(何だか知らねえが面倒くせえモンに巻き込まれちまったな……。)
長身のガンマンのような男が、大きくため息をついた。
彼の名前はホル・ホース。
『皇帝(エンペラー)』のスタンドを持ったDIO配下の殺し屋の一人である。
長身のガンマンのような男が、大きくため息をついた。
彼の名前はホル・ホース。
『皇帝(エンペラー)』のスタンドを持ったDIO配下の殺し屋の一人である。
(とりあえず、誰か他の参加者を見つけて、組まねえとな。)
彼としては、ゲームに乗る乗らないはあまり考えていなかった。
ただ、それよりも「誰と組むか」が重要だった。
自分のスタンドだけではとても参加者全員を全滅できそうにないし、自分の身を守るにしたって心もとないという自覚はあった。
彼としては、ゲームに乗る乗らないはあまり考えていなかった。
ただ、それよりも「誰と組むか」が重要だった。
自分のスタンドだけではとても参加者全員を全滅できそうにないし、自分の身を守るにしたって心もとないという自覚はあった。
(まずはそいつと組んで、それからどうするか決めるか。)
協力者がゲームに乗ると言えば、協力して参加者を狩り続ければ良いし、この戦いから脱出すると言えば、邪魔者を倒し続ければ良い。
彼はナンバー1よりもナンバー2を目指す性格だが、そのスタンスはここでも変わらない様である。
協力者がゲームに乗ると言えば、協力して参加者を狩り続ければ良いし、この戦いから脱出すると言えば、邪魔者を倒し続ければ良い。
彼はナンバー1よりもナンバー2を目指す性格だが、そのスタンスはここでも変わらない様である。
暫く歩くと、何かを踏みつけた。
(ん?何だこりゃあ!?)
靴底に付いたそれを、おっかなびっくり見てみると、それは紙人形だった。
夜の色に紛れた黒い紙を使っているため、よく見ないと分からなかった。
(ん?何だこりゃあ!?)
靴底に付いたそれを、おっかなびっくり見てみると、それは紙人形だった。
夜の色に紛れた黒い紙を使っているため、よく見ないと分からなかった。
(誰だよ。こんな所にこんなゴミ捨てやがった奴は……。)
しかし、考え方を変えればこの近くに参加者がいる可能性が高い。
こんな会場に紙人形を作って捨てる奴なんてロクな奴でも無さそうだが、もし会って気に食わなければ捨て置くなり殺すなりすればいい。
しかし、考え方を変えればこの近くに参加者がいる可能性が高い。
こんな会場に紙人形を作って捨てる奴なんてロクな奴でも無さそうだが、もし会って気に食わなければ捨て置くなり殺すなりすればいい。
そう考えていると、近くの大木の近くから鋏の音が聞こえてきた。
(あの辺りにいるな。まだ紙人形作り足りねえのかよ……。)
足音を立てず、息を殺して大木の裏側をのぞき込む。
足音を立てず、息を殺して大木の裏側をのぞき込む。
(何だ……?あれ?)
ハサミの持ち主がいると思いきや、そこにいたのは巨大なハサミそのものだった。
ハサミの持ち主がいると思いきや、そこにいたのは巨大なハサミそのものだった。
(もしや、あれも一種のスタンドか?)
