安気に目で訴える美波だったが、徐倫は窓から身を乗り出し壺の中身を地面にぶち撒けた。
徐倫の行動に美波と新八が困惑する中、知った事かとばかりに化物は大股で近付き、
このままではあの化物に捕まってしまうと不安気に目で訴える美波だったが、徐倫は窓から身を乗り出し壺の中身を地面にぶち撒けた。
徐倫の行動に美波と新八が困惑する中、知った事かとばかりに化物は大股で近付き、
「オンナァァァァァ!?」
壺の中にあった液体で滑り、仰向けに転倒した。
なんとか立ち上がろうとするも液体が足に絡みつき、起き上がれずにいる。
なんとか立ち上がろうとするも液体が足に絡みつき、起き上がれずにいる。
「倒れた…?徐倫さん!倒れましたよあの爺さん!」
「ええ。こんなモン何の使い道があるのか分かんなかったけど…。それより今がチャンスね」
「ええ。こんなモン何の使い道があるのか分かんなかったけど…。それより今がチャンスね」
言うや否や徐倫は車から降り、化物に向かって駆けて行く。
「ま、待ってください!近づいたら…」
慌てて制止しようとする美波は見た。
徐倫の背後から、サングラスを掛けたような青い人形が出現するのを。
徐倫の背後から、サングラスを掛けたような青い人形が出現するのを。
「『ストーン・フリー!』」
自らの持つ力、『スタンド』を出した徐倫は老人の巨大な顔に向けて拳を放った。
「オラァ!!」
「オブォッ!?」
「オブォッ!?」
体格では大きく劣るはずのストーン・フリーの拳をモロに受け、老人の顔はのけ反る。
だが徐倫の攻撃はこれで終わりではない。
一息吸うと、目視するのが不可能な速度でスタンドの両拳を叩きつけた。
だが徐倫の攻撃はこれで終わりではない。
一息吸うと、目視するのが不可能な速度でスタンドの両拳を叩きつけた。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァ――――!!」
ラッシュを受けた老人の顔は、最初の一発の時よりも大きくのけ反った。
数多の敵スタンド使いを叩きのめして来た拳は、この化物も効いただろうと様子を見る。
数多の敵スタンド使いを叩きのめして来た拳は、この化物も効いただろうと様子を見る。
「ォ…ォ…オンナァ…!」
驚いた事に未だ絶命には至っていない。
顔面は血に濡れているが、恐らく致命傷には届かないだろう。
顔面は血に濡れているが、恐らく致命傷には届かないだろう。
「徐倫さん!やっぱり今は逃げないと…!」
「あー、うん。今はそれしかないか…」
「あー、うん。今はそれしかないか…」
本音を言えばこの危険な怪物はここで仕留めておきたい。
しかしスタンドではこれ以上有効打を与えられそうにないし、他に使えそうな武器も無い。
モタついてたら再び化物が起き上がってしまう。
ひょっとしたら追われていた少女の支給品に何かあるかもしれないが、無ければ時間の無駄だ。
それに彼女をこの化物の傍に何時までも置いておくのも精神衛生上良くないだろう。
歯がゆい思いになりながらも、徐倫は車に乗り込む。
そして化物の未練がましそうな視線を感じながら、三人を乗せた車は走り去っていった。
しかしスタンドではこれ以上有効打を与えられそうにないし、他に使えそうな武器も無い。
モタついてたら再び化物が起き上がってしまう。
ひょっとしたら追われていた少女の支給品に何かあるかもしれないが、無ければ時間の無駄だ。
それに彼女をこの化物の傍に何時までも置いておくのも精神衛生上良くないだろう。
歯がゆい思いになりながらも、徐倫は車に乗り込む。
そして化物の未練がましそうな視線を感じながら、三人を乗せた車は走り去っていった。
【新田美波@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:疲労(大)、怪物への嫌悪感、軽度の混乱、搭乗中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いなんてしたくない
1:助かったの…?この人たちは…?
[状態]:疲労(大)、怪物への嫌悪感、軽度の混乱、搭乗中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いなんてしたくない
1:助かったの…?この人たちは…?
【志村新八@銀魂】
[状態]:健康、運転中
[装備]:黒塗りの高級車@真夏の夜の淫夢
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み、重火器の類は無し)
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:今はあの爺さんから逃げる
2:銀さんや神楽ちゃんもいるのかな…
[備考]
参戦時期は将軍暗殺篇以降。
[状態]:健康、運転中
[装備]:黒塗りの高級車@真夏の夜の淫夢
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み、重火器の類は無し)
[思考・状況]:基本行動方針:殺し合いから脱出する
1:今はあの爺さんから逃げる
2:銀さんや神楽ちゃんもいるのかな…
[備考]
参戦時期は将軍暗殺篇以降。
【空条徐倫@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、搭乗中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み、重火器の類は無し)
[思考・状況]:基本行動方針:主催者をブチのめす
1:今はあの爺さんから逃げる
2:エルメェス達やプッチもいるのか気になる
[備考]
参戦時期はリキエルを倒した後。
支給品の一つは油に卵白を混ぜたもの@ギャグマンガ日和でした。
[状態]:健康、搭乗中
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(確認済み、重火器の類は無し)
[思考・状況]:基本行動方針:主催者をブチのめす
1:今はあの爺さんから逃げる
2:エルメェス達やプッチもいるのか気になる
[備考]
参戦時期はリキエルを倒した後。
支給品の一つは油に卵白を混ぜたもの@ギャグマンガ日和でした。
【黒塗りの高級車@真夏の夜の淫夢】
暴力団員のTNOKが乗っていたトヨタのセンチュリー。
恐らくは組の所有者と思われるが、疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。
後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…。
暴力団員のTNOKが乗っていたトヨタのセンチュリー。
恐らくは組の所有者と思われるが、疲れからか、不幸にも黒塗りの高級車に追突してしまう。
後輩をかばいすべての責任を負った三浦に対し、車の主、暴力団員谷岡が言い渡した示談の条件とは…。
【油に卵白を混ぜたもの@ギャグマンガ日和】
新選組の隊士、安藤早太郎が全身に塗りたくっていたもの。
大きめの壺に入っている。
新選組の隊士、安藤早太郎が全身に塗りたくっていたもの。
大きめの壺に入っている。
【エテ公@彼岸島】
NPC。会場には一体しか存在しない。
人間時代は仙石原のススキ野原近辺に出没する痴漢だったが、雅が本土に侵攻した後に邪鬼と化した。
巨大な女体に性器から生えた老人の顔、頭部からはエビの胴体という醜悪な外見をしている。
邪鬼となってからも女好きは変わらず、人間だけでなく吸血鬼や亡者だろうと女の匂いには敏感で襲ってくる。
NPC。会場には一体しか存在しない。
人間時代は仙石原のススキ野原近辺に出没する痴漢だったが、雅が本土に侵攻した後に邪鬼と化した。
巨大な女体に性器から生えた老人の顔、頭部からはエビの胴体という醜悪な外見をしている。
邪鬼となってからも女好きは変わらず、人間だけでなく吸血鬼や亡者だろうと女の匂いには敏感で襲ってくる。
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