「はあ……」
天川ユカリは、同行者に聞こえないようにこっそりとため息を漏らした。
突然の異常事態を受け入れられず道端で震えていた彼女は、二人組の参加者に声をかけられ彼女たちに同行することになった。
巴マミと那波千鶴と名乗ったその二人は、おびえるユカリに優しい言葉をくれた。
さらに、貴重な食料まで分けてくれた。
そこまでしてもらっては疑ってもいられず、ユカリは彼女たちに同行することにしたのだ。
巴マミと那波千鶴と名乗ったその二人は、おびえるユカリに優しい言葉をくれた。
さらに、貴重な食料まで分けてくれた。
そこまでしてもらっては疑ってもいられず、ユカリは彼女たちに同行することにしたのだ。
しかし、ユカリの心は晴れなかった。
二人に不満があるわけではない。むしろ逆だ。
殺し合いに巻き込まれるという状況であっても他人を思いやることができる二人と自分を比べ、劣等感にさいなまれているのである。
二人とも、本当に大人だ。自分と1学年しか違わないとは、とても思えない。
はっきり言って、年齢を聞くまではどちらも成人していると思っていた。
落ち着いた態度もそうだが、それ以上に、その……。
二人に不満があるわけではない。むしろ逆だ。
殺し合いに巻き込まれるという状況であっても他人を思いやることができる二人と自分を比べ、劣等感にさいなまれているのである。
二人とも、本当に大人だ。自分と1学年しか違わないとは、とても思えない。
はっきり言って、年齢を聞くまではどちらも成人していると思っていた。
落ち着いた態度もそうだが、それ以上に、その……。
胸。
でかい、でかすぎる。とうてい中学3年生の体型とは思えない。
ユカリの学校にも大人っぽい同級生ならいなくもないが、あそこまでスタイルのいい生徒は見た覚えがない。
ユカリの学校にも大人っぽい同級生ならいなくもないが、あそこまでスタイルのいい生徒は見た覚えがない。
(って、何セクハラじみたこと考えてるんだ、私は!)
ふと我に返ったユカリは、大きく頭を振って思考を切り替えようとする。
その直後、先頭を歩いていたマミが突然足を止めた。
その直後、先頭を歩いていたマミが突然足を止めた。
「巴さん? 何か……」
「止まって」
「止まって」
手を横に伸ばし、制止のジェスチャーを行うマミ。
困惑するユカリだったが、すぐにその意味を理解する。
襲撃者だ。
困惑するユカリだったが、すぐにその意味を理解する。
襲撃者だ。
「じょうじ、じょうじ……」
現れたのは、5体ほどの怪物だ。
体型は筋肉質な人間のようだが、異様な顔立ちは明らかに人間ではない。
感情を感じさせない大きな目が、ことさらに不気味だ。
彼らの種族名は、「テラフォーマー」。
火星で異常進化したゴキブリであり、人類とは決して相容れない「敵」である。
体型は筋肉質な人間のようだが、異様な顔立ちは明らかに人間ではない。
感情を感じさせない大きな目が、ことさらに不気味だ。
彼らの種族名は、「テラフォーマー」。
火星で異常進化したゴキブリであり、人類とは決して相容れない「敵」である。
「どうやら、お友達にはなれなさそうね……」
テラフォーマーから放たれる敵意を感じ取り、千鶴は呟く。
「は、早く逃げましょうよ!」
半泣きになりながら、ユカリは言う。
だがマミは、テラフォーマーたちを見据えたまま動かない。
だがマミは、テラフォーマーたちを見据えたまま動かない。
「那波さん、天川さんをおねがいできる?」
「何か対抗策があるのね、巴さん」
「ええ。あまり人に見せるものではないのだけど……。
この状況では仕方ないわね」
「何か対抗策があるのね、巴さん」
「ええ。あまり人に見せるものではないのだけど……。
この状況では仕方ないわね」
強い決意を感じさせる表情で、マミは跳躍する。
直後、彼女の体が光り輝いた。
そして、彼女の服装が替わっていく。
黒い帽子とコルセットが、白いブラウスが、黄色いスカートが、マミの体を彩っていく。
直後、彼女の体が光り輝いた。
そして、彼女の服装が替わっていく。
黒い帽子とコルセットが、白いブラウスが、黄色いスカートが、マミの体を彩っていく。
「あらあら……」
「な、何あれ!?」
「な、何あれ!?」
余裕がある反応の千鶴に対し、ユカリは驚愕に目と口を限界まで開く。
「あれって……まるで、魔法少女じゃない!」
◆ ◆ ◆
それは、戦いと呼ぶにはあまりに一方的だった。
テラフォーマーは投石を攻撃に用いることもあるし、銃を扱う知能もある。
だがここにある彼らが持っている武器は、石の棍棒だけだ。
距離を取って銃撃してくるマミには、なすすべがない。
一匹、また一匹と、テラフォーマーが弾丸を脳天に撃ち込まれていく。
