拝啓、東郷さん、柴神様、お元気ですか
私は今でも元気です……いや、ちょっと元気じゃないかもです
隠しても仕方ないので先に言っちゃいますと、私は壊されてしまったようです
仕方なかったんです、気持ちいいのに耐えられなかったんです
心配しないでください、完全には壊されてはないからまだ大丈夫です。初めてをCOREに奪われちゃったのは悔しいですし
私が屈しっちゃったせいで国民のみんなが死んでしまったって事を理解した時、本当に死んでしまいたいなんて思ってしまいました
でも、利古里さんや平賀さんが無事逃げることが出来て、レジスタンスを結成しているなんて噂を耳にしたのをCORE達が話していたことを思い出しました
……諦めたくないと思いました。みんながまだ最後まで諦めていないのに、私だけ勝手に壊れてたらダメですもんね
私は取り返しがつかない事をしてしまいました。たとえそれを許してくれる人がいたとしても、私は永遠にそれに苦しみ続けることなるでしょう
だからこそ、最後の最後まで抗って、今度こそ勝ちたいと思うんです。
そして、全てが終わったら、今度こそ、みんなでお花見に行きたいですね。もうすぐ、桜の咲く季節ですもの
そして、全てが終わったら、今度こそ、みんなでお花見に行きたいですね。もうすぐ、桜の咲く季節ですもの
◯ ◯ ◯
会場屈指の森林地帯ウェイリング・ウッズ。この森の中で『何か』から逃げるように走り出している青年が一人
「クソッ!」
そう口走る青年の名はロック・ハワード。そしてその青年を追いかけるのは、棍棒を携え鎧を着込んだ巨大な緑色の怪物―――小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)と呼ばれるゴブリンの上位種
この会場に飛ばされた当初、こんな殺し合いなんかに乗るつもりもなく反逆を決意したロック・ハワードを襲ってきたのは数体のゴブリン。
養父仕込の格闘術でゴブリン程度など簡単に撃破。なのだが問題はこの次にやってきたこの小鬼英雄だ
意気揚々と倒そうとやったがいいが、思いの外タフであり、起死回生の手段として顔面にライジングタックルをぶちかまそうとしたがそこをカウンター気味に棍棒の一撃をお見舞いされるという始末
養父仕込の格闘術でゴブリン程度など簡単に撃破。なのだが問題はこの次にやってきたこの小鬼英雄だ
意気揚々と倒そうとやったがいいが、思いの外タフであり、起死回生の手段として顔面にライジングタックルをぶちかまそうとしたがそこをカウンター気味に棍棒の一撃をお見舞いされるという始末
全身を捩って受け身をとったまではよかったが、ガードした際に右腕の骨が折れてしまい、この状態ではあの化け物相手は厳しいと判断し現在逃走中
「……右腕さえまともに動けばあんなデカブツ!」
などと悪態をつきながらも森の中を走り続けるロック。だが右腕骨折の状態でかつ、こんな身動きのしづらいあのデカブツを倒すのは至難の業だ。せめて広い場所に移動できれば
そんな事を考えていたロックの視界の前に広がるのは、中心に誰かの像が鎮座されている平原空間
そして森と平原の境目に、白い衣装を纏った少女の姿
そんな事を考えていたロックの視界の前に広がるのは、中心に誰かの像が鎮座されている平原空間
そして森と平原の境目に、白い衣装を纏った少女の姿
「?!……あんた、そんな所にいてたらあぶねぇぞ! ……くそっ、もう追いつきやがったか!」
何故かいる少女にロックが逃げるように忠告するも、その直後に森の木々を押し分け小鬼英雄がロックに追いつく
「……ちぃ! だったら仕方ねぇ! こうなったら最後まで足掻いてや――」
右腕の骨折具合からしてどこまで叩けるかわからない。だが。見ず知らずの女の子が巻き込まれてしまうよりはマシだと、小鬼英雄に立ち向かおうとした直後
「――大丈夫です」
少女がそう言い溢すと、ロックの前に立ち、少女の姿を確認しさらに荒れ狂う小鬼英雄をじっと見据える
ロックが慌てて少女を引き留めようとするも
ロックが慌てて少女を引き留めようとするも
「(……刀?)」
彼女の手に握られた刀に一瞬目を留めてしまう。よく見れば鞘が二本。そのうちの一本を抜いているのである。更に
「(……何だ? 鞘の中、血に濡れて)」
血に濡れた鞘内に剣を仕舞った状態で、剣道で言うところの脇構えの格好をしている
そんな少女の姿に見とれている間にも、小鬼英雄は少女の真近くにまで接近――
そんな少女の姿に見とれている間にも、小鬼英雄は少女の真近くにまで接近――