ハサミの姿をしたスタンドが、独り歩きしている。
そうでも考えなければ決してあり得ないような光景が、彼の前に広がった。
ハサミの姿をしたスタンドが、独り歩きしている。
そうでも考えなければ決してあり得ないような光景が、彼の前に広がった。
「あれ?」
ハサミはやや高い声を上げてぐるりと回転し、ホル・ホースを見つめる。
もっとも彼に眼はないのだが、ホル・ホース自身に見つめられているという感覚があった。
ハサミはやや高い声を上げてぐるりと回転し、ホル・ホースを見つめる。
もっとも彼に眼はないのだが、ホル・ホース自身に見つめられているという感覚があった。
「おう、テメエは何者だ。ここで何をしている?」
異様な姿をした相手にも怯まず、聞きたいことを質問する。
異様な姿をした相手にも怯まず、聞きたいことを質問する。
「ぼくはブンボー軍団の一人、ハサミさ。覚えなくていいよ。」
ブンボー軍団とは何のことか分からないが、それ以上に最後の言葉が分からなかった。
ブンボー軍団とは何のことか分からないが、それ以上に最後の言葉が分からなかった。
「キミはぼくのオモチャになるんだから。」
言うが速いか、ハサミは体を水平にしてホル・ホースに斬りかかった。
いや、漢字で書くなら「切りかかった」が正しいかもしれないが。
言うが速いか、ハサミは体を水平にしてホル・ホースに斬りかかった。
いや、漢字で書くなら「切りかかった」が正しいかもしれないが。
「ッ!!」
ホル・ホースは強引に高く跳び上がり、斬撃、いや、挟撃を躱した。
ホル・ホースは強引に高く跳び上がり、斬撃、いや、挟撃を躱した。
「エンペラー!!」
西部劇の服装を身に纏った男はそう叫ぶと、メギャンという独特な音と共に右手に銃が現れた。
西部劇の服装を身に纏った男はそう叫ぶと、メギャンという独特な音と共に右手に銃が現れた。
「銃は剣より強しってヤツだぜ」
そのまま走り、ハサミから距離をとったホル・ホースは発砲する。
そのまま走り、ハサミから距離をとったホル・ホースは発砲する。
「お!?」
突然現れた拳銃にハサミはいささか驚くも、弾の遅さに安堵した。
同じブンボー軍団であった、パンチが出した紙弾の速度の方が早いくらいだ。
この程度の速さの弾なら、容易にちょん切ることが出来る。
突然現れた拳銃にハサミはいささか驚くも、弾の遅さに安堵した。
同じブンボー軍団であった、パンチが出した紙弾の速度の方が早いくらいだ。
この程度の速さの弾なら、容易にちょん切ることが出来る。
(かかったな!アホがッ!!)
弾はハサミの両刃に挟まれる直前、大きくベクトルを変えてハサミの背後に回り込む。
「マジ、マジ、マジ!?なにそれ!軌道が変わる弾丸とか、マジ~!?」
弾はハサミの両刃に挟まれる直前、大きくベクトルを変えてハサミの背後に回り込む。
「マジ、マジ、マジ!?なにそれ!軌道が変わる弾丸とか、マジ~!?」
自分の攻撃を過去にも避けられたことはあるので、それには驚かなかったが、軌道が変わる弾丸には驚かざるを得なかった。
「弾丸だって俺の能力の一部なんだよ。」
狙いはハサミの支点。
人間とは違う体型をしたハサミの、夜でもわかるほど黒光りするカシメが、彼の首輪代わりになっているとホル・ホースは認識していた。
狙いはハサミの支点。
人間とは違う体型をしたハサミの、夜でもわかるほど黒光りするカシメが、彼の首輪代わりになっているとホル・ホースは認識していた。
しかし、ハサミもさることながら、体を横に回転させたり、縦に回転させたりして、エンペラーの弾丸を躱し続ける。
だが、このままでは勝利の軍配がホル・ホースに上がるのは時間の問題のように思えた。
「そういえばさあ、最初キミが聞いた、二つ目の質問に答えるの、忘れていたね?」
ちょこまか動く弾丸をあしらいながら、ハサミはホル・ホースに問いかける。
ちょこまか動く弾丸をあしらいながら、ハサミはホル・ホースに問いかける。
確かにホル・ホースの、「お前が何者か」という質問と、「ここで何をしている」という質問のうち、ハサミは前者しか答えていない。
「あ?そうだっけ?まあ、もう答えなくてもいいぜ。」
勝利を確信したホル・ホースは答えを待たずに弾丸を動かし続ける。
勝利を確信したホル・ホースは答えを待たずに弾丸を動かし続ける。
「ぼくはね、オモチャを作っていたのさ。首の周りに何があるか見てみるといいよ。」
ハサミは伊達男の話を無視して、得意げに答える。
ふと見ると、ホル・ホースの首輪の周りに、2,3の紙人形がしがみ付いていた。
ふと見ると、ホル・ホースの首輪の周りに、2,3の紙人形がしがみ付いていた。
(これは……あの時の……!!)
