幸せな結末(ハッピーエンド)の解釈なんて人それぞれであるが、彼女にとってのハッピーエンドとは、当の本人達が幸せであり、それを見た周りのみんなが、『二人は幸せ』であるということだ
ピカレスク主義やら鬱展開の積み重ねからなる、誰かの犠牲で成り立つハッピーエンドもある。だが、それはまたそういう考えというだけであり、そういうのは物語上の中だけでいい
そんなバッドエンドみたいな悲しいハッピーエンドが現実で起こるなんて許せない。
誰が見ようとハッピーエンドだと確信し、納得できる物語。それが彼女の望むべきハッピーエンド
誰が見ようとハッピーエンドだと確信し、納得できる物語。それが彼女の望むべきハッピーエンド
それこそが悪戯好きな魔女であり、ハッピーエンドを願い導くお節介焼きでもある彼女の
『絢爛の紡ぎ手』たるドレスデザイナー、コルワの揺るぎない信念であった
◯ ◯ ◯
「……はぁ、最悪」
エリア東部、ロンリー・ロッジ。豊かな自然と散りばめられたかのように設置されたログハウスが目立つこのエリアにコルワはいた
「全くもって腹立たしいわね、ほんと」
エリア自体は避暑地としては快適な場所なので、こんな事態じゃなければ物語やドレスのデザインなどを考えながらゆったりとしているところでもあるが、全く以てそういう気分にはなれない。
怒りやら色々な感情がこみ上げてくるし、何よりこんなバッドエンド上等みたいな殺し合いなど認められるわけもないのだ
巻き込まれた参加者や、殺されてしまった見せしめに恋人とかいると勝手に思ってしまうとなおさらに怒りが湧いてくる
怒りやら色々な感情がこみ上げてくるし、何よりこんなバッドエンド上等みたいな殺し合いなど認められるわけもないのだ
巻き込まれた参加者や、殺されてしまった見せしめに恋人とかいると勝手に思ってしまうとなおさらに怒りが湧いてくる
「ねぇ、あなたの言っていたレーティアちゃんって娘も好きな人いるんでしょ。大丈夫なの?」
愚痴るように、この会場に飛ばされて初めてであった女性に言葉を投げかける
艷やかな黒の長髪と、目元の泣きぼくろが特徴的な黒軍服の女性、『元』ドクツ宣伝相ことグレシア・ゲッベルスだ
艷やかな黒の長髪と、目元の泣きぼくろが特徴的な黒軍服の女性、『元』ドクツ宣伝相ことグレシア・ゲッベルスだ
「……ええ。最初の頃は認めなくなかったわよあんな遊び男のことなんて。でもあの娘が本気で惚れちゃったんだししょうがないでしょ」
ドクツ滅亡後、何かとレーティアが日本帝国海軍長官東郷毅となにかと親密関係になっていたのは知っていたが、まさかあそこまで事が運ぶなんて思わなかったため
グレシア本人が直接、彼がレーティアにふさわし男なのかを確かめに来たのだが、酒に酔って流れのままにガチンコ勝負を仕掛けたら見事に撃ち落とされたのである
グレシア本人が直接、彼がレーティアにふさわし男なのかを確かめに来たのだが、酒に酔って流れのままにガチンコ勝負を仕掛けたら見事に撃ち落とされたのである
「……本気で惚れて、本人たちが幸せならそれで良いと思うわよ、私は」
そんなゲッベルスに対しまあまあという感じで言い返すコルワ
「東郷は、あいつは何人も女抱いてるわ。小耳に挟んだ情報だと「幸せにしたい」とか。それとあいつ既に結婚してるわよ、嫁さんと死別したらしいけど、あと娘持ち」
ゲッベルズの冷めた返答にコルワの顔に若干青筋が入る
幼少期、結婚式でウェディングドレスを見たことが今の彼女の人格構成の根幹を担っていた以上、東郷の節操なしっぷりに怒りを顕にせざる得なかった
コルワにとって花嫁とはハッピーエンドそのものだ。未婚であるならレーティアと東郷なる男のハッピーエンドの演出の手伝いぐらいはしてやろうと持っていたが、既婚+嫁と死に別れ+既に娘いるとか真顔案件
しかも変にハーレム構成してるまではいいとして、もしそいつらがセフレ扱いってなるなら本当に絶許案件だ。他人から見たら狂気の沙汰そのものである。
まあ彼女の話を聞く限り、女子からの評判は悪くないのが唯一まともというべきか
幼少期、結婚式でウェディングドレスを見たことが今の彼女の人格構成の根幹を担っていた以上、東郷の節操なしっぷりに怒りを顕にせざる得なかった
コルワにとって花嫁とはハッピーエンドそのものだ。未婚であるならレーティアと東郷なる男のハッピーエンドの演出の手伝いぐらいはしてやろうと持っていたが、既婚+嫁と死に別れ+既に娘いるとか真顔案件
