どこまでも生い茂る草木の森の中、一匹の犬が支給されたデイパックの中身を器用に探していた。
この犬の名はグルミット、ただの犬のように見えて、実は大学を卒業しており、字を読んだり、人の言葉を理解したりすることができるのである。
そんな彼は自分の置かれた状況をすぐに把握し、まずは慌てず、支給品の確認を行なっていた。
そんな彼は自分の置かれた状況をすぐに把握し、まずは慌てず、支給品の確認を行なっていた。
中からは、参加者全員に共有して支給される安っぽい地図とルールブック
そして、食料であるインスタントラーメンと缶チューハイ………
そして、食料であるインスタントラーメンと缶チューハイ………
これで飢えを癒すのか?と訝しげな表情をするグルミット。
続けて中を探け、ランダム支給品に手をかけた。手に伝わる硬い感触に、鋭利な武器を想像したグルミット。そのままデイパックの外に出すも……。
その手に持っていたものは、グルミットと、彼の飼い主であり、親友であり、家族であるウォレスととのツーショット写真入りの額縁であった。
また、他にメモ帳とボールペンも入っていた。
その手に持っていたものは、グルミットと、彼の飼い主であり、親友であり、家族であるウォレスととのツーショット写真入りの額縁であった。
また、他にメモ帳とボールペンも入っていた。
愕然し、もう片方の手を頭に当て揺らすグルミット。
こんなものを支給されて、どうしろと?
いや、そもそも彼は殺し合いに乗るつもりは毛頭も無いため、強力な武器が渡っても仕方ないとえば仕方ないのだが……それにしても、これらで一体何をしろと?自分を殺しに来る他の参加者に対してどう立ち向かえと?
いや、そもそも彼は殺し合いに乗るつもりは毛頭も無いため、強力な武器が渡っても仕方ないとえば仕方ないのだが……それにしても、これらで一体何をしろと?自分を殺しに来る他の参加者に対してどう立ち向かえと?
完全に途方に暮れていたグルミット。しかし、すぐ頭を切り替え、まずはウォレスを探すことに決めた。
ポンコツながらも機械を弄る才能のある彼と協力すれば、自分達の首に装着されてある爆破機能を備えた危険な首輪を外すことも可能だろうと踏んだのだ。
首輪解体に必要な工具と施設探しも同時並行に行い、極力ウォレス以外の参加者とは出くわさないように行動すべく、地面に置いた支給品をデイパックにしまい込み、頭を下げ身を屈めながら颯爽と街を目指した。
ポンコツながらも機械を弄る才能のある彼と協力すれば、自分達の首に装着されてある爆破機能を備えた危険な首輪を外すことも可能だろうと踏んだのだ。
首輪解体に必要な工具と施設探しも同時並行に行い、極力ウォレス以外の参加者とは出くわさないように行動すべく、地面に置いた支給品をデイパックにしまい込み、頭を下げ身を屈めながら颯爽と街を目指した。
暗い獣道の中、雑草を掻き分け進んでいくと……ボスン、と何かに頭をぶつけてしまう。
頭に手を当てながら、おそるおそる顔を上げると……
頭に手を当てながら、おそるおそる顔を上げると……
口周りの毛を赤黒い血で染めた、一匹の虎がいた。
その足元には、その虎によって殺され、捕食されている最中であろう緑色の生命体が横たわっていた。
目を丸くし驚くグルミット。すぐさま方向転換し逃走を始めた。
虎もまた、自分に突き当たり、食事の邪魔をした存在に目が移り、怒りの咆哮を上げながらグルミットを追った。
その足元には、その虎によって殺され、捕食されている最中であろう緑色の生命体が横たわっていた。
目を丸くし驚くグルミット。すぐさま方向転換し逃走を始めた。
虎もまた、自分に突き当たり、食事の邪魔をした存在に目が移り、怒りの咆哮を上げながらグルミットを追った。
◇ ◇ ◇ ◇
虎のスピードは凄まじいものであった。何も無い平野であれば一瞬で追いつかれ、グルミットも捕食されてしまっていたであろう。
しかし、グルミットは機転を利かし、途中途中にある木々を直角に曲がりながら追跡を攪乱していた。スピードが速ければ速いほど直角方向の転換は難しく、慣性によって虎は体を前に押され、最大速度を殺されてしまうのだ。