ホル・ホースが最初に見たときから、ずっと靴にしがみ付いて、反撃の時を手ぐすね引いて待っていたのだ。
ホル・ホースが最初に見たときから、ずっと靴にしがみ付いて、反撃の時を手ぐすね引いて待っていたのだ。
夜に紛れた黒い紙であったことと、目の前にいたハサミという敵に夢中であったことで、ホル・ホースさえも気づかなかった。
「そいつらはボクの兵隊さ。そいつらがちょっとキミの首輪を引っ張るとね……。」
「ちっ……ぬかったな……!!」
「ちっ……ぬかったな……!!」
このままでは、自分は最初に見せしめにされた相手のような最期を迎えるだろう。
だが、せめて相打ちにしようとする。
「でも、ボクはキミが気に入った。だから、キミもその銃弾を止めてよ。」
突然、何かを思い出したかのように紙の兵隊がホル・ホースから離れた。
ホル・ホースも興味深くなり、言われた通りスタンドを消す。
消した瞬間また兵隊が襲い掛かってくれば、再度エンペラーを使えばいいだけの話だ。
消した瞬間また兵隊が襲い掛かってくれば、再度エンペラーを使えばいいだけの話だ。
「殺意マンマンで襲い掛かってきた後に、どういう風の吹き回しだぁ?」
「ボクは強いキミが気に入ったんだ。ボクに協力してよ。」
「ボクは強いキミが気に入ったんだ。ボクに協力してよ。」
この状況で共倒れになるよりかは、彼としても数百倍ましではある。
「具体的におれに何をしろと?」
「簡単な話さ。ボクとオモチャ作りに協力すること。それと、もしこの会場で、ボクのオモチャ作りを邪魔した奴を見つけたら一緒に殺すこと。」
「なんだ。その程度のことでいいのか。だったら協力させてもらうぜ。」
「簡単な話さ。ボクとオモチャ作りに協力すること。それと、もしこの会場で、ボクのオモチャ作りを邪魔した奴を見つけたら一緒に殺すこと。」
「なんだ。その程度のことでいいのか。だったら協力させてもらうぜ。」
「じゃあ、協力のための握手だね。」
ハサミは刃を開いた状態で、ホル・ホースの方に向ける。
「それじゃおれの手が切れるじゃねえか!!」
「ごめんごめん。冗談だよジョーダン。」
ハサミは刃を開いた状態で、ホル・ホースの方に向ける。
「それじゃおれの手が切れるじゃねえか!!」
「ごめんごめん。冗談だよジョーダン。」
趣味と、復讐。ハサミが協力を持ち掛けた理由は、その二つだった。
かつてDIOの部下だった殺し屋は、別の世界の悪と共に歩むことになる。
かつてDIOの部下だった殺し屋は、別の世界の悪と共に歩むことになる。
「キミは強いし、イイやつって感じじゃなさそうだしね。」
(おれは女対しては誰よりもイイ奴なんだが、まあ今はいいか。それにおれはどこでも一番より、ナンバー2がいいしな。)
「それとボクにはいらないから、これ全部上げるよ。」
ハサミは近くの木に引っ掛けていた鞄を器用に開け、中から飲食料を全部出す。
(おれは女対しては誰よりもイイ奴なんだが、まあ今はいいか。それにおれはどこでも一番より、ナンバー2がいいしな。)
「それとボクにはいらないから、これ全部上げるよ。」
ハサミは近くの木に引っ掛けていた鞄を器用に開け、中から飲食料を全部出す。
「食料は取っておくに越したことはねえけどよ。ハサミの旦那はモノとか食べねえのか?」
「ボクらはモノは食べないよ。」
「そうか。ならありがたく受け取っておくぜ。」
「ボクらはモノは食べないよ。」
「そうか。ならありがたく受け取っておくぜ。」
(さーて、この関係はいつまで保つでしょう?)