しかも変にハーレム構成してるまではいいとして、もしそいつらがセフレ扱いってなるなら本当に絶許案件だ。他人から見たら狂気の沙汰そのものである。
まあ彼女の話を聞く限り、女子からの評判は悪くないのが唯一まともというべきか
「…………前言撤回、その東郷って奴に会う機会に訪れたら」
と言いかけた所で、背後から彼女ら二人を襲おうとするホブゴブリンの影が近づく
だがホブゴブリンはさらに近づこうとしようにも身体が動かない。まるで糸のようなもので全身を拘束されているかのように
だがホブゴブリンはさらに近づこうとしようにも身体が動かない。まるで糸のようなもので全身を拘束されているかのように
「……彼には、きつーいお灸を据えないといけないわね」
そしてそのコルワの言葉とともに、何かに引き裂かれたの如くホブゴブリンの身体はバラバラのサイコロステーキ状に変わり果て地面に転がった
「さて、と。……なーんか面倒な事になってるわね、これ」
ホブゴブリンの死体に目をくれず、数あるログハウスの近くにやってきた二人であるが
そのログハウスの壁だったらしき木片が、樹木の数本をなぎ倒す勢いで何かにぶつかり飛ばされた痕跡があったのだ
そして、影に穴の空いたログハウスの、その穴から近づく人影。白い学ランを着込んたナスみたいな頭の青年と、彼にお姫様抱っこされているある少女の姿であった
そのログハウスの壁だったらしき木片が、樹木の数本をなぎ倒す勢いで何かにぶつかり飛ばされた痕跡があったのだ
そして、影に穴の空いたログハウスの、その穴から近づく人影。白い学ランを着込んたナスみたいな頭の青年と、彼にお姫様抱っこされているある少女の姿であった
◯ ◯ ◯
壊れた心が戻ることなど奇跡以上の他にない。たとえそれが陳腐な奇跡であろうと、当人にとって救いとなるべきなのか地獄となるべきなのか、それこそ神のみぞ知るというしかないのだ
「……クソッたれ」
別の並行世界において、日本統一を果たし世界に危機を救った狼牙軍団の総長、白い学ランの青年、ホワイトファングこと斬真狼牙は、とあるログハウスの中で、目の前の光景に思わず怒りを抑えられなかった
「……たすけてにきたんですか、わたしなんかを」
彼のやり場のない怒りの元凶となっていたのは、あまりにもか細すぎる声を吐いたこの少女によるものだ
一人ポツンと座り込んだ少女。アイドル衣装風の卑猥な衣装を纏い、白い液体に塗れ、瞳に光を灯さない、金髪の少女。その腕には紫色に変色したであろう複数の注射痕
少女の隣にはデイパックから取り出されたであろう支給品が散らばっていた。その中に一つ、飲みかけの液体らしきものが入ったペットボトルと注射器が散らばっている
一人ポツンと座り込んだ少女。アイドル衣装風の卑猥な衣装を纏い、白い液体に塗れ、瞳に光を灯さない、金髪の少女。その腕には紫色に変色したであろう複数の注射痕
少女の隣にはデイパックから取り出されたであろう支給品が散らばっていた。その中に一つ、飲みかけの液体らしきものが入ったペットボトルと注射器が散らばっている
「……あなたがきにやむことなんてないんです。だって、わたしにはなにもないから」
その少女は、とある帝国の総帥であった。総帥として、そしてアイドルとして、破綻しかかった国を立て直し、民を立ち直らせた。稀代の天才少女であった
「てんさいなんていわれてたけど、おクスリうちすぎてばかになっちゃって、なかまやともだちのことも、ほとんどわすれちゃって」
だが、今はこの有様だ。敵国の内より生まれた、自我を持つ残虐非道の人形兵器『CORE』によって国は蹂躙された。そして彼女もまた彼らによりクスリを打ち込まれ、薬物中毒となった
この時が運命の分岐点であったのだろうか、元より一人で国を背負い、引っ張ってきた天才少女だ。
そんな少女の自尊心は、薬物とCOREによる度重なる陵辱によって粉々に砕かれた。いや、今の彼女からすれば『解放』された、と言うべきなのだろうか
そんな少女の自尊心は、薬物とCOREによる度重なる陵辱によって粉々に砕かれた。いや、今の彼女からすれば『解放』された、と言うべきなのだろうか
自分はこんな情けない人間だから、駄目な人間だから、おクスリのために自分から快楽を貪る、頭も身体も駄目になったただの憐れな虫ケラだから
それが今の……かつてドクツ第三帝国の総帥兼アイドルと言われた天才少女。レーティア・アドルフの成れの果てであった
「………自分で、打ったのか?」