「……な、あ!?」
した途端、小鬼英雄の胴体が真っ二つへに斬り裂かれ、上半身が地面に崩れ落ちた。
ロックには『視えなかった』。彼女が抜刀する瞬間を
ロックには『視えなかった』。彼女が抜刀する瞬間を
「……ふぅ」
ロックの静かな驚愕に目をくれず、緊張の糸がほぐれたかのように溜息をつく
『……やべいわこれ。とんでもない才能持ちの子に持たれてもうた』
「………は?」
「………は?」
そして、その直後に鞘から抜かれていない方の刀の柄から出てきた目玉の発言により、ロックの思考は大混乱に陥った
◯ ◯ ◯
「エクスカリバー星人だぁ?」
『せや。わしらの種族はいろんな武器になれる流動金属体の傭兵種族や。……まあ今はなんの因果かこの娘さんに使われてるわけやけど』
「あと、持ち主の身体能力を強化してくれるらしいんですよね。今のはそのおかげです。」
「まあこっちの説明は分かったが、……そっちの刀は何なんだ」
『斬刀・鈍って名前の刀らしいで。切れ味に特化してるとか。刀を血に濡らすことで摩擦係数が下がって居合の速度を上昇させたりも出来ると』
「……おいまさか」
「大丈夫です。斬ったのは襲いかかってきたゴブリン達ですので、ちょっと心苦しい所もありましたけど、まあ正当防衛ですね」
「オイオイ……」
『つーかすごいんやわこの娘。帝って言ってたんやけど、いくらうちの手助けがあったからってゴブリン退治の時点でこの有様や。いくらワイが今まで倒してきた相手の技術等を帝ちゃんがインストールされる形になったんやけどな、それにしてこの呑み込みの速度はなんなんや。上達速度が半端ないやんけ!』
『せや。わしらの種族はいろんな武器になれる流動金属体の傭兵種族や。……まあ今はなんの因果かこの娘さんに使われてるわけやけど』
「あと、持ち主の身体能力を強化してくれるらしいんですよね。今のはそのおかげです。」
「まあこっちの説明は分かったが、……そっちの刀は何なんだ」
『斬刀・鈍って名前の刀らしいで。切れ味に特化してるとか。刀を血に濡らすことで摩擦係数が下がって居合の速度を上昇させたりも出来ると』
「……おいまさか」
「大丈夫です。斬ったのは襲いかかってきたゴブリン達ですので、ちょっと心苦しい所もありましたけど、まあ正当防衛ですね」
「オイオイ……」
『つーかすごいんやわこの娘。帝って言ってたんやけど、いくらうちの手助けがあったからってゴブリン退治の時点でこの有様や。いくらワイが今まで倒してきた相手の技術等を帝ちゃんがインストールされる形になったんやけどな、それにしてこの呑み込みの速度はなんなんや。上達速度が半端ないやんけ!』
ロックの思考が落ち着いた後、お互い話し合うことになった二人
柄から目玉が生えた謎の生き物の名前はエクスカリバー星人のクサナギ。白衣装の少女は帝らしい。後者はそもそも役職名であるが。
刀の説明には呆れながら納得したロックであるが、事実クサナギ同様帝の戦闘技術には驚くしかなかった。クサナギ曰く本当に当初は剣術なんか覚えるはずもない箱入り娘だったらしいが、いくらクサナギの手助けがあったとしてもその強さはかなりのものだったとのこと
柄から目玉が生えた謎の生き物の名前はエクスカリバー星人のクサナギ。白衣装の少女は帝らしい。後者はそもそも役職名であるが。
刀の説明には呆れながら納得したロックであるが、事実クサナギ同様帝の戦闘技術には驚くしかなかった。クサナギ曰く本当に当初は剣術なんか覚えるはずもない箱入り娘だったらしいが、いくらクサナギの手助けがあったとしてもその強さはかなりのものだったとのこと
だが、クサナギもロックもその才能以上に気にかかっていたのが帝自身の事だ。白い衣装は「神風」なる現象を発生させるための儀式衣装というのまではよかった。
問題は彼女の瞳に光が灯っていないことだ。クサナギ曰く「心が半分ぐらい壊れている」との予想らしいが、彼女の内面に触れることは、今のロックにも、クサナギにも不可能であった
問題は彼女の瞳に光が灯っていないことだ。クサナギ曰く「心が半分ぐらい壊れている」との予想らしいが、彼女の内面に触れることは、今のロックにも、クサナギにも不可能であった
だが、そんな二人の心配に気づいていたようなのか、「私は大丈夫です」と言わんばかりに笑顔を振りまく帝。だが、ロックにもクサナギにも、そんな心残りな感情だけが二人の内に張り付いていた
◯ ◯ ◯
拝啓 利古里さん、平賀さん。お元気でしょうか? 無理をしていないですか?