ハサミとしてはあの場所で相打ちになるよりも、男を利用できるだけ利用しておいて、確実に殺せる時に殺しておこうと思った。
いざとなれば、自分の刃先に支給品の睡眠薬を塗って、無抵抗のまま嬲り殺せばいい。
それに、紙の兵隊が一度に動ける数が何故か限られているこの世界で、紙の兵隊より強い協力者は貴重な存在だ。
いざとなれば、自分の刃先に支給品の睡眠薬を塗って、無抵抗のまま嬲り殺せばいい。
それに、紙の兵隊が一度に動ける数が何故か限られているこの世界で、紙の兵隊より強い協力者は貴重な存在だ。
おまけにこの世界の住人は、ペラペラではなく、妙に肉厚だ。
ペラペラじゃない奴等で、どうやって新しいオモチャを作っていくか。
ペラペラじゃない奴等で、どうやって新しいオモチャを作っていくか。
久々に胸が高鳴り始めた。
最も、彼に心臓はないのだが。
最も、彼に心臓はないのだが。
【ホル・ホース@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダーズ】
[状態]:健康 疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品2セット(ハサミの分)、ランダム支給品1~3
[思考]:ハサミの旦那、中々やべえ奴だな。
基本:ハサミに協力する。
[備考]
※最低でもエンヤ婆戦後からの参戦です。
[状態]:健康 疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品2セット(ハサミの分)、ランダム支給品1~3
[思考]:ハサミの旦那、中々やべえ奴だな。
基本:ハサミに協力する。
[備考]
※最低でもエンヤ婆戦後からの参戦です。
【ハサミ@ペーパーマリオ オリガミキング】
[状態]:健康 気分はハイ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、折り紙セット(4/5 黒だけ使用済み)、睡眠薬入りアイスティー ランダム支給品0~1
[思考]:他のブンボー軍団も参加しているのかな?
行動方針:この世界で新しいオモチャを作る
1:ホル・ホースと協力し、会場を荒らし回る
2:もしも自分を殺した相手(マリオ)がいれば復讐する
3:隙を見てホル・ホースも殺す
4:最終的には優勝
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。
※ハサミの支点になるネジが、首輪代わりになっています。
[状態]:健康 気分はハイ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、折り紙セット(4/5 黒だけ使用済み)、睡眠薬入りアイスティー ランダム支給品0~1
[思考]:他のブンボー軍団も参加しているのかな?
行動方針:この世界で新しいオモチャを作る
1:ホル・ホースと協力し、会場を荒らし回る
2:もしも自分を殺した相手(マリオ)がいれば復讐する
3:隙を見てホル・ホースも殺す
4:最終的には優勝
[備考]
※本編死亡後からの参戦です。
※ハサミの支点になるネジが、首輪代わりになっています。
【睡眠薬入りアイスティー@真夏の夜の淫夢】
ハサミに支給された飲料。とあるホモの先輩が後輩にこれを飲ませてレ〇プした。
これを刃物に塗って斬り付けた場合、飲ませた時に比べてどれほど効果を発揮するかは不明。
ハサミに支給された飲料。とあるホモの先輩が後輩にこれを飲ませてレ〇プした。
これを刃物に塗って斬り付けた場合、飲ませた時に比べてどれほど効果を発揮するかは不明。
【折り紙セット@ペーパーマリオ オリガミキング】
赤・青・黄・白・黒の五枚1セットで入った巨大な折り紙。ハサミはこれで紙の兵隊や手を模した怪物を作ることが出来る。
※このゲームでは特別な制限があり、一度作ってから30分ほど経てばただの紙になる。
※折り紙1枚当たりで作れる最大数は、兵隊10+手1くらい。
赤・青・黄・白・黒の五枚1セットで入った巨大な折り紙。ハサミはこれで紙の兵隊や手を模した怪物を作ることが出来る。
※このゲームでは特別な制限があり、一度作ってから30分ほど経てばただの紙になる。
※折り紙1枚当たりで作れる最大数は、兵隊10+手1くらい。
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