だが脳を破壊されてもなお、テラフォーマーは動き続ける。
テラフォーマーは投石を攻撃に用いることもあるし、銃を扱う知能もある。
だがここにある彼らが持っている武器は、石の棍棒だけだ。
距離を取って銃撃してくるマミには、なすすべがない。
一匹、また一匹と、テラフォーマーが弾丸を脳天に撃ち込まれていく。
だが脳を破壊されてもなお、テラフォーマーは動き続ける。
「なんであれで死んでないのよ~!」
ユカリは眼前のグロテスクな光景に耐えきれず、目をつぶってうずくまってしまった。
一方のマミは、至って冷静だ。
一方のマミは、至って冷静だ。
「頭を打っても死なないってことは、やっぱり普通の生き物じゃないみたいね。
なら……まるごと全部吹き飛ばす!」
なら……まるごと全部吹き飛ばす!」
どこからともなく、マミ本人と同程度、あるいはそれより大きそうな大砲が出現する。
その照準をゴキブリの群れに合わせ、マミは叫ぶ。
その照準をゴキブリの群れに合わせ、マミは叫ぶ。
「ティロ・フィナーレ!」
轟音。そして宣言どおり、テラフォーマーたちは跡形もなく消え去った。
◆ ◆ ◆
「すごいわね、巴さん! まるで漫画のヒーローみたい!」
「そ、そうかしら? 面と向かって褒められると照れるわね」
「そ、そうかしら? 面と向かって褒められると照れるわね」
戦いが終わり、朗らかに会話するマミと千鶴。
ユカリは、その光景を涙目のまま見つめていた。
ユカリは、その光景を涙目のまま見つめていた。
(やっぱりこの人たち、すごすぎるよ……)
【天川ユカリ@からかい上手の高木さん】
[状態]軽い鬱
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]基本行動方針:生き残る
1:二人についていけるか不安
[備考]
アニメ版2期からの参戦です。
[状態]軽い鬱
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]基本行動方針:生き残る
1:二人についていけるか不安
[備考]
アニメ版2期からの参戦です。
【那波千鶴@魔法先生ネギま!】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]基本行動方針:生還する
[備考]
参戦時期は単行本8巻終了時点です。
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考]基本行動方針:生還する
[備考]
参戦時期は単行本8巻終了時点です。
【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]疲労(小)
[装備]なし
[道具]基本支給品、チョコボー@妖怪ウォッチシリーズ×9、ランダム支給品0~2
[思考]基本行動方針:殺し合いを止め、できれば主催者も倒す
1:参加者は可能な限り助けたい
[備考]
[状態]疲労(小)
[装備]なし
[道具]基本支給品、チョコボー@妖怪ウォッチシリーズ×9、ランダム支給品0~2
[思考]基本行動方針:殺し合いを止め、できれば主催者も倒す
1:参加者は可能な限り助けたい
[備考]
- 死亡する以前からの参戦です。
- テラフォーマーを、魔女のような超常の存在だと思っています
【チョコボー@妖怪ウォッチシリーズ】
ジバニャンの大好物である、スティック型のチョコ菓子。
食べるとちょっとだけ体力が回復する。
言うまでもないが、リアルの猫には絶対にチョコをあげてはいけない。
10本セットで支給されたが、1本はすでにユカリが食べている。
ジバニャンの大好物である、スティック型のチョコ菓子。
食べるとちょっとだけ体力が回復する。
言うまでもないが、リアルの猫には絶対にチョコをあげてはいけない。
10本セットで支給されたが、1本はすでにユカリが食べている。
【テラフォーマー@テラフォーマーズ】
NPC。
テラフォーミングの一環として火星に送り込まれたゴキブリが、異常進化により人間のような姿になった生物。
捕食や交配のためではなく、「生理的嫌悪感」から人間を襲う。
肉体構造上、頭部を破壊しても即死はしない。
確実に仕留めたい場合は、急所が集中している首を狙う必要がある。
NPC。
テラフォーミングの一環として火星に送り込まれたゴキブリが、異常進化により人間のような姿になった生物。
捕食や交配のためではなく、「生理的嫌悪感」から人間を襲う。
肉体構造上、頭部を破壊しても即死はしない。
確実に仕留めたい場合は、急所が集中している首を狙う必要がある。
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