また、図体の差も活かし、グルミットは自分の速度がギリギリ維持ができる、狭く、背の高い雑草が茂る道を選んで逃走した。これにより、虎の速度はさらに落ち、グルミットはスタミナ勝負に持っていけることができた。
しかし、グルミットは機転を利かし、途中途中にある木々を直角に曲がりながら追跡を攪乱していた。スピードが速ければ速いほど直角方向の転換は難しく、慣性によって虎は体を前に押され、最大速度を殺されてしまうのだ。
また、図体の差も活かし、グルミットは自分の速度がギリギリ維持ができる、狭く、背の高い雑草が茂る道を選んで逃走した。これにより、虎の速度はさらに落ち、グルミットはスタミナ勝負に持っていけることができた。
虎の動きを確認するために、度々後ろを確認するグルミット、するとあることに気が付く。
自分を追う虎の首に、なんと自分が付けているものと同じ首輪が装着されていたのだ。つまり、この虎も参加者の内の一人、いや、一匹なのである。
自分を追う虎の首に、なんと自分が付けているものと同じ首輪が装着されていたのだ。つまり、この虎も参加者の内の一人、いや、一匹なのである。
「キャウンッ!?」
その時、自分の体がフワッ、と浮く。
そして、そのまま木の頂上付近で止まったかと思えば、また風を切って降下し、ジェットコースターのように単振り子運動を続けながら猛スピードで進んでいき、虎の追跡を完全に振り切った。
そして、そのまま木の頂上付近で止まったかと思えば、また風を切って降下し、ジェットコースターのように単振り子運動を続けながら猛スピードで進んでいき、虎の追跡を完全に振り切った。
自分が何者かによって抱きかかえられていることがすぐ分かり、上を向くグルミット。
「お怪我はございませんか」
その正体は、七三分けの髪形とメガネが特徴の、スタイリッシュな雰囲気を醸し出す青年であった。そして、自分達は今、そこらに伸びている蔦を使ってターザンのように移動しながら進んでいたのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
安全な場所まで移動し、綺麗に地面へ着地する青年、そしてそっとグルミットを下ろした。
「スリリングな空の旅、いかがだったでしょうか」
独特な言い回し方に気を奪われ、思考が少し遅れてしまうも、デイパックからメモ帳とボールペンを取り出し、そこへ文字を書くグルミット
「ほう……これは驚きました。字を書く犬に出会えるとは。」
メガネの縁を触りながらグルミットを興味深そうに見つめる青年。
グルミットは書き終えた文章を見せる。
その内容は、自分を助けてくれたことに対するお礼、そして自分がこのバトルロワイアルの参加者の一人であり、殺し合いには乗っていないという旨、そして、青年の殺し合いに対する考えの質問であった。
その内容は、自分を助けてくれたことに対するお礼、そして自分がこのバトルロワイアルの参加者の一人であり、殺し合いには乗っていないという旨、そして、青年の殺し合いに対する考えの質問であった。
「当然のことしたまでですよ。僕もこのような醜い争いには賛同しかねます。」
グルミットはメモ帳に続けて文章を書いて見せた。
「なるほど……この首輪を外せる可能性がある、と……それは実に興味深いですね。」
グルミットは最初こそウォレス以外の他参加者との接触は視野には入れてなかったが、先程の危険な参加者とのエンカウントに備え、対主催同士での協力関係の重要性を考え始めたのだ。
そこで、自分を助けてくれたこの青年と協力関係を結ぶべく、グルミットは首輪を外せる可能性を示し、自分と共に行動するメリットを提示した。
そこで、自分を助けてくれたこの青年と協力関係を結ぶべく、グルミットは首輪を外せる可能性を示し、自分と共に行動するメリットを提示した。
メガネを上へ動かす青年。
「この出会いも偶然では無いのでしょう。分かりました、全身全霊を傾け、あなたの安全を保障しましょう。」
どうやら、協力関係は無事結べたらしい……?