「……おクスリたりないから、ふくろのなかさがしてたら、ちゅうしゃきとぺっとぼとるがあって、ぺっとぼとるのなかにおクスリあるかなって、じぶんでうちこんだんだけど」
「……おクスリたりないから、ふくろのなかさがしてたら、ちゅうしゃきとぺっとぼとるがあって、ぺっとぼとるのなかにおクスリあるかなって、じぶんでうちこんだんだけど」
薬物の禁断症状に苛まれ、衝動のままにデイバッグの中にあった、液体の入ったペットボトルを見つけた。今のレーティアにそれの中身が判断できるほどの知力も失われていたため、覚束ない手元で、自分でそれを注射器に込めて自らの打ち込んだ
狼牙がペットボトルを拾い、ラベルを確認する。ラベルには『エルフが作った、どんな病気も治せる薬』なんて、「ここまで露骨な詐欺表記は見たことねぇぞ」と、吐き捨て呆れ果てる
だが、こんな怪しすぎる表記に対して、その効果は抜群であった。レーディアが薬物と勘違いして打ち込んだそれは、彼女の中にある中毒の元凶となった薬物を治癒。だが、馬鹿になった頭や刻み込まれた陵辱の痕跡、壊れた心までは治すことなど出来なかった
だが、こんな怪しすぎる表記に対して、その効果は抜群であった。レーディアが薬物と勘違いして打ち込んだそれは、彼女の中にある中毒の元凶となった薬物を治癒。だが、馬鹿になった頭や刻み込まれた陵辱の痕跡、壊れた心までは治すことなど出来なかった
だが、クスリのみを求める思考が取り除かれたという事実ことにより、「自分が何をしてきたか」という事を否応無しに自覚させられてしまう結果になってしまったのだ
「……どうせなら、こわれたままでよかった。なんのやくにもたたない、ただのせいがんぐアイドルのままで、よかったのに。どうして。ああ、これはばつなんだ、みんなをうらぎった、わたしのばつなんだ」
「………」
「……ごめん、ゲッベルス。ごめん、デーニッツ。ごめん、みんな……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「………」
「……ごめん、ゲッベルス。ごめん、デーニッツ。ごめん、みんな……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
壊れたラジオの如く、壊れた少女は涙を流しながら謝罪の言葉を繰り返す
馬鹿になった頭で、唯一思い出せた二人の名前に謝り続けていた
馬鹿になった頭で、唯一思い出せた二人の名前に謝り続けていた
「……クソがっ!!!」
少女の言葉を遮り、狼牙の拳がコテージの壁を殴り貫く。貫かれた壁はそのまま遠くへと吹き飛びすぐ近くにあった樹木の数本をなぎ倒す
斬真狼牙とて女には目がある。だが、他人の女を寝取ったり、無理矢理にやるなどそれこそ笑止千万だ。求められれば別ではあるが、陵辱まがいな行為など許してなどおけない
斬真狼牙とて女には目がある。だが、他人の女を寝取ったり、無理矢理にやるなどそれこそ笑止千万だ。求められれば別ではあるが、陵辱まがいな行為など許してなどおけない
斬真狼牙は既に怒髪天だ。壊れた彼女に対し何も出来ない自分自身に、彼女がこんな事になるまで弄んだクソ野郎どもに、そしてこんな彼女を否が応にこんなくそったれな殺し合いに巻き込んだ連中に対し
だが、その怒りを一旦心のうちにしまい込み、狼牙はレーティアの体を持ち上げる
「……どうして」
「……それでテメェをこんな所においておく理由にもならねぇだろうが。それと、後味悪ぃんだよ。テメェをこのままほっとくのもな」
「……それでテメェをこんな所においておく理由にもならねぇだろうが。それと、後味悪ぃんだよ。テメェをこのままほっとくのもな」
それは、ただの狼牙のエゴであった。だが、泣いてる女のそのままにしておくわけに行かないという一種のプライドみたいなものでもあった
「……ゲッベルズと、デーニッツだったか? もしかしたらいるかも知れねぇだろ、そいつら。ついでに探しといてやるよ」
「……ぁ」
「……ぁ」
レーティアには、狼牙の考えがわからなかった。どうしてここまで気をかけてくれるのか。だけど、COREにおクスリを恵んでもらう偽りのハッピーエンドよりは、なぜだかマシだと思った
マシだと思って、気疲れしたのか、そのまま眠りこけてしまった
マシだと思って、気疲れしたのか、そのまま眠りこけてしまった
「……さてと、つーかどんだけ広いんだこの会場。これじゃあおちおち兄貴や久那妓、こいつの言っていた二人を探すのに一苦労……あ?」