私の心は半分ほど壊れてしまいましたが、私は何だかんだで元気です
ですけど私、バトル・ロワイアルという殺し合いに巻き込まれてしまいました
優勝すれば願いが叶うと言われましたが、『今の』私がそんな事を望むなんてありえないじゃないですか
私は私がやれることを頑張って、この殺し合いを止めたいと思います
誰か殺すことに抵抗はありますが、今更私にそんなことを言う資格はないと思いますので覚悟は決めました
そういえば私、生身で戦えるようになりました。それに手伝ってくれる仲間も増えました
ロック・ハワードさんって人と、クサナギさんという喋る刀です
私の心が半分ほど壊れていることに気づかれてしまいましたが、いつか時が来れば話すことにします
……なんて思いながら、二人には余計なことを背負い込んでほしくないと思っている私は、傲慢なのでしょうか
そうだ、もしすべてが終わりましたら。ロックさんやクサナギさんも花見に誘いたいと思っています
きっと、楽しい花見になりそうです
【帝@大帝国】
[状態]:健康、精神崩壊(中)
[服装]:「神風」儀式の衣装
[装備]:斬刀・鈍@刀語、クサナギ@銀魂
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1
[思考]
基本:殺し合いは止めないと
1:ロックさんとクサナギさんには余計なことを背負い込んでほしくない
2:東郷たちはいるのだろうか、いてくれたのなら嬉しい
[備考]
※キングコア編イベントフェイズ『振動実験』後からの参戦です
※自分の心がある程度壊れていることは自覚しています
※クサナギによって戦闘技術をある程度習得しました
[状態]:健康、精神崩壊(中)
[服装]:「神風」儀式の衣装
[装備]:斬刀・鈍@刀語、クサナギ@銀魂
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1
[思考]
基本:殺し合いは止めないと
1:ロックさんとクサナギさんには余計なことを背負い込んでほしくない
2:東郷たちはいるのだろうか、いてくれたのなら嬉しい
[備考]
※キングコア編イベントフェイズ『振動実験』後からの参戦です
※自分の心がある程度壊れていることは自覚しています
※クサナギによって戦闘技術をある程度習得しました
【ロック・ハワード@餓狼 MARK OF THE WOLVES】
[状態]:右腕骨折
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1
[思考]
基本:殺し合いに対して足掻く
1:帝の事が心配
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします
[状態]:右腕骨折
[服装]:いつもの服装
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1
[思考]
基本:殺し合いに対して足掻く
1:帝の事が心配
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします
【クサナギ(支給品)@銀魂】
[状態]:健康
[思考]
基本:とりあえず心配やけど、この嬢ちゃん(帝)と一緒についていく
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします
[状態]:健康
[思考]
基本:とりあえず心配やけど、この嬢ちゃん(帝)と一緒についていく
[備考]
※参戦時期は後続の書き手におまかせします
【クサナギ@銀魂】
エクスカリバー星人の一本
エクスカリバー星人の一本
【斬刀・鈍@刀語】
四季崎記紀が作り上げた完成形変体刀十二本の一つ。切れ味に主眼を置いた刀で、特殊な刀身によって物質の分子結合を破壊し、文字通りあらゆる物質を一刀両断することができる。見た目は普通
四季崎記紀が作り上げた完成形変体刀十二本の一つ。切れ味に主眼を置いた刀で、特殊な刀身によって物質の分子結合を破壊し、文字通りあらゆる物質を一刀両断することができる。見た目は普通
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