この青年の異様なノリには少しついていけないグルミットであったが、手を差し伸べ握手をする。
続けてグルミットは自分の名前をメモ帳に書く。
続けてグルミットは自分の名前をメモ帳に書く。
「グルミットですか、良い名ですね。」
「私の名は坂本と言います、共にこの地から生還いたしましょう。」
【グルミット@ウォレスとグルミット】
[状態]:疲労(小)
[装備]:メモ帳、ボールペン
[道具]:基本支給品、ウォレスとグルミットの写真立て
[思考・状況]基本方針:首輪解除方法の探索
1:ウォレスと合流したい
2:虎(李徴)に追われる
3:坂本に助けられ、協力関係を結ぶ
[備考]
メモ帳、ボールペンを使って意思疎通を図ります。
[状態]:疲労(小)
[装備]:メモ帳、ボールペン
[道具]:基本支給品、ウォレスとグルミットの写真立て
[思考・状況]基本方針:首輪解除方法の探索
1:ウォレスと合流したい
2:虎(李徴)に追われる
3:坂本に助けられ、協力関係を結ぶ
[備考]
メモ帳、ボールペンを使って意思疎通を図ります。
【坂本@坂本ですが?】
[状態]:健康、冷静
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3個
[思考・状況]基本方針:殺し合いの終焉
1:殺し合いですが、興味ありませんね。
2:賢い犬ですね。
3:ウォレスという方を探しましょう。
[備考]
アニメ最終回終了後からの参戦です。
[状態]:健康、冷静
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜3個
[思考・状況]基本方針:殺し合いの終焉
1:殺し合いですが、興味ありませんね。
2:賢い犬ですね。
3:ウォレスという方を探しましょう。
[備考]
アニメ最終回終了後からの参戦です。
◇ ◇ ◇ ◇
「あぁ、なんてことだ。また私はやってしまったのか。」
グルミットを追跡していた虎は、「意識」を取り戻した。
彼の名は李徴、博学才穎ながらもプライドの高さ故に役人の仕事を捨て、故郷で漢詩を作り続けていたのだが、大成せず。自分よりも才能の無い同期達が出世していく中、自分だけが取り残され、ついには発狂し、醜い虎に成り果ててしまった男である。
彼は一日の内、数時間はこうして人間としての心が戻るのであるが、それ以外は獰猛な獣と化し、虎としての残忍な行為を行なってしまうのだ。
口元を濡らす血を感じ、李徴はまた何かを殺して食ってしまったのだと自覚し、情けなく、そして腹立たしく、そして恐ろしい想いに駆り立てられていた。
李徴は、自身の状況については理解していた。どういう経緯かは分からないが、無作為に集められた者達同士で殺し合い、最後の一人になった者のみが、自分の持つ望みを叶えることができる、と。
李徴は一瞬、元の姿に戻りたいという思いが頭を過ったが、やめた。
また「李徴」に戻ったところで一体何があるのか。もう何もない。何も残っていないのだ。妻子には申し訳がないと思っているが、もう無気力なのだ。
もう少し時間が経てば、私は再び醜い獣になり、そして何かを殺し、食らうのだろう。
こんな日々はもう嫌だ。
李徴は望んだ。自分が虎になってしまっている間に、自分が他の参加者に殺されていることを………。
【李徴@山月記】
[状態]:健康、悲嘆
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況][李徴]殺されたい。[虎]腹が減れば食う
1:ゴブリンを捕食。
2:食事の邪魔をしたグルミットを追うも逃げられる。
3:自我が戻り、絶望に浸る。
[備考]
虎になり、兎を食ってしまったあたりの時間軸から参戦です。
[状態]:健康、悲嘆
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況][李徴]殺されたい。[虎]腹が減れば食う
1:ゴブリンを捕食。
2:食事の邪魔をしたグルミットを追うも逃げられる。
3:自我が戻り、絶望に浸る。
[備考]
虎になり、兎を食ってしまったあたりの時間軸から参戦です。
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