「……一つ、良いかしら? その子、大分あられもない姿になってるけど。……返答次第じゃ貴方、無事じゃ済まないわよ?」
「……レー、ティア?」
「……レー、ティア?」
狼牙が開けてしまった壁の穴から外に出れば、二人の女性の姿
警戒するかのように眉を顰めながら狼牙に問う銀髪の女性と、まるで悪夢を見たかのような青ざめた表情で言葉を紡ぐ黒髪の女性の姿であった
【コルワ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:こんな悪趣味な殺し合いなんてぶっ壊す
1:もし東郷とかいうダメそうな女誑しと出会う機会があったらお灸をすえてやるわ!
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:こんな悪趣味な殺し合いなんてぶっ壊す
1:もし東郷とかいうダメそうな女誑しと出会う機会があったらお灸をすえてやるわ!
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします
【グレシア・ゲッベルス@大帝国】
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:不明
1:レー、ティア……?
[備考]
※最低でも本編イベントフェイズ『アドルフに釣り合う男?』後からの参戦です
[状態]:健康
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:不明
1:レー、ティア……?
[備考]
※最低でも本編イベントフェイズ『アドルフに釣り合う男?』後からの参戦です
【斬真狼牙@大番長 -big bang Age-】
[状態]:健康、主催に対し強い怒り
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:クソ野郎どもはぜってぇ許さねぇ、俺が必ず叩き潰してやる
1:この娘(レーティア)をほっとくわけにも行かねぇ
2:兄貴や久那妓を探す傍ら、この娘(レーティア)の知り合いらしき人物(ゲッベルズ、デーニッツ)も探す
[備考]
※最低でもナイトメアアイズ編終了後からの参戦です
[状態]:健康、主催に対し強い怒り
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考]
基本:クソ野郎どもはぜってぇ許さねぇ、俺が必ず叩き潰してやる
1:この娘(レーティア)をほっとくわけにも行かねぇ
2:兄貴や久那妓を探す傍ら、この娘(レーティア)の知り合いらしき人物(ゲッベルズ、デーニッツ)も探す
[備考]
※最低でもナイトメアアイズ編終了後からの参戦です
【レーティア・アドルフ@大帝国】
[状態]:睡眠中、精液塗れ、精神崩壊(大)、罪悪感
[服装]:卑猥なアイドル風衣装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1、注射器、『エルフが作った、どんな病気も治せる薬@銀魂』が入ったペットボトル(1/5消費)
[思考]
基本:ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
1:???
[備考]
※キングコア編イベントフェイズ『おくすりください』後からの参戦です
[状態]:睡眠中、精液塗れ、精神崩壊(大)、罪悪感
[服装]:卑猥なアイドル風衣装
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1、注射器、『エルフが作った、どんな病気も治せる薬@銀魂』が入ったペットボトル(1/5消費)
[思考]
基本:ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……
1:???
[備考]
※キングコア編イベントフェイズ『おくすりください』後からの参戦です
【エルフが作った、どんな病気も治せる薬@銀魂】
Owee専用ゲーム『ドラゴンハンター3』に登場する、文字通りの代物
妖魔宰相ベリアスによって占拠された城塞都市パレスにあったとされる
Owee専用ゲーム『ドラゴンハンター3』に登場する、文字通りの代物
妖魔宰相ベリアスによって占拠された城塞都市パレスにあったとされる
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